獣脚類(肉食恐竜)に関するニュース
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韓国、慶尚南道から1億2千万年前の獣脚類骨格 11.25.14
  朝鮮日報(日) 韓国国立文化財研究所(ハングル) The Korea Times
  聯合ニュース(日)
  韓国、慶尚南道河東郡金星面加徳里の白亜紀前期の地層ハサンドン(霞山洞)
 層から産出したものです。保存された骨格の体長は28p、推定体長約50pという、
 小型の獣脚類です。頭骨と下顎を含み、頭蓋長は約5.7p、同幅は2.6cmとのこと
 で、韓国で発見された恐竜として最小になります。中国の徐星から獣脚類骨格と
 推定されると確認されたそうです。
 この化石は10月8日、釣りをしようとやってきたジョ・インサンさんが偶然発見したも
 の。化石はもう1つ発見されていて、詳しく分析すれば2個体と判明する可能性も高
 いそうです。今後の研究とその成果が楽しみですね。 

ベネズエラ、ジュラ紀最前期から小型獣脚類記載 10.09.14
  サイエンス
  ベネズエラのジュラ紀最前期の地層から産出した、殆ど完全な右脛骨と左坐骨
 に基づいて記載されています。
 Tachiraptor admirabilis 新属新種
 属名は標本が産出した、ベネズエラの州 Tachira +"raptor"ラテン語で泥棒
 種小名は南米諸国を独立に導いた、シモン・ボリバルの立派なキャンペーンに
 おいて、産出地が戦略的に重要な地点であったことから。
 体長約1.5mと推定されています。
 系統的には、新獣脚類、アヴェロストラ類とされています。
 年代は約2億700万年前で、三畳紀末の大量絶滅から約100万年後となります。
 この約2か月前に記載されたLaquintasaura よりわずかに大きいようです。
 Max C. Langer, Ascanio D. Rincon, Jahandar Ramezani, Andres Solorzano &
 Oliver W. M. Rauhut (2014)
 New dinosaur (Theropoda, stem-Averostra) from the earliest Jurassic of the
 La Quinta formation, Venezuelan Andes.
 Royal Society Open Access Science 1: 140184 DOI: 10.1098/rsos.140184
 論文オープン

獣脚類の’半月状’手根骨の相同性とホメオティック形質転換 8.25.14
  アブストラクトほにゃ訳
  非鳥類および鳥類恐竜を結ぶ重要な構造である、’半月状’手根骨の相同性
 については、議論の的となっている。ここにいくつか獣脚類の手首の形態を記載
 し、’半月状’手根骨は、この特徴を有する獣脚類全てで同一の手首要素から
 形づくられているのではないこと、および、鳥類において最も外側の遠位手根骨
 が’半月状’手根骨の形成に関与していることは、かれらの非鳥類獣脚類の祖
 先から受け継いだものであることを実証する。関連する形態学的特徴の最適化
 は、これらの特徴がインクリメンタルな方法で進化し、’半月状’構造体は、おそ
 らく鳥類やその近縁の獣脚類における折り畳み式翼への選択の結果として、獣
 脚類の進化の中で外側方向へのシフトを受けた。私たちは、ホメオティック形質
 転換が、’半月状’手根骨の進化に関与していたことを提唱する。鳥類の翼の指
 の発生データと組み合わせることで、ホメオシスは一般的に獣脚類の手の進化
 に重要な役割を果たしたことを示唆している。
 Xing Xu(徐星), Fenglu Han & Qi Zhao (2014)
 Homologies and homeotic transformation of the theropod ‘semilunate’ carpal
 Scientific Reports 4, Article number: 6042 doi:10.1038/srep06042 論文

米ニューメキシコ州北西部サンフアン盆地の小型獣脚類の歯 4.09.14
  同盆地、白亜紀後期サントニアンからマーストリヒチアンにかけての地層
 から産出した小型獣脚類の歯化石を分析しています。白亜紀末まで小型獣
 脚類の多様性は保たれていたようです。
 Williamson TE, Brusatte SL (2014)
 Small Theropod Teeth from the Late Cretaceous of the San Juan Basin,
 Northwestern New Mexico and Their Implications for Understanding
 Latest Cretaceous Dinosaur Evolution.
 PLoS ONE 9(4): e93190. doi:10.1371/journal.pone.0093190 論文

 
ブラジル、リオ・グランデ・ド・スル州から2億3千万年前の恐竜化石 2.12.14
  Federal de Santa Maria大学 フォトギャラリー
  ブラジル最南部に位置する同州中部のSao Joao do Polesine市で、Federal de
 Santa Maria大学ほか2つの大学が共同で進めていた発掘により採集されたもの
 で、発掘地は、149号線沿いにあるCappaという集落から1qほどの小さい露頭と
 いうことです。
 恐竜化石は Luterana do Brasil 大学のSergio Furtado Cabreiraという研究者によ
 り発見されました。小型獣脚類の大腿骨です。地層の年代は約2億3千万年前と
 のこと。ブラジルで発見された三畳紀の獣脚類は少なく、これは1930年代に発見
 されたStaurikosaurus pricei 以来だそうです。その後殆ど完全な頭骨を含む体化
 石が発見されているので、記載の上、初期獣脚類の起源と進化について重要な
 情報をもたらすものと、考えられています。

獣脚類のクチバシはスタビライザー 12.04.13

謎めいた獣脚類恐竜 Yixianosaurus longimanus の系統的位置 9.23.13

ロシア、トランスバイカル地域の恐竜、続報 7.29.13
  chita.rfn.ru(ロシア語)
  7月16日付でトランスバイカル地域の恐竜発掘についてお知らせしました。
 この関連ニュースです。リンクのサイトでは、発掘された標本の写真とニュース発掘状況の
 動画があります。写真の標本がこの発掘のものだとすれば、かなり保存状態が良いもので
 すね。報道ではkulindodromeusという名がありますが、正式に記載されたわけではなさそう
 です。

ロシアで恐竜の歯見つかる 今の鳥類の祖先か!? 7.17.13
  ロシアの声
  「ベルギーの学者達による新しい発掘法により、脊椎やその一部、骨盤の骨、羽の断片を
 持つ様々な骨の遺物、節くれだったウロコ状の表皮など100件を超える発見があった」
 という発表があったとのことです。
 情報ソースとしては、昨日紹介のロシア科学アカデミーシベリア支部以上のものはないよう
 です。

ロシア、トランスバイカル地域の発掘から羽毛恐竜 7.16.13
  ロシア科学アカデミーシベリア支部(原羽毛らしいもののついた標本写真) www.vmdaily.ru
  ロシア語なので、よくわかりませんが、ロシア科学アカデミー、ベルギー王立芸術科学協
 会ほかフランスの研究者も加わり、トランスバイカル地域のジュラ紀恐竜の発掘調査が行
 われているそうです。
 その結果、羽毛痕跡のある恐竜化石ほか100点以上の成果があがっているそうです。
 地図で検索すると、バイカル湖北東のクリンダという地域と南東のザバイカリエ地方の、
 ノヴォパヴロフカという地域で集中発掘しているようです。

長崎県から初の獣脚類恐竜歯化石 7.08.13
  福井県立恐竜博物館 福井新聞 長崎新聞 朝日新聞
  長崎半島西海岸の白亜紀後期の地層、三ツ瀬層(約8400万年前)から発見されたも
 のです。これまでハドロサウルス科の大腿骨やアズダルコ科翼竜の骨などが見つかっ
 ています。
 歯化石は2点で、1点は歯根側の約半分で、で長さ35.4mm、幅26.8o、厚さ11.2mmの
 大きさ、全体では約6pあったとされています。もう1点は別個体の歯化石で、長さ34.2
 o幅13.6mm。これらは国内で発見された歯化石の中でも大型のもので、恐竜の体長は
 7m超と推測されています。
 長崎市では25年度から27年度、同博物館の専門家を招き、1週間程度、長崎半島西海
 岸の恐竜化石の発掘・調査を行う予算を組んでいます。今後も新たな発見が期待されま
 すね。

Aurornis の年代に疑問が 6.07.13
  サイエンスNews & Analysis
  5月30日に記載論文がネイチャーで発表されたAurornis の年代について疑問が出
 されています。論文本文で触れられていませんが、supplementary information で、こ
 の標本の出自について、研究者が発掘したものではなく、購入されたものであること
 が、述べられています。そのため、年代は1億6500万年前ではなく3500万年新しい、
 1億2500万年前の義県層から産出したのではないかという疑いがもたれているそうで
 す。中国の化石ブラックマーケットについても述べられています。
 Michael Balter
 Authenticity of China's Fabulous Fossils Gets New Scrutiny
 Science 7 June 2013: Vol. 340 no. 6137 pp. 1153-1154
 DOI: 10.1126/science.340.6137.1153

鳥類の初期系統問題を解決する、ジュラ紀のアヴィアラエ類恐竜 5.30.13
  ネイチャーニュース ナショナルジオグラフィック(日)
  中国遼寧省建昌県要路溝(Yaolugou, Jianchang)のTiaojishan(髫髻山)層(中-後期
 ジュラ紀)から産出した、アヴィアラエ類(鳥群)恐竜を記載しています。
 Aurornis xui 新属新種
 属名はAurora ラテン語で夜明け+Ornis ギリシャ語で鳥。
 種小名は徐星に献名。
 系統上の位置づけとして、この恐竜を最も基盤的なアヴィアラエ類としています。
 シャオティンギアの記載論文では、始祖鳥を鳥類の系統からはずし、デイノニコサウ
 リア類に位置付けていました。この論文では、始祖鳥はアヴィアラエ類の系統に復帰
 し、アンキオルニスとシャオティンギアの間に位置しています。
 また、トロオドン科をアヴィアラエ類の姉妹群としています。シャオティンギアの記載論
 文では飛行は異なった系統で複数回起こったとしていました。この論文では、力飛行
 の起源はパラアヴィア類(原鳥類)の中1回のみであるとしています。
 そして、アヴィアラエ類とパラアヴィア類の初期多様化が中-後期ジュラ紀に起こったと
 しています。
 Nature(2013)doi:10.1038/nature12168
 Pascal Godefroit, Andrea Cau, Hu Dong-Yu, Francois Escuillie, Wu Wenhao
 & Gareth Dyke (2013)
 A Jurassic avialan dinosaur from China resolves the early phylogenetic
 history of birds アブストラクト

 
岩手県久慈から獣脚類の指の骨 3.30.13
  読売新聞 NHK 岩手日報 久慈琥珀博物館
  昨年5月5日、久慈琥珀博物館の採掘体験場で、当時12歳の佐々木貴杜さんが発見
 したものです。平山廉、對比地孝亘両氏の鑑定により、コエルロサウル類の後肢趾骨で
 あることが判明しました。東北地方から初めての獣脚類化石です。

単離歯から20種以上の小型獣脚類を記載 1.26.13
  アルバータ大
  北米西部の上部白亜系の10の地層から採集された、1,183の単離歯を比較分類することにより、
 20種以上の小型獣脚類が増えたそうです。
 Larson DW, Currie PJ (2013)
 Multivariate Analyses of Small Theropod Dinosaur Teeth and Implications
 for Paleoecological Turnover through Time.
 PLoS ONE 8(1): e54329. doi:10.1371/journal.pone.0054329 論文

 
リスのようなふさふさした尾をもつメガロサウルス上科恐竜 7.05.12
  ドイツ南部の約1億5千万年前の地層から産出した標本に基づいて記載されています。
 Sciurumimus albersdoerferi 新属新種
 属名は、樹上性リスの学名"Sciurus"+ギリシャ語"mimos"もどき⇒リスもどきの意味。その
 ふさふさした尾から。
 種小名は、標本を研究できるようにした、Raimund Albersdorferに献名。
 これまで「羽毛恐竜」はコエルロサウルス類以降の派生した恐竜にみられてきましたが、メガ
 ロサウルス類のような別系統の獣脚類でこのような外皮の特徴が確認されてのは初めての
 ことです。
 アメリカ自然史博物館ニュース 同プレスリリース ルードヴィッヒ・マクシミリアン大ニュース
 ナショナルジオグラフィック(日)
 Oliver W. M. Rauhut, Christian Foth, Helmut Tischlinger, and Mark A. Norell (2012)
 Exceptionally preserved juvenile megalosauroid theropod dinosaur with filamentous
 integument from the Late Jurassic of Germany
 PNAS アブストラクト

ブラジルから初めてのMegaraptor類 4.14.12
  後期白亜紀( Maastrichtian )Sao Jose do Rio Preto 層から産出した椎骨を記載しています。
  Ariel H. Mendez, Fernando E. Novas Fabiano V. Iori (2012)
 First record of Megaraptora (Theropoda, Neovenatoridae) from Brazil.
 Comptes Rendus Palevol (advance online publication)
  http://dx.doi.org/10.1016/j.crpv.2011.12.007

アルゼンチン、パタゴニアから卵と共に発見されたアルバレッツサウルス科恐竜記載 4.11.12
  ウプサラ大 
  アルゼンチン、北部パタゴニア、Salitral Ojo de Agua 産地の約7000万年前の地層から産出した、頭部
 より後方の不完全な骨格と、共産した卵を記載しています。
 アルバレッツサウルス科恐竜において、骨化石と卵化石が一緒に発見されたのは初めてのことだそうで
 す。卵は脛骨の先に2個産出しています。
 Bonapartenykus ultimus 新属新種
 骨格の特徴はPatagonykus と近縁で、両属で新亜科、パタゴニクス亜科を構成するとしています。
 卵はArriagadoolithidae(日本語で何科というかわかりませんでした)の新分類群
 Arriagadoolithus patagoniensis として記載されています。卵の形質から、他地域では消滅してしまった、
 アルバレッツサウルス科恐竜の祖先形質がパタゴニアでは白亜紀末期まで残っていたことを示唆する
 としています。
 1.Federico L. Agnolin, Jaime E. Powell, Fernando E. Novas, Martin Kundrat.(2012)
 New alvarezsaurid (Dinosauria, Theropoda) from uppermost Cretaceous of north-western Patagonia
 with associated eggs.
 Cretaceous Research, 2012; 35: 33 DOI: 10.1016/j.cretres.2011.11.014

中国遼寧省、竜脚類の肋骨から獣脚類の歯 4.18.12
  遼寧省北票市近郊の下部白亜系Yixian(義県)層Jianshangou(尖山溝)部層から産出した、竜脚類肋
 骨を記載しています。その肋骨には種不明獣脚類の歯が埋まっているので、その食性の直接証拠だ
 としています。
 肋骨は、Dongbetitan 完模式標本の一部です。歯を熱河生物群の他の獣脚類と比較すると、中型の新
 種のものであることがわかりました。生きているものを倒したのではなく、屍体を食べているときに刺さっ
 たものだそうです。このことから、これまで小型以外ほとんど知られていなかった同地域のその時代に
 中型獣脚類も生息していたことがわかりました。
 Xing L., Bell, P.R., Currie, P.J., Shibata M., Tseng K. & Dong Z. (2012)
 A sauropod rib with an embedded theropod tooth: direct evidence for
 feeding behaviour in the Jehol group, China.
 Lethaia (advance online publication) DOI: 10.1111/j.1502-3931.2012.00310.x. アブストラクト 論文

内蒙古自治区産のLinhenykus と比定される、関節した足 1.30.12
  中国内蒙古自治区、バヤン・マンダフのウランスハイ層から産出したノジュールから見つかった、
 Linhenykus(アルバレツサウルス上科、パルヴィクルソル亜科) の関節した足について記載して
 います。これは、派生したアルバレツサウルス類において最初に記載された足の一つであり、アル
 クトメタタルサル分類群における遠位第三中足骨の前面の外側方向のフランジの進化について
 議論されるとしています。
 David W.E. Hone, Jonah N. Choiniere. Qingwei Tan, and Xing Xu
 Acta Palaeontologica Polonica in press available online 27 Jan 2012
 doi:10.4202/app.2011.0127 アブストラクト

 
熊本県上天草市で恐竜化石 1.16.12
  西日本新聞 熊本日日新聞
  上天草市龍ケ岳町の沿岸部、姫浦層群の約8500万年前の地層から、氷川町在住の化石
 愛好家山田良二さん(55)が約10年前に発見したもの。御船町立恐竜博物館の池上直樹学
 芸員によると、断定は難しいが恐竜化石の可能性が高い。獣脚類の末節骨ではないかという
 ことです。

鎧竜Euoplocephalus 頭蓋の内部構造 9.30.11
 光学的観察及びCTスキャンにより、Euoplocephalus 頭蓋の内部構造を明らかに
 しています。
 Tetsuto Miyashita(宮下哲人), Victoria M. Arbour, Lawrence M. Witmer, Philip J. Currie
 The internal cranial morphology of an armoured dinosaur Euoplocephalus
 corroborated by X-ray computed tomographic reconstruction
 Journal of Anatomy(advance online publication)
 DOI: 10.1111/j.1469-7580.2011.01427.x
 アブストラクト
 アルバータ大ニュース(動画と他の動画へのリンクあり)

新種の恐竜アンデスで発見 1.14.11
  朝日新聞 シカゴ大ニュース
  アルゼンチンのアンデス山脈で三畳紀後期の獣脚類が記載されています。
 Eodromaeus murphi と命名されています。
 Martinez et al.(2011)
 A Basal Dinosaur from the Dawn of the Dinosaur Era in Southwestern Pangaea
 サイエンス1月14日号 DOI: 10.1126/science.1198467

  
獣脚類恐竜における顎の生体力学及び咬合能力 6.17.10
  獣脚類恐竜の頭骨・下顎の多様な形態にもかかわらず、その咬合作用のタイプに
 ついてはあまり研究されてこなかったということから、41の獣脚類分類群について、
 生体力学的プロファイリングをした論文が出ています。
 Manabu Sakamoto 2010
 Jaw biomechanics and the evolution of biting performance in theropod dinosaurs
  Proceedings of the Royal Society B.  doi: 10.1098/rspb.2010.0794
 アブストラクト 論文ダウンロードできます。
 この論文についての著者コメントは著者のブログRaptor's Nest

 
中国河南省西峡からアルバレツサウルス科 4.07.10
  中国科学院古脊椎動物与古人類研究所 サイエンスデイリー
  西峡県の上部白亜系Majiacun(馬家村)層から産出した、アルバレルサウルス科
 恐竜を記載しています。
 Xixianykus zhangi 新属新種
 属名はXixia:西峡+nykus  中国名:張氏西峡爪竜
 モノニクスのなかまで最も初期に現れ、原始的な形態をしているそうです。
 XING XU, DE-YOU WANG, CORWIN SULLIVAN, DAVID W. E. HONE, FENG-LU HAN,
 RONG-HAO YAN, & FU-MING DU
 A basal parvicursorine (Theropoda: Alvarezsauridae) from the Upper
 Cretaceous of China
 Zootaxa 2413: 1?19 プレビュー

 
手根骨関節の非対称性とマニラプトラ類恐竜における翼折りたたみの進化 3.04.10

後期ジュラ紀新疆ウイグル自治区から、基盤的アルバレツサウルス類 1.29.10

後期三畳紀の完全な竜盤類恐竜骨格及び恐竜の初期進化 12.12.09

新種のTレックス:恐竜は南米で分岐 12.11.09
  ナショナルジオグラフィック(日) nsf TAWA HALLAE
  このニュース表題はあまりよくありません。最古級の獣脚類で、気嚢のための穴
 が椎骨にあったこと、ヘレラサウルスを獣脚類に位置づけたこと、恐竜は進化の初
 期に3グループに分岐したこと等が明らかになったようです。
 ミネラルショーの取材でまだ論文も見ていないので、明日紹介します。

 
獣脚類恐竜は主に幼体を食べていた 8.10.09
  ユーレカアラート Ludwig-Maximilian大ニュース
  ナショナルジオグラフィック(日)
  T-REXなど大型獣脚類がトリケラトプスなど大型恐竜と闘っているシーンは
 イラストなどでよく見ます。しかし、こういったことは稀だったのではないかと
 いう研究が発表されました。恐竜幼体の化石が見つかることが非常に稀な
 ことから、獣脚類恐竜の主なエサは、これら幼体だったのではないかとして
 います。幼体を丸呑みにするT-REXのイラストを見るようになるのでしょうか。
 DAVID W. E. HONE AND OLIVER W. M. RAUHUT
 Feeding behaviour and bone utilization by theropod dinosaurs
 Lethaia Early View DOI:10.1111/j.1502-3931.2009.00187.x
 アブストラクト

獣脚類の叉骨 2.12.09
  Sterling J. Nesbitt, Alan H. Turner, Michelle Spaulding, Jack L. Conrad, Mark A. Norell
  The theropod furcula
  Journal of Morphology Published Online: 10 Feb 2009 DOI 10.1002/jmor.10724  
  アブストラクト
  獣脚類の叉骨についてレビュー。獣脚類の初期から存在していたことなど。

  そのほか同誌では
  Jaw mechanism and dental function in the late cretaceous basal eusuchian
   Iharkutosuchus
  もあります。アブストラクト

北海道上部白亜系蝦夷層群から産出した獣脚類化石 1.26.09
  Mizuki MURAKAMI(村上瑞季), Ren HIRAYAMA, Yoshinori HIKIDA and Hiromichi HIRANO
  A theropod dinosaur (Saurischia: Maniraptora) from the Upper Cretaceous Yezo Group
 of Hokkaido, Northeastern Japan
 Paleontological Research vol. 12 No. 4 pp.421-425

 北海道中川町で発見された獣脚類のツメ化石について記載しています。リンク先のページ
 では、テリジノサウルス類としていますが、論文ではそこまで断定していません。テリジノサ
 ウルス上科、オヴィラプトロサウリア類、デイノニコサウリア類のいずれからしいが、より細か
 いクレードまで診断する他の形質を欠くので、マニラプトラ類とだけしておくという結論になっ
 ています。

 
鳥類への進化の鍵を握る新種の恐竜発見 1.19.09
  ナショナルジオグラフィックニュース(日)
  Xing Xu(徐星) , Qi Zhao, Mark Norell, Corwin Sullivan, David Hone, Gregory Erickson,
  XiaoLin Wang, FengLu Han and Yu Guo1
  A new feathered maniraptoran dinosaur fossil that fills a morphological gap in avian origin
  Chinese Science Bulletin(科学通報)DOI 10.1007/s11434-009-0009-6
  アブストラクト
  中国遼寧省西部の葫芦島市建昌(Jianchang)県要路溝(Yaolugou)郷のジュラ紀から白亜紀
 の年代不詳の湖成堆積層から産出した非常に小型のアヴィアラエ類を記載しています。
 Anchiornis huxleyi gen. et sp. nov.
 属名は‘Anchi’ギリシャ語ですぐ近くの意味+‘ornis’鳥→鳥類に非常に近縁なことを意味
 する。
 種小名は鳥類の起源研究に先駆的役割を果たしたT. H. Huxleyに献名。
 完模式標本(IVPP) V14378は、頭部や椎骨の一部、尾椎の一部を欠いた骨格です。
 推定体重110gという、獣脚類中最小となるものです。また、前肢のプロポーションがより長く
 太くなる点、手首の可動性が高い点など鳥類寄りの特徴をもっています。
 
 
モンゴル産のアルバレツサウルス類 Ceratonykus oculatus 1.14.09
  V. R. Alifanov and R. Barsbold
  Ceratonykus oculatus gen. et sp. nov., a New Dinosaur (?Theropoda, Alvarezsauria)
  from the Late Cretaceous of Mongolia
  Paleontologicheskii zhurnal 2009, 1: pp.86-99
  モンゴルの上部白亜系、バルンゴヨト層から産出した、断片的な骨格に基づき、アルバ
 レツサウルス類、パラヴィクルソル科(Parvicursoridae)モノニクス亜科の新属新種として
 記載しています。
 他のアルバレツサウルス類と比べ、短い大腿骨、長い足根中足骨、かなり退縮した第3
 中足骨などの特徴があります。手根中手骨にはスパイクのような骨が含まれる。…
 キャストから得られたデータからアルバレツサウルス類は獣脚類であることに疑いがもた
 れるとしています。
 参考:Flickr

 
中国ジュラ紀層から出土した長いリボン状の羽毛をもつ奇妙なマニラプトラ類
  10.23.08
 Epidexipteryx hui 続報 10.27.08
  中国の科学者が発見 鳥類に近い恐竜の化石 人民日報日本語版24日付
   恐竜名を「胡氏耀竜」としか紹介しないのは… ちなみに英文版ではHushiyaolong
  その「胡氏耀竜」は、10月25日から北京の中国古動物館で特別展示中です。

 
 カナダ、アルバータ州から産出したアルバレツサウルス科Albertonykus borealis
  10.13.08
  9月下旬に報道されていましたが、紹介しそこなったので今頃入れています。

 
豪、クイーンズランド州Wintonで大型獣脚類化石発見 9.16.08
  couriermail.com
  2001年以来、クイーンズランド博物館Australian Age of Dinosaursは、クイーン
 ズランド州Wintonで、恐竜化石の発掘を行っています。これまでに、豪州最大の恐
 竜"Eliot"などが発見されています。
 この夏も2週間の発掘を行ったそうですが、9800万年前の地層から発掘した化石の
 中には大型獣脚類のものと見られるものもあるそうです。
 これまで、大型獣脚類の足跡は発見されていますが、化石骨は未発見だったそうで
 す。

 
篠山市立大山小学校6年生による獣脚類の歯の化石発見 7.31.08
  兵庫県立人と自然の博物館ニュース
  総合的な学習の時間の授業中に篠山川河川敷で発見したそうです。長さは約
 6mm程度とのことです。

石川県白山市白峰から長さ8.2cmの恐竜歯化石 7.22.08
  毎日新聞 読売新聞 読売新聞
  川原に落ちていた岩に歯の根元が・・・発見者は金沢市の会社員宇都宮聡さん。
 写真を見ると、かなり保存状態が良いので、ある程度の種類は推定できるのでは・・・

デンマーク、バルト海Bornholm島最下部白亜系Rabekke層から産出した獣脚類の歯 5.03.08
  Lindgren, J., Currie, P.J., Rees, J., Siverson, M., Lindstrom, S., and Alwmark, C. 2008.
  Theropod dinosaur teeth from the lowermost Cretaceous Rabekke Formation on Bornhom, Denmark.
  Geobios 41(2):253-262. doi:10.1016/j.geobios.2007.05.001 
  
  表題のとおり、同島最下部白亜系(lower Berriasian)Rabekke層から産出した獣脚類の歯を記載
 しています。ドロマエオサウルス科所属不明、マニラプトラ類所属不明とされるものです。
 うち、マニラプトラ類とされる歯の形態的に異常な歯冠には、不均一な幅の三角形の鋸歯があり、
 これは上部白亜系の歯をもつ潜水鳥類ヘスペルオルニス科に時折見られる特徴ですが、また、
 英国下部白亜系から産出したヴェロキラプトル類Nuthetes の前上顎歯にも見られる特徴であると
 しています。

  
MEGALOSAURUS BUCKLANDII の分類学上の状態 3.17.08
  ROGER B. J. BENSON, PAUL M. BARRETT, H. PHILIP POWELL, DAVID B. NORMAN (2008)
  THE TAXONOMIC STATUS OF MEGALOSAURUS BUCKLANDII (DINOSAURIA,
  THEROPODA) FROM THE MIDDLE JURASSIC OF OXFORDSHIRE, UK
   Palaeontology 51 (2) , 419?424 doi:10.1111/j.1475-4983.2008.00751.x
  アブストラクト

  メガロサウルスは、その記載が全ての恐竜の中で最も早いものでありながら、分類上の位
 置づけやその特徴がはっきりしないままになっています。後模式標本である右歯骨には、科
 学的に記載された最初の恐竜として有効な特徴があるが、それ以上の系統的な位置づけを
 確定させる何らかの材料もない。しかしそれはアベリサウルス科でもコエロフィシス上科でも
 なく、全てのスピノサウルス科に見られる歯骨の固有派生形質もない。このあいまいさのため
 より系統的な位置づけが明らかになるまで「メガロサウルス科」は今後使用すべきでないと、
 しています。

獣脚類の歯データベース 12.12.07
  James Farlow が1991年にModern Geologyに掲載した、獣脚類の歯の形とセレーションの密度
 に関する論文が元とした歯の寸法のデータということです。
 PDF画像ファイルでhttp://sharebee.com/99f042f4にアップされています。64MBほどあります。
 上記リンクページを開いてから、さらにMegaupload など別のリンクを左クリックし、別ウィンドウを
 開いてから、所定の時間、ファイルダウンロードできるまで待つと、ダウンロードできるようになり
 ます。

和歌山県から獣脚類の歯発見 11.02.07
  東京新聞
  今年6月6日(水)、和歌山県立自然博物館の調査により同県有田郡湯浅町の湯浅層から
 発見されました。長さ(歯冠高):26.0mm 幅(歯冠基部前後長):11.8mmの獣脚類の歯です。
 11月3日(土)から3月30日(日)まで、同博物館で展示されます。

Cryolophosaurus ellioti の骨学 10.04.07
  かつて「ジュラ紀のエルヴィス・プレスリー」と、恐竜学最前線で紹介されたことが、思い出
 されます。下の論文では347の形質を比較して、その系統を分析しています。
 NATHAN D. SMITH, PETER J. MAKOVICKY, WILLIAM R. HAMMER, PHILIP J. CURRIE (2007)
 Osteology of Cryolophosaurus ellioti (Dinosauria: Theropoda) from the Early Jurassic of
 Antarctica and implications for early theropod evolution
 Zoological Journal of the Linnean Society 151 (2), 377?421.
 doi:10.1111/j.1096-3642.2007.00325.x

アルゼンチン、リオネグロ州から新しいアルヴァレツサウルス科恐竜 9.18.07
  AGUSTIN G. MARTINELLI & EZEQUIEL I. VERA 2007
  Achillesaurus manazzonei, a new alvarezsaurid theropod (Dinosauria) from the
  Late Cretaceous Bajo de la Carpa Formation, Rio Negro Province, Argentina
  Zootaxa 1582: 1?17 (2007) アブストラクト(PDF)

  アルゼンチン、リオネグロ州Bajo de la Carpa層(サントニアン)から1995年の発掘で発見された仙椎、
 尾椎骨、後肢の骨の部分などMACN-PV-RN 1116に基づいて記載されています。

 Achillesaurus manazzonei gen. et. sp. nov.
 属名は古代ギリシャの詩人ホメロスによりイリアッドに書かれた英雄アキレスの弱点、アキレスのかかと
 から。その理由は、完模式標本骨格のこの部分に分類を識別する特徴があるから。
 種小名は、パタゴニアの化石サイトの価値あるデータをもたらし、いくつものフィールドトリップを支援した
 アマチュア古生物学者Rafael Manazzone教授に献名。

消えた、不可解な獣脚類 Aliwalia rex 11.05.06

Taking a bite out of the problem 11.10.05
  獣脚類の歯について比較可能な測定値データセットを確立し、分類できるよう
 にしたそうです。
 The Anatomical Record

  
非鳥獣脚類の呼吸は鳥類並に発達 7.14.05
  Basic avian pulmonary design and flow-through ventilation in non-avian
  theropod dinosaurs
  Patrick M. O'Connor and Leon P. A. M. Claessens
  ネイチャー7月14日号 
  Nature 436, 253-256 (14 July 2005) | doi: 10.1038/nature03716

  読売新聞 朝日新聞
  ネイチャーニュース オハイオ大ニュース ハーバード大ガゼット
  NSFプレスリリース

  
ペドペンナ飛行図 3.23.05
  Pedopenna は恐竜博2005でも展示されています。その飛行復元図が中国で
 出回っています。その姿はミクロラプトル・グイにそっくり。でも、前者の脚の羽毛
 長はそれほど長くありません。記者内覧会の時に徐星に質問したのですが、飛行
 能力はないと言っていました。ではどんな機能を持っていたかは、保温やディスプ
 レイ、獲物に脚が直接触れないなどの可能性があるが、はっきりとはわからない
 と答えていました。この図のような可能性はあまりないのでは?
 新華社 文新伝媒

中足骨に長い羽毛がある、中国産マニラプトラ類恐竜 2.13.05
  だらだら時間がかかって、まとまりつかない紹介になりました

  
豪、クイーンズランドで七面鳥サイズの獣脚類 9.25.03

獣脚類頭蓋強度と咬合強度の指標としての、眼窩のサイズ、形状、方向

SHUVUUIA DESERTI の新標本記載論文 11.22.02

韓国でこれまでで最大の恐竜の歯化石発見 9.04.02

獣脚類とティラノサウルス科のNexus File 5.19.02

モノニクス類に多数の尾椎骨と3本の指の存在を確認 4.23.02

シンタルスス消滅?2.03.02

アロサウルスは方向転換時に頭と尾を高く上げたか 8.27.01

ドイツの獣脚類8.09.01

米ニューメキシコから2種の獣脚類新発見6.19.01

肉食恐竜は集団で狩りをした11.23.00

歯に残る酸素同位体から獣脚類温血を9.16.00

サンタナラプトルの復元、発表7.28.00

O, for the wings of a dinosaur4.11.00

富山県大山町で富山で初めての恐竜歯化石発見6.23.99

メキシコで自然に形成された恐竜頭蓋のモールド発見3.16.99

ABCニュース羽毛恐竜の解説 2.27.99
 上野の科博でのシノサウロプテリクス公開も1週間後です。ここは一般的な解説ですが、
 羽毛恐竜全般について説明してあります。

スキピオニクスの解説(ワシントンポスト)2.22.99

ターボチャージャー付きの恐竜1.22.99

羽毛恐竜はダニに悩まされていた?12.10.98

Science Friday on Talk of the Nation 11.23.98

羽毛恐竜化石の写真公開 6.24.98

イタリアで恐竜化石発見だそうです。3.26.98