ホームへ

鳥類に連なる系統の恐竜は5千万年かけて体を小型軽量化 8.01.14
  サイエンス8月1日号日本語ハイライト(PDF) 47ニュース
  ユーレカアラート(Adelaide大 Southampton大)
  鳥類が非鳥獣脚類恐竜から進化したことは明白ですが、その詳細な過程に
 ついては未解明でした。今回の研究では、高度な統計的手法と120種の獣脚
 類と初期鳥類から記録された1549の形質データセットを用いて、あらゆす獣脚
 類の体サイズの変化と解剖学的進化の速度を計測しています。
 その結果、始祖鳥の登場以前5000万年間に平均163㎏あった体重が始祖鳥
 の0.8㎏まで12回かけて小型軽量化したことが明らかになりました。
  このように継続的な小型化が鳥類への進化を促進した要因の1つであり、も
 う1つは鳥類に連なる骨格構造の変化で、これは他の恐竜系統の4倍の速度
 で適応進化したということです。
 Michael S. Y. Lee, Andrea Cau, Darren Naish, and Gareth J. Dyke (2014)
 Sustained miniaturization and anatomical innovation in the dinosaurian
 ancestors of birds.
 Science 345(6196): 562-566 DOI: 10.1126/science.1252243
 アブストラクト

恐竜は温血でも冷血でもなく、その中間 6.13.14
  サイエンス6月13日号ハイライト(PDF) ネイチャーニュース ニューメキシコ大
  恐竜ルネサンス時代から、恐竜は温血か冷血か議論されてきました。今日のサイ
 エンスに載った論文では、その中間と結論づけています。
 化石に見られる年輪のような線で成長速度のみを見るのではなく、生物個体の成
 長パターン(生まれてから成体へと成長する際の体の大きさの変化)に基づいて代
 謝速度を推測するという新しい方法で研究しています。現生では、マグロ、ミツクリ
 ザメ科のサメやオサガメの代謝に類似するそうです。
 John M. Grady, Brian J. Enquist, Eva Dettweiler-Robinson, Natalie A. Wright,
 Felisa A. Smith.(2014)
 Evidence for mesothermy in dinosaurs
 Science Vol. 344 no. 6189 pp. 1268-1272
 DOI: 10.1126/science.1253143 アブストラクト

恐竜の装甲や棘はドロマエオサウルス類の寄生を避けるため? 6.10.14
  にわかには信じがたい奇抜な着想ですが、そんな論文が出ています。
 ケラトプシア類の頭のフリル、ランベオサウルス類のとさか、ハドロサウルス類の
 うろこ、パキケファロサウルスのドーム状の頭、ディプロドクス類の鞭打つ尾、ス
 テゴサウルス類のプレート等々、これらは種の区別、体温調節、性的アピールな
 どいろいろ理由づけがされていますが、大型肉食恐竜に対する防御としては力学
 的に役立たない。そこで、これはより小型のドロマエオサウルス類が背に寄生的
 な攻撃をしかける防御として発達したものである。また、しばしば大型恐竜の背か
 ら飛び降りたことが羽毛と飛行の起源を説明するかもしれない。としています。
 Garnet Fraser (2014)
  “Bizarre Structures” Point to Dromaeosaurs as Parasites and a New Theory
 for the Origin of Avian Flight.
 The Journal of Paleontological Sciences: JPS.C.2014.01論文

恐竜の放散はパンゲアから砂漠が縮小してから 5.23.14
  ナショナルジオグラフィック(日)
  北米で最古級の恐竜相化石を含む地層である、Los Colorados 層の年代を磁気
 により測定したところ、2億2700~2億1300万年の間(ノリアン)であることがわかり
 ました。これは最古の恐竜化石が産出されるアルゼンチンの地層年代2億3100万
 年前と比べると隔たりがあります。
 この理由について、パンゲア大陸内部の砂漠が恐竜の移動を妨げていたが、ノリ
 アンになり大気中の二酸化炭素が減少したことにより気候が涼しくなり、砂漠が縮
 小したためということです。
 Dennis V. Kenta, Paula Santi Malnis, Carina E. Colombi, Oscar A. Alcober, and
 Ricardo N. Martinezd.(2014)
 Age constraints on the dispersal of dinosaurs in the Late Triassic from
 magnetochronology of the Los Colorados Formation (Argentina)
 PNAS doi: 10.1073/pnas.1402369111 アブストラクト

ウランウラン・鉛年代測定法により、恐竜化石骨から直接年代測定 4.17.14
  米、ニューメキシコ州・コロラド州にある、サン・フアン盆地の地層から産出し
 た2つの恐竜化石骨から直接年代測定しています。1つは白亜紀・古第三紀
 境界よりすぐ下の地層からのもので73.6 ± 0.9 百万年を示し、近くの火山灰
 層の40Ar/39Ar法による年代73.04 ± 0.25 百万年とよく一致するとしています。
 もう1つの化石骨はこの境界より上の地層から産出したもので、年代は64.8 ±
 0.9 百万年。花粉、古地磁気などのデータと一致するとしています。
 James E. Fassett, Larry M. Heaman and Antonio Simonetti(2014)
 Direct U-Pb dating of Cretaceous and Paleocene dinosaur bones, San Juan
 Basin, New Mexico
 Geology doi: 10.1130/G31466.1 論文

皮骨の成長はエネルギー最小化の原理に従っているか? 3.15.14
  アブストラクトほにゃ訳
  絶滅種の組織や器官の成長と発達は直接観察できないが、その化石を記録
 することができ 、それらのメカニズムの証拠を保存することができる。これは、
 一般的に認められている 骨のアーキテクチャは、遺伝的に、生体力学の 制約
 に基づいているが、皮骨についてはどうだろうか?この論文では、頭蓋皮骨の
 成長における物理的な制約の影響が評価される。鱗竜類、単弓類、および主
 竜類間の比較がされている; これらの分析によると、鱗竜類の皮骨の成長は、
 単弓類や主竜類のそれよりも少ない厳しいエネルギーであることが予測されて
 いる。得られた結果は、またエネルギー的観点から、アンキロサウルス科恐竜
 の皮骨の成長は爬虫類のどれよりも哺乳類のそれに似ていて、 恐竜が冷血
 だったか温血だったかという議論に証拠をひとつ追加する。
 Sebastian Sensale, Washington Jones and R. Ernesto Blanco.(2014)
 Does osteoderm growth follow energy minimization principles?
 Journal of Morphology
 Article first published online: 13 MAR 2014 DOI: 10.1002/jmor.20273
羽毛恐竜のメラノソームの再検討 3.06.14
  ノースカリフォルニア大
  羽毛の色の元となっているのは本当にメラノソームか、再検討した研究です。
 これまでも微生物としている研究がありますが、今回両者の違いを徹底したもの
 です。それによると、メラノソームは全て細胞内にあるのに対し、微生物は、羽毛
 表面の連続した複数の層にわたって存在することが確認されました。
 既に公表された論文について再検討したところ、Gansus yumenensis (ANSP 23403
 について微生物が確認されたということです。
 Alison E. Moyer, Wenxia Zheng, Elizabeth A. Johnson, Matthew C. Lamanna,
 Da-qing Li, Kenneth J. Lacovara & Mary H. Schweitzer.(2014)
 Melanosomes or Microbes: Testing an Alternative Hypothesis for the Origin
 of Microbodies in Fossil Feathers
 Scientific Reports 4, Article number: 4233 doi:10.1038/srep04233 論文

中国内蒙古自治区寧城の、Daohugou(道虎溝)生物群の多様性 3.05.14
  ユーレカアラート ガーディアン
  中国北部の化石産地としては、遼寧省の産地が有名です。白亜紀前期の羽毛恐
 竜ほか様々な生物が報告されています。熱河生物群
 これに対し、隣接する内蒙古自治区、Ningcheng(寧城)のDaohugou(道虎溝)では、
 遼寧より3000万年前のジュラ紀中-後期の地層から、驚くほど保存のよい様々な
 生物が報告されています。これが、Daohugou(道虎溝)生物群と名付けられました。
 それは、巨大な恐竜ではなく、どちらかといえば小型ですばしこい生きものたちです。
 羽毛恐竜、翼竜の2大グループ間の移行的形態を示す種、ビーバーのように水中で
 生活していた哺乳類、ムササビのよに滑空をしていた哺乳類などです。現在、30種
 の脊椎動物(5種のサンショウウオ、1種の無尾類、2種のトカゲ、13種の翼竜、5種の
 恐竜、4種の哺乳類)が知られています。
 多くの標本に羽毛、毛皮さらに両生類の外鰓まで残る保存状態で、ジュラ紀の世界
 を包括的に垣間見せるものとなっています。そして、多くの生物グループの進化や多
 様化を研究する上で計り知れない価値をもつものとされています。熱河生物群とあい
 まって、長いスパンにわたる東北アジアの中生代生物の観察窓の役割を果たしてい
 くのでしょう。
 Corwin Sullivan, Yuan Wang, David W. E. Hone, Yuanqing Wang, Xing Xu &
 Fucheng Zhang (2014)
 The vertebrates of the Jurassic Daohugou Biota of Northeastern China.
 Journal of Vertebrate Paleontology 34(2): 243-280
 DOI:10.1080/02724634.2013.787316 論文

メラノソームの進化は、羽毛恐竜内の主要な生理学的変化を示している 2.13.14
  ユーレカアラート(テキサス大オースティン校)
  メラノソーム(メラニン含有細胞小器官)の多様化に着目した研究です。
 この研究では、181の有羊膜類現生標本、13のトカゲ、カメ、恐竜、翼竜の化石標
 本およびメラノソームの多様性に関する先行研究の全てのデータを用いています。
 その結果、現生のカメ、トカゲ、ワニなど外温性の爬虫類では、鳥類や哺乳類に比
 べ、メラノソームは遥かに多様化していないことがわかりました。
 では、羽毛恐竜の系列ではどうかというと、多様化の原点はマニラプトル類恐竜の
 中の羽毛の起源近くにあり、その後羽毛恐竜の進化に伴い爆発的に多様化した
 ことがわかりました。
 外温性の爬虫類で多様性の程度が低く、内温性の鳥類、哺乳類で多様性が高い
 こと、メラニン色系に関与する遺伝子の多くはまた、食物摂取、ストレス軸、および
 生殖行動のような他のコアプロセスに関与していることから、メラノソームの多様
 化はエネルギー代謝や生理の大きな変化にリンクしている可能性があります。
 メラソームから、こんなことまでわかるようになったのは驚きですね。
 Quanguo Li, Julia A. Clarke, Ke-Qin Gao, Chang-Fu Zhou, Qingjin Meng, Daliang
 Li, Liliana D’Alba & Matthew D. Shawkey.(2014)
 Melanosome evolution indicates a key physiological shift within
 feathered dinosaurs
 Nature (2014) doi:10.1038/nature12973 アブストラクト

Walking Like Dinosaurs 2.07.14
  鳥類はその祖先の獣脚類から2足歩行を受け継いでいますが、歩く姿勢はかなり
 違います。祖先に比べ、尾が短くなった分、重心が前方に移動しました。バランスを
 とるために、鳥類は大腿骨を寝かせ、人間でいえば空気椅子状態で歩いています。
 こんな現生鳥類から恐竜の歩き方を復元できるのか、興味深い論文が出ています。
 ニワトリに、人工の長い尾を取り付けて歩き方を比較するというものです。人工の尾
 を付けた場合には、重心が後方に移動し、大腿骨の角度が変わったそうです。
 このことから、現生鳥類を使っても恐竜の歩行復元の可能性が示唆されるとしていま
 す。
 Grossi B, Iriarte-Díaz J, Larach O, Canals M, Vásquez RA (2014)
 Walking Like Dinosaurs: Chickens with Artificial Tails Provide Clues about
 Non-Avian Theropod Locomotion.
 PLoS ONE 9(2): e88458. doi:10.1371/journal.pone.0088458 論文

2013年の恐竜、2013年の最も奇妙な動物 12.31.13
  一週間ほど前になりますが、natureworldnews.com で、今年の恐竜ストーリーを
 特集しています。
 ネオヴェナトル科の頂点捕食者Siats meekerorum、北米最古の堅頭竜 Acrotholus audeti
 T-REXはスカベンジャーではなく捕食者だった事、などのニュースを選んでいます。

 2013年、最も奇妙な動物、サイエンテイフィック・アメリカンが選んでいます。
 自分の母親の皮膚を食べて育つアシナシイモリの新種、乳白色の分泌物を捕食者の味覚や
 嗅覚を麻痺させるために使うウミウシ、体色を素早く鮮やかに変えた方が勝つカメレオンの
 喧嘩などをあげています。

羽毛は恐竜ではやはり例外的 12.28.13
  ネイチャーニュース
  英自然史博物館のPaul Barrett らが知られるすべての恐竜皮膚印象について、
 データベースをつくり、今年のSVP総会で発表したものです。それによると、恐竜の
 系統樹の殆どでウロコがメインで、羽毛は例外的な存在とわかったそうです。

恐竜の成長レートの推定を再検討 12.18.13
  ニューヨークタイムス 記事1 記事2
  この論文の著者はプロでなく、マイクロソフトの技術幹部だった方なんですが、す
 ごい人ですね!
 先行論文で成長曲線を描くに至ったデータを再検討すると、成長率はそんなに高く
 なく、先行論文のような曲線を描けるわけがないとしています。
 Myhrvold NP (2013)
 Revisiting the Estimation of Dinosaur Growth Rates.
 PLoS ONE 8(12): e81917. doi:10.1371/journal.pone.0081917 論文

鉄は化石遺骸の中に古代の組織を隠し保存する 11.28.13

CTスキャンと3Dプリンターで石膏ジャケット中の恐竜化石を再現 11.21.13

恐竜の脳の詳細なマップを作成 11.15.13

マイホーム予定地から化石 中国 10.31.13
  ライブドア 中国広播網
  四川省自貢の栄県旭陽鎮程家橋村でマイホームを建設していた蔡杭利が怪石発見、
 自貢博物館の鑑定で竜脚類化石と判明。新種の可能性があるそうです。

Ischigualasto層の脊椎動物タフォノミー 10.10.13
  同層から産出する脊椎動物化石の保存傾向について議論しています。
 Carina E. Colombi, Raymond R. Rogers & Oscar A. Alcober (2013)
 Vertebrate taphonomy of the Ischigualasto Formation. Basal sauropodomorphs
 and the vertebrate fossil record of the Ischigualasto Formation (Late Triassic:
 Carnian-Norian) of Argentina.
 Journal of Vertebrate Paleontology Memoir 12: 31-50
 DOI:10.1080/02724634.2013.809285 アブストラクト

カナダ、アルバータ北部でパイプライン作業員が恐竜尾椎発見 10.04.13
  CTV
  写真と動画があります。

ジュラシック・パークの夢、断たれる 9.13.13
  マンチェスター大
  映画ジュラシック・パークの設定では、琥珀の中の蚊の体内から恐竜の血液を取り出し、含
 まれるDNAから恐竜を再創造するということになっていました。
 マンチェスター大の David Penney らのチームは10,612年前とされるハリナシミツバチが入った
 琥珀(コーパル)の中からDNAを次世代シーケンスにより見つけ出す取り組みをしましたが、DNA
 の検出はなかったそうです。
 Penney D, Wadsworth C, Fox G, Kennedy SL, Preziosi RF, et al. (2013)
 Absence of Ancient DNA in Sub-Fossil Insect Inclusions Preserved in ‘Anthropocene’
 Colombian Copal.
 PLoS ONE 8(9): e73150. doi:10.1371/journal.pone.0073150 論文

1mもの恐竜化石を発見!続々と見つかる化石群 9.04.13
  テラフォー
  山東省莱陽市の発掘現場から長さ1300㎜の恐竜の大腿骨が発見された模様を紹介して
 います。

恐竜温血の新証拠 7.19.13
  アデレード大
  恐竜といえば温血と決まったものと思いがちですが、羽毛を持っているひとたちは別にして、
 巨体ゆえに慣性恒温性とされている恐竜も結構あります。
 そのような議論に一石を投じる研究です。内温性の哺乳類と外温性のイリエワニの筋力を比
 較したものです。結果、体重200㎏のワニでは哺乳類の14%の筋力であることがわかりました。
 イリエワニがさらに巨体になると、このレートはさらに低下するそうです。また、筋持久力の面
 でも哺乳類に劣るそうです。
 恐竜が中生代の長期にわたり哺乳類を圧倒して支配するには筋力・持久力とも哺乳類と同等
 以上でないと競争に負けてしまっただろうということです。
 Seymour RS (2013)
 Maximal Aerobic and Anaerobic Power Generation in Large Crocodiles versus Mammals:
 Implications for Dinosaur Gigantothermy.
 PLoS ONE 8(7): e69361. doi:10.1371/journal.pone.0069361論文

白亜紀北米の恐竜多様性は、頭蓋の形態の違いがもたらしている 7.12.13
  カナダ自然博物館
  カナダ、ダイナソーパーク層(上部カンパニアン)から産出した大型植物食恐竜の頭蓋約
 100個を調べ、食性に関連する形質の違いを研究した論文が出ています。
 当時の北米、ララミダ大陸は、広さ4~7百万㎢しかないのに、大型植物食恐竜が6から8種
 同時に共存していました。なぜこのようなことが可能だったのか研究したものです。
 仮説が2つたてられています。1つは植物が非常に豊富かつ恐竜の代謝が低かったので、
 共存することができた。第2の仮説は、食糧となる植物の量に限りがあったので、大型植物
 食恐竜は、それぞれ異なった食性をもって資源を分け合ったというものです。
 第2の仮説のため、約100個の頭蓋から現生の動物で食性の違いに関連する知られる12の
 形質、たとえば顎の深さ、くちばしの角度、筋肉挿入の大きさ、及び歯列の長さなどを調べ
 ています。その結果、意外ですが、主要な3グループ(アンキロサウルス類、ハドロサウルス
 類、角竜類)間では明確な違いが出なかったということです。しかし、それぞれのグループ内
 で食性の違いが見出されたということです。たとえばアンキロサウルス類はシダ食をしてい
 たと考えられていますが、ノドサウルス科恐竜は、より食べにくい植物を食べ物に含められ
 る効率的な顎を持っていたということです。これとは対照的にケラトプス科恐竜は中程度の
 高さの植物を食べるのに適応していたと考えられるのに対し、より背が高いハドロサウルス
 科恐竜はあまりえり好みせず、届く範囲のもの全てを食べていたと考えられるそうです。
 Mallon JC, Anderson JS (2013)
 Skull Ecomorphology of Megaherbivorous Dinosaurs from the Dinosaur Park Formation
 (Upper Campanian) of Alberta, Canada.
 PLoS ONE 8(7): e67182. doi:10.1371/journal.pone.0067182 論文

恐竜/ワニ 恐竜博物館と東大研究成果発表 6.20.13
  産経新聞 福井県報道発表資料 福井県立恐竜博物館プレスリリース
  パンテオンでは5月30日に紹介した論文に関してです。

白亜紀・第三紀境界で何種の恐竜が絶滅したのか 2.18.13
  マーストリヒチアン後期に生息していた恐竜の種は未命名のものを含め、2010年段階で104
 種知られているそうです。しかし、これはタフォノミーのバイアスや陸上化石の希少性により真
 の多様性は覆い隠されているとしています。この論文では、628から1078種の非鳥恐竜がマー
 ストリヒチアン後期に生息していたと推定しています。白亜紀末の絶滅については、この本当
 の世界的多様性に基づいて議論されるべき。恐竜の属の平均存続期間(770万年)から、白亜
 紀・第三紀境界(後期マーストリヒチアンは280万年)は殆どの系統の終端と一致している。
 後期マーストリヒチアンの恐竜多様性は、故にチクシュルーブ・インパクトによるグループの突
 然の絶滅と一致している。
 Jean Le Loeuff (2012)
 Paleobiogeography and biodiversity of Late Maastrichtian dinosaurs: how many dinosaur
 species went extinct at the Cretaceous-Tertiary boundary?
 Bulletin de la Société Géologique de France 183(6): 547-559 doi: 10.2113/gssgfbull.183.6.547
 アブストラクト

白亜紀における皮膚病理学:恐竜において捕食が失敗した可能性のある証拠 2.17.13
  エドモントサウルスの皮膚がついた頭蓋化石にある傷跡から、議論しています。歯の噛み跡
 の周囲の鱗は肉芽組織により配列パターンが乱れ、現代の負傷に見られるのと同様に、中心
 から周辺に向かってしわがよっています。これは恐竜の皮膚病理に対する反応と捕食者から
 逃げる行動の初めての明確な証拠であるとしています。
 Bruce M. Rothschild & Robert Depalma (2013)
 Skin pathology in the Cretaceous: Evidence for probable failed predation in a dinosaur.
 Cretaceous Research (advance online publication)
 http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2013.01.005

先史時代の動物における性選択:検出と影響 1.30.13
  サザンプトン大
  恐竜にもありますね、とさかや角、フリルなど、繁殖のためのではないかと思われる特徴がありま
 す。これらが本当にそうなのか、体温調節や捕食行動のための武器なのかなど、化石記録から、
 その役割を見出すことは困難なことが、ままあります。
 しかし、現生動物とのアナロジーを用いて、古生物のそれらの特徴が果たした役割を推論すること
 ができるとしています。性的二形の存在、また幼体にそのような特徴がないことも、それらが繁殖
 のためだったという推論の助けになります。
 古生物からもそれらの特徴が見いだせるとしたレビューです。
 Robert J. Knell, Darren Naish, Joseph L. Tomkins, David W.E. Hone(2013)
 Sexual selection in prehistoric animals: detection and implications
 Trends in Ecology and Evolution Volume 28, Issue 1, January 2013, Pages 38-47
 http://dx.doi.org/10.1016/j.tree.2012.07.015

タンザニアで1930年代に発見された化石、最古の恐竜か? 12.06.12
  日本経済新聞 ワシントン大 英自然史博物館 ナショナルジオグラフィック(日)
  タンザニア、ニャサ湖近くのManda 層で1930年代に発掘され、その後英自然史博物館に収
 蔵されていた標本が、最古の恐竜か?疑われる恐竜形類として記載されました。
 Nyasasaurus parringtoni 新属新種
 体長3mほどの2足歩行の生き物です。
 約2億4千500万年前、三畳紀中期の地層から産出したもので、エオラプトルなどより1000~
 1500万年ほど早いそうです。
 Sterling J. Nesbitt, Paul M. Barrett, Sarah Werning, Christian A. Sidor and Alan J. Charig
 The oldest dinosaur? A Middle Triassic dinosauriform from Tanzania
 biology letters  doi: 10.1098/rsbl.2012.0949 アブストラクト 論文フリー

恐竜と位置情報<後編>11.01.12
  後編では、衛星電話と恐竜絶滅の深い関係を紹介し、その後の恐竜の行方を追っています。
 前篇はこちら

恐竜と位置情報<前編> 9.27.12
  砂漠の中の恐竜発掘にGPSが役立ってきたとともに、最近ではタブレットが進出している状
 況を解説しています。

スペイン、アラゴン州、テルエル県の下部白亜系新脊椎動物化石ボーンベッド 9.25.12
  このボーンベッドは、露天掘りの石炭層の下にあったアルビアン期のもので、採掘会社
 との共同作業により調査されたそうです。同期のヨーロッパにおける恐竜サイトとして重要
 とのことです。
 Luis Alcalá, Eduardo Espílez, Luis Mampel, James I. Kirkland, Manuel Ortiga, Diego Rubio,
 Ana González, Daniel Ayala, Alberto Cobos and Rafael Royo-Torres, et al.(2012)
  A New Lower Cretaceous Vertebrate Bonebed Near Ariño (Teruel, Aragón, Spain);
 Found and Managed in a Joint Collaboration Between a Mining Company and a
 Palaeontological Park.
 Geoheritage (advance online publication) 2012, DOI: 10.1007/s12371-012-0068-y
 アブストラクト 論文フリー

尾の物語;骨が無くなっていると測定は難しい 9.03.12
  尾がわからないと、体長や体重の推定も難しくなります。
  ネイチャーニュースブログ

陸生四足四肢動物の体重と近位肢骨周囲長の間にある普遍的なスケーリング関係 8.11.12
  絶滅動物の体重を推定することは、なかなか困難なことです。恐竜の推定体重も2倍以上の
 開きがあることがあります。
 今回の研究では、近位肢骨の周囲長と体重の間に、系統や姿勢などを超えて相関関係がある
 ことを実証し、算出式を導くとともに、例としていくつかの恐竜の体重を推定しています。
 200種の哺乳類と47種の非鳥爬虫類からデータをとり、ログをとって、
 log BM = 2.749 · logCH+F − 1.104 ほかの式を出しています。
 このメソッドにより算出された恐竜の推定体重は下表のようになっています。

Iguanodon bernisartensis 8,680
Corythosaurus casuarius 3,620
Protoceratops andrewsi 79
Styracosaurus albertensis 4,370
Triceratops horridus 7,400
Stegosaurus mjosi 4,950
Diplodocus longus 10,940
Brachiosaurus brancai 35,780

 
 普遍的なスケーリングの確立は、成長率、代謝、エネルギー論等を含む広範囲の古生物研究に
 重要だとしています。
 Campione and Evans(2012)
 A universal scaling relationship between body mass and proximal limb bone dimensions in
 quadrupedal terrestrial tetrapods.
 BMC Biology 2012 10:60. 論文

山脈と内海の地質変動による分断が白亜紀北米恐竜の多様性をもたらした 8.10.12
  オハイオ大
  北米の大型植物食恐竜、ハドロサウルス科とケラトプス科恐竜は、約7,500万年前に急速な
 種分化が起こり多様性が増大しました。一方、白亜紀末には種が減少したことが知られていま
 す。種の多様性の減少について、これまで環境の悪化等の要因が唱えられていました。今回の
 研究では、地質変動により恐竜の種の多様性が変化したとしています。
 白亜紀前期から中ごろにかけて、北米大陸西部ではthe Sevier Mountainsといわれる大きな山
 脈が、今日のアルバータからユタにかけて形成されました。一方、山脈の東側は対照的に沈降
 し、浅い内海を形成しました。内海により7500万年前の北米はLaramidiaAppalachiaの東西の
 島に分断されていました。この研究のイラストではAppalachia
はさらに南北に二分されています。
 この分断による生息環境の細分が種の多様化をもたらしたとしています。
 その後、今日のロッキー山脈を形成するSevier orogenyという造山運動のため、内海は消失し、
 広い大陸が形成されると、大型植物食恐竜の多様性は急速に消滅していったとしています。
 Gates TA, Prieto-Márquez A, Zanno LE (2012)
 Mountain Building Triggered Late Cretaceous North American Megaherbivore
 Dinosaur Radiation.
 
PLoS ONE 7(8):e42135.doi:10.1371/journal.pone.0042135 論文

骨「年輪」、草食哺乳類にも=恐竜冷血説を否定-欧州チーム 6.28.12
  時事 ネイチャーニュース
  骨の断面に見られる成長停止線、木の年輪のように見えるものです。恐竜が外温性だった
 根拠の一つでした。ところが、恐竜ではなく、草食性現生哺乳動物の研究から、この根拠が
 崩されました。
 バルセロナ自治大のMeike Kohler らの研究によると、熱帯から極地方にいたる115種類の
 草食動物の骨を調べたところ、成長停止線が存在することが明らかになりました。これは、
 季節による体温の変化ではなく、エサや水をどれだけ得られたかによるものなのです。
 成長停止線のない部分では恐竜も急速な成長をしていたわけですね。
 Kohler, M., Marin-Moratalla, N., Jordana, X. & Aanes, R(2012)
 Seasonal bone growth and physiology in endotherms shed light on dinosaur physiology
 http://dx.doi.org/10.1038/nature11264

80トンが23トンに、恐竜の体重は意外に軽かった 6.08.12
  AFPBB マンチェスター大ニュース 同写真ファイル
  マンチェスター大のチームの研究によると、動物の骨と皮膚が密着する割合で体重を推定する
 方法を開発しました。哺乳類では皮膚に覆われた体積の約21%になるそうです。この方法を恐竜に
 適用すると、Giraffatitan brancai では、これまで80トンと推定されていた体重が23トンになるそうで
 す。これまでの体重推定は重すぎたということになるのでしょうか。
 W. I. Sellers, J. Hepworth-Bell, P. L. Falkingham, K. T. Bates, C. A. Brassey, V. M. Egerton and
 P. L. Manning(2012)
 Minimum convex hull mass estimations of complete mounted skeletons
 Biology Letters Published online before print June 6, 2012, doi: 10.1098/rsbl.2012.0263
 アブストラクト(論文フリー)

恐竜のげっぷやおならで温室効果 5.09.12
  朝日新聞 ナショナルジオグラフィック(日)
  竜脚類が排出したメタンの量は人間だ出すのと同程度で、地球の温暖化を進めたと推計する論文が
 出されました。ただし、これはいろいろ推計を重ねた上に出たものなので、実際にそうだったのかは、
 多方面からの検証が必要でしょう。
 David M. Wilkinson , Euan G. Nisbe2 and Graeme D. Ruxton(2012)
 Could methane produced by sauropod dinosaurs have helped drive Mesozoic climate warmth?
 Current Biology, Volume 22, Issue 9, R292-R293, 8 May 2012 doi:10.1016/j.cub.2012.03.042
 論文

化石標本の立体スキャンにより3Dレプリカを作成 2.21.12
  Drexel大
  立体スキャンにより3Dプリントし、レプリカを作成する試みは、日本でもアルバロフォサウルス
 レプリカ作成の例が記憶に新しいところです。
 Drexel大のKenneth Lacovaraらの研究では、対象となる標本は、はるかに巨大なもの。
 たとえば2000年に発見された、Paralititan の新標本などです。ですから、この使い道は、
 ・博物館展示用に、いくつでも原寸大レプリカを作成できるし、モールド保管の必要がない。
 ・教育用に、縮小したレプリカを作成できる。
 ・原寸大では扱いに困る巨大恐竜がどのように動き、行動したか縮小モデルで試すことができる
 なるほど、対象が大きいと、こんな使い道があるのですね。

Moodieの化石脊椎動物における異常姿勢仮説を再評価する 2.15.12
  恐竜骨格が発掘されると、頸部と尾部が胴体からカーブを描いた、「死のポーズ」の姿勢で
 発見されることがあります。この姿勢はどうやってできたのか、検討しています。
 私など、死後堆積物に覆われる前に筋肉や腱が収縮してなるのだろうと思っていましたが、
 事はそれほど単純ではないようです。
 この論文では、独ゾルンホーフェンから発見されたCompsognathus longipesJuravenator
 starki
標本について、従来言われていたMoodieの異常姿勢仮説を再評価し、疑問を投げか
 けるとともに、その仮説を前提にした、Faux and Padian (2007)による当時のゾルンホーフェン
 化石産地の古環境復元にも疑問を投げかけています。
 Achim G. Reisdorf and Michael Wuttke (2012)
 Re-evaluating Moodie’s Opisthotonic-Posture Hypothesis in Fossil Vertebrates Part I:
 Reptiles—the taphonomy of the bipedal dinosaurs Compsognathus longipes and Juravenator
 starki from the Solnhofen Archipelago (Jurassic, Germany).
 Palaeobiodiversity and Palaeoenvironments (advance online publication)
  DOI: 10.1007/s12549-011-0068-y アブストラクト
 参考:Faux and Padian (2007) Moodie(1918)

なぜ恐竜は支配的な動物になったか 2.01.12
  ディスカバリー サイエンスナウ
  ペルム紀末の大量絶滅のあと、生き残った動物の中には哺乳類の祖先となる獣弓類も、恐竜
 もその中に含まれる主竜類もいました。しかし、中生代には恐竜が地上の王者となりました。
 なぜ、恐竜が支配的な動物になったのか、Ludwig Maximilian 大のRoland Sookias らは、ペルム
 紀末から恐竜の巨大化が極限に達したジュラ紀中期までの1億年間に生存した400種の大腿骨
 長を測定しました。その値から体重を推定し、この2つのグループでどのように体の大きさが変化
 したか後づけました。
 Sookiasらの結論はこうです。主竜形類の方が、体の大きさは小さいものから巨大なものまで、そ
 の範囲は大きく広がった。その理由の一つは、単純に主竜形類の方が生育および繁殖が早かっ
 たためだ。そしてそれを可能にした要因の一つは、骨の中にエアサックが入りこみ、軽量化をもた
 らしたことだとしています。
 そのため、大量絶滅後、獣弓類より早く生態的地位を占領したのだそうです。
 Proceedings of the Royal Society B. に論文掲載ということですが、まだ出ていないようです。

カナダ、ユーコンテリトリー、Bonnet Plume 層の脊椎動物化石 1.26.12
  David C. Evans, Matthew J. Vavrek, Dennis R. Braman, Nicolas E. Campione,
  T. Alexander Dececchi, Grant D. Zazula
 Vertebrate fossils (Dinosauria) from the Bonnet Plume Formation, Yukon Territory, Canada
 Canadian Journal of Earth Sciences, 10.1139/e11-064 アブストラクト
 カナダの極北地域、ユーコンテリトリー北西部の上部白亜系(Maastrichtian)Bonnet Plume 層
 から産出した、恐竜を含む脊椎動物相についてレビューを行っています。
 この地域から恐竜化石が発見されたのは50年ぶり。1960年代初頭には、ハドロサウルス科、
 今回は不完全な保存状態の前肢と足指、これはハドロサウルス科でない鳥盤類。また基盤的
 鳥脚類と暫定的にみなされる上腕骨などが産出しているそうです。

恐竜の前足の指と鳥類の翼の指は同じもの
  -150年続く指論争に終止符を打つ発生研究-2.11.11
  東北大学プレスリリース(PDF)
  フェデューシャはどうコメントするでしょうか。

中国重慶市で竜脚類の骨格発掘 12.03.10
  人民網(英文) 中新網 中新網
  中国重慶市綦江県市街から西に古南街道約7kmの地点から、約1億5千万年前の竜脚類
 骨格が発掘されています。付近の農民が7年前に発見したもの。甘粛省地質博物館のスタッ
 フが作業をしています。この地域は、重慶綦江木化石-恐竜足跡国家地質公園として開設を
 申請中とのことです。

福井県立恐竜博物館、中国浙江省、河南省での発掘結果発表 11.19.10
  同博物館結果報告ページ 47ニュース
  2010年9月から10月にかけて行われた発掘の結果が報告されています。
 浙江省東陽市では、アンキロサウルス類の頭骨、皮骨、肋骨など、また獣脚類、鳥類、
 翼竜類の足跡が発見されたそうです。
 河南省汝陽県では、恐竜と思われる骨化石、また四肢骨などが発見されたそうです。
 結果報告をまとめたポスターは、12月末まで同博物館内に掲示されます。

下甑島でティラノサウルス類の歯など発見 9.05.10
  南日本新聞 西日本新聞 毎日新聞 鹿児島テレビ(動画)
  鹿児島県薩摩川内市は3日、下甑島の白亜紀約7000万年前の地層からティラノサ
 ウルス類と見られる恐竜の歯とシナミア類とみられる淡水魚の骨とうろこの化石が見
 つかった事を発表しました。
 昨年9月の化石発掘体験会で発見。発見者は、歯が鹿島中3の蓮見智哉さん(15))、
 シナミア類の骨は育英小4年の永田優舞さん(9)。
 真鍋真研究主幹によると、歯は顎の前部の歯で長さ38mm、厚さ9mm。全長6~8mの
 ティラノサウルス類の歯である可能性が高いそうです。
 甑島の化石展で展示されるそうです。

福井県大野市で肉食恐竜の歯 8.12.10
  読売新聞 朝日新聞
  大野市下山の白亜紀前期(約1億3000万年前)の地層から昨年5月に発見された
 化石がカルノサウルス類と見られる肉食恐竜の歯とわかったそうです。
 長さ31mm、幅14mmの歯で、体長は3~5mと推定されるそうです。
 
岩手県久慈市の上部白亜系久慈層群玉川層より発見された 陸生脊椎動物群(予報 )
  5.08.10
  平山廉・小林快次・薗田哲平・佐々木和久
  化石研究会会誌 Journal of Fossil Research, Vol42(2)pp.74-82(2010)
  久慈琥珀博物館の琥珀発掘体験場から発見されたカメ類、ワニ類、恐竜化石について。
 カメ類については、アドクス科の未記載種およびナンシュンケリス科の未記載種と考えら
 れる。鳥盤類坐骨化石は、ケラトプス科を除く周飾頭類の可能性があるが、断定するには
 追加標本が必要としています。

絶滅恐竜の羽毛の色 3.12.10
  サイエンス
  2月4日、Expressで発表されたAnchiornis huxleyi の羽毛の色についての論文が
 今週号で掲載になっています。
 Quanguo Li et al.(2010)
 Plumage Color Patterns of an Extinct Dinosaur
 Science Vol. 327. no. 5971, pp. 1369 - 1372 DOI: 10.1126/science.1186290

恐竜の骨食べた小動物の痕跡発見 林原自然科学博物館 3.08.10
  山陽新聞(動画あり)
  モンゴル、ゴビのツグリギン・シレーで発掘したプロトケラトプス化石。特に関節部分
 が食べられた痕跡が見つかりました。林原自然科学博物館が1994年に発掘した標
 本。同館の松本幸英、実吉玄貴研究員が地質学雑誌で発表。

恐竜に最も近縁な最古の爬虫類記載 3.04.10

恐竜を食べるヘビ 3.02.10
  ナショナルジオグラフィック(日):来訪の記録襲い掛かる瞬間襲撃の見取り図
  インド西部、グジャラート州Dholi Dungri 村の上部白亜系(Maastrichtian)Lameta層
 から産出した、特異なヘビ化石を記載しています。そのヘビ化石は、竜脚類の卵が
 ある巣の中で発見されたのです。卵とともに、体長約50cmの孵化したヒナも一緒に
 ありました。状況から、このヘビは竜脚類のヒナを食べるために巣に入り込んだとこ
 ろ、豪雨により押し流された泥流に埋まったものと見られています。

 ヘビの体長は約3.5m。Sanajeh indicus 新属新種です。
 属名はSanaj:サンクスリットで古代の、jeh:大口 この初期のヘビの摂食能力が
 推定されることから。
 種小名はsindu  インダス川のサンクスリット名から。

 このヘビ化石は、ヘビが恐竜の孵化したてのヒナを摂食したことを示す初めての例
 です。
 論文  Wilson JA, Mohabey DM, Peters SE, Head JJ (2010)
 Predation upon Hatchling Dinosaurs by a New Snake from the Late Cretaceous
 of India.
 PLoS Biol 8(3): e1000322. doi:10.1371/journal.pbio.1000322

化石化したメラニン小体と、白亜紀恐竜および鳥類の体色 1.28.10
  毎日新聞 ブリストル大ニュース ナショナルジオグラフィック(日)

  これまで化石からその生物が生きていたときの色を知ることは、甲虫の羽のような
 構造色の場合を除き不可能とされてきました。今回、張福成らの研究で、恐竜の色
 を知る可能性が見えてきました。

  彼らは走査電子顕微鏡で遼寧省から産出した鳥類や羽毛恐竜の「羽毛」を観察し、
 そこに黒褐色のユーメラニンと橙赤褐色のフェオメラニンがあることをつきとめました。
 一部研究者が主張している、バクテリアの跡ではなかったのです。
 論文では孔子鳥、シノサウロプテリクスおよびシノルニトサウルスの電顕写真が掲
 載されています。これらメラニン色素は科学的・物理的変化に対し高い抵抗力をもっ
 ているようです。

  その結果、一部の恐竜の体色を復元できる可能性が出てきました。例えばシノサ
 ウロプテリクスの尾部の縞からはフェオメラニンだけが認められたことから、尾部は、
 栗色から赤褐色の色調だったとしています。

 恐竜の復元において無視できない研究ですね。
 Fucheng Zhang, Stuart L. Kearns, Patrick J. Orr, Michael J. Benton, Zhonghe Zhou, Diane Johnson,
  Xing Xu & Xiaolin Wang

 Fossilized melanosomes and the colour of Cretaceous dinosaurs and birds
 ネイチャーadvance online doi:10.1038/nature08740 

恐竜の墓場 1.20.10
  ナショナルジオグラフィックニュース(日)に1月20日付で恐竜記事が5編載ってい
 ます。
 巨大恐竜の足跡が“死の落とし穴”に?
  マメンチサウルスの足跡に小型獣脚類がはまって・・・
 恐竜の墓場:鳥類進化の手掛かり
  死の落とし穴にはまったリムサウルスの化石
 恐竜の墓場:運命の分かれ目
  若いリムサウルスの化石
 恐竜の墓場:草食獣脚竜リムサウルス
  リムサウルスの化石
 恐竜の墓場:化石の岩柱
  “死の落とし穴”で形成されていた岩柱。
 恐竜の墓場:獣脚竜グアンロン
  グアンロンも落とし穴にはまった

 DAVID A. EBERTH, XU XING, and JAMES M. CLARK
 DINOSAUR DEATH PITS FROM THE JURASSIC OF CHINA
 PALAIOS 25(2):112-125. 2010 アブストラクト

恐竜時代にも「巻き込み事故」? 4本脚だと「内輪差」 12.12.09
  朝日新聞
  4足歩行の恐竜は、曲がるとき自動車のように後脚が前脚より内側を通る「内輪差」
 が生じることを、林原自然科学博物館の石垣忍副館長らがつきとめたそうです。
 恐竜は腰部に重心があるため、前脚で舵取りをしていたそうです。一方、哺乳類のゾ
 ウなどでは、後肢が外側を通り、これは頭が重く前脚に重心があるためとのこと。
 1月の古生物学会で発表されるそうです。
 
丹波の恐竜化石、第4次発掘開始 12.08.09
  人と自然の博物館ニュース 読売新聞 神戸新聞
  12月8日、重機による掘削が開始されました。3次発掘区域の南西約20㎡をL字
 形に掘るそうです。

タイ恐竜発掘調査レポート2009 12.03.09
  福井県立恐竜博物館とタイ国珪化木鉱物資源博物館との共同発掘調査が、
 今年も始まりました。最初の打ち合わせ、現場確認、「島」の露出などの作業
 の様子が掲載されています。

走行復元から2足歩行恐竜の内温性を示唆 11.11.09
  ワシントン大セントルイス校ニュース ユーレカアラート
  14種類の絶滅恐竜形類の歩行および走行を生体力学的に復元し、その代謝レートを
 現生哺乳類や鳥類と比較しています。
 その結果、大型2足歩行恐竜は哺乳類や鳥類の範囲の中におさまり、内温性であった
 としています。小型2足歩行恐竜の場合、明瞭にその範囲の中にはおさまらないが、
 外温性動物の境界より上にあったとしています。
 Pontzer H, Allen V, Hutchinson JR (2009)
 Biomechanics of Running Indicates Endothermy in Bipedal Dinosaurs.
 PLoS ONE 4(11): e7783. doi:10.1371/journal.pone.0007783 論文

恐竜の1/3は存在しなかった? 10.12.09
  ナショナルジオグラフィック
  あちらのナショナルジオグラフィックTVが10月11日に放送したDinosaurs Decoded
 関連。恐竜は幼体から成体に至る成長の各段階で、姿がかなり変わったので、現在
 別種とされている恐竜も、ある恐竜の成長段階の違いでしかないということのようでうす。

中国山東省諸城から豊富な恐竜化石群 10.12.09
  斉魯晩報 新華社 サーチナ
  山東省諸城の恐竜発掘現場は、長さ500m、深さ26mにわたり45度の傾斜で化石
 壁面が姿を現しているそうです。
 中でも長さ2mの大腿骨などがあり、これは新属新種になるのではないかと徐星教授
 らも考えているそうです。

「脳の容量、脳の幅でわかる法則」 愛媛大院生が発見 8.03.09
  朝日新聞
  6月の古生物学会でポスター発表されていましたね。

’09記者リポート:第3次恐竜化石の発掘調査 地味で大変な作業 7.27.09
  毎日新聞
  福井県勝山市北谷で、第3次恐竜化石発掘調査に一日だけ参加した記者の
 リポートです。
 参考:2009夏千秋学芸員の恐竜発掘日誌

福井県立恐竜博物館、20日から発掘開始 7.20.09
  中日新聞
  7月20日から9月12日まで北谷の発掘調査を行います。

最古の恐竜巣穴、オーストラリアから 7.11.09
  エモリー大ニュース BBC  ディスカバリー
  世界初の穴堀恐竜Oryctodromeus の記載者の一人、Anthony Martin が豪ヴィ
 クトリア州、メルボルンから西に240kmほど離れたKnowledge Creek という所で、
 Otway層群(Albian約1億1千万年前)の露頭から、恐竜の行跡を探している時に発
 見したものです。

 発見されたのは巣穴だけです。長さ約2.1m、径約30cmの半らせん状で、緩やかに
 下っています。骨化石はありません。それを恐竜の巣穴とする理由について、まず、
 物理的・化学的堆積過程によるものでないこと。よって、生物によるものと考えられ
 る。また、そのサイズや形態から四肢動物によるものと考えられる。巣穴のアロメト
 リーから、体重10~20kgの動物と考えられ、それはOtway層群から産出する小型
 鳥脚類の推定体重と一致する。この巣穴を掘る習性は、白亜紀当時極地方にあっ
 たオーストラリアの冬を越す適応としています。
 Anthony J. Martin
 Dinosaur burrows in the Otway Group (Albian) of Victoria, Australia, and their
 relation to Cretaceous polar environments
 Cretaceous Research Article in Press doi:10.1016/j.cretres.2009.06.003   

鹿児島県薩摩川内市下甑島から恐竜化石など 6.26.09
  産経新聞
  下甑島は白亜紀から古第三紀層が連続して観察できることが知られ、日本の
 地質百選にも選ばれています。白亜紀後期の姫浦層群から、これまで二枚貝
 などの軟体動物化石が報告されていました。
 熊本大学の小松俊文准教授らの研究により、獣脚類恐竜の歯、肋骨、翼竜、
 ワニなどの化石が初めて報告されました。
 日本古生物学会2009年会のポスターセッションで報告されます。

カナダ、アルバータ州北西部で植物食恐竜の巣とトロオドンの歯発見 5.15.09
  アルバータ大ニュース
  ドラゴンこと、宮下哲人さんたちの発見です。7300万年前、こんな高緯度でも営巣し、トロオドンは
 卵や幼体を狙っていたのでしょうか。

岩手県久慈市から鳥盤類恐竜の座骨 4.23.09
  47ニュース
  久慈琥珀博物館の採掘場の地層(白亜紀後期、約8500万年前)から鳥盤類に属する小型
 恐竜の座骨が発見されたそうです。国内で白亜紀後期の発見は珍しいこと、また岩手県内
 で恐竜化石が発見されたのは、1978年に岩泉町でモシリュウが発見されて以来のことだそ
 うです。周飾頭類の座骨に似ているとのこと。
 25日から6月14日まで同博物館で公開されます。毎日新聞

Gryposaurus monumentensis CTスキャン 2.23.09
  Inland Valley Daily Bulletin
  恐竜の脳や内耳の構造を研究する上で、状態の良い標本をCTスキャンすることは、
 今や珍しくなくなってきました。Raymond M. Alf古生物学博物館では、Gryposaurus
 頭骨標本をCTスキャンにかけたそうです。顎内の歯のセットや内耳の鮮明な画像が
 得られたそうです。

レーザースキャンとコンピュータモデリングで恐竜を立体復元 2.23.09
  Karl T. Bates, Phillip L. Manning, David Hodgetts, William I. Sellers 2009.
  Estimating Mass Properties of Dinosaurs Using Laser Imaging and
  3D Computer Modelling
  PLoS ONE 4(2): e4532. doi:10.1371/journal.pone.0004532 論文

  マンチェスター大ニュース MSNBC
  絶滅した恐竜を立体復元し、体重や重心、動きを推定するのは大変な作業です。
 ここでは、5体の恐竜骨格標本をレーザースキャンし、3Dモデリングソフトを活用して
 立体復元を作っています。推定値は低めの値を採用していますが、現生のダチョウ
 でも同じ方法で立体復元し、その値が妥当であることを検証しています。
 
 恐竜標本は2体のT-REX(STANとMOR555)、Acrocanthosaurus atokensis,
 Strutiomimum sedens 及び Edmontosaurus annectens です。
 その結果、MOR555とAcrocanthosaurus は6t前後、STANは8t。Strutiomimum
 0.4から0.6t、Edmontosaurus は0.8から0.95tと推定されるそうです。
 この研究は単に体重を推定するだけでなく、さらに、体の重心がどこにあったか(進
 化上、重心はどう変化したか)や、その恐竜がどう走ったか推定するのに有効だそ
 うです。
 復元方法を見るには、論文中の画像のみ見るのがいいかも。

恐竜絶滅の謎に新説=真菌の大発生が卵を汚染した 2.16.09
  レコードチャイナ 中国網
  中国地質大学のゴン(竜の下に共)一鳴教授らが、湖北省丹江口市にある白亜紀末、
 胡崗層(Hugang Formation)から採集した恐竜卵破片を調べたところ、その内部に大量
 の真菌化石が残されていたそうです。真菌の形状は針状、糸状、帯状などで、長さは
 5~18μm、基部の幅は0.3~0.5 μm。その成分などから、化石化する前に真菌が卵
 殻内に侵入したとしています。
 白亜紀末には恐竜卵の中に真菌が大量に侵入し孵化を妨げたため、大量絶滅の原因
 となった可能性があるとしています。
 報道では、これから論文発表と受け取れますが、2008年に公刊されています。
 GONG YiMing, XU Ran, HU Bi 2008.
 Endolithic fungi: A possible killer for the mass extinc-tion of Cretaceous dinosaurs
 Science in China Series D-Earth Sciences Vol. 51 (6): 801-807
  アブストラクト 論文ダウンロードできます。
 中国文 中国科学D:地球科学2008年 38卷 4期
  石内真菌:恐竜大絶滅的可能殺手 アブストラクト 論文ダウンロードできます。

地質学的タイムスケールに渡る共進化仮説をテストする 2.13.09
  Richard J. Butler, Paul M. Barrett , Paul Kenrick Malcolm G. Penn
  Testing co-evolutionary hypotheses over geological timescales: interactions
  between Mesozoic non-avian dinosaurs and cycads
  Biological Reviews Volume 84 Issue 1, Pages 73 - 89
  DOI 10.1111/j.1469-185X.2008.00065.x アブストラクト

  植物食恐竜とソテツ類の共進化について仮説を検証しています。ソテツを食べる植
 物食恐竜の登場によりソテツ類の分散が促進され、ソテツ類も繁栄したという仮説で
 す。これを白亜紀の恐竜とソテツ類の共産データ及び地理情報システムを用いて視覚
 情報化する手法を用いています。その結果は、例えば竜脚形類とソテツ類の空時間的
 分散は共進化仮説に矛盾するとしています。これらを証拠づけるには、さらに豊富な化
 石証拠が必要なようです。
 
トリケラコプターとパトリシア・レニック 2.02.09
  flickr
  トリケラコプターとはその名のとおり、トリケラトプスとヘリコプターが合体した彫刻。作者
 のパトリシア・レニックは、米シンシナティを拠点に活躍した女性の彫刻家。2007年5月7
 日、75歳で亡くなっています。トリケラトプスが好きだったかのか、その頭をした自刻像
 制作しています。ほかに、ステゴサウルスとフォルクスワーゲンが合体した、ステゴワー
 ゲンフォルクスサウルス
動画
 
岩手県久慈市から後期白亜紀の恐竜化石 2.01.09
  デーリー東北 岩手日報
  産出地は久慈市小久慈町の久慈琥珀博物館の琥珀採掘体験場。久慈層群国丹層。
 鳥盤類の小型恐竜坐骨みられる骨で、長さ約10.5cm、幅約1.5cmとのこと。記事では
 古生物学会で発表とあります。が、アドクス科カメの発表はありましたが恐竜の発表は
 なかったと思います。

北極圏恐竜の化石から恐竜の急速な絶滅が示唆 1.21.09
  ネイチャーニュース
  これは、1月8日付で紹介した論文に関するニュースです。ロシア北極圏で発見された、白
 亜紀末の恐竜化石はハドロサウルス科恐竜やティラノサウルス科、ドロマエオサウルス科、
 アンキロサウルス類など様々な恐竜が生息していたとともに、ハドロサウルス科恐竜や非
 鳥獣脚類卵殻から、平均気温10℃の極圏で繁殖もしていたことがが示されるそうです。
 そこから、チチュラブインパクトによるものか否かを問わず、気温の低下が恐竜の絶滅を招
 いたことには疑問を投げかけています。

 ニュースでは、白亜紀末まで多様な恐竜が生息したいたことに焦点をあわせ、恐竜がだん
 だん絶滅していったとする説をくつがえすものとして紹介しています。なお、国立科学博物館
 で展示されているサンディサイトの標本でも恐竜の多様性が認められています。

山東省諸城市の恐竜発掘写真 1.04.09
  化石網 北方網 山東新聞網 大衆網
  写真を見ると、大腿骨だけでもかなりの数が採集されています。ここから産出した、
 カモノハシ竜の大腿骨は長さ170cm肩甲骨は幅24cm、長さ140cm。世界最大のカモ
 ノハシ竜として、「巨大中国竜」と中国名をつけられているそうです。
 なお、諸城市からはこれまでにも大型ハドロサウルス科恐竜が産出しており、2007年
 Zhuchengosaurus maximus として記載されています。この復元骨格は体高9.1m、体
 長16.6mとされているのに対し、「巨大中国竜」では体高10m、体長20mを超えるそうで
 す。

2008年記載の恐竜リスト 1.04.09
  DinosaurMLでTim Williams がまとめています。パンテオンで紹介したものもあります
 が、紹介しきれなかったものも多くあります。皆さんはどれだけご存知でしょうか?

中国山東省諸城市の発掘現場から最大級の恐竜化石群 1.02.09
  レコードチャイナ 人民網 化石網
  露出面積として世界最大級の現場となっているそうです。現在までに7600個あまり
 の化石が発掘され、その中には大型角竜の頭骨なども産出しているそうです。

アルゼンチン、イシガラスト層産出の基盤的獣脚類 12.15.08
  アブストラクト

タイ恐竜発掘調査レポート2008 11.14.08
  福井県立恐竜博物館では、昨年度に引き続き11月7日からタイ王国ナコーン・ラチャ
 シーマ県ムアング区スラナリ地区で恐竜発掘調査を行っています。
 11月12日付でその第一報が入っています。12日、イグアノドン類の恥骨や背骨などが
 発見されました。

タイ、カラシン県で1億5千万年前の恐竜発見 10.24.08
  バンコク週報 バンコクポスト
  タイ東北部カラシン県カムムアン郡で1億5千万年前の獣脚類、竜脚類化石が発見
 されたそうです。

極圏の恐竜は長距離移動しなかったのでは? 10.22.08
  アルバータ大ニュース
  よく知られる説に、カナダなど高緯度の恐竜は、夏季、極圏をめざし移動し、冬季
 には暖かい低緯度地域に移動したというものがあります。この説が本当か、アル
 バータ大のPhil BellEric Snively が研究しました。

 それによると、移動距離は従来考えられていたような、緯度30度、3200kmに及ぶ
 ような長距離ではなく、はるかに短いものだったようです。彼らは体重3tにおよぶ
 エドモントサウルスが長距離移動のを支えるエネルギー要求量を考えると、鳥の
 ように効率的に移動しないと不可能であることがわかったそうです。
 多くの恐竜は冬季も極圏で耐えていたのかもしれません。
 Phil R. Bell; Eric Snively
 Polar dinosaurs on parade: a review of dinosaur migration
 Alcheringa: An Australasian Journal of Palaeontology, Vol. 32, Issue 3 September 2008 , pages 271 - 284
 DOI: 10.1080/03115510802096101

恐竜進化の最初の5千万年 9.30.08
  ブリストル大ニュース
  似たような論文があったなと思ったら、同じ著者らにより最近、恐竜の繁栄は2度
 の幸運から
という内容の論文がサイエンスに掲載されたばかりでした。
 さて、今度の論文では、恐竜が生態系の支配者になるまでには、その起源から5千
 万年はかかっていることを示しています。恐竜の起源は約2億3千万年前、そして、
 3千万年後、1億9960万年前の三畳紀・ジュラ紀境界の大量絶滅を潜り抜けましたが
 著者によると、恐竜が進化放散するには5千万年かかり、その道筋も単純ではない
 のだそうです。
 Brusatte, S.L., M.J. Benton, M. Ruta, G.T. Lloyd. 2008.
 The first 50Myr of dinosaur evolution: macroevolutionary pattern and
 morphological disparity
 Biology Letters DOI 10.1098/rsbl.2008.0441 アブストラクト

化石のクオリティと恐竜の命名 9.18.08

恐竜の繁栄は2度の幸運から 9.14.08

日曜インタビュー:肉食恐竜の歯を今夏発見した、宇都宮聡さん /石川 9.01.08
  毎日新聞
  石川県白山市(旧白峰村)で肉食恐竜歯化石を発見した、「伝説のサラリーマン化石
 ハンター」に、化石との出会い、発見時のエピソードなどを。

恐竜の多様化は「絶滅の数百万年前」、定説覆す研究結果7.25.08
  AFPbb
  G. T. Lloyd et al. 2008.
  Dinosaurs and the Cretaceous Terrestrial Revolution
  Proc. R. Soc. B doi:10.1098/rspb.2008.0715
  アブストラクト 論文ダウンロードできます。

1億年前の恐竜の化石、相次ぎ発見か 湖南省株洲市 7.02.08
  レコードチャイナ 浙江省文物局ニュース 人民網天津
 化石は株洲市天元区蓮花小区二期工地で6月23日に最初に発見されました。
約3tの岩を爆破したところ化石骨のようなものが現れ、、資料を中国科学院古脊
椎動物与古人類研究所で鑑定し、恐竜化石と判明したものです。
現在のところ、大腿骨、趾骨など30点あまり産出しているそうです。
大腿骨長は約77cm、趾骨長は約22cmあり、腰部の高さ約2mの大型恐竜と推定
されているそうです。

中国甘粛省酒泉地区公婆泉盆地前期白亜紀恐竜化石 7.02.08
  地質学報2008年1期pp.139-144 アブストラクト
  公婆泉盆地で発掘された恐竜を紹介し、その年代は遼寧省の熱河群より派生
 した後のものであるとしています。

米ユタ州南部で化石発掘 6.17.08
  Salt Lake Tribune Deseret News Utah BLM News
  Burpee自然史博物館

バーチャル恐竜により、その動きなどを解析 5.23.08
  Mallison, H. 2007.
  Virtual Dinosaurs -- Developing Computer Aided Design and Computer Aided
 Engineering Modeling Methods for Vertebrate Paleontology.
 Ph.D. dissertation, Geowissenschaftliche, Eberhard-Karls-Universität Tübingen, 102 pp.
 論文

 主にプラテオサウルスの個々の骨についてデジタル化し、その骨を用いてバーチャル骨格を
 組立てています。さらに筋肉をつけ生体に復元しています。そしてその歩行のしかたなど解析
 しています。

福井県立恐竜博物館:竜脚類の進化探る 中国と共同研究、きょうから浙江省で5.18.08
  毎日新聞 読売新聞 各14日付 
  5月14日から2週間、浙江自然博物館と共同で竜脚類の研究を行うそうです。ドンヤンゴ
 サウルスと福井で昨年発見された竜脚類の比較研究など、東洋一副館長以下4名派遣。

Camptosaurus 骨格にジュラ紀のカツオブシムシ食害の跡 5.06.08
  Brooks B. Britt, Rodney D. Scheetz, Anne Dangerfield 2008.
  A Suite of Dermestid Beetle Traces on Dinosaur Bone from the Upper Jurassic
  Morrison Formation, Wyoming, USA
  Ichnos, Vol.15, Issue 2 April 2008 , pp 59 - 71 DOI: 10.1080/10420940701193284
  アブストラクト ブリガムヤング大ニュース
  恐竜化石に穿たれている穴は何の仕業か?こんな疑問からこの研究は始まったそう
 です。1955年にワイオミング州メディシンボウで発見された、1億48百万年前の関節した
 カンプトサウルス骨格にある食害の跡は皮骨にある顎で齧った跡、穿孔、浅い穴および
 関節面にある深い曲がりくねった溝や穿孔です。顎で齧った跡から、これらはカツオブシ
 ムシ科甲虫の仕業であることがわかりました。モリソン層及びシダー層から産出した5000
 以上の化石骨を調べた結果、この虫が食べた跡は普通に見られることがわかりました。
 
 また、カツオブシムシが活動する気候から、当時のワイオミングが湿度60~80%、気温25
 ~30℃だったと推定できるそうです。また、カツオブシムシ科甲虫自体、これまで考えら
 れていたより48百万年前までその存在が遡るそうです。
 
Mastodon と Tyrannosaurus rex の分子による系統 4.25.08
  Chris L. Organ, Mary H. Schweitzer, Wenxia Zheng, Lisa M. Freimark, Lewis C. Cantley, John M. Asara 2008.
  Molecular Phylogenetics of Mastodon and Tyrannosaurus rex
  Science 25 April 2008: Vol. 320. no. 5875, p. 499 DOI: 10.1126/science.1154284

  16~60万年前のマストドン(Mammut americanum)及び68百万年前のT-REXの骨からコラーゲン
 が検出されたことは、2007年4月に報告されています(※)。今回は、これらのコラーゲンと現生動物
 から取り出されたコラーゲンを分析して、分子系統からこれらの動物の系統を解析しています。
 魚類から哺乳類まで21種類の現生動物のコラーゲンを用いて系統解析をしたところ、マストドンの
 コラーゲンはアフリカゾウと、T-REXのコラーゲンはニワトリと高度な類似性があることが判りました。
 ただし、グリーンアノールがアリゲーターと恐竜よりも哺乳類に近縁というミスも出ましたが、これは
 限られた資料で解析したためとしています。
 もちろん、形態からこの結果は明白なことです。しかし、化石資料から抽出されたコラーゲンを用い
 た系統解析により同様な結果が出たことは、今後保存の良い化石標本から取り出された資料を用
 いてさらに精度の高い詳細な分析がされる第一歩と言え、また形態と相補して恐竜の系統がさらに
 解明されることを予想させます。
 ※J. M. Asara, M. H. Schweitzer, L. M. Freimark, M. Phillips, L. C. Cantley, Science 316, 280 (2007)
   [Abstract/Free Full Text]

 ニューサイエンティスト ハーバード大ニュース ノースカロライナ州立大ニュース

中国遼寧省で竜脚類化石発掘 3.26.08
  新浪網 新華社
  遼寧省朝陽市北票市(中国では大きい市の下に小さい市があります)上園鎮で、農
 民が最近小山の頂上部で発見したものだそうです。
 現在、朝陽市国土資源局化石事務室で発掘をしています。直径10m、深さ8mほどの
 穴が掘られ、長さ5mほどの頚椎骨格が発見されているそうです。また、腰椎、肢骨
 なども確認されているそうです。これは朝陽市で初めて発見された大型竜脚類化石
 になります。 
 
米アイダホ州で恐竜化石 2.21.08
  KPVI-TV動画あり
  アイダホ州立大の学生L.J. Krumenackerが昨夏アイダホ州で発掘中に発見したものです。
 報道では恐竜の種類などにはふれていません。比較的小型2.5m程度と言っています。
 
中国江西で恐竜卵化石産出 2.19.08
  中国新聞網
  江西の贛州(かんしゅう)市経済開発地区で工事現場から15個の恐竜卵化石が発見された
 そうです。

大型竜脚類はどのようにその体を維持していたか 2.07.08
  ボン大学ニュース ボン大学ニュース(独語、写真あり) FOX
  大型竜脚類はどのようにその体を維持していたか、消化のシミュレーションなどで解明しようと
 しているボン大学の研究者の様子を紹介しています。
 参考:ボン大学竜脚類恐竜研究

恐竜は10歳足らずで繁殖可能だった 1.17.08
  AFPRB カリフォルニア大バークレー校ニュース
  Andrew H. Lee, and Sarah Werning
  Sexual maturity in growing dinosaurs does not fit reptilian growth models
  PNAS DOI:10.1073/pnas.0708903105
  
恐竜を絶滅させたのは昆虫か? 1.08.08
  ユーレカアラート ネイチャーブログ
  オレゴン州立大のGeorge Poinar らの新著
 What Bugged the Dinosaurs? Insects, Disease, and Death in the Cretaceousでは、
 恐竜を絶滅させたのは病原体を媒介する昆虫だったとしています。

スペインの恐竜大墓地 12.11.07
  ナショナルジオグラフィック
  以前お知らせした気がします。少なくとも8種類の恐竜が発見されているそうです。

日本恐竜のルーツ探る 福井県立博物館がタイで発掘調査 12.03.07
  中日新聞
  3ヵ年計画で調査を開始しました。タイ恐竜発掘レポート2007

「恐竜の呼吸器系はペンギン並に効率がよかった」、英研究報告 11.10.07
  AFPBB
  先日紹介した鉤状突起のニュースです。

肋骨にある鉤状突起の呼吸メカニズムにおける働きについて 11.08.07
  現生鳥類の肋骨にある鉤状突起は、呼吸に欠く事のできないもので、肋骨や胸骨の動きを
 増大させる働きがあるそうです。マニラプトル類恐竜にも同じものがあり、同様の働きをしたそ
 うです。また、現生の鳥類においては、鉤状突起は水中に潜る種類で最も長く、走鳥類では
 短い、特殊化していない飛行する鳥類では中間の長さということです。
  Jonathan R. Codd, Phillip L. Manning, Mark A. Norell, Steven F. Perry
  Avian-like breathing mechanics in maniraptoran dinosaurs
  Proceedings of the Royal Society B DOI 10.1098/rspb.2007.1233
  論文ダウンロードできます。

 Peter G. Tickle, A. Roland Ennos, Laura E. Lennox, Steven F. Perry and Jonathan R. Codd
 Functional significance of the uncinate processes in birds
 Journal of Experimental Biology 210, 3955-3961 (2007) doi: 10.1242/jeb.008953

 http://hss.ulb.uni-bonn.de/diss_online/math_nat_fak/2004/codd_jonathan/text.pdf

 BBC MSNBC マンチェスター大ニュース

中国内蒙古自治区で17件の恐竜化石発見 10.22.07
  新華社 中国広播網
  内蒙古自治区、烏拉特后旗巴音満都呼恐竜化石保護区で、発掘チームが恐竜化石
 17件を発見したそうです。原角竜類、ヨロイ竜類、恐竜卵などが含まれるそうです。

中国新疆ウイグル自治区奇台で、再び大型恐竜化石発見 10.17.07
  新華社
  昨年、奇台の恐竜溝から発見された恐竜化石は、大いに中国マスコミで報道されました。
 恐竜溝の2号坑から、大型脊椎骨と肋骨が現れています。報道によると、長さ4m幅2m、重
 さ4tになるそうです。

内蒙古二連浩特の恐竜墓地は面積800㎡ 10.15.07
  新華社
  二連浩特では2006年以来発掘が続けられ、恐竜化石が埋蔵された区域は延べ800㎡に
 及び、中国国内の後期白亜紀のサイトとしては最大ということです。

東洋一博士、中国浙江省東陽市の恐竜化石を調査 9.25.07
  東陽市人民政府網 浙江在綫
  9月22日、福井県立恐竜博物館の東洋一博士らは、浙江省東陽市の恐竜化石発掘現場を
 訪れ、化石の寸法などを測ったそうです。また、他の資料と比較検討し、浙江自然博物館の
 金幸生とともに、ティタノサウルス科の新属新種と判断したそうです。また、その中国名は東
 陽竜となる可能性大ということです。(ティタノサウルス科という分類群名を使うことには全く問題がないとは
  言えませんがTaxon search)


恐竜と現生脊椎動物間における骨ガン有症率の比較 9.20.07
  L.C. Natarajan, A.L. Melott, B.M. Rothschild, L.D. Martin 2007
  Bone Cancer Rates in Dinosaurs Compared with Modern Vertebrates
  Quantitative Biology アブストラクト(論文ダウンロードできます)

  爬虫類の骨ガン有症率からは恐竜の骨ガン有症率が0.142%と推定され、また鳥類の骨ガン有症率
 からは、恐竜のそれは0.048%とされるのに対し、708個体の恐竜標本を調査すると、異常なほど高い
 有症率になるのだそうです(論文中具体的数字は出ていない感じです)。
 著者らは大量絶滅は他の星からのガンマ線などにより引き起こされたという仮説で研究しているので、
 これもその一環でガンマ線などにより骨ガンが引き起こされ、恐竜絶滅の原因となったとしているよう
 に見えます。
 参考:ニューサイエンティスト2004.9.24

中国浙江省東陽市の恐竜化石発掘現場 9.13.07
  金華新聞網
  9月4日付で紹介した「恐竜化石王国」発掘現場の紹介です。既に3mほど発掘し、この恐竜の体長は、
 10mほどになるのではと紹介しています。といってもどんな種類なのかまだわからないようです。地層は
 約6500万年前としています。

ののちゃんのDo科学 大昔に栄えた恐竜 なぜ滅んだの? 9.05.07
  朝日新聞
  題からすると絶滅の理由かと思いますが、本文は恐竜の色についてです。
 「恐竜の色はいいかげん」という某トリビア番組が以前ありました。実際にはどのように図
 鑑の恐竜の色は塗られているのか、少し参考になるかも。小田隆さんのイラスト(トリケラ
 トプス)が掲載されています。

中国浙江省東陽市で恐竜化石 9.04.07
  中国新聞網 東陽市人民政府網
  浙江省東陽市は金華市の中にある市です。9月2日、白雲街道に接する官亭社区白殿
 小区の住民、李永財が、胡公山西側のソバ畑で赤褐色の直径10cmほどの骨頭を発見し、
 当局に報告したことから、明らかになったものです。
 浙江自然博物館の副館長、金幸生(この方は以前、福井県立恐竜博物館にもいました)ら
 が現場を発掘し、3個の"骨頭"を発見しましたが、これは恐竜の椎骨だったそうです。しか
 し、これだけでは恐竜の種類は不明であり、また現場の地形が複雑なので、全身骨格が
 期待できるかどうかもわからないそうです。他の報道では竜脚類としています。
 東陽市では1981年に恐竜の化石が発見されたほか、2005年前半に恐竜の肢化石、2006
 年5月9日には恐竜卵化石が発見されており、金幸生は、東陽市の地下には一大恐竜化
 石王国が眠っていると断言しているそうです。

恐竜は速かった、陸上3冠ゲイもビックリ 9.03.07
  日刊スポーツ
  一般紙と同じ程度に紹介していますね。

中国内蒙古自治区で珪化木と恐竜化石発見 8.29.07
  新華社
  内蒙古自治区興和県城関鎮の南15km二台子鎮勝夭村から0.5kmの所で約1億年
 以上前の地層から珪化木を産出したそうです。また、恐竜化石は二台子鎮嶺家溝の
 南、興和県から6kmの所から産出し、烏蘭察布市地質生物研究所の鑑定では、ジュ
 ラ紀の小鳥竜に属するとしています。小鳥竜とは、Ornitholestes のことをいうようで
 す。

Expedition Mongolia 8.28.07
  ロイヤル・ティレル博物館がモンゴル・ゴビで現在発掘をしています。8月19日のモン
 ゴル到着から、24日までの様子がアップされています。

恐竜の最大速度を推定 8.22.07
  William Irvin Sellers & Phillip Lars Manning
  Estimating dinosaur maximum running speeds using evolutionary robotics
  Proceedings of The Royal Society B
  FirstCite Early Online Publishing DOI: 10.1098/rspb.2007.0846
  論文ダウンロードできます。

  エミュー、ダチョウ、ヒトの3種類の現生2足歩行動物と、Compsognathus; Velociraptor;
 Dilophosaurus; Allosaurus; Tyrannosaurus という5種類の恐竜のシンプルな筋骨格系を
 つくり、その最大速度を求めています。その結果、現生の方では妥当な結果が得られた
 そうです。恐竜はどうでしょう。
 AFPBB 読売新聞 中日新聞

米ブリガムヤング大のチーム、モアブ近郊で竜脚類骨格を発見 8.12.07
  BYU NewsNet
  地球科学博物館のチームがアパトサウルスと見られる骨格を発見したそうです。恥骨、大腿
 骨、胸胴椎から尾椎にかけて、いくつかの椎骨、それに12から15の頚椎骨が発見されている
 そうです。大腿骨長は約5フィートとということなので、約1.5mほどでしょうか。

福井、竜脚類左前肢尺骨と見られる化石発掘 8.12.07
  福井新聞 朝日 読売 中日
  8月3日、福井県立恐竜博物館の野田芳和主任研究員が発見。前回発見された上腕骨から
 約3m下流側だそうです。同一個体と推定されるそうです。8月10日から31日まで同博物館で
 展示されるそうです。

欧州最大の恐竜の墓場か スイス 8.12.07
  CNN.co.jp
  独との国境に近いスイスのフリック村でプラテオサウルス2体発掘。以前から恐竜化石が発
 見される地域ですが、今回の発掘により、恐竜化石の埋まっている面積がかなり広がったそ
 うです。

恐竜の登場はそんなに急速ではなかった 7.20.07
  米ニューメキシコ、Hayden発掘地の上部三畳系チンリ層で発見された化石群集から、
 恐竜は、三畳紀後期に急速に登場し置き換わったのではなく、それ以前の生物群と
 共存し、置換には1500から2000万年かかったということです。
 サイエンス 7月20日号 カリフォルニア大バークレー校リリース
 Randall B. Irmis, Sterling J. Nesbitt, Kevin Padian, Nathan D. Smith, Alan H. Turner,
  Daniel Woody, Alex Downs

 A Late Triassic Dinosauromorph Assemblage from New Mexico and the Rise of Dinosaurs
 Science 20 July 2007: Vol. 317. no. 5836, pp. 358 - 361 DOI: 10.1126/science.1143325

恐竜の性的成熟は完全に成体になる前から 7.20.07
  MSNBC
  恐竜の性的成熟は、個体成長が完全に成体になるより結構前からという研究です。
 巣に入った状態など繁殖行動をしている化石でも、成体とは限らないようです。
 Gregory M. Erickson, Kristina Curry Rogers, David J. Varricchio, Mark A. Norell, Xing Xu
 Growth patterns in brooding dinosaurs reveals the timing of sexual maturity in
 non-avian dinosaurs and genesis of the avian condition
 Biology Letters 10.1098/rsbl.2007.0254

欒川盗竜の学名は 7.05.07
  中国網英語版
  Luanchuan Daolong と書いてあるのですが、まだなんともいえません。
 種小名は盗竜の音読みですね。

河南省国土資源庁、新発見の恐竜3種発表 7.04.07
  中国新聞網 中国新聞網 今報網 人民網 化石網 人民網 人民日報日文版
  Recordchina それぞれ写真あります
  河南省の汝陽欒川(ルアンチュアン)で発見された白亜紀恐竜化石群について、
 報道発表をしました。特に3種の恐竜については骨格標本を展示しています。

 汝陽恐竜化石群に属するものとして、
 ・汝陽黄河巨竜:これはパンテオンでも紹介しました。Huanghetitan ruyangensisです。
  報道では体長18m、肩の高さ6m、肩の幅3m、腰の高さ5.1m、腰の幅2.8mとしていま
  す。体重は60tにもなるとしています。
 ・洛陽中原竜:7月2日付で紹介したZhongyuansaurus luoyangensis です。
  体長6mとしています。中国国内唯一の大型ノドサウルス科恐竜だそうです。
 ほかに、未命名の大型竜脚類(大腿骨復元長2.35m)やオルニトミモサウリア類がある
 そうです。

 欒川恐竜化石群に属するものとして、
 ・欒川盗竜:正式に命名されたそうですが、私は論文未見です。学名は何というのか
  まだわかりません。河南欒川盗竜としている報道もあります。Luanchuanraptor とか
  命名されたでしょうか。体長2.6mのドロマエオサウルス類。遼寧や内蒙古以外の中
  国国内で初めて産出した同類としています。
 ・未命名のオヴィラプトル類:その体長は0.6mに達しないそうです。現在、世界最小の
  オヴィラプトル類です。
 ・恐竜足跡化石:ジュラ紀のもので、記載されています。
  LÜ Junchang et al 2007.
  河南省義馬県中侏羅統義馬組獣脚類恐竜足印化石的発現及其意義
  地質学報 2007 Vol.81 No.4 P.439-444

  カナダ、エドモントン南西で新たなボーンベッド 6.30.07
  the star.com CBC
  およそ7,000万年前のボーンベッド、これまで異なる年代に生息していたと考えられていた
 EdmontosaurusSaurolophus が一緒に産出し、同時代に生きていたことがわかったそう
 です。Edmontosaurusの幼体から成体まで数があるようで、その成長の様子もわかるそう
 です。

三畳紀後期南アフリカ産出の原始的鳥盤類恐竜 6.14.07
  Richard J. Butler, Roger M. H. Smith and David B. Norman 2007.
  A primitive ornithischian dinosaur from the Late Triassic of South Africa,
 and the early evolution and diversification of Ornithischia
 Proc. R. Soc. B First Cite doi:10.1098/rspb.2007.0367 論文ダウンロード

  南アフリカ、フリーステイト州Ladybrand地区、下部エリオット層の上部(後期三畳紀?ノリ
 アン)から産出した小型原始的鳥盤類を記載しています。
 Eocursor parvus gen. et sp. nov.
 属名はeos(ギリシャ語の暁)+cursor(ラテン語のランナー)。初期の鳥脚類であり、その明ら
 かな移動能力から。
 種小名parvus(ラテン語の小さい)。小型であることから。
 その系統的位置づけは、鳥盤類の基盤近くになり、ゲナサウリア類〔装盾類、新鳥盤類(鳥
 脚類、角竜類、周飾頭類が含まれる)、Ankylosaurus magniventrisTriceratops horridus
 及びParasaurolophus walkeri を含むクレード〕 と姉妹群をなすが、ヘテロドントサウルス科
 より派生しているとされています。また、系統解析から新鳥盤類と装盾類はジュラ紀最初期
 まで出現しなかったかもしれないし、鳥脚類と周飾頭類はジュラ紀中期以前に出現しなかっ
 た可能性がある、要するにこれまで考えられていたより鳥盤類の分岐年代は新しく、三畳紀
 末の植物食単弓類や主竜類の絶滅により空いた環境に分岐放散したようだとしています。
 英自然史博物館ニュース

恐竜の聴覚について米音響学会で発表 6.04.07
  What Did Dinosaurs Hear?
  アロサウルスは440khz、ブラキオサウルスは200hzが最もよい可聴域だった
 そうです。
 参考:音階と周波数の対応表

恐竜は泳ぐことができたか 5.25.07
  GSAニュースリリース 読売新聞
  Rubén Ezquerra et al. 2007.
  Were non-avian theropod dinosaurs able to swim? Supportive evidence from an Early
  Cretaceous trackway, Cameros Basin (La Rioja, Spain)
  Geology Volume 35, Issue 6 (June 2007) pp. 507–510  DOI: 10.1130/G23452A.1

  Rubén EzquerraらのチームがスペインのLa Riojaで発見した、爪の引っかき傷のような足
 跡を記載しています。約1億2千5百万年前の、以前から恐竜足跡が知られるところでです。
 2~3の引っかき跡が6組、非対称についていました。個々の跡は幅約15cm、長さ約50cm
 です。全体では約15mになります。
 これは獣脚類恐竜が泳いだ際、水深約3.2mの水底についた跡ということです。

大型恐竜は低い音声で 5.16.07
  ディスカバリーチャンネル
 米音響学会でメリーランド大のRobert J. Doolingらが発表するところによると、主竜類の体
 の大きさと発声・可聴範囲は相関しているそうです。大型恐竜は3キロヘルツが上限だった
 そうです。アブストラクト

今度は恐竜骨化石 勝山長尾山公園発掘ランド 5.01.07
  福井新聞
  長尾山総合公園内「どきどき恐竜発掘ランド」で親子連れが長さ11cmほどの骨化石を発見。
  福井市和田小6年、山田紗希さん(11)と父の道彦さん(37)親子だそうです。

日本初 恐竜の皮膚痕化石を発見 4.26.07
  福井県立恐竜博物館ニュース 朝日新聞
  化石発掘体験ができる「どきどき恐竜発掘ランド」の石から。

非鳥獣脚類恐竜の中にある、鳥類ゲノムサイズと構造の起源 3.08.07

ブラジルから2.28億年前の恐竜の祖先 12.15.06
  Globo.com(ポルトガル語?)(写真をクリックすると8枚の写真が)
  2004年12月にブラジルのリオグランデ・ド・スル州で発見された骨格です。
 非常に原始的な特徴が見られます。 Revista Brasileira de Paleontologia に記載
 論文が受理されたそうなので、近々詳細がわかるでしょう。

中国雲南省禄豊県で恐竜化石14体発掘 11.28.06
  新華社雲南頻道 新浪網
  11月22日までに14体の恐竜化石を発掘したそうです。最大の化石は成体で12m、最小は
 幼体で1.2m。恐竜の種類は、ルーフェンゴサウルス、ディロフォサウルス、ユンナノサウルス
 が含まれ、肉食恐竜3体、植物食恐竜11体だそうです。完全な頭蓋が2、比較的完全な頭蓋
 が1あるそうです。

恐竜の腸内寄生虫の初めての証拠発見 10.24.06
  コロラド大Boulder校ニュース physorg.com
  米地質学会総会で発表されたものです。"Leonard"と名づけられたミイラ化したBrachylophosaurus Canadensis
 の腸の17のサンプルから200以上の寄生虫が開けたとおぼしき穴が発見されたそうです。カレン・チンらの報告。
 参考:Leonardo Project
 PALEOBIOLOGICAL IMPLICATIONS OF DIMINUTIVE INVERTEBRATE BURROWS WITHIN PROBABLE GUT CONTENTS OF A  1
 HADROSAURID DINOSAUR FROM THE UPPER CRETACEOUS (MIDDLE CAMPANIAN) JUDITH RIVER FORMATION OF MONTANA


米ユタ州南部で角竜類頭骨発見 9.23.06
  kutv.com動画あり
  約7千5百万年前のものだそうです。重すぎて運べず、ヘリコプターを用意するそうです。
  The Salt Lake Tribune
  Grand Staircase-Escalante National Monument で発掘作業をし、2つの恐竜化石を発掘したのだ
 そうです。

亜州第一竜、近々北京へ輸送 9.23.06
  中国新聞網
  新疆ウイグル自治区奇台県恐竜溝で発掘された、アジア最大の竜脚類化石は、近々北京に輸送
 し、修復作業が始まるそうです。

モンタナ州立大とモンゴルのチーム、ゴビで恐竜化石発掘 9.17.06
  モンタナ州立大ニュース
  ジャック・ホーナーほかモンタナ州立大とモンゴルのチームはゴビで一週間に67
 体の恐竜化石を発掘したそうです。大部分はプシッタコサウルスのようです。
 ほかに新種とみられるラプトル類1体なども発見されているそうです。

新疆ウイグル自治区で発掘された化石、北京へ 9.11.06
  中国新聞網新疆分社
  体長35mと報道された、奇台県恐竜溝の恐竜化石は、総重量15t、105個の石膏
 梱包にされて昌吉市に運ばれました。ここから北京まで列車に載せられ、中国科
 学院古脊椎動物与古人類研究所で修復されるそうです。

恐竜の化石、7割が未発見と 米研究者が推計 9.11.06
  CNN co.jp ペンシルバニア大ニュース
  ピーター・ドッドソンらの推計では、現在見つかっている恐竜は527属なのに対し、
 最終的に合計1850属が発見されるはずということです。
 SC Wang and P Dodson (2006): Estimating the Diversity of Dinosaurs
  SC Wangのサイトのpubulications に論文へのリンクがあります。

豪クイーンズランド州西部Winstonで恐竜化石 9.07.06
  ABC
  Winstonは、数年前、オーストラリア最大の恐竜Eliotが発見された所です。少なくとも長さ1.5mある
 肋骨、小さい尾椎骨などが発見されたそうです。これからも期待できそうです。
 参考:The Winston Dinosaur Project site

新疆ウイグル自治区恐竜溝の発見 8.30.06
  長安街新聞網
  アジア最大のマメンキサウルスのほかに、2つの大きな発見があると伝えています。1つは、世界最大
 の剣竜肩棘。1.37mに達します。2号坑から産出しました。これまで四川省から産出した1.2mのものが世
 界最大でした。もう1つは、恐竜の頭骨とおぼしき2つの化石。1つは長さ50cm、もう1つは長さ17cmだそ
 うです。

徐星、新疆ウイグル自治区の恐竜溝と五彩湾の化石について等、インタビュー 8.30.06

四川省自貢でも最大級恐竜発見 8.30.06
  四川在繊
  体長22~23mに達する竜脚類化石が大山舗から産出したそうです。頭骨と頚椎はありませんが、他の
 骨はよく残っています。初歩的な鑑定ではオメイサウルスに類似するということです。

8頭の恐竜化石を寧夏の霊武市で発掘 8.30.06
  チャイナネット

寧夏から発見された恐竜頭骨化石 8.28.06
  科技時代(荒れ気味ですが写真3枚)
  寧夏灵武では、1号坑から3号坑まで3箇所で発掘しています。1号坑からは4個体、2号坑
 からは3個体の骨格が発見され、目下3号坑を重点的に発掘しています。
 この7月、3号坑から2個体の骨格が発見されました。1・2号坑から発見された個体に比べると
 小さく、幼体の可能性もあるそうです。この3号坑から竜脚類頭骨が発見されました。下顎に棒
 状の歯が22本あります。なお、2号坑からも頭骨が発見されているそうです。

中国内蒙古自治区で恐竜墓地発見 8.28.06
  北京晨報 新華社(写真あり)
  二連浩特市から20km離れた、二連盆地の恐竜保護区中心部で発見されたそうです。
 元々高さ7-8mの土丘の下だった所で、面積は約80㎡、約10個体の骨格があるそうで
 す。体長は10mほど、肉食・植物食双方のものがあるそうです。白亜紀後期のもので、
 恐らく総面積は数百㎡になるとされています。
 写真では日本語の本の図を示していますが、バクトロサウルスが出たのでしょうか。

It's real life CSI for dinosaur detectives 8.25.06
  CNN
  ジャック・ホーナーの下、モンタナのヘルクリーク層で恐竜化石を発掘から研究する過程を紹介しています。

中型肉食恐竜の歯発見 天草市・御所浦島 白亜紀前期の地層から化石 8.12.06
  西日本新聞
  御所浦白亜紀資料館が5月に行ったGW恐竜化石発掘調査で発見された化石が、獣脚
 類の歯であることがわかり、8月10日から同館の特別展で展示されています。
 歯の大きさは長さ3.2cm、最大幅1.3cmということです。

中国新疆ウイグル自治区で大規模な恐竜発掘活動進行 8.17.06
  新華社(写真2枚) 天山網
  奇台県恐竜溝の発掘は、かなり大規模に行っているようです。8月15日、発掘開始セレモニーも行い、
 中央電視台ほかプレスも入り、徐星が発掘状況を説明しています。 “中国昌吉恐竜遺址” という石碑
 も建てられました。ここはジュラ紀には内陸湖のある盆地だったそうです。今後に期待しましょう。

新疆ウイグル自治区奇台県恐竜溝の発掘状況 8.16.06
  天山網14日付(写真2枚)
  1号坑では、頚椎化石が産出したそうです。長さ1.5mの頚肋骨がついているもの。
 王海軍によると、頭高12m、体長30m、頭長0.4から0.5mの植物食恐竜化石というこ
 とです。また、長さ70cmの大腿骨化石も産出したそうです。
 2号坑からは30個ほどの小さい化石が産出していて、うち4個の獣脚類歯化石があり、
 3種に分類されるそうです。これからの発掘も期待できそうですね。

新疆ウイグル自治区の恐竜化石、3体発掘 8.07.06
  新疆新聞網
  報道によると、7月28日に1号採掘坑、8月3日に2号採掘坑で発掘を開始し、1号坑で1体、
 2号坑で2体の恐竜化石が見つかったようです。1号坑は頭骨が見つかる可能性があるとい
 うことです。

寧夏、 灵武市の恐竜発掘 8.07.06
  こちらの発掘では、 3号坑 で恐竜の胸骨化石が初めて出たそうです(人民日報)。中央電
 視台が現場に入り、「科学世界」という番組でこの紹介をするそうです(新華社)。日本でも、
 たまにはこのような中国のTV番組を放送してはどうでしょう?

IVPP、新疆ウイグル自治区で大規模発掘 8.04.06
  新華社
  中国科学院古脊椎動物与古人類研究所(IVPP)は、今月、新疆ウイグル自治区奇台県の
 恐竜溝という所で、大規模な恐竜化石発掘をしているそうです。そこは、ジュンガル盆地の
 火焼山油田から北東に60km、南北に伸びる谷で、地名はもちろん化石が出てからついた
 ものです。
  IVPPは、ここを全国で2箇所の発掘地の1と確定しました。8月27日には中央電視台の取
 材も入ったそうです。これから発掘過程をドキュメントするのでしょうか。発掘成果が楽しみ
 です。

カナダ・ノヴァスコシアで古竜脚類発掘 8.01.06
  The Daily News
  ノバスコシア州のFundy地質学博物館は、この夏Fundy湾の Parrsboro の海岸で発掘を
 していますが、リッチなボーンベッドを発見し、古竜脚類の骨格を発掘したそうです。

ロッキー博物館の発掘チーム、トリケラトプス幼体発見 7.21.06
  モンタナ州東部Jordan近郊のヘルクリーク層から頭蓋とフリル発見したそうです。トリケラトプス幼体
 の発見例としては3番目で、非常に稀なものだそうです。20日のROCKFORD REGISTER STARの記事
 と同じことでしょう。この頭蓋は2007年6月に予定される特別展“Dinosaurs Under the Big Sky”で展示
 される予定です。
 ロッキー博物館ニュース ディスカバリーニュース

Burpee 自然史博物館のスタッフら、トリケラトプス幼体2体発見 7.20.06
  ROCKFORD REGISTER STAR
  モンタナ州の有望なサイトで、不法侵入者を監視していて発見したそうです。

大型恐竜は温かい体温に 7.12.06
  Dinosaur Fossils Predict Body Temperatures
  James F. Gillooly, Andrew P. Allen, Eric L. Charnov PLoS Biol 4(8): e248論文フリー

  以下の8種の恐竜の骨学的成長曲線のデータを用い、その成長に伴い体温がどれだけ上昇するかを
 方程式により算出しています。
 Syntarsus rhodesiensis, Psittacosaurus mongoliensis, Apatosaurus excelsus, Tyrannosaurus rex,
 Daspletosaurus torosus, Gorgosaurus libratus, Albertosaurus sarcophagus,
及びMassospondylus carinatus

 その結果、体重12kgで摂氏約12度から体重13,000kgで摂氏約41度となることがわかりました。このことは、
 ワニの成長に伴う体温の上昇と同様であり、慣性恒温性を示す爬虫類である直接証拠が示されるとしてい
 ます。
 BBC ライブサイエンス ユーレカラート ニューサイエンティスト フロリダ大ニュース

カナダ、エドモントンでエドモントサウルス化石発見 7.01.06
  CBC6.29付
  エドモントンでエドモントサウルスは当然なように思えますが、これまでは、アルバータ州のもっと
 南部で発見されていたそうです。家屋建築現場からの発見で、これまで恐竜化石のある深さまでは
 建築で掘り返すことはないと、専門家たちは思っていたようです。
 化石はここ数日で発掘されるそうです。
 
Burpee 自然史博物館チーム、トリケラトプス幼体(?)化石発掘 6.10.06
  Rockford Register Star
  T-REX幼体"Jane"ですっかり有名になった同博物館ですが、先週、モンタナ州ヘルクリーク層
 の発掘で同一現場から2体のトリケラトプス化石を発掘したそうです。2体とも幼体らしいです。
 現在、骨格の20%程度の骨が見つかっているそうで、再度発掘を進め、残りの骨を捜すようです。

ユタの古生物学者、恐竜発見の新時代へ 5.22.06
  ソルトレイクトリビューン
  Interactive Map: Discovering Utah's Dinosaur Lands 最近の化石発見地域と地層イラスト
  Photo Gallery: Dinosaurs: Utah's New Golden Age  発掘の様子などの写真
  Photo Gallery: Dinosaur Quarry a glimpse on the early Cretaceous  発掘の様子など写真
  Paleontologists dig into bone site

陜西省の退職教師宅に70年前に掘り出した恐竜足跡 5.10.06
  華商報
  咸陽旬邑県の退職教師、郭自峰の家族が70年前に地中から掘り出した石版に、恐竜
 足跡があったという話です。写真を見ると、確かに人の手ほどの大きさで3本指の足跡が
 ありますね。

韓国、固城で恐竜皮膚化石発見 5.09.06
  中央日報
  固城恐竜博物館前の通りで工事中に足の甲の痕跡と見られる跡1点を発見とのこと。

南太平洋で初の恐竜の痕跡発見 3.30.06
  ヤフーニュース(AFP) ニュージーランドヘラルド
  昨年12月下旬に論文紹介したものの報道です。

河南省洛陽市汝陽県劉店郷で恐竜化石発見 3.18.06
  沙坪村というところです。李錘という47歳の村民が最初に発見したそうですが、今は
 中国地質科学院などの発掘調査が行われています。
 今から8千万年~1億年前の大型恐竜の骨格であることがほぼ確認され、脊椎や尾椎
 など重要部位から判断して、中国で過去に見つかった恐竜の化石では新たな種に属
 するとみられているそうです。中原に竜を追うことになるのでしょうか。
 人民日報日文版 人民図片網 新華社華南頻道 江門新聞網

ワイオミング州で恐竜化石の豊富な新サイト 2.2.06
  ピッツバーグ大ニュース

自貢第二期発掘の成果 12.17.05
  四川在繊
  大山舗第二期発掘で、大型竜脚類が多く出ているそうです。肋骨長1.93mとい
 う、大山舗で最大の竜脚類化石。これは体長20mを超えるとされています。
 また、長さ1.33mの大腿骨と脇の頚肋骨の所に109mmの肉食恐竜の歯がある
 のが発見され、これらの化石の肉体が食べられた可能性を示しているそうです。

中国甘粛省酒泉で鳥類、恐竜、ワニなどの化石発見 10.11.05
  甘粛省酒泉玉門油田沈家湾地区で進行している地質探査で、いろいろな化石
 が発見されているそうです。鳥類ではGansus yumenensis(玉門甘粛鳥)。
 その中の北山地区では恐竜の下顎骨(長さ3cm)、長さ1.5mのワニ化石が産出した
 そうです。
 新華社(鳥) 新華社(恐竜) 新華社(ワニ)

寧夏霊武で発見された恐竜化石について 8.19.05
  新華社
  IVPPの賈程凱博士によると、ここから5体の恐竜化石が出土した点、竜脚類、鳥
 脚類両方の化石がある点、アジア最大級の竜脚類である点、竜脚類頭骨がみつ
 かる可能性がある点(歯は発見されたそうです)、霊武竜という新属になる点、将来
 的に寧夏の観光スポットになる点をあげて、この発掘の意義を説明しています。

寧夏の恐竜化石続報 8.18.05

 
タイ、ムクダハン州で恐竜化石発見 7.16.05
  同州Phupan山でカメ化石とともに恐竜の尾椎化石が発見されたそうです。
  ムクダハンはバンコクより北東、ラオス国境に近いところです。
  バンコクポスト

獣脚類恐竜Coelophysis, Allosaurus 及び Tyrannosaurus における
 比較頭蓋力学面
 7.07.05

寧夏の恐竜化石続報 6.18.05
  霊武市の恐竜化石についてIVPPの王海軍が初歩的鑑定をしたそう
 です。
 1号坑と2号坑は20mあまり離れています。1号坑の3体の化石は60%
 以上発掘して現われ、2号坑の2体は一部分のみです。
 完全な仙骨、5個の胴椎骨、3個の尾椎骨と左大腿骨があるそうです。
 王海軍が胴椎骨の高さを測ったところ1.1mあり、これはアジアでも最
 大級、"世界級"の大きさの恐竜に属するとしています。
 新華社

中国寧夏回族自治区で発見された恐竜化石 6.15.05
  同自治区霊武市で恐竜化石群が発見されたことは、4月25日付で
 お知らせしました。

 霊武市磁窑堡鎮南磁湾の現場では、その1号坑からは、3体の化石
 が発見され、中には、これまでアジアで知られる最大の竜脚類化石
 (肩甲骨長さ約1.7m全長約23m)、2号坑からは2体の化石、そこには
 世界最大級の竜脚類があらわになったそうです。

 6月12日には同自治区の馬后智主席が現場を視察しました。同自治
 区政府は1号坑の上に恐竜博物館を建設することを決定したそうです。
 おそらく自貢のようなものにするのでしょう。
 新華社(1号坑、2号坑の写真) 新華社(主席視察記事)
 寧夏日報(記者のリポート)
 参考:人民日報(4月21日付発掘開始の頃。写真あり)

雲南省で発掘された1億8千万年前の恐竜 6.13.05
  新華社英語版が写真つきで報道しています。
  董枝明も現場で鑑定したそうですね。その董枝明は現場で、ここは
 拙速に発掘するより、この地に恐竜博物館を建設してはどうかと提案
 しています。澄江県では恐竜文化園の建設も考慮しているようです。
 玉渓日報(現場の化石が雨で流れないよう排水溝を掘っている写真)

中国雲南省玉溪市で体長10mの恐竜化石 6.10.05
  中国の別の報道を見るとユンナノサウルスと鑑定されたそうです。
  人民日報日本語版写真あり
  江門日報(写真)
  董枝明も現場で鑑定しているようです。雲南日報

現生爬虫類の予期されなかったアミノ酸組成と、恐竜絶滅の分子
 メカニズムにおけるその関係
 6.05.06

インディアナポリス子供博物館、パキケファロサウルス類頭蓋を入手5.05.05
  2004年にサウスダコタ州のヘルクリーク層で発見されたものだそうです。
 未記載ですが、バッカーらが論文の用意をしているようです。
 Indianapolis Star Washington Times 朝日新聞

中国寧夏回族自治区で恐竜化石発見 4.25.05
  同自治区霊武市で科学的研究に値する恐竜化石が発見されたそうです。
 昨年10月住民が偶然発見したもの。約1億4千万年前白亜紀の恐竜化石群で、
 鳥盤類、竜盤類両方の化石が含まれているそうです。4月21日から発掘開始。
 人民日報 中国恐竜網 写真あり

ケニア初の恐竜 3.12.05
  2004年6月から7月にユタ大とケニア国立博物館が共同で発掘調査を行ったそうで
 す。場所はトゥルカナ湖近くのLokitaung Gorge 。200以上の標本が発掘されたようで
 す。
 ヤフーニュース(AFP)

2足走行能力の生力学的な分析および感度分析 II 絶滅分類群 9.09.04

ジュラ州でジュラシック・パーク   スイス西部 9.06.04

南米白亜紀の恐竜の体重 8.20.04
  
恐竜足跡化石群で今年も発掘調査--大山町 /富山 7.26.04
  毎日新聞
  参考:恐竜の足音がやってくる

スペイン・テルエル(Teruel)地方の恐竜発掘 7.21.04
  すでに何回か恐竜発掘の報道がされています。
 今回は、ディプロドクス科の右腸骨が紹介されています。
 BBC
 参考:世界最大の恐竜発掘BBC
     Dinopolis テルエルの恐竜について スペイン語

ジュラ紀前中期の恐竜の化石を発掘 雲南 6.07.04
  人民日報日文版 雲南省元謀県で行われた発掘で、約1億8千万年前の
 原竜脚類と、約1億6千万年前の竜脚類化石が発見されたそうです。
 新華社 中華網 雲網
 参考:人民日報日文版12.17.03
     雲南地質博物館
 
スペインで世界最大の恐竜発見 3.02.04
  BBC
  参考:スペインの恐竜(スペイン語)

南極で新発見の恐竜 2.28.04

恐竜化石記録の編纂と分析 2.12.04

Dinosaur got cancer 10.21.03
  ネイチャーサイエンスアップデート
  10月15日付でお知らせした、恐竜の腫瘍についての報道です。

恐竜の脳腫瘍、初の発見 10.24.03
  1997年にモンタナ州西部Teton 郡、Two Medicine 層約7千2百万年前か
 ら産出したゴルゴサウルス脳幹に発見されたものです。
 インディアナポリス子供博物館ブラックヒルズ地質学研究所が発表。
 直径2インチのボール状で、体のバランスや運動機能に関する部位にでき
 ているそうです。
 ヤフーニュース(ロイター) MSNBC ヤフーニュース(時事) 読売新聞
 ナショナルジオグラフィック11.24.03.追加

恐竜の腫瘍の疫学的研究 10.15.03
  Epidemiologic study of tumors in dinosaurs
  B. M. Rothschild, D. H. Tanke, M. Helbling II and L. D. Martin
  Naturwissenschaften Online First

  アブストラクトほにゃ訳
  恐竜骨断片についての時々の報告は、腫瘍が人口現象を表すかもし
 れないことを示唆している。人についてのこれまでの研究は、脊椎放射
 線医学が人口選別に強力なツールであることを示した。恐竜の腫瘍の
 疫学は、ここでは、腫瘍に関する証拠のために、恐竜の脊椎骨をX線選
 別により研究された。コンピュータ断層撮影(CT)と断面は、適切なところ
 で得られた。X線撮影された1万個以上の標本の中では、腫瘍は白亜紀
 のハドロサウルス(カモノハシ恐竜)にのみ発見された。これらには血管
 腫、転移性の癌(以前に、恐竜で確認されている)、線維形成性線維腫
 および骨芽細胞腫が含まれていた。恐竜の腫瘍疫学は科のパターンを
 反映するように思える。遺伝子の傾向か環境突然変異誘発要因が疑わ
 れる。

恐竜 変わるイメージ 米の2研究者に聞く最新の成果
  東京新聞7・15付

DINOSAUR OR BIRD?  7.22.03
 Paleontologist Finds Cache of New Carnivorous Creature
 ジム・カークランドと非常に豊富なユタ州の新化石サイトに
 ついて
 ディスカバリーチャンネル

恐竜と初期鳥類の呼吸と繁殖の古生理学 7.09.03
  Respiratory and Reproductive Paleophysiology of Dinosaurs
  and Early Birds
  John A. Ruben, Terry D. Jones, and Nicholas R. Geist
  Physiological and Biochemical Zoology 76(2):141-164. 2003. 

  新研究というよりは、彼らの研究のレビューのようです。
 アブストラクトほにゃ訳
 恐竜と鳥類はその多様性と永続性においてもっとも成功した陸生
 脊椎動物であった/ある。あいにく、恐竜と最初期鳥類の生態の、
 多くの局面を解釈すると、それらが化石からしか知られていないの
 で、あなどりがたい挑戦が提示される。それにもかかわらず、現生
 爬虫類、鳥類および哺乳類で専門化している機能が原因となって
 つながる共有解剖構造の識別により、これらの分類群の属性を推
 論することができる。このような研究から、恐竜と初期鳥類は恒温
 性であったようにみえるが、これらの動物における鼻甲介の欠如
 が、それらが休息や通常の活動中に爬虫類様の(外温性)新陳代
 謝率だったらしいことを示す。それにもかかわらず、高い活動期間
 にあるいくつかの現生爬虫類の新陳代謝能力が与えられる場合、
 初期鳥類はおそらく力飛行ができただろう。例えば獣脚類恐竜に
 好気性新陳代謝能力と、いくつかの大型現生熱帯トカゲ(例えば、
 Varanus
)のものに同等な習性があったならば、 重要な行動域を
 維持して活発に大型の犠牲者を追い殺しただろう。さらにこの活
 動的シナリオは、外温性であっても、獣脚類恐竜がワニのような
 このグループの横隔膜呼吸を利用したらしいことにより補強された
 ようにみえる。最後に、それらの巣の内に頑固に埋めることおよび
 転卵の明らかな欠如からは恐竜のひとかえりの孵化は鳥類よりも
 爬虫類のようだたことを示唆する。これまでの示唆と相容れないが
 ある恐竜の幼体が孵化時に無力で晩成性だったかもしれないとい
 う確実な証拠はわずかしかない。

中国浙江省天台県で恐竜化石 3.25.03
  3月2日付けなので、さらに古いニュースです。天台県とは、
 日本の天台宗のもととなった中国の天台宗総本山のある所
 です。天台山には日本からも参拝に行く人が絶えません。
 一方、数年前から恐竜卵化石の産出でも有名になっています。

 中国恐竜網などの報道によれば、同県街頭鎮双里湾村で、
 董枝明、中国地質科学院の陳克樵らにより発掘されたもの。
 年代は約7千万年前。大腿骨、脊椎骨、尾骨、前後肢骨など
 発掘されているそうです。

 どこの特徴からかわかりませんが、体長6-7mのセグノサウル
 ス類の新種と董枝明は考えているように中国恐竜網では紹
 介しています。一方、人民日報では竜脚類巨竜科としていま
 す。ティタノサウルス類のことでしょう。どちらが本当なのか、
 もう少し詳しい情報がほしいですね。
 中国恐竜網中国恐竜網
 人民日報 人民日報
 参考:中国恐竜体験の旅アルバム

恐竜の尾とカニが同時に産出 3.24.03
  3月10日付けのニュースなので、もう皆さんごぞんじでしょう。
 エジプトのバハリヤオアシスは、古くはスピノサウルス、また
 最近ではパラリティタンが発見された所です。ニュースでは恐
 竜の尾椎、Necrocarcinidaeのカニおよび植物が1フィート半の
 範囲で同時に産出したそうです。年代は約9千4百万年前。発
 見は2001年。 尾椎はティタノサウルス類のもののようです。

 恐竜とカニの化石が同時に産出したのは初めてのこと。バハ
 リヤオアシスは当時、今のフロリダのようなところだったよう
 ですが、今回の発見は当時の生態環境を復元する大きな手
 がかりになります。

 このことに関する論文は今年後半、Journal of Paleontology.
 誌で発表されるそうです。
  Schweitzer, C. E., K. J. Lacovara, J. B. Smith, M. C. Lamanna, M. A. Lyon, and
  Y. Attia. in press.
  Mangrove-dwelling crabs (Crustacea: Decopoda: Brachyura: Necrocarcinidae)
  associated with dinosaurs from the Cretaceous (Cenomanian) of Egypt.
 ワシントン大ニュース ユーレカアラート(同文)
 参考:EGYPTDINOS.org carlsagan.com
     Joshua B. Smith Carrie E. Schweitzer Matthew C. Lamanna
     日加タイムス(藻谷亮介博士のジュラシックトーク)

例外的に保存された下部白亜系生態系 2.20.03
  An exceptionally preserved Lower Cretaceous ecosystem
  周忠和, PAUL M. BARRETT & JASON HILTON
  ネイチャー2月20日号 Nature vol.421 pp.807-814

  レヴューアーティクルです。
  中国北東部の熱河生物群研究について概括的にまとめています。
 堆積環境、年代、脊椎動物特に羽毛恐竜と鳥類および哺乳類、無脊
 椎動物、植物、避難所かゆりかごか、収集上の問題、結論という構
 成になっています。後肢に翼のあるMicroraptor についても最後に
 追加しています。
 現在の研究到達状況を概観するのに絶好です。

New Picture of Dinosaurs is Emerging 12.18.02
  ナショナルジオグラフィックニュースです。最近10年ほどの恐竜研究の
 成果やそのための技術の進歩について総括的に紹介しています。

中国黒竜江省嘉蔭県鳥拉ga鎮のボーンベッド 11.19.02
  中国恐竜網 写真4枚

Dinosaur Genera List #195 11.11.02
 ジョージ・オルシェフスキーが定期的にDinosaurMLにアップしています。
 今回はしばらくぶりだったのでアップした恐竜の種類が多くなっています。
 Crichtonsaurusまで。

最古の鳥盤類恐竜Silesaurus 11.04.02
  ポーランドの新聞、Gazeta Wyborcza で紹介されています。ポーランド語
 なので、わたしには内容がわかりません。DinosaurML(オルシェフスキー)
 によると、
 Silesaurus opolensis 命名者はJerzy Dzik と Dorota Majer
 属名は、ポーランドのシレジア(Silesia)地方、種小名はOple(シレジア地方
 の発見地)
 年代は約2億3千万年前、三畳紀(Ladinian)
 体長は約1.5m
 DinosaurML(Piotr Gasiorowski)によると、年代は2億2千5百万年前、
 発見地からはラウィスクス類のTeratosaurus、アエトサウルス類の
 Stagonolepisが共産している。
 二次的に四足歩行になった植物食の、最古の鳥盤類としているそうです。
 公式にはJVP2003年の最初の号で記載されるようです。
 わりと大きめの復元画 復元立体写真 復元立体写真2
 Silesaurus の系統画(右下小さい恐竜) 2億3千万年前のポーランド地図
 Teratosaurus復元立体


中国広西の海岸でジュラ紀の恐竜化石 10.22.02
  広西壮族自治区、防城港市江山海灘で発見されたもの。中国では
 もっとも南方で発見された恐竜化石であるとともに、広西でジュラ紀恐
 竜化石が発見されたのは初めて。
 日本のトバリュウのような発見のされ方で、今年7月愛好家によるもの。
 長さ70cmの大腿骨と椎骨が回収されたが、残りは保護が急務とのこと。
 波に破壊されてしまうのでしょう。
 新華社

アラスカ、コルビル川で恐竜化石発見 10.20.02
  コルビル川(COLVILLE RIVER)流域でパキリノサウルス頭蓋、
 ハドロサウルス類幼体などが発見されているそうです。
 CNN10月10日付

黒竜江省で恐竜化石ボーンベッド 10.19.02
  中国黒竜江省伊春市嘉蔭県市街から南に100kmのところ、鳥
 拉ga鎮の西1kmの地点でボーンベッドが発見されているそうです。
 9月11日付けでニュースはお伝えしました。
 今回は現場写真が載っています。
 30平方メートルの剖面に100個以上の化石があり、長さ100cm
 の大腿骨化石もあるそうです。6-7千万年前の白亜紀のものだ
 そうです。
 新華社
 なお、嘉蔭県では、最近恐竜博物館が建設され、同地から発掘
 された10体の恐竜骨格が展示されているそうです。
 人民日報地方聯報網(写真1枚)

中国安徽省黄山の恐竜化石、大量発掘 9.11.02
  7月に高速道路工事中に発見されたとお知らせした地区です。
 爆薬撤去騒ぎもありましたが、安徽省歙県横関村鶏母山の現場から
 ジュラ紀の竜脚類化石が発掘されたそうです。尺骨、脛骨、大腿骨
 棘突起、美椎骨などですが、上腕骨は長さ1m、一端はカボチャ大と、
 報道しています。これは同一個体に属するもののようです。
 人民日報 人民日報

韓国でこれまでで最大の恐竜の歯化石発見 9.04.02
  韓国地球科学および鉱物資源研究所(KIGAM)は慶尚南道南海(ナ
 ムヘ)で長さ9cmの肉食恐竜の歯化石を発見したと9月2日発表しまし
 た。この種類の歯ではこれまでで最大なのだそうです。

 KIGAMのLee Yung-nam 博士の発見で、1億-1億2千万年前とされる
 地層から30cmの恐竜の骨、卵化石とともに発見されたものです。
 歯化石から、恐竜の体長は約12m、頭の長さは1.5mと推定されるそう
 です。骨の方は肉食恐竜の脛骨と推定しているようです。

 この場所からは1ヶ月前に原始的なワニの化石も発見されています。
 ハドロサウルス類歯化石も発見されているそうです。またこの地域か
 らは鳥脚類足跡化石も発見されているそうです。

 日本との関連も含め、研究を進めてほしいですね。

 新華社では恐竜頭蓋化石発見と報じているのですが、それ以上の詳
 細はわかりません。
 THE KOREA TIMES ヘラルドサン 新華社
韓国で発見された恐竜歯化石 9.25.02
  発見概要は9月4日付でお知らせしました。
 Korea Times こちらの記事には歯化石の写真がありました。

中国黒竜江省から恐竜絶滅直前の化石群 9.11.02
  黒龍江省嘉蔭県市街から南に100kmのところ、鳥拉ga地区には、
 6,500-7,000万年前の恐竜や古植物化石が突然死したように地層中
 にあるそうです。
 わずか30平方メートルほどの広さに20-30本の大腿骨があるというの
 です。一大恐竜墓地ですね。

 黒竜江省地質博物館はこれまでにティラノサウルス類の歯、ヨロイ竜
 類の皮骨化石などを発掘しているそうです。
 現在、黒龍江省に米、露、独、日、韓国などの研究者が集まっている
 そうです。ここは新しいフィールドとして有望なのでしょうか。
 なお、ニュースでは董枝明を吉林大学教授として紹介しています。
 こちらに籍が移ったのでしょうか。
 新華社 新華社

安徽省黄山の恐竜化石、爆薬に発掘阻まれる 7.29.02
  7月17日付けでお知らせしたニュースの続報です。高速道路工事現場
 で恐竜化石が発見され、発掘する価値があるとされたものです。が、付
 近は道路工事の際に大量の爆薬や雷管が放置されたままになっており、
 この夏の高温で誘爆を起こし、発掘に携わる人たちに被害がおよぶ恐れ
 があるそうです。
 その後の報道によると、このニュースは反響をを呼び、軍の協力で爆薬
 などを排除したそうです(7.30.02追加)。
 人民日報 新華社

安徽省黄山市で恐竜化石発見 7.17.02
  黄山市屯溪区陽湖鎮塘尾自然村とキュウ県をつなぐ高速道路の
 工事現場で地元の農民が爆破された岩石の中から化石を発見した
 そうです。
 安徽省博物館で調べたところ恐竜化石で、発掘の価値があるとか。
 人民日報

中国吉林省でヒプシロフォドン(稜歯竜)などの化石発見 6.15.02
  人民日報 吉林大学が2000年から発掘をしてきたものです。吉林省中部長春地
 区白亜紀前期の地層、泉頭層から産出したもの。董枝明教授が鑑定したそうです。

 恐竜化石は300点にのぼりますが、うち恐竜卵化石60点、ヒプシロフォドン
 (Hypsilophodon)化石173点、ほかに肉食恐竜化石6点、カモハシ竜化石25点、プ
 シッタコサウルス類化石33点などがあります。

 ヒプシロフォドン化石には頭骨、肢骨、椎骨、腰帯等があり、骨格の60%以上が含
 まれているそうです。米のウッド(Wood)博士、日本の東洋一博士が近々同大学を
 訪問し、共同研究の話し合いをするそうです。
 参考:吉大恐竜研究獲重大突破(新華社)
     吉林大学ニュース 吉林大学博物館

恐竜類、属レベルの巨大系統樹 5.25.02
  A genus-level supertree of the Dinosauria
  Proceedings of the Royal Society, Series B, vol.269, 915-921.
  Davide Pisani; Adam M. Yates; Max C. Langer; Michael J. Benton
  論文自体は5月7日に出版されたものですが、気づくのが遅れました。

 既知の恐竜類全277属の系統樹をひとつにしたスーパー系統樹を作り上げた
 論文です。ただし、そのためには膨大な数の形質をピックアップしなければな
 りません。ここでは、系統樹を作成している126の部分的な系統樹により、そ
 れを行っています。もちろん、その中には相反するものや議論の定まらないも
 ものあります。そういうものは'多数派'や'もっとも強力な見解'を採用していま
 す。

 この系統樹の作成にあたっては、マックG4を2週間昼夜ぶっつづけで稼動させ
 たそうです。これまでの知識に新しいものを加えるものではありませんが、現
 在の恐竜の分類の概略を理解するのに役立ちます。
 これまで科段階なら、セレノ1999"The Evolution of Dinosaurs"にも系統樹が
 掲載されていますが属段階は初めてでしょう。
 
 ブリストル大ニュース 論文概説、チーム紹介、Q&Aおよび論文ダウンロード
  論文中の系統樹は一部文字が欠けています。その下のFIG2.pdfもあわせて
  ダウンロードしたほうがいいです。
 付録 部分的な系統樹のソース論文、除外された属、データマトリックスなど
 BBCニュース

中国、世界の恐竜研究センターに 4.19.02
 人民日報日本語版です。
 遼寧省での相次ぐ恐竜発見と徐星博士の活躍について簡単なリポート。
 現在、新疆ウイグル自治区のジュンガル盆地でより早期のコエルロサウルス
 類を探しているそうです。

「共通の祖先」説、有力に 4.03.02
  朝日新聞4月1日付です。特集:鳥と恐竜 深まる関係(1)として、遼寧省産の
 羽毛恐竜を紹介しています。

試掘調査の結果発表 3.14.02
  朝日新聞です。福井県立恐竜博物館が2月22日に発表した試掘結果を
 紹介しています。
 参考:福井県立恐竜博物館ニュース

福井県立恐竜博物館、今年度の化石試掘調査結果発表 3.05.02
  フクイラプトル幼体化石など50点が出土しているそうです。
  ヤフーニュース(毎日)

Polar Dinosaurs 2.08.02
  サイエンス2月8日号掲載 pp.979-980
 Thomas H. Rich, Patricia Vickers-Rich, Roland A. Gangloff
 PERSPECTIVES で、高緯度地域の恐竜についてまとめています。白亜紀と言え
 ども、極地方は決して温暖ではなかったこと、北米などで極地域と中緯度地域
 の間で恐竜の季節的移動があったように言われるが、小型の恐竜には難しかっ
 たのではないか、など述べています。
 後半では、南東オーストラリア、白亜紀前期から産出した最初期のプロトケラトプ
 ス、オヴィラプトル類、アロサウルスや迷歯類などを紹介しています。
 アラスカのコルビル河流域には100kmにわたり恐竜化石の含まれる露頭がある
 そうで、将来大規模な成果が出るかもしれません。

 ここで、両極地方のジュラ紀および白亜紀の四肢動物化石産出状況を図にして
 紹介しています。なかなか見やすいイラストです。
 アラスカ大フェアバンクス校リリース

英エイボンから基幹的恐竜(?) 2.04.02
  Darren Naish がDinosaurMLにポストしています。
 Basal dinosauriform remains from Britain and the diagnosis of the Dinosauria.
 Fraser, N. C., Padian, K., Walkden, G. M. & Davis, A. L. M. 2002.
 _Palaeontology_ 45, 79-95.
 Agnosphitys cromhallensis という、エイボンの上部三畳系から発見され、これ
 までTerrestrisuchus のなかまと考えられたものについて、いや、これは
 Herrerasaurus より派生していると言っているようです。ところがHerrerasaurus
 Eoraptor などもともに恐竜類 Dinosauria の外群をなすとしているそうで。
 こちらの方がたいへんかな?と思いますが、論文を見ないとなんとも言えません

 巨大動物の行方 1.31.02
  Biogeography: Big thinking BRIAN A. MAURER
  ネイチャー1月31日号pp.489-491 news andviews
 Dinosaurs, dragons, and dwarfs: The evolution of maximal body size
 PNAS2001年12月4日号pp.14518-14523 
 Gary P. Burness, Jared Diamond,and Timothy Flannery

 大陸の広さ、肉食・草食、温血・変温、これらが体のサイズにどう相関する
 かを扱った、上記論文を紹介しています。
 研究者たちは30の島と各大陸で最大の草食と肉食の動物のデータを分析
 しました。このデータは65,000年前までによい化石記録がある島と大陸か
 らとられています。
 その結果、最大の体の大きさと陸の広さの間にはべき乗の相関関係がある
 ことが出ています。

 また、肉食・草食、温血・変温の間にも、体の大きさは、変温草食>温血草
 食>変温肉食>温血肉食 となります。草食は肉食より1桁重く、変温肉食
 は温血肉食の5倍重く、変温草食は温血草食の16倍重いなどというデータも
 出ています。たとえばコモドオオトカゲが温血動物であったなら、体重は最大
 5kgまでだそうです。

 ところが、恐竜はこの関係に収まるより2桁大きかったそうです。この理由と
 して、白亜紀の期間中、大気中のCO2は現在の最大10倍高かったことを
 あげています。
 さらに、解説者 MAURER はこのため白亜紀の地球が全体に温暖で、暖か
 い地域生態系で植物が繁茂する地域が現在よりはるかに広かったことを
 あげています。大型動物をやしなうに足る植物量があったということかもしれ
 ません。

Lusodinos 論文追加 1.14.02
  Allain et al 1999 (Tanguayosaurus)
  Mateus et al 1997 (embryo's)
  Mateus and Antunes 2001 (Draconyx)
 これらの論文がPDFファイルでダウンロードできます。

"Lusodinos"に掲載論文追加 12.06.01
  ポルトガルの恐竜についてOctavio Mateus が紹介しているページ。
 彼の論文が追加掲載されました。
 Mateus, O. & Andersen, E. (1998). Dinosaurrede i Gedser - Portugisisk
 specialitet udstilles i Gedser. Geologisk Nyt. 3(38):7. (In Danish)

 Mateus, O. (1999). Upper Jurassic dinosaurs from Lourinha and Portuguese
  dinosaur ? with review of collecting in Laos. Geologisk Tidskrift (1): 33-32.

 Mateus, O. (2001) The first observation of Crocodylus siamensis in Laos
 PDR in the last thirty years Amphibia-Reptilia 22: 253-256

 いずれもPDFファイル。要アクロバットリーダー

 中国内蒙古自治区の恐竜発掘成果 11.20.01
  新華社 同内蒙古自治区版です。
 内蒙古国土資源庁の計画「内蒙古中生代恐竜化石発掘掘與研究」が、一
 段落したそうです。5千平方キロメートルにわたる調査により、内蒙古自治区
 の古環境と恐竜化石埋蔵が明らかにされたそうです。

 白亜紀後期の二連盆地は内陸湖だったそうです。そこから新発見の恐竜は
 テリジノサウルス類の"内蒙古竜(Neimongosaurus)"と"二連竜"、カモハシ
 竜の錫林郭勒計尓摩竜。二連竜については、体が比較的大きく、腸骨が特
 殊化していると説明しています。

 他方、阿拉善(アラシャン)左旗、罕鳥拉(ハンウラー)で発見された罕鳥拉竜
 (Hanwulosaurus)は、趙喜進教授によるとアジアで最も完全に骨格が整った
 ヨロイ竜化石だそうです。

中国・ベルギー共同発掘調査の成果9.17.01
  この9月初め、6年にわたる中国・ベルギー共同恐竜発掘調査が完了し
 たそうです。発掘地域は内蒙古自治区。主な発掘エリアは3箇所。二連盆
 地、バインマンダフ(巴音満都呼)、アラシャン(阿拉善)です。

 二連盆地では4体のバクトロサウルス(巴克竜)類を発掘し、その頭蓋骨は
 非常に完全とのこと。ここの化石は数千平方メートルにわたって分布し、う
 ち200平方メートルを発掘した。化石は1メートルの厚さで堆積しているそう
 です。すべてで30体の恐竜化石、8種の恐竜化石を出土し、董枝明も広い
 面積に多量の化石が集まっていること、大型カモハシ竜の分布がある点を
 高く評価しています。

 バインマンダフでは植物食、肉食の恐竜、カメ類、大量の哺乳類化石が発
 掘されました。うち、アンキロサウルス(甲竜)類化石はこの地で発掘された
 同類中、もっとも保存のよいもの。
 アラシャンでは大量のトカゲ類、獣脚類、鳥脚類とワニ、カメ、二枚貝、植物
 化石を産したそうです。
 
 今後、これらの化石の研究、展示、研究成果の出版などが予定されている
 ようです。
 人民日報

中国広西チワン族自治区で白亜紀前期恐竜化石発見8.16.01
  同自治区扶綏県山于鎮那派盆地六榜村で1体のそろった恐竜骨格が発見
 されたそうです。約1億1千万年前、前期白亜紀の竜脚類もので、これは中国
 南部でこの年代のものが発見されたのは初めてのことです。

 現地は3段の棚田になっているところで、その一番上の面に化石は分布して
 いたそうです。肋骨、脊椎骨、股骨、趾骨等60個あまりの化石があり、最長の
 肋骨は長さ1.6m、推定体長約25mとのこと。

 白亜紀当時、この盆地には水が十分あり、恐竜の生息に適した環境だったそ
 うです。広西自然博物館で発掘をしていますが、恐竜のほかに水生爬虫類の
 化石も発見されたそうです。
 新華社 新華社広西版(写真あり)

ネイチャーバイオニュース これこそが本当の恐竜の顔だ!8.16.01
  先週発表された恐竜の鼻の位置について、日本語で解説しています。
 ぜひごらんください。

恐竜の鼻孔の位置とその機能の意味8.03.01
   Nostril Position in Dinosaurs and Other Vertebrates and Its Significance
   for Nasal Function  Lawrence M. Witmer
  サイエンス8月3日号掲載
  研究者は以前のSVPでティラノサウルスの唇、トリケラトプスのほほについて
 発表しています。

  恐竜の鼻孔の位置に関する研究です。"DinoNose Project"と呼ばれる研究
 により、研究者は45種のワニ、鳥類、トカゲ類から62標本を研究し、その解剖お
 よび数百枚のX線写真により軟組織の位置を立証しました。その結果、恐竜の
 鼻孔の位置はこれまで考えられていたよりも口に近かったとしています。
 特に竜脚類の場合、昔は水中で生活をしていると考えられたため、鼻孔が頭の
 上に位置したままになっているそうです。

 口側に鼻孔があると吸気が鼻全体に流れ、水分の維持などの鼻の機能や、嗅
 覚が働きやすい。従来の説には生物学的根拠がないとのこと。
 通常化石に残らない組織の位置と機能を研究することにより、恐竜が実際どの
 ように生きていたか、よりいっそう解明することができます。

 この研究が正しいならば、今後の復元像はすべて違ってきますね。
   ヤフーニュース ヤフーニュース写真1ティラノ 2ディプロドクス
  BBC MSNBC ナショナルジオグラフィックニュース
  オハイオ大ニュース NSFニュース イラストとその解説
  ユーレカアラート(各イラストあり) ユーレカアラート(日本語解説PDFファイル)
  参考:Witmer研究室 コレクションの中に恐竜頭骨写真が沢山あります

最大のトロサウルス頭骨、軍ヘリで空輸7.29.01
  米モンタナ州 Winnett で発見された、トロサウルス頭骨は2つの部分に石膏
 パッケージされ、軍のヘリでロッキー博物館に空輸されたそうです。
 トロサウルスの頭骨はこれまで5個のみ知られているそうですが、これは他の
 恐竜も含めて最大の頭骨だそうです。
 NSNBCニュース

恐竜の成長速度と鳥類の起源 7.26.01
   Dinosaurian growth rates and bird origins
  KEVIN PADIAN, ARMAND J. DE RICQLES & JOHN R. HORNER
  ネイチャー7月26日号掲載
  恐竜や鳥類の長骨の組織を顕微鏡解析し、その成長パターンを探っていま
 す。それによると、恐竜はかなり急速に成長して成体の大きさになり、その速
 度は現在の大型鳥類や大型哺乳類の成長と同じくらいだったとしています。
 一方、最初の鳥類は近縁な大型獣脚類恐竜に広く見られる急速成長期を短
 縮することで、成鳥の体を小さくしたとしています。これは生理的な違いでは
 なく、成長戦略の違いによるものとしています。

恐竜の成長パターンと鳥類の速い成長速度 7.26.01
   Dinosaurian growth patterns and rapid avian growth rates
  GREGORY M. ERICKSON, KRISTINA CURRY ROGERS & SCOTT A. YERBY
  ネイチャー7月26日号掲載
  鳥類の速い成長速度は恐竜から伝えられたものか、独自のものか。
 研究者達は恐竜の一分類群について、系統発生の面からも大きさの点からも
 多様な恐竜について成長速度を定量化し、結果の回帰分析を行いました。
 鳥脚類からマイアサウラ、プシッタコサウルス、竜脚形類からマッソスポンディ
 ルス、アパトサウルス、獣脚類からシンタルスス、シュヴーイアです。
 すべての恐竜は、原始的状態にある現生の爬虫類に比べてずっと速い成長速
 度を示しましたが、恐竜の種類によりその速度は異なります。
 小型恐竜は、やや速い速度で、有袋類の成長速度に近い
 大型恐竜は、真獣類哺乳類や早成鳥類(孵化後すぐ活動できる)の成長速度に
 匹敵する。
 巨大な竜脚類は大きさが同程度のクジラの成長速度ど同様。
 しかし、どの非鳥類恐竜も晩成鳥類(孵化後長い間給餌等の世話が必要)の
 成長速度には達しなかったそうです。
 研究者達は、鳥類の成長速度は、ジュラ紀に獣脚類の祖先動物から鳥類が派
 生した後、順次に備わったと結論づけています。
 MSNBCニュース ヤフーニュース CNNニュース

最古の恐竜?ブラジルの報道から5.29.01
  clicRBSでこのニュースを報道しています。化石の写真もあります。
 拡大写真はこちら
 記事を英語に翻訳したものはDinosaurMLに。
 既報でわからなかった部分のみ紹介すると、化石発見場所はリオグラ
 ンデ・ド・スル州のDona Franciscaという町にあるサイト。Jorge Ferigolo
 ほかの古生物研究者が発掘。2個の上顎骨、下顎骨断片、2個の頭蓋
 骨と、3個目の一部、椎骨、肋骨の一部。これが最古の恐竜かどうか、
 最初の結論を出版するには今後2年の研究が必要。

ブラジルで最古の恐竜?発見5.26.01
  ブラジルの古生物学者Jorge Ferigolo(Rio Grande do Sul Zoobotanical
 Foundation)が発表したところでは、彼らはリオグランデ・ド・スル州の都市
 Porto Alegreの約250km西で、約2億3千5百万年前の奇妙な生物化石を
 発見したそうです。
 頭骨は約30cm、体長約2.4mで、恐竜かテコドント類かまだわからないも
 の。もし恐竜ならば最古の恐竜ということになるそうです。
 
 テコドントのように足の裏を地面につけて歩いたように見える一方、椎骨と
 頭蓋骨は恐竜の特徴を示すそうです。
 発見されたとき、同種の別の2個体と一緒だったが、コエロフィシスと同じ
 ようだと発見者は語っています。

 いずれにせよ、さらに研究が必要だとされています。
 ヤフーニュース BBCニュース CNNニュース MSNBCニュース

 Dam project uncovers dino riches4.03.01
  コロラド州北部のHorsetooth貯水池のダム修理で水を抜いたところ、1億4千
 5百万年前の恐竜化石が出てきたそうです。

中国四川省達州市で恐竜化石発見4.01.01
  長さ100m幅15mにわたる発掘現場の恐竜化石群は、80年代に達州市で発
 掘されて以来のもので、四川省東北地区では最大の化石群だそうです。
 ジュラ紀後期約1億4千万年前のもので、竜脚類、獣脚類、剣竜などがあるそ
 うです。最大の恐竜は体長14m高さ9m、体重は30t以上に達すると推測されて
 います。
  新華社

四川省自貢では発掘可能な恐竜化石の範囲は約0.3平方キロメートル3.23.01
  2000年5月,成都理工大学王緒本教授と自貢恐竜博物館の欧陽輝研究員が
 合同して国土資源部に“四川自貢大山舗恐竜化石群遺跡址埋藏範囲を地球物
 理方法研究科研究項目建議書》を提出し、大山舗を中心に5平方キロメートルの
 範囲を調査しました。
 その結果、恐竜博物館を中心に、南北約500m、東西約600m、面積約0.3平方
 キロメートルの範囲に恐竜化石を発掘できる砂岩層があることが判明したそう
 です。この層の深さ、厚さなどを確定し、2期発掘に科学的根拠を与えるそうです。
 新華社

中国四川省自貢で恐竜化石発見3.16.01
  自貢市匯新区の建築現場で恐竜化石が発見されたそうです。
 自貢恐竜博物館の研究部が試掘したところ地下約20mから約1億4千万年前の
 恐竜化石が発見されたそうです。竜脚類で体長は10m以上とされています。
 新華社

Where dinosaurs roamed New England 3.09.01
  Boston Globe 誌です。米ニューイングランド地方の恐竜について

Museum Dinosaur Labs Draw International Researchers 3.09.01
  モンタナ大ニュースです。ジャック・ホーナーらが行っている、恐竜化石CTス
 キャンと3Dイメージについて
 参考:ロッキー博物館

パキスタンでさらに多くの恐竜化石発見2.26.01
  24日付けのニュースです。12月に報道されたパキスタン・バルキスタン州での
 恐竜化石はさらに数が増え1,500に達したそうです。
 パキスタン地質調査所のGhanzfar Abbas によれば、この発見により、白亜紀末
 恐竜絶滅直前の様子がわかり、また当時の恐竜の大陸を越えた分布について
 も新しい知見をもたらすものです。当時の中央アジアと南東アジアに地峡があり
 恐竜の移動を助けたことを明るみにだしたそうです。
 ヤフーニュース 

アルゼンチン・パタゴニアで恐竜化石のジュラシックパーク発見2.15.01
  Egidio Feruglio 古生物学博物館のチームが14日発表したものです。場所は
 首都ブエノスアイレスから南に約1,500km下ったチュブト(Chubut)州。乾燥した
 高原です。ここには1億5千万年から1億6千万年前のジュラ紀いた4種の未知の
 恐竜化石、既知の最も古い哺乳類化石の一つ、多数の爬虫類化石、ウミガメ化
 石などがあるそうです。
 数百キロ四方以上にわたる広さにジュラ紀の化石があるそうで、これは世界的
 にもきわめて稀であるそうです。この地方は1970年代から80年代にかけて調査
 され、2種の恐竜化石が発見されましたが、それ以上研究されずに放置されて
 いたそうです。6ヶ月前、その地方の農民が平原の岩に骨が出ているのを発見
 し、再び同博物館チームが調査を始めました。
 直近の調査で、同博チームは植物食恐竜の脊椎骨を発見し、この3月に発掘す
 るそうです。
 MSNBCニュース ディスカバリーニュース
 ヤフーニュース(写真)ヤフーニュース(写真2)

遼寧省の羽毛恐竜12.29.00
  BBCニュースのリポート。IVPPの周忠和の案内で遼寧省の化石産地を訪れます。
 さらにトリと恐竜のミッシング・リンクに話は進みます。

ブラジルのスピノサウルス12.21.00
  毎日中学生ニュースで報道しています。

恐竜の骨の中でたんぱく質は長期保存される12.20.00
  Geology 12月号M.J. Collinsらが掲載した論文です。骨の中のミネラル分が、
 従来考えられていたより遥かに長くたんぱく質を保存する役割を果たすそうです。
 そうなると、DNAも保存されるのでしょうか。
 UniSci

中国遼寧省義県で大型恐竜発掘 12.20.00
  今から1億2400万年~1億4700万年前に生息していたと推測される大型恐竜化石
 が発掘されました。全長は4.5m。これまでに義県で発掘された大型恐竜化石の中、
 もっとも良好な保存状態だそうです。写真が掲載されていますが、何の種類なのか
 よくわかりません。

 中国語版をみると、現在この化石は中国地質博物館遼西分館に保存。「遼寧恐竜」
 と名づけられています。頭骨、歯、肩甲骨、脊椎骨、肋骨、大腿骨、爪、尾が完璧に
 残り、頭骨長は0.35m、幅は0.25m、頚椎前端から臀部まで2.35m、尾骨長約1.8m。
 前後肢はよく保存され趾骨もよく見ることが出来る後肢は比較的頑丈というような事
 が述べられていますが、やはり種類はわかりません。

 10月8日から25日に遼寧省義県頭台郷白台郷村東南山坡被当地というところで同
 博物館が発掘。遼寧省で発見された化石群の中で大型恐竜の空白を埋めるものと
 して重要であると報道されています。今後の研究が期待されます。
 人民日報 中国語版記事 中国地質博物館遼西分館で世界最古の植物化石展示

ブラジルのスピノサウルス類探索12.15.00
  ヤフーニュースMSNBCニュースに掲載されています。記事を読むと、ブラ
 ジルでは結構恐竜に対する関心が高まっているようです。

ブラジルのスピノサウルス類12.13.00
  ブラジルの古生物学者 Sergio Alex Azevedo がスピノサウルス類頭部モ
 デルの横でポーズをとっています。彼は20名の研究者とドキュメンタリーフィ
 ルムのクルーと共にこの化石探索遠征に行くそうです。
 ヤフーニュース
 ナショナルジオグラフィックニュース CNNニュース

Project Exploration シカゴへ帰還 12.12.00
  シカゴ サン・タイムスの伝えるところでは、20トンもの化石を持ちかえったそう
 です。研究成果が楽しみですね。
 Project Exploration

パキスタンで発見された恐竜化石、米で研究へ12.11.00
  先日お知らせした、パキスタンで発見された恐竜化石。米ミシガン大で、詳し
 く調査することになったそうです。
 パキスタン地質調査所のAbdul Latif によれば、102個の恐竜化石はティタノ
 サウルス類に属するかもしれないとのこと。時代はマーストリヒシャン期(白亜紀
 の最後)。今後どんな研究結果が出るでしょう。
 DAWN

パキスタンで最初の恐竜化石発見12.3.00
  the Geological Survey of Pakistan の発表したもの。白亜紀後期、約7千
 万年前の恐竜化石で、バルキスタン(Baluchistan)州Barkhan地域で地図制作
 作業中の発見です。過去1年で102個の恐竜化石が発見されていると、同所の
 Ghazanfar Abbas は語っています。パキスタンでは化石研究というより、当時の
 地理状況から石油等の資源埋蔵状況を知る資料として捉えているようです。
 BBCニュース ヤフーニュース

中国内蒙古ニ連塩湖で恐竜化石発見11.24.00
  中国・ベルギーの合同調査隊は、二連浩特(エレンホト)の東北12.5キロメート
 ルのところで、完全な状態で保存されている恐竜化石の埋蔵区を発見したそう
 です。3,000から7,000平方メートルの広さ。
 発見された化石は恐竜の化石およそ数十体のほか、淡水サメ、亀類、鰐の化
 石など。
 人民日報
 参考:ほかに人民日報ではこんなニュースもあります。
 広州:国宝の恐竜化石が公開8.9.00
 「中国恐竜化石大展覧会」、8月8日から広州で開催8.8.00
 山東省:巨大な恐竜の化石、公開7.25.00
 可動式人工「恐竜」、北京に到着7.14.00
 中華恐竜館、江蘇省常州市で完成7.3.00
 内蒙古(内モンゴル)で、希少な恐竜の化石を発見6.19.00
 新たに発見された恐竜化石、ニューヨークで展示5.18.00
 雲南省禄豊県で、恐竜化石が出土5.16.00
 世界最大の恐竜の化石、山東省諸城市で公開5.9.00
 ロボット恐竜、中国市民に向け公開4.30.00
 吉林省で初めての恐竜化石発見4.25.00
 「2000年中国大型恐竜展示会」、準備作業が進む4.25.00
 四川省の工事現場で恐竜化石の群れを発見3.13.00
 雲南禄豊恐竜の化石発掘で多くの成果2.14.00
 中国雲南省で「ジュラシック・パーク」を発見01.21.00
 中国の河北省、アジアで初めて禽竜の化石発見11.22.99
 中国恐竜化石展示会、香港にて開催12.15.99
 貴州省、恐竜の化石が発見される10.12.99
 貴州省、海中に生息の爬虫類の化石群を発見8.31.00
 中国人科学者、密輸された中国の古鳥類化石の返還を呼びかけ6.5.00
 

中国遼寧省で完全な恐竜化石発見11.24.00
  DinosaurMLによると、新華社発で、遼寧省義県で最近完全な恐竜化石が発
 見されたと伝えています。ところが、どんな種類なのか報道していません。
 1億2千4百万年前から1億4千7百万年前のもので、頭蓋骨、肩甲骨、脊椎、肋
 骨、脛骨、尾骨、爪など完全に保存されているそうです。

恐竜の歯の成長輪は変温の爬虫類と同じ11.24.00
  米地質学会年会でDayton大のMonica Stefanoff の発表。スピノサウルス、
 アルバートサウルス、ドロモサウルスなどの恐竜、翼竜、モササウルスの歯と
 白亜紀及び鮮新世のワニの歯の成長パターンを比較したそうです。すると、両
 者の歯の成長は同様に切れ目無かったそうです。このことから変温性の爬虫類
 と同様の代謝をしていたことが導き出されるそうです。
 The Columbus Dispatch
 米地質学会年会発表の当該アブストラクト
 参考:米地質学会年会アブストラクトここで検索すると2000年には"dinosaur"で
     24件アブストラクトが出てきました。とても紹介しきれない!

Dinosaur Expedition 2000 9.28.00
  ポール・セレノのサハラでの発掘は成果が上がっているようです。最近
 では仮称“Sidormimus.”という犬ほどの大きさの獣脚類-ということはかな
 り小さい-が発見されています。これが幼体なのかどうか知りたいですね。

スミソニアンで人工トリケラトプス作成8.23.00
  米スミソニアン国立自然史博物館では、これまでで最も解剖学的に正しいトリ
 ケラトプスを作成しました。
 骨をレーザーでミリ単位で計測し、バーチャルで3D骨格を作り、それに基づき、
 プラスチックで作成したそうです。
 ヤフーニュース
 ナショナルジオグラフィックニュース
 ディスカバリーオンライン

恐竜、鳥類、哺乳類に見られる骨の微細構造 8.10.00
 ネイチャー8月10日号406.619-622掲載。
 JOHN M. RENSBERGER(ワシントン大) 渡部真人(林原)
 研究者たちは、内モンゴルとアメリカのヘルクリーク累層で採取された恐竜化
 石を薄片にして顕微鏡で骨の微細構造を調べました。一方比較のため原生鳥
 類(17種)、哺乳類(10種)の骨の微細構造をも調べました。
 この研究では骨細管(骨細胞と血管をつなぐ大きさが1mm以下のチャネル)と
 骨内のコラーゲン線維束について報告されています。それによると、骨細管の
 分岐のパターンなどは鳥類とオルニトミムス類の恐竜には類似がみられ、一方
 鳥盤類のハドロサウルス類の恐竜は哺乳類に似通っているそうです。
 
 ネイチャージャパン ホットトピックスで全文読めます(無料の登録必要)
 ワシントン大ニュース(eagle とオルニトミムス類恐竜骨断面写真あり)
 ディスカバリーオンライン
 MSNBCニュース
 ナショナルジオグラフィックニュース
 Seattle Post Intelligencer UniSci
 林原プレスリリース
 
 Portugal Tries to Save Its Dinosaur Fossils 8.9.00
  ニューヨークタイムズの記事です(見るには無料の登録必要)。
 ポルトガルにおける恐竜研究の現状と後半はロウリンハでのマテウスMateus
 一家による恐竜化石研究について紹介しています。やや長い記事ですが、ご覧
 になることをお薦めします。

恐竜の突然の絶滅8.3.00
  BBCニュースです。既に一度紹介しました。Geology誌4月号の研究です。
 今ごろBBCが取り上げるのは、数日前、ソースの定かでない絶滅説を取り
 上げた埋め合わせでしょうか。

恐竜はメタンガスにより絶滅説7.29.00
  BBCニュースが中国のChina Youth Daily の報道として伝えているもの。
 それによると、フランスの科学者の説として1億6千万年の間恐竜が排出した
 メタンガス(おならやげっぷとしてでしょう)の増加により、大気のオゾン層が破
 壊され、紫外線の増加により植生に重大な変化が生じ、結果として恐竜を絶
 滅をもたらしたというのです。残念ながら中国の報道でも誰の説か明らかにし
 ていません。

When dinosaurs roared in Sonoita6.15.00
  DinosaurMLで紹介していた記事です。ミネラルショーで有名なツーソンの
 南西、Sonoita近郊のCoronado National Forest で行われた恐竜化石発掘
 の様子です。ここはアリゾナ州南部で最も化石が豊富なところだそうです。
 Fort Crittenden Formationと呼ばれる7銭5百万年前の地層から発掘された
 化石は、メサにあるMesa Southwest Museumで研究 されます。
 
七面鳥と恐竜は近い親戚?4.13.00
  先週、フロリダで開催された恐竜とトリの進化のシンポジウムで、恐竜のDNA
 分析の発表がされました。発表者は、アラバマ大のWilliam Garstka。NASAの
 技術者、ロシアで永久凍土層からDNAを探索している同国科学アカデミーの科
 学者と共同で研究したそうです。資料はノースダコタ州で発見された6,500万年
 前のトリケラトプスの脊椎骨2個と肋骨。

  この骨が十分に鉱物質化していなかったため、彼らは130塩基対のミトコンド
 リアDNAを抽出することができたそうです。
 それを、現生の28種の動物-この中には13種の鳥類も含まれます-と比較した
 ところ、七面鳥と100%マッチし、他の鳥類とは94.5%マッチしたそうです。
 彼らは当然、実験室や野外で食べた七面鳥のサンドイッチのことを考え、汚染
 の有無を調べるため、同じサイトからの泥、麻布、カメの骨をチェックしましたが、
 汚染の陽性反応は出なかったそうです。

  恐竜からDNAを取り出すことは、殆どの人々にとって最も異端なアイデアだと、
 彼は語ります。何故ならば多くの専門家はDNAの元となる核酸は10万年以上
 もたないとしているからです。

 オレゴン州立大のジョン・ルーベン(スキピオニクスの研究もしてます)は、七面
 鳥とトリケラトプスのDNAが殆ど同じであるとは、ものすごく疑わしいと言います。
 Garstka自身も、自分はまだ我々の研究結果に疑念を抱いている。我々は、こ
 のような結果を獣脚類からは予期していた。が、ここではトリケラトプスを論じて
 いるのだ。と言っています。
 デイリーインサイト

 そのほか、同シンポジウムではGerald Grellet-Tinnerがデイノニクスの卵化石
 発見の発表、Peter Wellnhoferがコンプソグナトスの直系の祖先にあたるかも
 しれない獣脚類頭骨の発見について。一般対象の講演でフィリップ・カリーが
 恐竜州立公園で1ダースもの集団で発見されたアルバートサウルスについて
 発表しているそうです。
 参考:DinosaurML1, 2

Bones of contention: Should dinosaur remains be a tourist mecca?
  6.6.00
  ニュースの方を少しおろそかにしていました。これまで数回報じられた
 テキサスの竜脚類についてです。

A refugium for relicts?4.27.00
  ネイチャー4月27日号掲載。真鍋真、ポール・バレット、伊佐治鎮司
 brief communicationsです。
 
 羅哲西(Luo Zhexi)はネイチャー1999年7月1日号のnew and viewで、"A refu-
 gium for relicts"と題し中国遼寧省にある義県層で見つかった脊椎動物化石
 群からは、こ の東アジア域が一種の「避難場所」もしくは「隠れ家」となり、ジュ
 ラ紀後期に典型的ないくつかの分類群が白亜紀前期まで生き残ったことがわ
 かると示唆しています。
 
 今回の報告はこれに対する反論ともいえます。これより少し古い白亜紀前期の
 日本の地層(手取層群の桑島層)から得られたデータによると、この地域の化
 石動物群の構成は、「避難場所」という概念からは一部しか説明がつかないと
 しています。

 オビラプトル類とテリジノサウルス類の化石が、ジュラ紀以前からの生き残りで
 ある哺乳類型爬虫類、トリティロドンと同じところから産出しています。しかし、
 これらの肉食恐竜はアジア大陸で白亜紀後期から最もよく知られている。
 また、福井県のイツキ(字を知らない・・・)層からはティラノサウルス類の歯が
 産出している。
 これら日本での発見は、ティラノサウルス類やプシッタコサウルス類が東アジ
 アに起源をもち多様化した可能性を示唆する一方、トリティロドン類やコンプソ
 グナトス類、ランフォリンクス類の翼竜もこの地域に生息しつづけた。さらに、日
 本の白亜紀前期のヒプシロフォドン類やイグアノドン類の存在から、西アジアや
 ヨーロッパとの動物相の交流も示唆する。

 要するにこれまで考えられていたように事は単純ではないとしています。
 さらに、これまで東アジアでの残存種と言われていたものは、ジュラ紀と白亜
 紀の境界がこれまで示唆されたほど劇的でなく漸進的に変化したことを指し示
 すのかもしれないとしています。
 ネイチャー門(Hot Topicsに全文掲載。読む場合は登録必要)

恐竜のクローンを作ることができるか?4.6.00
  TIME誌のサイトの中、Visions of the 21st Centuryの一項です。筆者は、
 クローンは出来ないと考えているようです。

インドで7,000万年前の恐竜化石発見3.7.00
  インド地質調査所のチームが日常的な調査のうちに、インド北西部メガラヤ
 州で7,000万年前の恐竜化石を発見したそうです。発見地は州都シロンから
 165kmほど離れバングラデシュとの国境に近いkhasi丘陵のDirangという村。
 
 荒い粒子の砂岩から発見された恐竜化石は、7,000万年前のものと確認され
 たと、地質調査所の代表者、B. P. Bhattacharyyaは述べました。
 これが事実ならインド東部で最初の恐竜のような大型動物化石の発見になる
 そうです。(恐竜の種類について報道はありません)

 インド東部は6,500万年前まで海底だったそうで、同調査所は、海生動物化
 石もメガラヤ州の他の場所で発掘しています。また、ここに化石公園をつくる
 ことも提案しているそうです。
 ヤフーニュースライン

A Visit to a Dinosaur Nursery 10.28.99
  スペインのピレネー山地、国境に近い町Trempからは
 数多くの恐竜卵化石が出ています。獣脚類、竜脚類、
 ともに出てきますが、殻のみで胎児の発見は一つもな
 い。これはまた一つのミステリーです。
 ABCニュース

恐竜絶滅は巨大化しすぎて交尾不能になったため?
                              10.10.99
  米ニューヨーク州立大のマイク・カラノ博士の説。SVP総会
 で発表するそうですが、論議を呼ぶのでしょうか・・・
 SVPの同博士のアブストラクトを見ても、そんな事は一つも
 書いてありませんが・・・
 共同通信社
 参考:サンデータイムス

中国広東省からも恐竜化石10.11.99
  新華社の報道です。広東省のHeyuanでも'96年以来多
 くの恐竜化石を産出しているそうです。ここは約1億年前
 の白亜紀の恐竜化石です。董 枝明も発掘に参加してい
 るのですが、当時の恐竜の進化と分類のさらなる研究の
 ための重要な証拠となるそうです。
 Heyuanは100平方キロメートルにわたる広さがありますが、
 赤い砂質の粘板岩が広がっているそうです。かつては恐
 竜の生息に適した森林があり、未発掘の化石が眠ってい
 ることを期待させます。当地の行政府はそれらの地域を
 盗掘などから守るために多くの保護区を設定しました。
 また'96年以来、調査研究の糸口を用意したり恐竜化石
 を発掘した者に10万元の報奨金を提供しているのだそう
 です。
 myCNN

中国貴州省からさらに恐竜化石10.9.99
  農民によって6月に10mの恐竜化石が発見された貴州省
 Pingbaのサイトから、さらに恐竜化石が発見されているそう
 です。
  ここの恐竜は約1億6千万年前に生息していたそうです。地
 元の研究者達は80平方メートルの広さにわたって発掘をして
 いるそうです。
  省政府は化石を発見した農民に報償を与えるとともに、博
 物館の建設を計画しているとのこと。自貢のようにすごい所
 なのでしょうか。
 myCNN

BBC launches prehistoric saga 9.22.99
  BBCの"Walking With Dinosaurs"関連です。どうやって、恐竜を
 動かしていったか、レーザースキャンでの取り込みなど。

ポール・セレノのダイノ・ラン9.21.99
  シカゴ大の古生物学者というより、エオラプトル、カルカロドントサ
 ウルス、スコミムスなどの発見で有名なポール・セレノは、新たに
 サハラで'90年に発見し、'97年に発掘した竜脚類(長さ60フィート、
 高さ13フィートということは長さ約20mほどでしょう)の復元製作の
 資金を得るめに、10月24日のシカゴマラソンに出場します。
 なぜ?どういう援助ができるの?それはここをご覧ください。
 ちなみに新しい恐竜の名は11月発表だそうです。
 dinorun
 参考:PROJECT EXPLORATION
     シカゴ大のセレノのページ

カウディプテリクスのモデル9.21.99
  Luis Reyのサイトで3Dモデルが見られます。制作中の"D&K Book
  of Dinosaurs"という本のためのものだそうです。
 CAUDIPTERYX
 DinosaurML

インドで恐竜化石発見9.20.99
  というニュースがあるのですが、どうも意味がよくとれないので、
 一応リンクのみ。
 myCNN

Dinosaurs fought for supremacy9.17.99
  タイムズの記事です。恐竜の角や羽毛がオス同士の競争やメス
 にアピールするためという趣旨のようです。

MSNジャーナル9.13.99
  ここの考古学・古生物分野に若干の恐竜ニュースがあります。
 最近は吉村作治先生のエジプトものばかりですが。
 肉食竜の「住み分け」を証明するワニ顔恐竜の発見11.16.98
 やはり鳥は恐竜から進化した?6.25.98
 恐竜の王T・レックスは「排泄物」もキングサイズ6.19.98
 ほ乳類は原始超大陸の分裂によって進化した?5.1.98
 「鳥は恐竜から進化した」という説は誤りか11.8.98

中国貴州省で1億6千万年前の恐竜化石発見8.30.99
  貴州省Pingba Countyという所で100片ほどの化石が発見され、10m
 ほどの恐竜化石だそうです。一番大きなものは頭蓋骨の長さ50cm幅
 30cmで眼窩や下顎の歯が容易に識別できるそうです。ただ、恐竜が
 何類なのか報道では触れていません。
 mycnn

ヨーロッパでの最近の論文から7.28.99
  DinosaurMLによると、フランスでいくつか興味深いものがあるようで
 す。プチ・ピレネーとあるので、ピレネー山脈の方なのでしょうか。マー
 ストリヒシャン後期の地層から獣脚類の歯やハドロサウルス類の骨が
 発見されているそうです。
  プロバンスではラブドドン(鳥脚類)の全身骨格が発見されたそうで
 す。そのほかフランス中央部Dordogneの装盾類恐竜足跡の報告など、
 記載論文が読めれば面白そうです。

ティラノサウルス"Z-Rex"インターネットオークション不成立7.5.99
  一時、830万ドルまで値が付いたのですが、次々とキャンセルになりまし
 た。他人のメールアドレスを使ったいたずらだったりしたようです。
 この先、競売人は個人的にあるいは博物館への売却を考えているようです。
 e-bay
 CNNカスタムニュース

ティラノサウルス"Z-Rex"インターネットオークションに6.30.99
  インターネットオークションe-bayでは、かねてから噂されていたT-REX
 のオークションを開始しました。Alan Detrich と Fred Nussのカンサスから
 の2人が1992年にサウスダコタで発掘したもので、彼らによるとオスの最大
 の化石で非常によく保存された頭骨があるそうです。そして、1,500万ドルの
 価値があると言っています(!)。デール・ラッセルの鑑定書もあります。
  さて、現在の値は500万ドル。ということは、既に6億円以上になっている!
 あの、スーの落札価格は835万ドルでしたっけ?
 あなたもオークションに加わりますか?7月4日リミットですよ!
 e-bay
 参考:インターネットオークションでティラノサウルス化石?12.25.98
    CNNカスタムニュースによると、インターネットオークションサイト "eBay" では
    ティラノサウルス化石のオークションを延期したそうです。準備にもっと時間が
    かかると言っているそうですが、長さ40フィートの化石をサウスダコタの丘陵で
    発見した人たちは800万ドル以上になることを要求しているそうです。
    ”スー”の競売以来、値段が跳ね上がってしまったのですね。


The Evolution of Dinosaurs6.25.99
  今週のサイエンスは"進化"特集。Reviews で、ポール・セレノが"The
 Evolution of Dinosaurs"と題する11ページにわたる論文を発表してい
 ます。標題のとおり恐竜全体の進化について扱っています。
 私には、この論文を論評することはできません。きれぎれの感想を綴るに
 とどめます。
  なお、彼は1997年に"THE ORIGIN AND EVOLUTION OF DINOSAURS"
 という同様のコンセプトの論文を書いています。アブストラクト
 私の感想は、それも所々参照しながらのものです。
 
  最初にセレノは”アクシデントの勝利者”として恐竜の起源を紹介していま
 す。鳥盤類から順々に主な分類について説明していく感じです。鳥盤類につ
 いては、ガーゴイレオサウルスが加わったほかはそれほど特筆することもな
 いのかな?と単純にとらえてしまいました。
  一方、竜盤類では竜脚類はそれほどトピックはないようです。獣脚類では、
 鳥類について完全にコエルロサウルス類から進化したことを言い切っていま
 す。カウディプテリクス(尾羽鳥)をオビラプトロサウルス類の原初的なものに
 位置づけていたり、アルヴァレッツサウルス科を鳥類に連なるのでなく、オル
 ニソミミッドの姉妹グループにしたり、えっと思うようなこともあります。
 ティラノラプトランという新しい言葉があるのですが、これはティラノサウルス類
 オビラプトロサウルス類、デイノニコサウルス類、鳥類をまとめたもののようです。
 
  そのほか"進化の傾向”として、恐竜の体の巨大化(鳥類を除く)。哺乳類と
 比較した恐竜の進化。肉食恐竜と草食恐竜に共進化の明白なパターンは認め
 られないとか、パンゲアの分裂による恐竜の進化の例として、アベリサウルス科
 の進化が例にあがっています。
  図版だけ見ても、恐竜の系統や鳥類への進化など、言い古された言葉ですが、
 目からウロコが落ちるような感じもします。正直いって私は英語はすっごく苦手な
 ので、なかなか読みすすめませんでしたが、こういうものをちゃんと読んでおくと、
 個々の恐竜に関する論文を見るときも体系的思考ができるなんて思いました。
 サイエンス
 ユーレカアラート(セレノの論文について)
 DinosaurML(セレノの論文中の新しい分類についてThomas R. Holtz, Jr.)
 DinosaurML(恐竜の系統について1Thomas R. Holtz, Jr.)
 DinosaurML(恐竜の系統について2Thomas R. Holtz, Jr.)
 シカゴ大のセレノのページ

中国四川省のジュラ紀恐竜大量死は植物から?5.24.99
  自貢などの恐竜化石に高濃度に砒素が含まれていることは、以前か
 ら知られていました。含まれた原因と大量死の理由についての研究です。

  新華社の報道によると、中国の研究者は、植物が四川盆地で恐竜を
 襲った大量死をもたらす原因になるかもしれないという仮説を支持する
 証拠を発見したということです。
  '70年代初頭に四川盆地で中国の研究者達によりこのミステリアスな
 死が発見されました。自貢のみで3平方キロメートルの範囲から100以
 上の恐竜化石が発掘されました。それらのほとんどは、植物食恐竜で
 す。

  中国古生物学者のグループは、ジュラ紀の異なった地域からの50の
 恐竜化石を研究してきました。これらの化石は四川省中部、北部及び
 南部で発掘されたもので、同時代の魚やカメや植物と一緒だったもので
 す。
  中性子活性化分析(Neutron activation analysisこの訳語自信ない!)
 によると、恐竜化石骨中に残存している元素に異常がみられました。
 "骨中の残存元素のうち砒素、クロムや他の元素の含有量が明らかに
 高い"と、the Chengdu College of Polytechnicsの博物館キュレーター
 であるLi Kuiは述べています。"これは恐竜達で有毒元素を含んだ植物
 を大量に食べ過ぎたためとしか思えない。"

  恐竜化石が明らかにしたように、同じ地域で発見された植物化石も高
 レベルの砒素を含んでいました。”恐らく恐竜達は砒素やクロムを含んだ
 植物を過剰に食べたことにより、体内にこれらの有毒元素を蓄積し、数十
 年から百年のスパンで致死に至ったのだろう"とLi Kuiは述べています。

  北京大学と国立地質検査センターからなる別のグループは、北部中国
 山西省(Shanxi Province)から発掘された恐竜化石の有毒元素の高濃度
 の蓄積により、同様の結論に達しました。彼らは誘導カップリングプラズマ
 スペクトル法、元素吸収スペクトル法、誘導カップリングプラズマ質量法を
 (こう書いても何の事やら・・・)用いています。

  さらに中国の研究者は恐竜卵からも同様の現象を確認しています。これ
 も恐竜の食物摂取に関連づけられるでしょう。
 China Daily on the Web5.4.99付け

 (附記)金子隆一氏の「新恐竜伝説」(早川書房1993)では、「1984年、四
 川省の恐竜学者夏文傑らは自貢の恐竜化石の元素分析を行った結果、
 そこに異常に高濃度の砒素が含まれていることを発見した。さらに、1991
 年の趙資奎の分析では、これらの骨には、地殻存在比より2、3ケタも高い
 濃度のイットリウムが含まれていることが判明した。これらの分析結果から
 すれば、当時このあたりでは、なんらかの急速な環境汚染が進み、水、もし
 くは食物が有害物質で汚染されたために食物連鎖を通してそれが恐竜に蓄
 積され、動物の大量死が起こったと考えられる。」と紹介されています。

  しかし、金子氏も「けれども、そのような原因で、これだけ食性も生態も違う
 動物たちが、いっぺんに同じボーン・ベッドの上にごろごろ横たわるほど短期
 間にしにたえるものだろうか?どうも、この説明にはどこか無理があるような
 気がしてならないのだが・・・。」と疑問を投げ掛けます。
 (金子氏の大量死の原因についての論考は他に「恐竜学最前線7」学研1994
 の92から93ページにあり)

  何しろ自貢では、恐竜の他に翼竜、クビナガ竜、哺乳類型爬虫類、迷歯亜
 綱両生類、カメ、魚など11目15科の化石が集積しているそうですから。これら
 の全てが草食というわけでもないでしょう。

  食物連鎖により、その頂点に近い動物ほど有毒元素が高濃度なことが考え
 られます。
  いったい植物化石と恐竜化石の有毒元素の含有量にはどの程度の差があ
 るのでしょうか。化石から生体濃縮がわかるかどうか知りませんが、有意な差
 がないと、単に環境汚染が急速に進んだ中で動物も植物も有毒元素を吸収し
 たという事も考えられますから。さらに、中国各地でそのような汚染があったと
 するならば、それほど広範囲な環境汚染を引き起こした原因が何だったのか、
 さらに研究を要する気がします。以上蛇足。
 

北海道大学でニッポノサウルス公開5.11.99
 復元が完成し、北大で10日公開されたそうです。
 ヤフーニュースライン
 北大のお知らせ

アルゼンチンでギガノトサウルスより大きい肉食恐竜発見4.30.99
  アルゼンチン、パタゴニア、ネウケン州で過去2年間、アルゼンチン
 ・カナダ恐竜プロジェクト(ACDPとでも略すのでしょうか)が進められて
 きました。その成果の一般報道ということでしょうか。
  報道によれば、5体分の肉食恐竜の化石が発見されているそうです。
 アルゼンチンの古生物学者ロドルフォ・コーリアによれば、発掘後1年
 間の研究により、これがギガノトサウルスに似ているがより大きい肉食
 恐竜の化石であると信じられるそうです。また、これが、より体の小さい
 ティラノサウルスが南米に南下しなかった理由だろうと想像されていま
 す。
 ABCニュース(写真入り)
 ABCニュース
 The Argentinean-Canadian Dinosaur Project('98年)
 The Argentinean-Canadian Dinosaur Project('99年4月1日から23日!)
 参考:ABCニュース('98.4.15Huge Dinos Hunted in Packs)
    PATAGONIA JURASICA(珍しいアルゼンチンからの恐竜紹介のページ)
    "ベルナルディーノ・リバダビア"アルゼンチン国立自然科学博物館
    ラ・プラタ博物館

竜脚類の首の姿勢と食性について新研究4.30.99
 サイエンス4月30日号に掲載された研究です。
 オレゴン大のKent A. Stevensと北イリノイ大のJ. Michael Parrish
 によれば、ディプロドクスとアパトサウルスの2種の竜脚類について
 筋肉の付着についてはワニ・トリを参考にして、どのような姿勢が、
 一番自然か、また問題なく頚部が動く範囲を研究しました。結果は
 牛やバイソンのように地面に下がる姿勢であるとしています。
 竜脚類は木の小枝でなく岸辺で草や水草を食べていたのかもしれな
 いと、しています。
 ヤフーニュースライン(ロイター)
 ヤフーニュースライン(AP)
 CNNニュース
 ABCニュース
 毎日新聞
 参考:The DinoMorph Project

ポルトガルのアロサウルス4.30.99
 アカデミックプレスのデイリーインサイトに載っていたニュースです。
Journal of the Geological Society of Londonの最新号で報告が
掲載されているそうです。
 ポルトガルのリスボンから155kmほど北に向かった Leiraという地
の1億5千万年前の地層からアロサウルス・フラジリスの化石が発
見されたそうです。
報告者はthe Universidad Autonoma de MadridのBernardino Perez-
Morenoと米ユタのDinosaur National Monumentの Dan Chure。
後者はあとから骨の同定(というのかな?)を頼まれたようです。子供
の骨で不完全なものですが、恥骨、脊椎、後肢の一部が発見された
そうです。
Dan Chureによると、”私は世界中でアロサウルス類と称されるものを
見てきた。しかし北米以外でアロサウルスが見つかる何の証拠も見て
いない。”しかし、10年前に発見されたこの化石は、紛れもなくその種
に特有な恥骨の特徴があったそうです。”アロサウルスは我々が考え
ていたより広範囲に分布していたのだろう。”とDan Chureは述べてい
ます。
 問題は、この頃には既にパンゲアは分裂していてポルトガルと北米
大陸は数百km離れていたと考えられることです。 Perez-Morenoは、
恐らく恐竜の渡れる地峡があったのだろうとしています。
 ケンブリッジ大の古地理の復元のスペシャリストである地質学者Alan
Smithは、”アフリカとアメリカの間の中央大西洋を免れる事はできない。
このことの証拠は論争の余地はないし、そこには海洋底の岩がある。”
と言っています。しかし、この化石について”その時代の地図の改定を
必要とするには、全くその資格のあるデータだ”といっているそうです。
デイリーインサイト
BBCニュース
The Journal of the Geological SocietyのVol. 156, Part 3, May 1999

これまでで最大のヨロイ竜発見、クリーブランド博で発表4.27.99
 James Kirklandの発表で、ユタのボーンサイトで各々30フィート(10m)
 以上のアフリカゾウより大きいアンキロサウルスや、ノドサウルスが
 発見されたそうです。
 化石は2つの不完全な頭骨や肋骨、一掴みの装甲、アンキロサウルス
 のいくつかの脊椎骨及び、ノドサウルスの肩のとげとより小さい数ダース
 の骨を含んでいます。
  アンキロサウルス、ノドサウルスは共にジュラ紀にアジアから北米に
 一時的な地峡を渡ってきたと信じられていました。
 デンバー自然史博物館のケネス・カーペンターは、アンキロサウルスの
 発見は地峡の存在を2千万年前から1億1千万年前に遡らせると、述べ
 ています。
  一方、ペンシルバニア州立博物館のロバート・サリバン-彼は最近、
 SVP(古脊椎動物学協会)の機関誌(JVP)にニューメキシコで発見され
 たアンキロサウルス科の新属新種Nodocephalosaurus Kirtlandensis
 の記載論文を発表したばかりです。これはアジアで発見されたサイカニ
 アやタルキアに非常に近い種類とされています-は、ほかの種類より
 殆ど50%も大きいアンキロサウルスは、恐竜の科が今まで考えられてい
 たよりも複雑であることを示す。しかし、記載が入手できるまで評価は困
 難だと、述べています。
  化石は5月23日までクリーブランド自然史博物館で開催中のThe Lost
 World: Jurassic Park特別展で展示されます。また、ユタ州プライスの東
 ユタ有史前博物館でキャストは保管されています。
  いずれにしても正式な記載が待たれます。
 ヤフーニュースライン
 CNNニュース
 ABCニュース(発表の様子頭骨写真あり)
 ABCニュース(関連ニュース)
 ABCニュース(関連ニュース)
 参考:Dinosaur Web
     クリーブランド自然史博物館The Lost World: Jurassic Park
     (5月23日まで開催)

アルゼンチンの恐竜についてのニュース4.15.99
 数日前から流れていたニュースでイラストや写真付きになった
 ものがあります。
 Clues to Plant Eating DinosaursABCニュース
 ティタノサウルスについての最近の研究成果について
 Where Dinosaurs were bornABCニュース
 パタゴニアの恐竜卵化石の研究について
 Dinosaur eggs,and a surprise,unearthed in the Patagonian Desert
 CNNニュースです。残念ながらイラストも写真もなし。
 キアッペを主人公にしたパタゴニアの恐竜発掘ストーリーです。

メキシコで自然に形成された恐竜頭蓋のモールド発見3.16.99
 13日にメキシコ北部で発見されたそうです。Rene Hernandez Riverという古生物学者
 の語ったことによれば、明らかに肉食恐竜(raptor dinosaur)の頭蓋から形成された
 モールド(型)は細かい沈殿物で満たされて石化したものだそうです。
 CNNカスタムニュース

鳥羽で竜脚類の歯発見3.11.99
 残念ながら直接の情報を見ていません。聞くところでは、3年前に発見された大腿骨と同一個体
 のものの可能性もある。ネメグトサウルスに似ているという話もあります。

ABCニュース羽毛恐竜の解説2.27.99
 上野の科博でのシノサウロプテリクス公開も1週間後です。ここは一般的な解説ですが、
 羽毛恐竜全般について説明してあります。

スキピオニクスの解説(ワシントンポスト)2.22.99
 割と簡単な文章で解説しています。さらに、質問によって理解が助けられます。
 中学生でもわかるのではないかな?
 
恐竜と鳥の関係のディベート2.16.99
 Thomats R.Holtz Jrのスペシャルと書いてあるのですが、私のパソコンだと
 よく読めないのです。一応リンクを
 MSNBCニュース

ニューメキシコで発見されたハドロサウルスの皮膚印象化石2.8.99
 米古脊椎動物学協会(SVP)の機関誌Journal of Vertebrate Paleontology18(4)
 718-738('98年12月)に発表されたものです。数日前にCNNカスタムニュースで
 紹介されていたので、ごく簡単に紹介します。
 米ニューメキシコ州南西部のLittle Htchet山脈で、上部白亜紀のRingbone Formation
 から発見されたものです。尾椎などの骨化石も同時に産出しています。
  皮膚印象化石自体はポジ・ネガ両方あり、細かい粒状に見える部分もあるのです
 が、小さい火山(私にはカサガイの群れに見えるけれど)のようなものがあります。
 CNNカスタムニュース
 皮膚印象写真(187KB)
 
そのほか、恐竜関係でいくつか記事があるのですが、訳している時間が
 ないので、リンクのみ。いずれもCNNカスタムニュースです。1.28.98
 最初の花の探求
 若い恐竜は急速に成長した
 ワニのミミックとしてのスピノサウルス
 The Last Dinosaur Book
 

ターボチャージャー付きの恐竜1.22.98
 イタリアで発見されたスキピオニクスの研究が発表されました。
 発表者は米オレゴン州立大学のNicholas Geistです。
 スキピオニクスはその内臓もよく保存されていることで研究者を
 驚かせました。今回の研究では、肝臓が恥骨と筋肉で連結されて
 いることが明らかになりました。このことは、この恐竜が”肝臓ピストン”
 によって、肺の高度の換気を行うことができた事を示唆するそうです。
 このことが、恐竜がその時代に支配的な生物になった理由の一つかも
 しれないと、述べています。また、”肝臓ピストン”システムは恐竜が生
 息していた温暖な時期に最もよく機能しただろう、しかし気候の変化に
 より、恐竜はトラブルにみまわれただろうと述べています。また、この
 システムはワニと同様だが、今日のトリの肺とは異なっており、トリは
 肉食恐竜の子孫という学説に疑問を投げかけるものとなっています。
 この研究はサイエンスに掲載されます。
  この恐竜発見のニュースが最初に日本の一般メディアで流れたのは、
 「恐竜学最前線」第11弾('95年8月21日発行)でした。'95年1月にイタリ
 アにスキーに行った私は、ミラノ自然史博物館で既に売られていた、この
 恐竜のポスターを買った覚えがあります。
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース
 MSNBCニュース
 オレゴン州立大同大提供の写真1(328k)写真2(448k)
 毎日新聞アウロス(シピオニクスと標記)
 サイエンスデイリー
 ワシントンポスト(どうやら子供向けの解りやすい解説)2.21.'99追加
 参考:スキピオニクス発見(ABCニュース'98年3月25日)
    BBCニュース

世界最古のカモノハシ恐竜1.21.98
 先日紹介しましたプロトハドロスの紹介記事です。
 サイエンスデイリー

プロトハドロス記載1.19.99
 Journal of Vertbrate Paleontologyの'98年12月号で記載されました。
 記載者はJason J. HEAD。テキサスから出土した化石は
 Protohadros byrdi,gen.et sp. nov.(新属新種)とされています。詳細は
 論文を読んでから紹介します。

熊本県御船町でよろい竜の歯化石発見1.12.99
 御船町教委は同町田代で約9千万年前のよろい竜の歯を1本発見と
 発表しました。抜け落ちたものと考えられています。全長約7ミリ、幅約
 5ミリ。歯根部分が欠けているので、完全な状態なら約15ミリと推定され
 るとのこと。摩耗状況から右側の上か下の歯と考えられるそうです。
 同町恐竜博物館に1月15日から2月28日まで展示されます。
 国内のよろい竜歯化石の発見は北海道に続き2例目。
 西日本新聞
 御船の恐竜
 参考:毎日新聞北海道で発見されたよろい竜のニュース('96年1月23日)

ポルトガルで記載された新属の竜脚類12.24.98
 Lourinhasaurus n. gen. という竜脚類はこれまでApatosaurus alenquerensisと
 されていたそうですが、特に最初の7個の脊椎の研究により新属とされたそうで
 す。時代はキンメリッジアン上部からチトニアンのLourinha Formationです。
 DinosaurML
 新属紹介のページ(ポルトガル語と英語)
 
羽毛恐竜はダニに悩まされていた?12.10.98
 これもネイチャーの記事です。科博所蔵の1億2,000万年前の羽毛化石
 からダニの卵と見られる化石が発見されたそうです。羽毛恐竜も羽づくろ
 いをしたのでしょうか?
 ネイチャー門

米メリーランドで恐竜の脚発掘12.7.98
 米、メリーランド州バルティモア郡のArbutusでRon Smithという
 アマチュア地質学者が先月末に自宅近くで恐竜化石を発掘した
 そうです。それはアストロドンの脚の一部と判明したそうです。
 メリーランド州議会は昨年、アストロドンを州の公式の恐竜と
 したそうです。
 ヤフーニュースライン
 サンスポット紙

 生物の科学 遺伝で大量絶滅特集12.2.98
 裳華房発行の生物化学誌です。表紙はタルボ君の頭蓋のようですね。
 「恐竜はなぜ絶滅したか」、「鳥は飛ぶ恐竜か」など、興味をそそられる
 項目があります。かなり大きい書店でないと置いてないと思います。

Science Friday on Talk of the Nation11.23.98
 National Public Radioで11月20日に先日の恐竜新発見の
 番組がありました。リアルオーディオで聴くことができます。
 内容は、スコミムス発見のポール・セレノとパタゴニアの恐竜卵化石発見の
 キアッペに対するインタビューです。40分間。

ニジェールのスピノサウルス11.13.98
 以前、ポール・セレノから金子隆一氏が聞いた話でお届けしたものです。
 SVPの報告もチョイ訳で紹介しました。現在これが最大の肉食恐竜です。
 Suchomimus tenerensis と命名されました。属名はワニもどきの意味
 ですね。分類を見るとバリオニクスに近いようですね。
 ABCニュース
 CNNニュース
 CNNカスタムニュース(ロイターAP
 MSNBCニュースイラストが「エルマーと竜」の雰囲気!
 NSNBCニュース(シカゴローカル)セレノがインディー・ジョーンズしてる!
 BBCニュース(ビデオや骨格図あり)
 ヤフーニュースライン(ロイター。マイケル・スプレクニックの復元図付)
 ヤフーニュースライン(AP)
 サイエンス(セレノの報告)
 SVPアブストラクトのチョイ訳
 生体復元模型(Stephen and Sylvia Czerkas制作。)
 ナショナルジオグラフィックのPress Events(12月号にのるようです)
  シカゴ大でのセレノの講演の様子がストリームビデオで見られます。
 DINOSAURS of THE SAHARA展示中の骨格をライブカメラで!29日までで


ホームページ作成ソフトのバグにより、以前の情報が失われました。
メールで流したもの等からおいおい復元していくつもりです。

オーストラリアとニュージーランドの恐竜の本7.14.99
西オーストラリア博物館のジョン・ロングの
本です。9月に出版されるようです。
紹介するハーバード大出版部のURL
ちなみに彼は日本・東洋オタクで、禅の公案の話をするかと
思えば、アニメオタクで、今回のシンポジウムには来られな
かったが、是非、エヴァンゲリオンを見たいそうだと、金子氏に
聞いたことがあります。

ガーゴイレオサウルスを持つカーペンター博士大恐竜展シンポジウムから7.12.98
  国立科学博物館で、展示標本を出した各国の研究者に
  よるシンポジウムが今日と明日開催されています。
  参加者限定となっています。参加された金子隆一氏から、
  その一端を電話で聞きました。

   参加者は全部で40名くらい。空席もあった。プレスにもお
  知らせしたが、誰も来ず、やっと遅れて読売が来た程度。

  1 ギガノトサウルスの頭骨サイズは確実なものか? 
    金子氏が質問したそうです。ギガノトサウルスの外側頭
   窓がでかく、丸く、リアリティがない。眼窩から後ろがちゃん
   と出たのか?
   →バラバラに出たとの答えだそうです。
   その後、食事時にポール・セレノが来て、その話になったそ
   うです。曰く、ギガノトサウルスの頭蓋をカルカロドントサウ
   ルスと比較したが、あれは推測された部分が多いと言ってい
   い。主要部分はバラバラに産出しているし、関節部は摩滅し
   ている。鼻面も実際より長いようだ。また、カルカロドントサウ
   ルスとは明らかに別属。

  2 ニジェールで発見されたスピノサウルス
    さらにセレノは、ニジェールで発見されたスピノサウルスに
   ついて言及。 棘突起が折れ残った部分だけで2mあるそうで、
   体の全長は15mを超えるのではないかということです。今年
   9月末のSVPで発表されるようです。

  3 パタゴニアで新しい装甲竜脚類発見
    ティタノサウルス科でアウグスティアと命名。まもなく全身骨
   格で記載。棘突起の上に左右対に出た棘が並んでいる。長さ
   75cm 仙椎の上あたりで一番長い。

  4 レバッキサウルス
    白亜紀前期のブラキオサウルスタイプ(イラストで見る最新恐
   竜ハンドブックでは、ディクラエオサウルス科とされています)と
   同じものがアルゼンチンで出た。白亜紀前期アプト階のものだが、
   非常に原始的。例えば脊椎の側くうが未発達。その他、パトリシ
   ア・リッチなどのオーストラリアの恐竜総まくり(例えばプロトケラ
   トプス科の尺骨や、オビラプトル科の脊椎についても 報告があっ
   たそうです。電話で聞いたものなので、あまり詳しくは聞いていま
   せん。間違いがあればパンテオンの責任です。
   また、明日は原稿締切の関係で参加できないとのこと。残念。

イギリス・ワイト島で新種の獣脚類発見7.8.98
  BBCニュースによると、ワイト島で新種の獣脚類が
  発見されたそうです。
  ワイト島地質学博物館のキュレーター、スティーブ・ハット(恐
  竜学最前線をお持ちの方は第8弾49ページをご覧ください)に
  よると、非常に残忍な爪、鋭い刃、長い後脚と尾をもつ12フィー
  ト(約3.6m位?)のヴェロキラプトルに類似した恐竜だそうです。
  ワイト島南岸の崖から発見されたこの恐竜は、1億2千万年前
  に棲息していたそうです。
  なお、97年にはハットによる、新種のアロサウルス科の恐竜
   Neoveneator Salerii のニュースもありました。
  ワイト島恐竜農場博物館
  ワイトオンライン
  BBCの Evolution Website
  ディスカバリーオンライン
  CNNニュースABCニュース

CNNニュースから7.6.98
  DinosaurMLで紹介されていたものです。
 (私の英語力は中学生レベルなので鵜呑みにしないこと!)
  Dinosaurs Kept Warm in the Polar Chill
  オーストラリアで発見された恐竜化石(ヒプシロフォドン)の研究から、
  当時の極地帯で棲息していた恐竜は、体を暖かく保っていたとする。
  南アフリカ・ケープタウン大のAnusuya Chinsamyの報告です。
  シロートの私としては、小型とはいえ鳥脚類の植物食恐竜で、という
  のは注目に値するのかな?と思いました。
  Dinosaur Denizens of the Dark
  1月に南極半島近くのヴェガ島で発見されたハドロサウルスについての
  リポートです。この島のサイトからは他に海棲爬虫類や鳥類の化石が産出
  しているそうです。この化石の発見で浮かび上がる謎は、ここのハドロサウ
  ルスは現代より暖かいとはいえ、闇が続く冬季をどうやって生きていたのか、
  それとも南米との間で渡りをしていたのか、ということだそうです。
  Death Swept Earth at End of Permian
  史上最大の大量絶滅と言われるペルム紀末の大絶滅は、これまで考えられて
  きたよりもはるかに短期間であったとする研究報告です。NMNHのダグラス・H・
  アーウィンほかの研究で、これまで百万年程度と考えられていたのが、中国の
  岩石の研究などで30万年以内、火山性の降下物の研究からは16万5千年以
  内、1万年程度の極めて短期間に起こったと考えられるそうです。
  A Sea Turtle's Salty Tale
  ブラジルで発見されたこれまでの記録を1千万年遡るウミガメ化石のリポートです。
  1億1千万年前のウミガメSantanachelys gaffneyiはまだ発達したヒレを持っていな
  かったが、拡大した眼窩には塩腺が備わっていたそうで、ウミガメの祖先は効果的
  な推進システムより塩分処理システムを先に発達させていたという、帝京平成大の
  平山先生の報告です。

ガーゴイレオサウルスも登場6.29.98改
  羽毛恐竜の陰にかくれていますが、同じネイチャー
  Gargoyleosaurus parkpini gen. et sp. nov.,のリポートが
  掲載されています。ジュラ紀のアンキロサウルス科の恐竜で、
  私は一昨年、デンバー自然史博物館でケネス・カーペンターに
  頭骨を見せてもらいました(といっても説明を受けたわけではあ
  りませんが)。
  属名の由来は、印象がガーゴイル(パリのノートルダム寺院の
  屋根に乗っている怪物)に似ているところからです。
  種名は、発見者のJ.ParkerとT.Pinegerにちなんでいます。
  カーペンター、C Miles & K Cloward の共同執筆で、アンキロサ
  ウルス科で最も原始的な恐竜として紹介しています。ワイオミン
  グのジュラ紀後期のモリソン累層で出土したもので、後期白亜紀の
  アンキロサウルスのもつ特徴を既に備えています。(頭骨及び下顎
  骨表面に被甲骨が融合、頭骨の眼窩後方及び上部側頭部の2カ
  所の開口部の閉鎖)、
  ノドサウルス科とアンキロサウルス科に共通の特徴を持っており、
  これは、曲竜類が単一の祖先から派生したという説の裏付けとなる。
  と、しています。
  参考:ガーゴイレオサウルスの写真3点 斜め正面からもっと斜めから側面(ややブレ・露出不足)

羽毛恐竜化石の写真公開6.24.98
  先日からお知らせしている羽毛を生やした恐竜の写真が公開されています。
  我が家は朝日新聞ですが、化石と復元模型のカラー写真をのせています。
  とりあえず、CNNのニュースこちらの画像はプロトアーケオプテリクスの方。
  いつもながらABCニュースの方が画像が大きいです。Caudipteryxの画像もあり。
  なお、ナショナルジオグラフィックのプレスリリースをもう一度みてください。
  羽毛の生えた部分の詳細な画像など、画像が増えています。
  ネイチャーでも25日発行以前にトップページで報じています。既にかなり詳しい
  報告と500k程度の画像を載せています。
   さて、飛ばない恐竜が羽毛を持ったとき、その役割は?保温でしょうか。
  復元像を見るとディスプレイの役割もあったようですね。  
  またまた羽毛の起源と役割について議論が沸騰しそうです。
  日本語の記事は毎日新聞ニュース
  写真を見ると胃石とおぼしき物もあります。獣脚類で胃石というのは、昨年
  内モンゴルで発見されたダチョウ恐竜のほかにはあまり知られていないかも
  しれませんね。ラジオのトークショーでフィリップ・カリーもこのことに言及した
  そうですが・・・6.29.98追記


福井県でドロマエオサウルス科とみられる幼体化石発見6.24.98追記
  水上さんのメールからです(勝手に転載)。
   福井県立博物館は、ドロマエオサウルスとみられる幼体の化石が、
  勝山市北谷町(約1億2,000万年前の白亜紀前期の地層)で見つかっ
  た、と発表しました。 読売新聞ニュース
    恐竜の楽園でも紹介していますが、他のニュースをまとめると、発見
  された恐竜化石は全部で約600点で、ドロマエオサウルスの化石は計
  8点(左右の上腕骨4個と左右の大たい骨4個)。
  一昨年の発掘調査で見つかった成体の大たい骨(同20cm)の化石か
  ら、成体の全長は約4.2メートルとされていることなどから、子どもは全長
  約2.5メートル、約1.7メートル、約1メートルの3頭とみられています。
   化石が狭い範囲に集中して見つかったことや骨の形状などから、共同
  研究者であるロイヤル・ティ  レル古生物博物館のフィリップ・カリー博
  士は、3頭は同じ種の恐竜と判断したとのこと。
  世代の異なる恐竜の化石が同じ場所で一度に発掘されたのは国内では
  初めてで、世界的にも約20年前に米国・モンタナ州でマイアサウラの卵や
  幼体などの化石が発見された程度。
   今後の調査で国内初の恐竜の営巣地を発見できるかもしれない、とは
  関係者の話です。
  共同通信社の記事・写真検索で恐竜をキーワードに写真検索すると、この
  化石の写真が出てきます。
  毎日新聞アウロスにもニュースが入りました。6.24.98追記


ナショナルジオグラフィックマガジン7月号6.23.98追記。
   Dinosaurs Take Wingと題して、中国で新たに発見された
  Caudipteryxという恐竜・鳥について紹介されているそうです。
  まだ書店には出ていないようですが。
  これについて、6月25日付のネイチャーで発表されるそうで
  す。Ji Qiang, Ji Shuan, フィリップ・カリーとマーク・ノレルの
  共同執筆です。また標本2体も同協会の博物館で6月24
  日から7月26日まで展示されます。
  このことについてナショナルジオグラフィックのプレスリリース
  (復元画像がQTVRで360°回転して見られます)
  ここから先は小山さんのメールから転載です。6.23.98
  ・この化石の写真を見た人は、オヴィラプトル科の恐竜に似て
  いる、とか、いや、むしろアヴィミムスに似ているように思う、だ
  とか、いろいろ勝手にコメントしています。いずれにしても、マニ
  ラプトル類のAvialaeか、それにかなり近そうなものである雰囲気
  が伝わってきますね。
  この化石もまた例の中国遼寧省のYixian類層から発見されてます
  (シノサウロプテリクスや孔子鳥などが発見されている。なんとホット
  な古生物学スポットなんだろう!)。
 ・化石は2体分見つかっている。明瞭な羽根の痕が残っている。 補足
  しますと、これは同じ恐竜の化石が2体分、という意味ではなくて、2
  種の新種恐竜が見つかっている、ということです。
  一つは上のCaudipteryx zoui、もう一つはProtarchaeopteryx robusta
  と名付けられたもので、共に最初はプロトアーケプテリクスと同定され
  ていたものをフィル・カリーが新種と認めたものであるようです。


翼竜の歩行について再掲&棘突起は脂肪貯蔵庫説5.28.98
ニュートンの7月号短信で翼竜の足の化石についてリポートがあります。
これは、ディスカバリーマガジン5月号で紹介されていますので、再掲します。
スピノサウルスなどの棘突起は脂肪をためるためという説についても
ディスカバリーマガジン4月号にありますので紹介します。

バッカーとブロントサウルス5.28.98
「化石ハンター スーの冒険」で、ロバート・バッカーがブロントサウルスの頭骨を
見せて説明していたシーンがありました。「ブロントサウルス」とわざわざ言うのも
彼なりの理由があるのでしょう。
金子隆一氏によれば、バッカーはそれに大砲の名をつけたそうです。
偶然見つけたSociety for Sedimentary Geologyのページを見ると、彼は"Bertha"
と名付けているようです。ばーさ?と考え込み、やっとベルタ砲のベルタと判明。
5月19日にここの年次総会で講演をしたようです。
これについては、ニュースレターの'98年2月1日号を見てください(要アドビアクロバット)
ところで最近のDinosaurMLでのバッカーと恐竜の知性かなにかのやりとりは何?


マジュンガトルス続報5.19.98
サイエンス・デイリーにマジュンガトルスの記事が載りました。
目玉は、写真。人間と一緒の頭骨キャストの写真があります。

オーストラリアの新しい獣脚類5.19.98
Dinosaur Mailing Listによると、オーストラリアで今月末に新しい獣脚類が記載されるようです。

記載者はジョン・ロングとラルフ・モルナー。ウェスタン・オーストラリア博物館の紀要に掲載。

OZRAPTOR SUBOTAIIと名付けられたそうです。属名はオーストラリアの泥棒、
種名は、早川書房あたりから出ているコナンシリーズに出てくる俊足の泥棒の名だ
そうです。オーストラリア初のジュラ紀の獣脚類(約1億7千万年前)。
化石は2・3mほどの小さいテタヌラ類?の頸骨。発見されたのは1966年ですが、
ジョン・ロング博士に89年に指摘されるまで、カメの化石と思われていました。
名前からすると、素早かったと想像されたのでしょうか。「初の」ということは、
アロサウルスより古い時代なのかな?


ゴジラサウルス!?5.7.98
 あちら版ゴジラの公開が話題になっていますが、実は恐竜にれっきとした
 ”ゴジラサウルス”なるものがいます。
 昨年8月にアメリカ・デンバー自然史博物館のケネス・カーペンターが記載。
 ニューメキシコで見つかった全長5.5mのコエロフィシスにつけられました。
 確かにコエロフィシスとしては異常に大きいですが、何と言ってもコエロフィシスで
 すからねェ。(アッ、宇田恵美さんごめんなさい!)
 噂では、ゴジラは付近の村の地名で発音はホントは”ゴヒラ”。けれど、ゴジラオタク
 のカーペンターが無理矢理ゴジラにしてしまったという話もあります。
 GODZILLAだと、アメリカ人には発音しにくいらしいですし。
 ちなみに綴りはGojirasaurus quayi n.g.n.sp.です。

ネイチャーに哺乳類の分岐が1億年前にさかのぼるとの記事がでたそうです。5.2.98
  それと同じ趣旨の文が別冊日経サイエンス「DNAから見た生物進化」の46ページに載っています。
  つい最近出た本です。書店で立ち読みか、お金のある人は買って決して損はしませんよ。
  追記: ヤフーニュースラインに関連ニュースがあります。5.4.98
6月号の ニュートンでは4.28.98
マンモスをよみがえらせるプロジェクトが進行中!
約1万年前に絶滅したマンモスを,現代によみがえらせるプロジェクトが進行中である。シベリア凍土に眠るマ
ンモスの精子を,現存するゾウの卵子に受精させるというのだ。いつ,どんなマンモスが産まれてくるのだろう
か?

金子隆一氏から聞いた話4.26.98
ダイノフェストに行っていたそうです。
そこでの話題から。
まず、恐竜協会は現在大幅な組織改正中で、恐竜学会になるのではないかという話です。
シンポジウムも非常に高度なものだったそうです。
新ネタを
マジュンガトルス(マダガスカルで発見された南半球唯一の堅頭類)は消滅。
が、これはもっとすごいものだった。カルノタウルスに近縁の肉食恐竜と判明だそうです。
イギリス(だったと思います)では、クロノサウルスの1.5倍の脊椎骨発見。
これを復元すると全長20mのクビナガリュウがいた!
トリの起源論では、オヴィラプトルなどの抱卵化石を復元すると、羽毛は直射日光により
卵の温度が上がりすぎるのを防ぐために発達したのではないかという説
が出てきたようです。


イタリアで恐竜化石発見だそうです。3.26.98
朝日新聞3月26日夕刊にカラー写真入りで1面にのっています。
ネイチャーによると、ローマの将軍スキピオにちなんで
Scipionyx samniticus gen. et sp. nov.,と命名されました。
写真の復元を見ると、ドロマエオサウルス科の足指をしています。
そうだとすれば、これは既に「恐竜学最前線」第11弾127ページ
(95年8月21日発行)で紹介されている、「イタリアから獣脚類の
幼体完全骨格産出」というものと同じと考えられます。
 95年2月、ミラノの自然史博物館を訪れましたが、そこでは"Dinosauri Italiani"と題
したポスターが売られていました。確か14万リラでした。獣脚類の幼体がトンボを
追いかけている図柄で、右下に今回の写真によく似た化石の写真がついていました。
 ポスターは金子隆一氏にあげてしまったので、今、確認はできません。しかし、イタリ
アのローカルニュースがたまたまネイチャー掲載で大きな扱いになったと、いう感じが
します。誰か、ミラノに行ったらプラダだけでなく博物館に寄ってポスターを買っておくれ!
付記:その後金子隆一氏に確認しました。まず、第11弾掲載の恐竜に間違いないそうです。