Bicentenaria argentina の記載論文 8.24.12
  あちらのニュースで流れている割に、記載論文はまだか、という感じもしていました。
 こちらからダウンロードできるようになりました。
 どんな恐竜かは、たとえばこちらの動画で見てください。

 
大型コンプソグナトス科恐竜Sinocalliopteryx gigas 2個体標本の腹腔から見つかった、
  孔子鳥とドロマエオサウルス科恐竜 8.31.12
  中国遼寧省北票の義県層下部Jianshangou(尖山溝)部層から産出したSinocalliopteryx gigas
 完模式標本及び、新たに産出した関節した不完全な骨格標本の、2個体腹部中の内容物から
 その食性及び捕食行動を研究した論文が出ています。ちなみに、完模式標本は、日本でも恐竜
 特別展で展示されたことがあります。記載時から、腹腔中にドロマエオサウルス類恐竜の骨が
 あることは指摘されていました。
 本研究では、完模式標本の腹中の骨をSinornithosaurus としています。また第2標本の腹腔中
 には、少なくとも2個体分のConfuciusornis sanctus(聖賢孔子鳥)および鳥盤類と思われる、酸
 でおかされた複数の骨がありました。
 これら腹腔中の内容物が狩猟によるものか、屍肉食によるものか、はっきりとわかりませんが、
 Confuciusornis sanctus の消化状態がほぼ同じことから、矢継ぎ早に消化されたことが示唆さ
 れます。また、Sinocalliopteryx gigas は樹上生活に適応していなかったことから、ステルスハン
 ターであったかもしれないことを示唆するとしています。
 Xing L, Bell PR, Persons WS IV, Ji S, Miyashita T(宮下哲人), et al. (2012)
 Abdominal Contents from Two Large Early Cretaceous Compsognathids (Dinosauria: Theropoda)
 Demonstrate Feeding on Confuciusornithids and Dromaeosaurids.
 PLoS ONE 7(8): e44012. doi:10.1371/journal.pone.0044012 論文
 アルバータ大ニュース 新華社(日)
 参考:完模式標本記載論文 イラストCheung Chungtat 塗龍者随筆 deviantart

  
獣脚類は必ずしも肉食恐竜ではない 12.21.10
  ユーレカアラート AFPBB
  一般に獣脚類=肉食、テリジノサウルス類のような植物食は例外と考えがちです。
 しかし、シカゴフィールド博物館の研究者達によると、T-REXやヴェロキラプトルなどの
 例外を除き、コエルロサウリア類獣脚類はほとんど植物食だったそうです。彼らは90
 種のコエルロサウリア類について統計分析をし、特に鳥類につながる系統では植物
 食に適応していることがわかったということです。

中国、新疆ウイグル自治区後期ジュラ紀の基盤的コエルロサウリア類 12.02.10
  新疆ウイグル自治区五彩湾( Wucaiwan)のShishugou(石樹溝)層(オックスフォーディア
 ン約1億6千万年前)から産出した基盤的コエルロサウリア類を記載しています。
 Zuolong salleei 新属新種
 属名はZuo:清朝末期に新疆ウイグル自治区に対し弱体化した清朝の支配権を奪回した
 大臣、左 宗棠(さ そうとう)に献名+long:中国語の竜。
 種小名は、五彩湾の発掘に、その遺産により資金提供したHilmar Salleeに献名。

 亜成体で、体長は3.1m以下、体重35kg以下とみられています。
 Theropod Database.blog

 Jonah N. Choiniere, James M. Clark, Catherine A. Forster and Xing Xu (2010).
 A basal coelurosaur (Dinosauria: Theropoda) from the Late Jurassic (Oxfordian) of the
 Shishugou Formation in Wucaiwan, People's Republic of China
 Journal of Vertebrate Paleontology 30 (6): 1773-1796.
 doi:10.1080/02724634.2010.520779 アブストラクト

 
パタゴニアから産出した大型獣脚類 Orkoraptor burkei 2.07.08
 Novas, F.E., Ezcurra, M.D., and Lecuona, A.
 Orkoraptor burkei nov. gen. et sp., a large theropod from the
 Maastrichtian Pari Aike Formation, Southern Patagonia, Argentina
 Cretaceous Research Articles in Press doi: 10.1016/j.cretres.2008.01.001

 コエルロサウリア類の新属新種として、Orkoraptor burkei を記載しています。
 体長6-7mと推定されています。白亜紀末の南米に生息した、大型テタヌラ類のまだ知られてい
 ない分岐を表すものとされています。

 属名は"Orr-Korr"Aonikenというパタゴニア先住民族の言葉で、産出地近くを流れるLa Leona
 川を指す名で、(“Toothed River”)の意味ということです。種小名は、米のアマチュア古生物・地
 質学者で彼らの探査をサポートしたColeman Burkeに献名。

Juravenator starki の論文 12.10.07
  GOHLICH, Ursula B., Helmut TISCHLINGER & Luis M. CHIAPPE:
  Juravenator starki (Reptilia, Theropoda), ein neuer Raubdinosaurier aus dem Oberjura
  der Sudlichen Frankenalb (Suddeutschland): Skelettanatomie und Weichteilbefunde
  ARCHAEOPTERYX volume 24 pp.10-26
  アブストラクト 表紙 13ページ  26ページ PDFファイルです
  Order formで注文することはできます。20ユーロ+送料。

  
シノサウロプテリクスの"原羽毛"はコラーゲン繊維のフリル 5.23.07
  ヤフーニュース(AFP) ネイチャーニュース 
 Theagarten Lingham-Soliar, Alan Feduccia and Xiaolin Wang 2007
 A new Chinese specimen indicates that Protofeathers’ in the Early Cretaceous
 theropod dinosaur Sinosauropteryx are degraded collagen fibres
 Proc. R. Soc. B 論文ダウンロードできます。

 南アフリカKwaZulu-Natal大のTheagarten Lingham-Soliarらが、遼寧省の義県層から
 新たに発見されたシノサウロプテリクス標本の"原羽毛"を高解像度顕微鏡のイメージ
 で調べたところ、それはコラーゲン繊維だったそうです。そうすると、羽毛を持つ恐竜は
 もっと後にあらわれたのでしょうか。
 とはいえ、これだけでは恐竜と鳥類の起源は異なると、フェデュースシャが主張しても
 首肯する人は多くないでしょう。

 参考:鳥類の進化:魚竜の外皮繊維はドロマエオサウルス類の原羽毛と一致する 7.28.03

 この標本(IVPP V12415)は「恐竜博2005」で展示されていました。

中国遼寧省産の新しいSinosauropteryx 標本 5.17.07
  JI Shu'an, GAO Chunling, LIU Jinyuan, MENG Qingjin and JI Qiang 2007.
  New Meterial of Sinosauropteryx (Theropoda: Compsognathidae) from Western Liaoning, China
  地質学報英文版 ACTA GEOLOGICA SINICA vol.81 No.2 pp.177-182

  遼寧省凌源市大王杖子の下部白亜系義県層から産出した Sinosauropteryx prima の不完全な標本を
 記載しています。これは四合屯以外で初めて古生物学的記載をされたSinosauropteryx prima 標本であ
 るとともに、これら以外でSinosauropteryx prima が発見されていないことから、四合屯及び大王杖子の
 標本を産出した単層が義県層の中で互いに等しいものであることを示唆するとしています。

Compsognathus longipes の手の形態学及びコンプソグナトス科の分類基準におけるその関係
  5.05.07

アルゼンチン中部パタゴニア後期白亜紀産の新しいコエルロサウリア類獣脚類
 Aniksosaurus darwini gen. et sp. nov.
 4.08.07

北東中国下部白亜系から産出した、長い繊維状の外皮をもつ、
  新しい巨大コンプソグナトス科恐竜
 3.16.07

フランス南東部、上部チトニアンCanjuersから産出したCompsognathus の再考察 1.03.07

うろこを持つコンプソグナトス科恐竜 3.16.06

新種発見で揺らぐ定説 恐竜→鳥?3.29.06
  東京新聞
  ジュラヴェナトルの発見から、恐竜と鳥の関係を解説しています。

SyntarsusCoelophysisのジュニアシノニムに 6.29.05
  DinosaurMLで紹介しているPALAEONTOLOGIA AFRICANA
 Volume 40 (2004)ではSyntarsusCoelophysisのジュニアシノニムと
 する論文が掲載されたそうです。以前、Syntarsus は昆虫だったか、
 先に同じ属名があると指摘されていましたが、これで名実ともに消滅
 でしょうか。

 
中国新疆ウイグル自治区白亜紀前期の小型獣脚類 TUGULUSAURUS
 PAHAEDROLOSAURUS
 5.07.05

中国白亜紀前期義県層産出の大型コンプソグナトス科恐竜 2.29.04
  少し書き足しました3.02.04

Epidendrosaurus は無効名か?9.27.02

樹上性を示す幼体のコエルロサウルス類獣脚類 8.27.02

中国遼寧省産シノサウロプテリクスの解剖構造 11.22.01