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中国遼寧省産シノサウロプテリクスの解剖構造 11.22.01
  Anatomy of Sinosauropteryx prima from Liaoning, northeastern China
  Philip J. Currie and Pei-ji Chen(陳丕基)
   Canadian Journal of Earth Sciences 38: 1705-1727
  Compsognathus longipes との解剖学的類似について述べています。
  中国北東部遼寧省のジュラ紀-白亜紀地層から産出した驚異的な
 Sinosauropteryxの一対の骨格は、羽毛状構造で覆われた最初の恐竜と
 して1996年、世界中の評判をひきつけた。

 Sinosauropteryx prima はその外皮だけでなく、基盤的コエルロサウルス
 類であって、わずかにしか理解されていない獣脚類の進化について重要な
 段階を明らかにする点において重要なのである。

 コエルロサウルス類には(以下に限らないが)ドロマエオサウルス科、オルニ
 トミモサウルス類、オヴィラプトロサウルス類、トロオドン科およびティラノサウ
 ルス科が含まれるが、北半球の白亜紀肉食恐竜の重要な放散を形成してい
 る。それには鳥類も含まれる。

 Sinosauropteryx primaに は最も近縁なヨーロッパ産のCompsognathus
 longipes の既知の標本ではわずかにしか保存されていない、多くの形質を
 有している。これには、どの獣脚類より長い尾、第一指が一番大きい3本指、
 またそれは前腕のどちらの骨よりも太く長い。
 両標本とも分厚い羽毛状構造に覆われるが、それは単純に枝分かれする
 構造のように見える。Sinosauropteryxの片方の骨格に肝臓の形が保存さ
 れているという指摘は、それが一枚の板のようにつぶれ、いかなる軟らかい
 内臓もゆがめたであろうがゆえに、支持されえない。