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中国白亜紀前期義県層産出の大型コンプソグナトス科恐竜 2.29.04
 A LARGE COMPSOGNATHID FROM THE EARLY CRETACEOUS YIXIAN FORMATION OF CHINA
 Sunny H. Hwang, Mark A. Norell, Ji Qiang(季強) and Gao Keqin(高克勤)
 Journal of Systematic Palaeontology (2004), 2:13-30 論文ダウンロード(PDF)

 アブストラクトほにゃ訳
 中華人民共和国遼寧省前期白亜紀義県層堆積から産出した、新しい大型コンプソ
 グナトス科獣脚類、Huaxiagnathus orientalis gen. et sp. nov.が記載された。
 完模式標本は殆ど完全で尾部後部を欠くのみである。これは熱河群堆積から発見
 された2番目に大型の獣脚類分類群である。全てのコンプソグナトス科のように、
 Huaxiagnathus は短い前肢、比較的特殊化していないコエルロサウルス類のボディ
 プランを有している。これまで、相当完全な骨格は、ただ2つの小型コンプソグナ
 トス科、西ヨーロッパジュラ紀後期産のCompsognathus longipes および義県産の
 Sinosauropteryx prima のみだった。Huaxiagnathus orientalis の系統位置づ
 けについては、多くの分類群から広範囲の形質マトリックスを用いて分析された。
 Huaxiagnathus orientalis は、より派生したコンプソグナトス科のような前肢の
 適応を欠くので、同科の基盤に落ち着いた。加えて、Huaxiagnathus と他の2つの
 コンプソグナトス科の種は、我々のデータマトリックスに対し、コンプソグナト
 ス科がマニラプトラ類の基盤近い位置にあるという結果をもたらした。さらに、
 アルヴァレッツサウルス科、Paravesおよび単系統のテリジノサウルス科+オヴィ
 ラプトロサウルス類クレードは、我々の最節約系統樹の厳密な一致の中では、定
 まらない三分割状態になった。

  論文掲載の写真を見ると、Huaxiagnathus模式標本CAGS-IG02-301は、一見
 Sinosauropteryx かと思えるものです。本文でも同様に大きいSinosauropteryx
 かCompsognathusのようだと述べています。5つに割れた逆三角形の岩板から成る
 標本ですが、例によって合成でない旨の一文がついています。岩板の反対面は保
 存されていません。

 体長について、熱河群産出獣脚類の平均は100cmだが、Huaxiagnathus はこれらや
 他のコンプソグナトス科の殆ど2倍に達すると述べています。欠けた尾の部分を
 加えて内輪に見積もった体長は約1.6mで、熱河群の獣脚類としてはBeipiaosaurus
 に次ぐ大きさになります。

 属名は中国の古称"華夏"+ギリシャ語の"顎"、種小名は"東方(産)の"を表すラテ
 ン語。産地と層準は遼寧省北票市四合屯地区大板溝(Dabangou)村、義県層、白亜
 紀前期(1億2千5百万年前)。

 分類基準として、既知のコンプソグナトス科に対し−眼窩前窩まで重なる前上
 顎骨の非常に長い後部突起、上腕骨と橈骨を合わせた長さに匹敵する手、手の
 第一指と第二指はほぼ等しい長さで、第三指の167%の長さ。第一中手骨は第二
 中手骨より小さい近位横断幅、尺骨上に退縮した肘頭突起がある−といった違
 いがあるとしています。

 中国恐竜網(化石写真および復元図あり)