竜脚形類に関するニュース

中国安徽省からマメンキサウルス科竜脚類記載 11.20.14
  安徽省ジュラ紀中期の地層から
  Huangshanlong anhuiensis 新属新種
  論文は古脊椎動物学与古人類学研究所のページからダウンロードできます。

幻の世界最大(?)の恐竜Amphicoelias fragillimus は幻に? 12.16.14
  コープが一度だけ発表した、復元すれば高さ1.83mにもなるという胴椎骨、これを元に
 復元すると、体長58~60mにもなるといいます。しかし、最新の論文では、どうやら幻に
 終わりそうです。
 D. Cary Woodruff, John R. Foster(2014)
 The fragile legacy of Amphicoelias fragillimus (Dinosauria: Sauropoda; Morrison
 Formation – latest Jurassic)
 Volumina Jurassica, 2014, XII (2): 211–220 DOI: 10.5604/17313708 .1130144
 論文はこちらのページからダウンロードできます。

ジュラ紀の竜脚類は、どのようにエサを分けあったか 10.10.14
  ブリストル大
  ジュラ紀の竜脚類につきまとう疑問と言えば、一つには、小さい頭でどうやって
 巨体を支えるエサを食べたか。もう一つには、モリソン層のような乾燥気味の環
 境で、なぜ複数種の竜脚類が共存できたのかというものがあります。
 後者の疑問について、英ブリストル大のDavid J. Button らがかれらの頭骨の分
 析から解明しています。
 Button らは、カマラサウルスとディプロドクスの頭蓋と下あごのCTスキャンをし、
 デジタルに取り込み、バーチャルに復元しました。その上で両者を有限要素法を
 用いて各部の強度や加わるストレスを解析しました。その結果、カマラサウルス
 の頭は頑丈で堅い葉や枝を食べるのに適していたこと、一方ディプロドクスの噛
 む力は比較的弱く、シダのような柔らかい葉を食べるのに適していたことがわか
 りました。モリソン層の竜脚類は、高度に食性が分化して共存していたようです。
 David J. Button, Emily J. Rayfield and Paul M. Barrett.(2014) 
 Cranial biomechanics underpins high sauropod diversity in resource-poor
 environments
 Proc. R. Soc. B vol. 281 no. 1795 doi: 10.1098/rspb.2014.2114 論文フリー

プラテオサウルス、世界初の幼体 7.04.14
  スイスから産出した、Plateosaurus engelhardti の幼体の頸椎と胴椎の神経弓
 が記載されています。椎体と癒合していないことからも幼体とわかりますが、一方
 それから推定される体長は、殆どの成体を超えるということです。これは、これまで
 組織学的データのみに基づいていた、同種の発生的柔軟性の仮説を支持するもの
 としています。代替仮説として、複数種、性的2形等があげられています。
 Rebecca Hofmann, P. Martin Sander.(2014)
 The first juvenile specimens of Plateosaurus engelhardti from Frick, Switzerland:
 isolated neural arches and their implications for developmental plasticity in a
 basal sauropodomorph
 PeerJ DOI:10.7717/peerj.458

チビ恐竜、エウロパサウルスの頭蓋解剖学 6.13.14
  サイエンスデイリー
  竜脚類は頭を数匹で共有していたというジョークがあるほど、竜脚類の頭骨は、
 見つかりにくいのですが、エウロパサウルスの頭骨は12も発見されているそうです。
 この研究から、エウロパサウルスには2つの形態型があることが明らかになりました。
 これが、性的なものか、当時多島海だったヨーロッパの別々の島で進化したものか、
 年代による差なのかはまだわかっていないそうです。
 Jean Sebastian Marpmann, Jose Luis Carballido, P. Martin Sander & Nils Knotschke
 Cranial anatomy of the Late Jurassic dwarf sauropod Europasaurus holgeri
 (Dinosauria, Camarasauromorpha): ontogenetic changes and size dimorphism
 Journal of Systematic Palaeontology DOI:10.1080/14772019.2013.875074
 アブストラクト
 頭骨以外の骨格に関する論文はこちら

スペインの竜脚類 Aragosaurus ischiaticus の解剖学、系統… 6.10.14
  スペインで初めて記載された竜脚類、Aragosaurus ischiaticus の解剖学、
 系統関係、層序的位置などが論じられています。
 系統的位置づけでは、この恐竜は基盤的マクロナリア類で、ティタノサウルス形
 類には入らない。しかしいくつかの形質はティタノサウルス形類と共有するので、
 これまで同類の共有派生形質とされていた形質のいくつかは、同類よりわずかに
 広く共有されているとしています。層序的には、基盤的マクロナリア類はヨーロッ
 パに、ジュラ紀末に、より派生したティタノサウルス形類と共に存在していたとして
 います。
 Rafael Royo-Torres, Paul Upchurch, Philip D. Mannion, Ramón Mas, Alberto
 Cobos, Francisco Gascó, Luis Alcalá and José Luis Sanz (2014)
 The anatomy, phylogenetic relationships, and stratigraphic position of the
 Tithonian–Berriasian Spanish sauropod dinosaur Aragosaurus ischiaticus.
 Zoological Journal of the Linnean Society (advance online publication)
 DOI: 10.1111/zoj.12144 アブストラクト

パタゴニア産のムササウルスの骨に病理学的痕跡 5.28.14
  竜脚形類 Mussaurus patagonicus の1個体の大腿骨や皮骨内部の空洞に、
 異常な骨組織ができている例があったそうです。組織にはよく血管が通り、内
 部には高密度に骨細胞があるそうです。研究では、この特徴は鳥類の骨大理
 石病(骨の吸収障害に基づく骨の緻密化を招く)と共通するものとしています。
 Ignacio A. Cerda, Anusuya Chinsamy and Diego Pol (2014)
 Unusual Endosteally Formed Bone Tissue in a Patagonian Basal
 Sauropodomorph Dinosaur.
 The Anatomical Record (advance online publication) DOI: 10.1002/ar.22954
 アブストラクト

アルゼンチンからディプロドクス科恐竜記載 5.15.14
  アルゼンチン、パタゴニア、ネウケン州の白亜紀前期の地層から産出した標本
 に基づき、ディプロドクス科恐竜が記載されています。
 Leikupal laticauda 新属新種
 属名:'lein'「消えた」+'kupal'家族(パタゴニア北西部の先住民マプチェ族の言語)
     ディプロドクス科恐竜として最も新しい年代の最後のものであることから
 種小名:'latus'「広い」+'cauda'「尾」 近位尾椎の横突起が広がっていることから
 系統解析からディプロドクス亜科でTornieria に近縁としています。南米初のディ
 プロドクス上科恐竜であるとともに、世界で最も年代の新しいものとしています。
 Gallina PA, Apesteguía S, Haluza A, Canale JI (2014)
 A Diplodocid Sauropod Survivor from the Early Cretaceous of South America.
 PLoS ONE 9(5): e97128. doi:10.1371/journal.pone.0097128 論文

プラテオサウルス、初の幼体標本 4.01.14
  幼体ですが、成体と同じ形態の神経弓をしている、体長は成体以上であること
 が示唆されるなど、特徴があります。種差なのか性差なのか、さらなる研究が期
 待されますね。
 Rebecca Hofmann, P. Martin Sander.(2014)
 The first juvenile specimens of Plateosaurus engelhardti from Frick,
 Switzerland: Isolated neural arches and their implications for developmental
 plasticity in a basal sauropodomorph
 PeerJ PrePrints 2:e325v1
 
チビでも大人のエウロパサウルスの頭蓋より後方の椎骨記載 3.22.14
   Jose L. Carballido & P. Martin Sander.(2014)
   Postcranial axial skeleton of Europasaurus holgeri (Dinosauria, Sauropoda)
   from the Upper Jurassic of Germany: implications for sauropod ontogeny
   and phylogenetic relationships of basal Macronaria
   Journal of Systematic Palaeontology Volume 12, Issue 3, 2014
   pp.335-387 DOI:10.1080/14772019.2013.764935 アブストラクト

プラテオサウルスの腹肋断片化石から、腹肋や軟組織の復元 3.21.14
  Regina Fechner and Rainer Gößling(2014
  The gastralial apparatus of Plateosaurus engelhardti: morphological description
   and soft-tissue reconstruction
  Palaeontologia Electronica Article number: 17.1.13A 論文


プラテオサウルスの手 3.13.14
  プラテオサウルスが2足歩行だったか4足歩行だったか議論があります。手の立体
 デジタル復元により可動範囲を調べ、4足歩行はできず、物を握るのに適していたと
 しています。

 Plateo hand

基盤的マクロナリア類、Lourinhasaurus alenquerensis の系統再評価 2.20.14
  ポルトガルの上部白亜系から産出した、レクトタイプ(基準標本)に基づき、その系
 統の再評価を行っています。その結果、系統をマクロナリア類、カマラサウルス形類
 としています。
 Pedro Mocho Rafael Royo-Torres & Francisco Ortega (2014)
 Phylogenetic reassessment of Lourinhasaurus alenquerensis, a basal
 Macronaria (Sauropoda) from the Upper Jurassic of Portugal.
 Zoological Journal of the Linnean Society (advance online publication)
 DOI: 10.1111/zoj.12113 アブストラクト

鹿児島県薩摩川内市鹿島町(下甑島)から竜脚類歯発見 2.17.14
  西日本新聞 読売新聞
  下甑島の白亜紀後期、約8000万年前の地層から、長さ17㎜、根本の直径5㎜の
 細長い円錐形の歯が1本見つかりました。咬耗によりV字形にすり減った特徴など
 から、竜脚類の下あごの歯とわかったそうです。
 真鍋真国立科学博物館研究主幹が6月の古生物学会で発表するそうです。

竜脚類の巨大化特集について 1.15.14
  昨年10月末にPlosOneで出した、竜脚類の巨大化に関する特集について、独ヨハンネス・
 グーテンベルグ大が、リリースを出しています。

Tonganosaurus hei の系統分析 12.31.13
  四川省のマメンキサウルス科竜脚類の系統分析をしています。

レッバキサウルス科竜脚類、Katepensaurus goicoecheai 記載 11.13.13

中国新疆ウイグル自治区、ジュラ紀中期のマメンキサウルス科恐竜記載 11.09.13
  Xinjiangtitan shanshanesis の記載です。

竜脚類の巨大化、学際的なアプローチ 10.31.13
  PlosOne で特集を組んでいます。
 竜脚類は最大の陸生動物で、その身体には数々のユニークな特徴があります。この特集では
 生きていた動物として竜脚類を理解するために、古生物学者および進化生物学者が、その進
 化的成功と特異な巨大型を説明し、幅広い各分野から数々の疑問に解決しています。
 マンチェスター大(アルゼンチノサウルスの歩行のデジタル復元)

Ischigualasto層の基盤的竜脚形類 10.10.13
  同層から産出している、Eoraptor lunensis, Panphagia protos, および Chromogisaurus
 novasi
について。Chromogisaurus novasi について詳細に記載するとともに、三者の系統
 関係を議論しています。
 Ricardo N. MartÍnez, Cecilia Apaldetti & Diego Abelin (2013)
 Basal sauropodomorphs from the Ischigualasto Formation. Basal sauropodomorphs and
 the vertebrate fossil record of the Ischigualasto Formation (Late Triassic:
 Carnian-Norian) of Argentina.
 Journal of Vertebrate Paleontology Memoir 12: 51-69
 DOI:10.1080/02724634.2013.819361 アブストラクト

Panphagia protos の脳函 10.10.13
  亜成体の関節していない脳函を記載しています。
 Ricardo N. Martínez, José A. Haro & Cecilia Apaldetti (2013)
 Braincase of Panphagia protos (Dinosauria, Sauropodomorpha). Basal sauropodomorphs
 and the vertebrate fossil record of the Ischigualasto Formation (Late Triassic:
 Carnian-Norian) of Argentina.
 Journal of Vertebrate Paleontology Memoir 12: 70-82
 DOI:10.1080/02724634.2013.819009 アブストラクト

Eoraptor lunensis の骨学 10.10.13
  基盤的竜脚形類、Eoraptor lunensis の骨学を記載しています。
 Paul C. Sereno, Ricardo N. Martínez & Oscar A. Alcober (2013)
 Osteology of Eoraptor lunensis (Dinosauria, Sauropodomorpha).
 Basal sauropodomorphs and the vertebrate fossil record of the Ischigualasto Formation
 (Late Triassic: Carnian-Norian) of Argentina.
 Journal of Vertebrate Paleontology Memoir 12: 83-179
 DOI:10.1080/02724634.2013.820113 アブストラクト

中国新疆ウイグル自治区からジュラ紀中期の巨大竜脚類 9.30.13
  dradio.de dinochecker.com
  Xinjiangtitan shashaensis という学名のみ一人歩きしている感がします。
  記載論文はGlobal Geology(世界地質)の最新号に掲載されているらしいのですが、まだ
 ネット上には出ていません。
 推定体長30mにも達する大型竜脚類ということです。

植物食の、竜脚類恐竜は歯を頻繁に交換した 7.18.13
  ユーレカアラート AFPBB
  CamarasaurusDiplodocus は1~2か月で歯が生え変わったそうです。
 D’Emic MD, Whitlock JA, Smith KM, Fisher DC, Wilson JA (2013)
 Evolution of High Tooth Replacement Rates in Sauropod Dinosaurs.
 PLoS ONE 8(7): e69235. doi:10.1371/journal.pone.0069235 論文

チュニジアから鳥類のように含気化著しいレッバキサウルス科恐竜 7.10.13
  Tataouinea hannibalis 新属新種
  種小名はハンニバルからでしょうね。
 前期白亜紀、約1億2千万年前のもののようです。
  竜脚類の頭部から後方の骨格が含気化していたかどうかについては、まだ議論され
 ているところのようです。しかし、今回記載されたレッバキサウルス科恐竜では、仙椎・
 尾椎および骨盤に複雑な含気化のパターンがあり、恐竜類では初報告となる、坐骨の
 含気孔があります。このことから、この恐竜の腹部に気嚢があったことが強く支持され
 るとしています。レッバキサウルス科恐竜の形質の最適化により、尾椎では神経弓の
 含気化が椎体のそれに先行し、また坐骨に隣接する骨の含気化が、より遠位の骨の
 含気化に先行していることが示されるとしています。
 この恐竜はゴンドワナのレッバキサウルス科恐竜よりヨーロッパのニジェールサウルス
 亜科恐竜に近縁で、このことはレッバキサウルス科恐竜がアフリカからヨーロッパに放
 散したルートを支持するとしています。
 Federico Fanti, Andrea Cau, Mohsen Hassine & Michela Contessi (2013)
 A new sauropod dinosaur from the Early Cretaceous of Tunisia with
 extreme avian-like pneumatization.
 Nature Communications 4, Article number: 2080 doi:10.1038/ncomms3080
 アブストラクト ボローニャ大(伊)

中国雲南省から基盤的真竜脚類記載 6.08.13
  Nebulasaurus taito
  脳函に基づき記載されています。
  属名:'Nebulae'ラテン語で霧の深い雲。雲南省の山岳地域にちなむ。+sauros
  種小名:模式産地及び近傍のフィールドプロジェクトに資金提供をした日本の企業
        タイトーに献名。
  産地と層準:雲南省楚雄イ族自治州元謀県 Xiabanjing, Jiangyi Rural Area
          Zhanghe(張河)層(中部ジュラ系アーレニアン/バッジョシアン)
  系統は新竜脚類ではない真竜脚類で、中期ジュラ紀アフリカのSpinophorosaurus
 と姉妹群をなすとし、これまでアジアで知られなかった基盤的真竜脚類のクレードを
 表すものとしています。またジュラ紀から白亜紀にかけての劇的な竜脚形類の移行
 を示すものとしています。
 Lida Xing, Tetsuto Miyashita(宮下哲人), Philip J. Currie, Hailu You, and Zhiming
 Dong (2013)
 A new basal eusauropod from the Middle Jurassic of Yunnan, China, and
 faunal compositions and transitions of Asian sauropodomorph dinosaurs.
 Acta Palaeontologica Polonica (in press) アブストラクト

中国から竜脚類新種記載 5,24.13
  Yunmenglong ruyangensis 新属新種
  中国河南省汝陽盆地の下部白亜系 Haoling(郝岭)層から産出した不完全な骨格に
 基づき記載しています。
 その特徴はEuhelopus および Erketu にも見られるそうです。系統的には、Erketu
Yunmenglong および Qiaowanlong で1つのクレードをなし、Euhelopus よりは派生
 しているそうです。ティタノサウリア類よりは基盤的になるようです。
 中国中央部からこれまでで初めて産出した竜脚類ということです。
 Junchang Lu(呂君昌), Li Xu, Hanyong Pu, Xingliao Zhang, Yiyang Zhang, Songhai
 Jia, Huali Chang, Jiming Zhang & Xuefang Wei (2013)
 A new sauropod dinosaur (Dinosauria, Sauropoda) from the late Early Cretaceous
 of the Ruyang Basin (central China).
 Cretaceous Research (advance online publication)
 doi: http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2013.04.009

中国で見つかった、ジュラ紀前期の竜脚形類の胚 4.11.13
  トロント大 信濃毎日新聞 ボン大学(独語) ナショナルジオグラフィック(日)
  中国雲南省禄豊郊外のボーンベッドから産出した、竜脚形類(おそらくルーフェンゴサ
 ウルス)の、様々な個体発生段階の胚を記載しています。恐竜の卵の中の胚は、白亜
 紀前期からは例がありますが、ジュラ紀以前のものは非常に珍しいものです。これまで
 に南アフリカで見つかった、マッソスポンディルスのもの、及びジュラ紀後期のポルトガ
 ルから産出した獣脚類の胚が知られているだけです。
 今回の胚化石は卵殻中ではなく、卵殻を含む地層に関節していない状態で、卵が孵化
 するまでの様々な段階の約20個体の骨化石が含まれているものです。
 その結果、卵の中でどのように成長していくかが明らかになりました。例えば、大腿骨を
 比較すると、発生期間全体を通して成長は一貫して早かったことがわかりました。
 また、胚の筋肉の活性化がこの種の恐竜では重要な役割を示していたことが示唆されて
 います。
 Robert R. Reisz, Timothy D. Huang, Eric M. Roberts, ShinRung Peng, Corwin Sullivan,
 Koen Stein, Aaron R. H. LeBlanc, DarBin Shieh, RongSeng Chang, ChengCheng
 Chiang, Chuanwei Yang & Shiming Zhong (2013)
 Embryology of Early Jurassic dinosaur from China with evidence of preserved
 organic remains
 Nature 496,pp.210-214 doi:10.1038/nature11978 アブストラクト

久慈で恐竜の歯6点発見 4.03.13
  岩手日報
  後期白亜紀8500万年前の地層から、竜脚類の歯6点がみつかりました。

ネウケン盆地からレッバキサウルス科恐竜記載 11.28.12
  同科の新属新種としてComahuesaurus windhauseni が記載されています。
 Jose Luis Carballido, Leonardo Salgado, Diego Pol, Jose Ignacio Canudo
 & Alberto Garrido (2012)
 A new basal rebbachisaurid (Sauropoda, Diplodocoidea) from the Early
 Cretaceous of the Neuquen Basin; evolution and biogeography of the group.
 Historical Biology 24(6): 631-654 DOI:10.1080/08912963.2012.672416
 アブストラクト

組織学からは、竜脚類の頸肋骨は骨化した腱であることが示される 10.05.12
  頸肋骨って、肋骨と同じものと思っていたら、骨化した腱だという論文が出ています。
 アブストラクトほにゃ訳
 竜脚類の頸肋骨組織学は、骨化した腱で見られるのと本質的に同じ、主に長軸方向に鉱物質
 化したコラーゲン繊維で構成されている始原骨組織であることを明らかにする。通常の骨膜骨
 がないこと及び長軸方向繊維の優位性から、竜脚類頸部のために仮定された、腹側支柱仮説
 (VBH)が否定される。VBH仮説では、重なり合う非常に長く伸びた頸肋骨間の結合組織を示す、
 長軸に対し垂直方向の繊維をもつ、組織学的始原骨膜骨を予測する。骨化した腱への頸肋骨
 の変換により、頸部はより柔軟になり、張力はクビの長さに沿って働いたことが示される。
 これは頸部に沿って圧縮力を要するVBHに反している。張力は重要な頸部の筋肉を胴領域に
 戻るように動かし、頸部を非常に軽くするだろう。
 Nicole Klein, Andreas Christian and P. Martin Sander (2012)
 Histology shows that elongated neck ribs in sauropod dinosaurs are ossified tendons.
 Biology Letters (advance online publication) doi: 10.1098/rsbl.2012.0778
 アブストラクト(論文フリー)

ディプロドクス頭骨の有限要素解析から、その摂食行動を解明 8.02.12
  ブリストル大 英自然史博物館 ミズーリ大
 ディプロドクスはどのように食物をとっていたか、CTスキャンにより作成された3次元頭骨モデ
 ルに対し3つの摂食モデルを適用し、頭骨にかかる応力がどの程度か、有限要素解析により
 求めた研究です。
 摂食行動モデルは、通常の咬む動作、枝や葉をはぎ取る動作、樹皮をはぎ取る動作です。
 このうち、枝や葉をはぎ取る動作が最も応力ストレスが小さいため、これがディプロドクスの
 摂食行動だったろうとしています。
 Mark T. Young, Emily J. Rayfield, Casey M. Holliday, Lawrence M. Witmer, David J. Button,
 Paul Upchurch and Paul M. Barrett(2012)
 Cranial biomechanics of Diplodocus (Dinosauria, Sauropoda): testing hypotheses of
 feeding behaviour in an extinct megaherbivore
 Naturwissenschaften Vol. 99, No. 8 (2012), 637-643, DOI: 10.1007/s00114-012-0944-y
 アブストラクト

岩手県久慈市から見つかった竜脚類の歯 6.30.12
  久慈琥珀のリリース

アンキサウルスのネオタイプ指定へ 4.14.12
  International Commission on Zoological Nomenclature Case 3561
  分類学のことは、なおさら知らないのですが…
 基盤的竜脚形類、Anchisaurus は、1885年にMarshがそれまでHitchcockが1865年にMegadactylus
 polyzelus
として記載した模式標本を改名したものです。しかし、その標本は断片的で、固有派生形質
 に乏しいため、Anchisaurus 属のネオタイプとして A. colurus Marsh, 1891の模式標本YPM 1883を、
 ネオタイプに指定するということのようです(YPMはイェールピーボディ自然史博物館)。
 参考:On the Megadactylus polyzelus of Hitchcock E.D. Cope

ディプロドクス上科恐竜の神経棘の分岐について 4.14.12
  テキトーにはしょって紹介すると
  ディプロドクス上科内の3つのサブクレードであるレッバキサウルス科、ディクラエオサウルス科および
 ディプロドクス科では、神経棘、特に頸椎の神経棘の分岐が、派生形質としてその系統的位置づけに
 影響を及ぼしている。しかし、少なくとも18個体の同上科恐竜標本を調べた結果、より小さい個体の方
 が、分岐の程度は小さいことが判明した。Aathal恐竜博物館の約200cmの新標本では分岐しない神経
 棘になっていて、Omeisaurus のような基盤的竜脚類を強く連想させる。
 神経棘の分岐はクビを水平に保つための生体力学的な役割を果たすので、より大きいサイズにならな
 いと目立たない。このことは小さいサイズの標本を記載する際に大きい影響を及ぼす。
 小型ディプロドクス科恐竜Suuwassea は既に記載された他のディプロドクス科恐竜の未成熟な標本で
 あると解釈される。我々の発見により、未成熟個体は、成体より、その祖先に似通った形質を示す事が
 判明したので、竜脚類恐竜の系統の再分析が必要
 D. Cary Woodruff & Denver W. Fowler (2012)
 Ontogenetic influence on neural spine bifurcation in diplodocoidea (dinosauria: Sauropoda):
 A critical phylogenetic character.
 Journal of Morphology (advance online publication) DOI: 10.1002/jmor.20021
 アブストラクト
 参考:Changes through growth in sauropods and ornithopods

Pachysuchus Actually a Hidden Dinosaur 4.28.12
  Dinosaur Tracking 4月26日のブログ記事です。古脊椎動物学報に掲載された論文の一つを紹介
 しています。
 研究が進むにつれ、新種の恐竜が記載される一方、かつて記載された恐竜が抹消される場合もありま
 す。
 Pachycephalosaursと別種とされていたものが、成長段階の違いとされたDracorexEdmontosaurus
 完全に成長した段階だとされたAnatotitanTriceratops が成長した姿とされたTorosaurus などです。
 一方、かつて恐竜ではないとされた標本を恐竜としたのが、古脊椎動物学報に掲載されたPaul M.
 BARRETTらの論文です。

 1947年、楊鐘健(C.C. Young)は雲南省禄豊の下部ジュラ系(約1億9500万年前)の下部禄豊層から産
 出した化石をLufengosaurus の吻部としました。しかし1951年、考えを変え、これをフィトサウルス類
 Pachysuchus imperfectus として記載しました。BARRETTらは、この標本を楊の最初の考えと同じく
 竜脚形類(属種未定)としました。これにより、アジアで三畳紀以後もフィトサウルス類が生息していたと
 いう証拠がなくなりました。
 中国科学院(英語)
 Barrett, P. M., and X. Xu. 2012.
 The enigmatic reptile Pachysuchus imperfectus Young, 1951 from the lower Lufeng Formation
 (Lower Jurassic) of Yunnan, China.
 Vertebrata PalAsiatica(古脊椎動物学報) 50:pp.151-159

中国遼寧省、竜脚類の肋骨から獣脚類の歯 4.18.12
  遼寧省北票市近郊の下部白亜系Yixian(義県)層Jianshangou(尖山溝)部層から産出した、竜脚類肋
 骨を記載しています。その肋骨には種不明獣脚類の歯が埋まっているので、その食性の直接証拠だ
 としています。
 肋骨は、Dongbetitan 完模式標本の一部です。歯を熱河生物群の他の獣脚類と比較すると、中型の新
 種のものであることがわかりました。生きているものを倒したのではなく、屍体を食べているときに刺さっ
 たものだそうです。このことから、これまで小型以外ほとんど知られていなかった同地域のその時代に
 中型獣脚類も生息していたことがわかりました。
 Xing L., Bell, P.R., Currie, P.J., Shibata M., Tseng K. & Dong Z. (2012)
 A sauropod rib with an embedded theropod tooth: direct evidence for
 feeding behaviour in the Jehol group, China.
 Lethaia (advance online publication) DOI: 10.1111/j.1502-3931.2012.00310.x. アブストラクト 論文

新疆ウイグル自治区トルファンでジュラ紀の巨大竜脚類発掘 4.16.12
 科学網天山網 和訊網 新華社 吐魯番網
 4月15日、吉林大学、沈陽師範大学、新疆地質調査院、 鄯善県が共同で、トルファン地区鄯善県で
 発掘していたジュラ紀巨大竜脚類の報道発表会を開催しました。
 同県七克台のジュラ紀地層(約1億6千万年前)から産出した竜脚類で、体長35m、体重30tと推定され
 ています。発表会で説明した董枝明によると、中国産の竜脚類には、雲南省のチュアンジエサウルス、
 四川省のオメイサウルスやマメンキサウルスがあるが、これらは体長20m台で、今回発掘された竜脚
 類が第一の大きさであるそうです。当時の新疆ウイグル自治区の古環境が巨大恐竜の生息に有利に
 働いたのだろうとのことです。
 正式な記載が待たれますね。

竜脚類Turiasaurus riodevensisの頭蓋解剖学とその系統関係への影響 3.31.12
  テスト版に入れました。

スペインで最初に発見された恐竜Aragosaurus ischiaticus は、より新しい年代だった 3.14.12
 サイエンスデイリー ユーレカアラート
  スペイン初かつ最大の恐竜 Aragosaurus ischiaticus は1987年に発見さら、その生息年代は約1億
 3千万年前(Hauterivian)とされていました。新しい研究では、その年代は1500万年下がり、1億1600万
 年前(Barremian)となりました。この年代はジュラ紀から白亜紀への世界的に記録が少ない時期で、
 Aragosaurus は、そのギャップを埋めるものとされています。
 1.J. I. Canudo, J. M. Gasca, M. Moreno-Azanza, M. Aurell.
 New information about the stratigraphic position and age of the sauropod Aragosaurus ischiaticus
 from the Early Cretaceous of the Iberian Peninsula.
  Geological Magazine, 2011; 149 (02): pp.252-263 DOI: 10.1017/S0016756811000732
 
南アで1.9億年前マッソスポンディルスの繁殖サイト発見 1.24.12
  ユーレカアラート(トロント大) ユーレカアラート(Witz大) MSNBC CBC AFPBB
 ナショナルジオグラフィック(日)では複数のページで紹介しています。
 多数の卵、南アで最古の恐竜の巣 子どもの足跡、南アで最古の恐竜の巣
 胚の化石、南アで最古の恐竜の巣 集団営巣、南アで最古の恐竜の巣
 南アフリカ、ゴールデンゲートハイランズ国立公園内で発見されたものです。最古の恐竜の
 巣サイトとうことです。卵殻片、孵化前の幼体、巣などが発見されています。
 Robert R. Reisz, David C. Evans, Eric M. Roberts, Hans-Dieter Sues, and Adam M. Yates
 Oldest known dinosaurian nesting site and reproductive biology of the Early Jurassic
  sauropodomorph Massospondylus
 PNAS 2012 ; published ahead of print January 24, 2012, doi:10.1073/pnas.1109385109
 アブストラクト

基盤的竜脚類Spinophorosaurus の脳幹、脳及び内耳の3D復元 1.19.12
  竜脚類の脳幹が復元された例は少ない中、基盤的真竜脚類のそれが復元されたことは、
 他の派生した竜脚類でどのように変化していったか研究する鍵となります。
 Knoll F , Witmer LM , Ortega F , Ridgely RC , Schwarz-Wings D , 2012
 The Braincase of the Basal Sauropod Dinosaur Spinophorosaurus and 3D Reconstructions
 of the Cranial Endocast and Inner Ear.
 PLoS ONE 7(1): e30060. doi:10.1371/journal.pone.0030060 論文

白亜紀末より71万年後の年代を示す恐竜化石 1.31.11
  朝日新聞 アルバータ大ニュース
  恐竜は白亜紀末に全て絶滅したのか、生存し続けたという報告はこれまでもありました。
 しかし、K-T境界より上の地層で発見された化石について、古い時代の化石が再堆積され
 たものとする見方が優勢でした。また、化石が含まれる地層そのものや、その上下に火山
 灰を含んだ地層があると、アルゴン・アルゴン法などの放射性年代測定により地層年代は
 判明しますが、化石そのものの年代と一致するかどうか、また近くにそのような地層がない
 場合やアンモナイトなどの示準化石が産出しない場合など、おおまかな相対年代しかわか
 らない場合もあります。
 米地質調査所のJames E. Fassett、カナダ、アルバータ大の Larry M. Heaman らは、ニュー
 メキシコ州北西からコロラド州南西に広がるサン・フアン盆地の地層から産出した2つの恐
 竜化石を用いて、ウラン・鉛法により、直接年代測定を行いました。その結果、K-T境界より
 下の地層から産出した化石は73.6 ± 0.9百万年を示し、すぐ近くの火山灰層もアルゴン・ア
 ルゴン法で73.04 ± 0.25 百万年を示しました。一方、K-T境界の上の地層から産出した化
 石は64.8 ± 0.9百万年を示し、境界より70万年新しいことがわかりました。この化石は、竜
 脚類アラモサウルスの大腿骨です。少なくとも、ある種の竜脚類は大量絶滅を生き延びた
 のでしょう。
 James E. Fassett, Larry M. Heaman and Antonio Simonetti
 Direct U-Pb dating of Cretaceous and Paleocene dinosaur bones, San Juan Basin,
 New Mexico
 Geology, February 2011, v. 39, p. 159-162, first published on January 5, 2011, doi:10.1130/G31466.1

前期白亜紀イベリア半島の新しいレバッキサウルス科竜脚類 12.30.10
  Fidel Torcida Fernandez-Baldor, Jose Ignacio Canudo, Pedro Huerta, Diego Montero, Xabier
   Pereda Suberbiola, and Leonardo Salgado

  Demandasaurus darwini, a new rebbachisaurid sauropod from the Early
  Cretaceous of the Iberian Peninsula
  Acta Palaeontologica Polonica in press available online 29 Dec 2010
  doi:10.4202/app.2010.0003
  中型のレバッキサウルス科竜脚類、Demandasaurus darwini を記載しています。
 属名は、標本が発見されたSierra de la Demanda(Demanda山脈)+saurus
 種小名は、チャールズ・ダーウィンに献名。
 頭部およびそのほかの部分的骨格があります。
 Castrillo de la Reina層(後期Barremianから前期Aptian)
 Demandasaurus は白亜紀イベリア半島で初めて記載されたディプロドクス上科
 竜脚類になります。系統分類ではNigersaurus の姉妹群となります。

マッソスポンディルスの胚化石、最古の恐竜胚 11.18.10
  ナショナルジオグラフィック(日) SVPプレスリリース
 南アフリカの下部ジュラ系エリオット層から1976年に発見された恐竜卵化石内からプレパ
 レートされたものです。年代は約1億9千万年前になり、最古の恐竜胚となります。
 8㎝の体は成体と比べ頭や前肢が大きく、4足歩行でした。成体がほとんど2足歩行とされ
 るのに比べ、後の竜脚類を思わせます。また歯が無いため、孵化して卵殻を破るには親
 の助けが必要だったと見られ、これが正しければ親が子の世話をしていたことを物語る
 としています。
 Robert R. Reisz; David C. Evans; Hans-Dieter Sues; Diane Scott
 Embryonic skeletal anatomy of the sauropodomorph dinosaur Massospondylus from
 the Lower Jurassic of South Africa
 Journal of Vertebrate Paleontology, Volume 30, Issue 6 December 2010 , pages 1653 - 1665

中国雲南省から最基盤的竜脚類 11.04.10
  GSAニュース 発表要旨 テキサス工科大ニュース
  テキサス工科大のチャタジーらがGSA総会で10月31日に発表した、基盤的竜脚類です。
 約2億年前、雲南省禄豊に生息していました。記載論文は未発表と思われますが、
 Yizhousaurus sunae (孫氏益州竜)という名がリリースされています。
 竜脚類の頭骨はかなり珍しいのですが、この恐竜は頭骨を含むかなり完全な骨格が発見
 されているようです。
 体長約9m、頭骨は約30㎝程度。原始的な特徴と、より派生した竜脚類に見られる特徴を
 あわせ持ち、古竜脚類から竜脚類への移行のギャップを埋める存在とされています。

四川省ジュラ紀の新らしいマメンキサウルス科恐竜 9.26.10
  中国四川省南部、会理県通安鎮の下部ジュラ系Yimen(益門)層から産出した、マメンキサ
 ウルス科竜脚類を記載しています。2007年に成都理工大学が発掘した1個体に属する標本
 に基づいています。本種は原始的な竜脚類の特徴と進歩した竜脚類の特徴を併せ持ち、中
 国南西部のジュラ紀竜脚類恐竜の系統進化を理解する上で意義があるとしています。
 Tonganosaurus hei 新属新種 中国名:何氏通安竜
 属名:Tonganは産出地通安。+saurus。
 種小名:heiは、長年にわたり恐竜を研究してきたHe Xinlu(何信禄 成都理工大学博物館前
 館長、マメンキサウルスの復元を手がけた)に献名。
 特徴:推定体長12m。仙前椎には側腔があり大きく深いものであるが、その中を隔てる薄層
 はなく、構造は単純。頚椎は細長く神経弓は小さく、神経棘は低く前後に伸びている。後部
 頚椎と胸胴椎に板状構造と側腔は発達している。前位胸胴椎は後凹型、中位胸胴椎は平凹
 型、後位胸胴椎は双凹型。前位尾椎は双凹型、神経弓は小さく神経棘は高い。脊椎骨組織
 は堅牢で、中空ではない。前後肢比は0.8対1。上腕骨は真っ直ぐで太い。三角胸筋稜は発
 達している。大腿骨真っ直ぐで太い。第四転子が発達している。
 LI Kui, YANG Chun-Yan, LIU Jian, WANG Zheng-Xin(2010)
 A NEW SAUROPOD FROM THE LOWER JURASSIC OF HUILI, SICHUAN, CHINA
 (四川会理早侏羅世一新的蜥脚類恐竜)
 VERTEBRATA PALASIATICA(古脊椎学報)vol.48 No.3 pp.185-202 論文

スペイン東部Riodevaでヨーロッパ最大の竜脚類大腿骨発見 9.26.10
  AFP
  スペイン、The Dinopolis Foundationは、スペイン東部Teruel 近郊のRiodeva、約1億4500
 万年前の地層、2004年にTuriasaurus Riodevensis 標本が産出した同じサイトから長さ1.92
 mの大腿骨や1.25mの脛骨、15個の脊椎骨を発見したと発表しました。
 The Dinopolis Foundationサイトの"NOTICIAS"→2010-9-24から始まる行をクリックすると、
 そのニュース(スペイン語)と大きい写真へのリンクがあります。
 参考:http://www.dinopolis.com/ 一般向けサイトのようです。

雲南省下部ジュラ系下部禄豊層から産出した原竜脚類Xixiposaurus suni  9.22.10
  中国雲南省川街郷細細坡の下部禄豊層から産出したプラテオサウルス科竜脚類を記載
 しています。 Xixiposaurus suni 新属新種 中国名:孫氏細細坡竜
 属名はxixipo:標本産出地名細細坡から。+saurus
 種小名は吉林大教授、孫革に献名。 
 頭骨、椎骨、肢骨などがあります。
 特徴:頭蓋天井外側面観が非常に傾斜している。下顎骨の最大高は歯骨の最小高の2倍
 以上。頸椎体のうち第4頸椎が最も長い。恥骨エプロンは恥骨突起より幅広い。大腿骨第
 4転子にはV字型のノッチがある。
 系統分析ではプラテオサウルス科の中でMussaurus の姉妹群とし、中国産原竜脚類中、
 最も派生したものとしています。
 SEKIYA Toru(関谷 透)
 A new prosauropod dinosaur from Lower Jurassic in Lufeng of Yunnan
 云南禄丰早侏罗世一新的原蜥脚类恐龙
 世界地質2010, 29(1) 6-15 アブストラクト 論文(中国語。英文サマリーあり)

タイから2億5千万年前の古竜脚類 9.10.10
  バンコクポスト
  タイ鉱物資源局は最近Loei _ Phu Hin Thaenで2億5千万年前の古竜脚類化石を発掘
 したそうです。約30個の骨です。復元骨格は体高約4m、体長約10mになります。
 2007年に最初に発見されたこの化石、クリーニングに3年かかりました。

アルゼンチンから基盤的竜脚形類 8.03.10
 アルゼンチン北西部サンフアン州イシグアラスト層から産出した基盤的竜脚形類
 Chromogisaurus novasi を記載しています。
 属名はギリシャ語"chroma"(色)+ "gi" (地面や大地の意味)。産出したイシグア
 ラスト層の色から。種小名は著者と同じ博物館の古生物学者Fernando Novasに
 献名したものでしょう。

 Guaibasaurus, Agnosphitys, Panphagia, Saturnalia および Chromogisaurus と、
 グアイバサウルス科を構成するとしています。なかでもSaturnalia と近縁で、これ
 と亜科を構成するとしています。一方、世界最古の恐竜展でも展示されている、
 Panphagiaは、もはや最も基盤的な竜脚形類とはいえなくなったようです。
 またEoraptor は新獣脚類の姉妹群、ヘレラサウルス科は真竜盤類でない竜盤
 類としています。
 Martin D. Ezcurra
 A new early dinosaur (Saurischia: Sauropodomorpha) from the Late Triassic of
 Argentina: a reassessment of dinosaur origin and phylogeny
 Journal of Systematic Palaeontology 8: 371-425.
 DOI: 10.1080/14772019.2010.484650 アブストラクト
 論文内容についてはchinleana
 図版について、化石網が載せています。

アルゼンチンで新たに見つかった、白亜紀の熱水環境で新竜脚類恐竜が繁殖して
  いたことを示す営巣地跡 6.29.10
  ネイチャージャパン
  竜脚類がなぜ特定の場所で何年もの間卵を産んだのか、一つの解答が出ています。
 アルゼンチン、ラリオハ州サナガスタにある白亜紀の熱水系地層の発掘場所で、竜脚
 類の一群が意図的に繰り返し営巣していたことを示す初めての決定的証拠を示してい
 ます。熱水により卵を温めて孵化させていたとはとは・・・!
 Gerald Grellet-Tinner& Lucas E. Fiorelli(2010)
 A new Argentinean nesting site showing neosauropod dinosaur reproduction in a
 Cretaceous hydrothermal environment
 Nature Communications Volume: 1,Article number:32 DOI: doi:10.1038/ncomms1031
 論文

竜脚類にはクビを高くあげていたものもいた 6.03.10
  MSNBC
  竜脚類のクビは、つり橋構造で、尾とともに水平に近い姿勢だったというのですが、そ
 うではない竜脚類もいたようです。
 前期白亜紀の竜脚類 Euhelopus zdanskyi  のクビの基部から吻部までの重さは210kg、
 長さは約4.5mですが、その関節の軟骨にかかる圧力などを計算すると、約45度の角度で
 クビをあげていたことがわかったそうです。
 Andreas Christian
 Some sauropods raised their necks―evidence for high browsing in Euhelopus zdanskyi
 Biology Letters doi: 10.1098/rsbl.2010.0359 アブストラクト(論文ダウンロードできます)

ディプロドクスは成長の過程で頭骨の形を変える 4.07.10
  ミシガン大ニュース
  ドカ弁のような・・・といえばよいのでしょうか。ディプロドクス成体の頭骨吻部は角ばっ
 た形をしています。では、その形は幼体から同じか?
 その疑問に答える論文が出ています。
 幼体の常として、眼が相対的に大きいなどの特徴がありますが、一番の違いは吻部が
 先細りで丸いこと。角ばった形は成長過程で変化するものでした。また、この形の違い
 から、幼体と成体では摂食習性が異なっていただろうとのことです。
 John A. Whitlock; Jeffrey A. Wilson; Matthew C. Lamanna
 Description of a Nearly Complete Juvenile Skull of Diplodocus (Sauropoda:
 Diplodocoidea) from the Late Jurassic of North America
 Journal of Vertebrate Paleontology, Volume 30, Issue 2 March 2010 , pages 442 - 457

米ユタ州から基盤的竜脚形類 3.24.10
  AFPBB The Open Source Paleontologist ユタ大ニュース
  ユタ州南部San Juan郡の下部ジュラ系Navajo砂岩から産出した基盤的竜脚形類を
 記載しています。
 Seitaad ruessi 新属新種
 属名はナバホ族( Diné )神話で犠牲者を砂丘に埋める怪物から
 種小名はEverett Ruess (1914–1934?)(芸術家・詩人・ナチュラリスト・探検家で行方
 不明になった)に献名
 体長は図版を見ると3m程度かと思えます。
 系統的にはプラテオサウルス科とマッソスポンディルス科に近縁ということです。
 
 以下、ユタ大ニュースから、この恐竜のポイントをいくつか紹介。
 ・Seitaad はユタ州ナバホ砂岩から発見された初めての恐竜であり、ユタから産出した
  最古の恐竜のひとつである。
 ・Seitaad はこの時代の北米から産出した初めての竜脚形類のひとつである。
 ・Seitaad は、南米とアフリカがパンゲアの一部として北米とつながっていた時代、それ
  ぞれの地域にいた同時代の恐竜と近縁である。
 ・Seitaad は崩れた砂丘に埋められたようだ。

  Seitaad ruessi 学名の由来について
  Seitaad はナバホの犠牲者を砂丘に巻き込み埋める怪物から。標本骨格が化石化し
  た砂丘に埋まっていたから。
  種小名は略します。

  サイズについて
  腰部の体高約1m、体長3から4m。羊に非常に長いクビと尾がついたものくらい
  年代について
  発掘されたナバホ砂岩は約1億8300万年から1億9千万年前。

 Sertich JJW, Loewen MA (2010)
 A New Basal Sauropodomorph Dinosaur from the Lower Jurassic Navajo
 Sandstone of Southern Utah.
 PLoS ONE 5(3): e9789. doi:10.1371/journal.pone.0009789 論文

アパトサウルスの脳函 3.12.10
  米コロラド州西部Cactus Park 産出地モリソン層産出の、未報告アパトサウルス
 脳函を高精細CTスキャンしたものです。アパトサウルス脳函の3次元イメージが初
 めてつくられ、特徴が詳細に調べられています。
 Balanoff, Amy M. et al.(2010)
 The braincase of Apatosaurus (Dinosauria, Sauropoda) based on computed
 tomography of a new specimen, with comments on variation and evolution in
 sauropod neuroanatomy.
 American Museum novitates, no. 3677 アブストラクト(論文ダウンロードできます)

ルーフェンゴサウルス幼体化石新標本 3.08.10
  中国雲南省禄豊のDAWA(大窪)恐竜山、Lufeng(禄豊)層下層(下部ジュラ系)から
 産出したLufengosaurus huenei 幼体を記載しています。頭骨と頚椎骨が出ていま
 す。模式標本と比較し、成長による特徴の変化がわかるそうです。
  SEKIYA Toru(関谷透) and DONG Zhiming(董枝明)(2010)
  A New Juvenile Specimen of Lufengosaurus Huenei Young, 1941 (Dinosauria:
  Prosauropoda) from the Lower Jurassic Lower Lufeng Formation of Yunnan,
  Southwest China
  Acta Geologica Sinica - English Edition(地質学報英文版)
  Volume 84 Issue 1, Pages 11 - 21 DOI:10.1111/j.1755-6724.2010.00165.x
  アブストラクト(論文ダウンロードできます)

完全な頭蓋が発見された竜脚類、Abydosaurus mcintoshi 2.24.10

竜脚形類と竜脚類の橋渡し役、Aardonyx celestae 記載 11.11.09
  Dracovenator Witwatersrand大ニュース 西イリノイ大ニュース ケープタウン大ニュース
  ナショナルジオグラフィック(日) AFPBB
  前期ジュラ紀、約1億9500万年前の南アフリカに生息していた竜脚形類が記載されま
 した。 
 Aardonyx celestae 属名は大地の爪。"Aard"はアフリカーンス語でEarth。+ギリシャ
 語"Onyx"は爪。 爪の骨が最初に発見されたから。
 種小名はプレパレーションの大部分を行ったCeleste Yates に献名。

 体長7mほどです。系統的には竜脚形類から竜脚類へ移行する中間に位置するそうで
 す。
 Yates, A. M., Bonnan, M. F., Neveling, J., Chinsamy, A. and Blackbeard, M.G. 2009.
 A new transitional sauropodomorph dinosaur from the Early Jurassic of South Africa
 and the evolution of sauropod feeding and quadrupedalism.
 Proc. R. Soc. B doi:10.1098/rspb.2009.1440 アブストラクト論文ダウンロードできます

ニジェール中期ジュラ紀の基盤的竜脚類 9.16.09
  これまで知られる中で最も完全な骨格をもつ基盤的竜脚類が記載されています。
 Spinophorosaurus nigerensis 新属新種
 Remes K, Ortega F, Fierro I, Joger U, Kosma R, et al. 2009.
  A New Basal Sauropod Dinosaur from the Middle Jurassic of Niger and the
 Early Evolution of Sauropoda.
 PLoS ONE 4(9): e6924. doi:10.1371/journal.pone.0006924 論文ダウンロードできます

Brachiosaurusbrancai は、ブラキオサウルス属ではない 9.11.09
  SV-POW
  まだネット上に論文掲載されていないようですが、JVP(3)に、そういう論文が
 掲載されているそうです。では、何とよばれるべきか、Giraffatitan となるそうで
 す。なぜ、そうなのかは、リンクのページをご覧ください。

中国から前期白亜紀ブラキオサウルス科 9.03.09
  ディスカバリー BBC
  中国初の前期白亜紀ブラキオサウルス科恐竜が記載されたそうです。
 Qiaowanlong kangxii
 属名は橋湾(?)竜 種小名は清朝の康熙帝に献名。
 報道では体長約12m、体高約3m、体重10tとしています。
 派生形質を北米の同科Sauroposeidon と共有するそうです。
 Proceedings of the Royal Society B.に論文掲載
 Hai-Lu You and Da-Qing Li
 The first well-preserved Early Cretaceous brachiosaurid dinosaur in Asia
 doi: 10.1098/rspb.2009.1278 アブストラクト

中国河南省汝陽から産出した竜脚類 4.6.09
  Lu J(呂君昌)., Xu L., Jia S., Zhang X., Zhang J., Yang L., You H., Ji Q. 2009.
 A new gigantic sauropod dinosaur from the Cretaceous of Ruyang, Henan, China.
 (記河南汝陽白亜紀一新的巨型的蜥脚類恐竜)
 Geological Bulletin of China(地質通報) 28(1). 中文アブストラクト

 河南省汝陽地区、後期白亜紀のMangchuan層から産出した竜脚類新属新種
 Ruyangosaurus giganteus を記載しています。
 アブストラクトにいくつかの特徴は記してありますが、系統的位置づけなどは出て
 いません。

アルゼンチン、イシグアラスト層から産出した基盤的竜脚形類 2.18.09
  Ricardo N. Martinez, Oscar A. Alcober
  A Basal Sauropodomorph (Dinosauria: Saurischia) from the Ischigualasto Formation
 (Triassic, Carnian) and the Early Evolution of Sauropodomorpha
 PLoS ONE 論文
 小型の基盤的竜脚形類 Panphagia protos を記載しています。
 属名 Pan ギリシャ語で「全て」+phagein ギリシャ語で「食べる」この恐竜の雑食性にち
 なむ。またこれは肉食から植物食への過渡期の状態であるように見える。
 種小名 protos ギリシャ語で「最初」竜脚形類の基盤にあることから。

 完模式標本は未成熟な個体である。推定体長は約1.3m。
 最も基盤的な竜脚形類であり、この標本がCarnian(約2億2830万年前)のイシグアラスト
 (イスキガラスト)層から産出したことから、竜脚形類の起源は三畳紀中期まで遡るとして
 います。
 参考:Hairy museum サイトの紹介

竜脚類における鳥類様の気嚢の証拠 2.12.09
  Wedel MJ. 2009.
  Evidence for bird-like air sacs in Saurischian dinosaurs.
  J. Exp. Zool. 311A doi: 10.1002/jez.513. 論文
  http://svpow.wordpress.com/wedel-2009-on-air-sacs/

中国河南省汝陽県で大型竜脚類化石発掘 12.02.08
  大河網-河南日報
  河南省汝陽県劉店郷史家溝と聖水溝の2箇所で恐竜化石発掘が行われているそうです。
  鳳凰網 約9千万年前の大型竜脚類化石が産出しているようです。フアンヘティタンの骨格
 に似ていると呂君昌は紹介しています。

米ユタ州で1億5千万年前の竜脚類骨格発見 10.19.08
  ロスアンゼルスタイムス
  ロスアンゼルス郡立自然史博物館のチームがユタ州南部でジュラ紀及び白亜
 紀の"恐竜墓場"を発見したそうです。足跡化石と骨化石がありますが、その中
 でも1億5千万年前の竜脚類骨格があり、Gnatalie とニックネームがついたそうで
 す。gnatはブヨのことです。発掘中にかなりブヨに噛まれたためです。Gnatalieの
 推定体長は約15m程度です。
 また、ヨーロッパのステゴサウルス類Deltapodus の足跡も発見されたそうです。
 これは北米でDeltapodus の足跡が発見された初めての例だそうです。
 ライブサイエンス 発掘チームの一員、カワサキ サヤカさんがブラキオサウルス
 大腿骨の横で寝ている写真があります。

英ワイト島産のレバッキサウルス科肩甲骨 10.11.08
  竜脚類レバッキサウルス科の化石はこれまで英では個々の歯しか産出していなかっ
 たそうです。この論文ではワイト島下部白亜系 (Barremian) Wessex層産出のレバッキ
 サウルス科肩甲骨を記載しています。
 Mannion, P.D. 2008.
 A rebbachisaurid sauropod from the Lower Cretaceous of the Isle of Wight, England.
 Cretaceous Research.doi:10.1016/j.cretres.2008.09.005 

竜脚類はなぜ巨大化したか 10.10.08
  サイエンス
  巨大化したのは、系統上のたまものとして①食物を咀嚼せず消化器に送ったから。②
 巨大化しても沢山の卵を産んだ(例えばゾウの出産と対比してみてください)。また、進化
 上の革新として①高い成長速度。②鳥類と同様な効率のよい呼吸システム。③成長期
 には高く、成体になると低くなる代謝率。とまとめています。
 P. Martin Sander and Marcus Clauss 2008.
 Sauropod Gigantism
 Science 10 October 2008:Vol. 322. no. 5899, pp. 200 - 201
 DOI: 10.1126/science.1160904
 ナショナルジオグラフィック(食物を咀嚼せず飲み込むことのみ紹介)
 MSNBC
 カミナリ竜は木を丸呑みして巨大化した 10.15.08
  ナショナルジオグラフィック(日)
  巨大化の要因は丸呑みだけではないのですが…
 超巨大サバイバー竜脚類恐竜 10.22.08
  swissinfo
  10月10日付で紹介した、竜脚類恐竜が巨大化した理由を解説しています。
 餌の丸呑みだけでなく、卵を沢山産んだこと、鳥のような肺、急速な成長も、
 あげています。


Tazoudasaurus naimi の解剖学 7.18.08
  Ronan ALLAIN and Najat AQUESBI 2008.
  Anatomy and phylogenetic relationships of Tazoudasaurus naimi
  (Dinosauria, Sauropoda) from the late Early Jurassic of Morocco
  Geodiversitas 30 (2) : 345-424.論文

  アブストラクトほにゃ訳
  モロッコ、Ouarzazate州、後期ジュラ紀初めToundoute continental seriesから産出した
 基盤的竜脚類Tazoudasaurus naimi の完全な骨学が提示された。記載された材料には
 幼体から成体個体まで含まれている。Tazoudasaurus の骨格は、頭蓋を除き実際上完
 全で、竜脚形類の原始的形質と派生形質の組合せを表している。系統分析から、
 TazoudasaurusVulcanodon と幾つかの派生形質を共有していることが示されている。
 それは例えば脛骨軸横断面が強度に扁平になっている点や足第2趾、第3趾の末節骨
 が背腹側に著しく扁平になっていることが含まれる。
 両分類群ともヴルカノドン科の中でGravisauriaという新しいクレードの基盤に位置づけら
 れる。我々の分析では、主要な形態的変化がヴルカノドン科と真竜脚類の間Gravisauria
 の中で起こった。
 数多くのTazoudasaurus の遺骸は、基盤的アベリサウルス上科Berberosaurus のごく
 僅かの遺骸とともにボーンベッドから取り出された。少なくとも6個体がこのサイトに埋っ
 ていた。化石生成上のデータからは、Tazoudasaurus は群居性だったことが示唆される。
 Tazoudasaurus の完全に関節した手の発見のおかげで、基盤的竜脚類の手の形状と
 姿勢の進化についての異なった解釈を吟味することができる。中手骨が伸びた形状か
 ら、後者については明らかに趾行性である。初期竜脚類の進化は、広範囲の絶滅/放
 散の中で分析される。 Pliensbachian-Toarcian境界周辺の古竜脚類とコエロフィシス
 上科の絶滅に引き続き、後期ジュラ紀初めのGravisauria、新角竜類、テタヌラ類及び真
 鳥脚類が放散する。これはPliensbachian-Toarcian境界で起こった大量絶滅と関連し
 ている。

Supersaurus vivianae 新標本の記載 5.07.08
  Lovelace, David M.; Hartman, Scott A.; and Wahl, William R. (2007).
  Morphology of a specimen of Supersaurus (Dinosauria, Sauropoda) from the Morrison
  Formation of Wyoming, and a re-evaluation of diplodocid phylogeny
  Arquivos do Museu Nacional vol.65 No.4 527-544

  アブストラクトを見ると、ワイオミング恐竜センターに展示している"Jimbo"という名で
 知られる標本を記載したもののようです。これは「世界最大の恐竜博2006」のスターで
 した。
 その骨学から同属の独自性が支持される。系統的評価により単系統アパトサウルス亜
 科には [Apatosaurus + Supersaurus] + Suuwassea が含まれ、単系統ディプロドクス
 亜科には[Diplodocus + Seismosaurus] + Barosaurusが含まれる。しかしながら最近の
 分析からはSeismosaurus 属の独自性は支持されない としています。

遼寧省朝陽市北票市から発掘された竜脚類の情報 5.07.08
  新華社 新華社
  朝陽で竜脚類化石発見のニュースは1度お知らせしたような気がするのですが・・・
 朝陽市北票市(中国では大きい市の中に小さい市がある)上園鎮四家村(報道により車
 家子村伍代溝付近)で発見されたものです。発見の経緯は、1月9日晩、朝陽市の古生
 物管理関係者が北票市の保護区内をパトロール中、化石を盗掘している情報を受け、
 現場に急行したところ、盗掘者たちは逃走していましたが、深い縦穴の底に恐竜化石が
 あったというものです。後に盗掘者は付近の農民5人とわかりました。

 4月1日から本格的な発掘が始まりました。現地では、当初長さ5mの頚椎あるいは尾椎
 と化石の部位に解釈の相違がありました。5月5日、徐星らが現地で確認し、良好に保存
 された尾椎であることがわかりました。これまで確認されたのは、4個の胴椎、完全な仙
 椎、35個の尾椎、坐骨、大腿骨、腓骨、10以上の肋骨。体長15m以上のティタノサウリア
 類ということです。化石が産出した層準は下部白亜系義県層尖山溝単層(約1億25百万
 年前)ということです。遼寧からは最近Dongbeititan dongi が記載されていますが、この化
 石が同じ種類かどうか興味がわきますね。

Brachiosaurus brancai の体積を推定 5.03.08
  Gunga, H.-C., Suthau, T., Bellmann, A., Stoinski, S., Friedrich, A., Trippel, T., Kirsch, K., and Hellwich, O. 2008.
  A new body mass estimation of Brachiosaurus brancai Janensch, 1914 mounted and exhibited
  at the Museum of Natural History (Berlin, Germany). Fossil Record 11(1):28-33.
  doi:10.1002/mmng.200700011.アブストラクト
  
  1914年に東アフリカのテンダグルで発掘され、ベルリンの自然史博物館に展示されている、
 Brachiosaurus brancai の体積などについて、写真測量を用いて推定しています。
 そのほっそりタイプとしての復元では、総体積47.9㎥。1,000cm3につき0.8kgの重さだったとす
 ると、総体重は38,000kgになります。
 体各部の体積は、頭部0.2㎥、頚部7.3㎥、前肢2.9㎥、後肢2.6㎥、胸腹腔(胴体)32.4㎥、尾2.2㎥。
 体表総面積は、119.1㎡。頭部1.5㎡、頚部26㎡、前肢18.8㎡、後肢16.4㎡、胸腹腔(胴体)44.2㎡、
 尾12.2㎡、ということです。

 参考: Gunga et al 2007.
 Body mass estimations for Plateosaurus engelhardti using laser scanning and 3D reconstruction methods
 NaturwissenschaftenVol.94 No.8 pp.623-630 アブストラクト(論文ダウンロードできます)

 Survey of Dinosaur Skeletons
 Biology of the Sauropod Dinosaurs: The Evolution of Gigantism

中国雲南省元謀中期ジュラ紀産の新しいマメンキサウルス科恐竜 3.04.08
  LU Junchang(呂君昌), LI Tianguang, ZHONG Shimin, JI Qiang and LI Shaoxue
  A New Mamenchisaurid Dinosaur from the Middle Jurassic of Yuanmou, Yunnan Province, China
  ACTA GEOLOCICA SINICA(地質学報英文版) vol.82 No.1 pp.17-26

  雲南省元謀の中期ジュラ紀の地層から産出した、マメンキサウルス科新属新種を記載
 しています。
 Eomamenchisaurus yuanmouensis gen. et sp. nov.

英ブリストルのThecodontosaurusは亜熱帯の島に矮小化して生息 2.11.08
  サイエンスデイリー サザンプトン大海洋学センターニュース
  Thecodontosaurus は後期三畳紀の英国南部に生息していた古竜脚類です。サザン
 プトン大のチームが発掘しているtytheringtonは、これまで内陸の乾燥した気候だったと
 考えられていましたが、当時亜熱帯の島であったことがわかりました。
 本土に生息していたPlateosaurusが、体長10mに達するのに対し、Thecodontosaurus
 の体長は僅かに2mあまり。島の法則がここでも働いたのかもしれません。
 参考:The Bristol Dinosaur Project
 D. I. WHITESIDE and J. E. A. MARSHALL
 The age, fauna and palaeoenvironment of the Late Triassic fissure deposits of Tytherington, South Gloucestershire, UK
 
Geological Magazine (2008), 145: 105-147 Cambridge University Press
 doi:10.1017/S0016756807003925

福島県の双葉層群笠松層から採集されたは虫類の歯化石 2.11.08
  高橋紀信、八巻安夫、平宗雄、橋本悦雄
  地学研究 第56巻第4号 2008年1月 pp.195-200
  これまで無化石層と思われてきた笠松層から2種類のは虫類歯化石が産出したのを記載して
 います。
 MT5042401 をワニ目、YY5042404 を竜脚類に属する可能性が高いとしています。

白亜紀の恐竜における構造的な極端さ 11.16.07
  Paul C. Sereno, Jeffrey A. Wilson, Lawrence M. Witmer, John A. Whitlock, Abdoulaye Maga,
  Oumarou Ide, Timothy A. Rowe
  Structural Extremes in a Cretaceous Dinosaur
  PLoS ONE 2(11): e1230. doi:10.1371/journal.pone.0001230 論文ダウンロードできます。

  これは一体何と言ったらいいのか、こいつは生きた芝刈り機だ!というのが、この論文で解明
 された、前期白亜紀、ディプロドクス上科レバッキサウルス科竜脚類 Nigersaurus taqueti の頭
 の構造です。CTなどにより復元された三半規管から、口は完全に下を向き、上下の歯は地面に
 向かって真直ぐ一列に並び、地上に生えた植物を1本残らず刈り取る構造になっていたことが、
 わかりました。また、その歯は約1か月で完全に生えかわるそうです。
 頭骨は非常に薄く、厚さ2mm。紙細工のようです。
 Nigersaurus はジュラ紀中にディプロドクス上科の中で地上に生えた比較的柔らかい植物を集め
 切り取るという戦略を最初に達成した恐竜だとしています。
  シカゴ大ニュース Projectexploration.org.
 ナショナルジオグラフィック Nigersaurus Gallery シカゴトリビューン
 AFPBB 

ブリガムヤング大のチーム、ユタ州東部で新種(?)竜脚類発見 12.11.07
  BYU Newsnet  BYU Newsnet(8月10日付)
  同大地球科学博物館のキュレーター、Rod Scheetzらのチームが、この夏ユタ州東部の都市、
 Moab近郊で、モリソン層から竜脚類骨格を発掘しました。骨盤、大腿骨、数個の胸胴椎及び尾
 椎骨、12から15個の頚椎骨が発掘されています。大腿骨のサイズなどから、Apatosaurus では
 ない竜脚類ということですが、間違いなく新種とされるには、まだ多くの研究の日々が費やされ
 そうです。

Acta Palaeontologica Polonica 52 (4), 2007 12.05.07
  Nathan D. Smith and Diego Pol
  Anatomy of a basal sauropodomorph dinosaur from the Early Jurassic Hanson Formation of Antarctica
  pp.657-674
  南極の下部ジュラ系Hanson層から産出した基盤的竜脚形類を記載しています。
 Glacialisaurus hammeri gen. et sp. nov.
New Dinosaur Discovered in Antarctica 12.12.07
  ライブサイエンス
  Acta Palaeontologica Polonica 52 (4),で記載された南極の竜脚類、Glacialisaurus hammeri
 紹介しています。ウィリアム・スタウトのイラストがあります。


中国雲南省元謀、張河層(ZHANGHE FORMATION)産出のユンナノサウルス新種 8.07.07
  Junchang LÜ, Tianguang LI, Shimin ZHONG,YoichiAZUMA, Masato FUJITA, Zhiming DONG and Qiang JI 2007
  NEWYUNNANOSAURID DINOSAUR (DINOSAURIA, PROSAUROPODA) FROM THE MIDDLE JURASSIC
  ZHANGHE FORMATION OF YUANMOU,YUNNAN PROVINCE OF CHINA
  福井県立恐竜博物館紀要6号pp.1-15

  Yunnanosaurus youngi sp. nov. が記載されています。種小名は中国古脊椎動物学の父と
 いわれ、Yunnanosaurus属の記載者である楊鐘健に献名。
 頭骨、肩帯、前肢及び後肢を欠く、部分的骨格により記載されています。
 
 Yunnanosaurus huangi とは、その体の大きさ(Y.huangi の体長は7mだがY.youngi の体長は
 13m)、第6頚椎骨が最も長い椎体であるなどの点で異なっているそうです。

米ワイオミング州で完全な頭蓋のあるアパトサウルス化石発掘 6.25.07
  Rockymountainnews20日付 billingsgazette24日付
  ワイオミング州の小さな町Ten Sleep郊外で発見されたものです。化石商では有
 名なMaxilla & Mandible International がこれまで2年にわたり発掘してきたサイトで、
 全身の80%が完全な骨格だそうです。頭蓋も完全なため、Einstein のニックネームが
 ついています。
 この標本は、これからどうなるのでしょう。博物館に収まるでしょうか。

タンザニア、テンダグルから、ゴンドワナで2番目のディプロドクス科恐竜 5.22.07
    KRISTIAN REMES 2007.
  A SECOND GONDWANAN DIPLODOCID DINOSAUR FROM THE UPPER JURASSIC TENDAGURU
 BEDS OF TANZANIA, EAST AFRICA
 Palaeontology 50 (3), 653–667. doi:10.1111/j.1475-4983.2007.00652.x

  東アフリカ、タンザニア南部の上部ジュラ系テンダグル層から産出した、ゴンドワナでは
 2番目となるディプロドクス科恐竜の記載です。

 Australodocus bohetii
 属名は、ラテン語のaustralis, 南の ゴンドワナ産にちなみ。及びギリシャ語のδοκος,
 梁。北米のDiplodocusと近縁なことをほのめかす。
 種小名は、ドイツのテンダグル発掘において、ネイティブアフリカ人作業員達の監督でチーフ・
 プレパレーターだったBoheti bin Amraniに献名。
 Introduction to the Study of Dinosaurs 第3章サンプルページこちらのPDFの75ページに彼の写真あり。

基盤的竜脚類 Pantydraco caducus 4.16.07
  Galton, P. M., Yates, A. M. & Kermack, D. 2007.
  Pantydraco n. gen. for Thecodontosaurus caducus YATES, 2003, a basal sauropodomorph dinosaur from
   the Upper Triassic or Lower Jurassic of South Wales, UK.
   Neues Jahrbuch fur Geologie und Palaontologie Abhandlungen 243, 119-125.


  2003年にAdam Yatesが記載したThecodontosaurus caducus について、あらためて
 記載しなおし、新属Pantydraco としたものです。
 参考:Wikipedia Wild Prehistory

最大中の最大恐竜AMPHICOELIAS FRAGILLIMUS COPE, 1878の再評価 2.28.07
  Carpenter, K. 2006.
  Biggest of the big: A critical re-evalustion of the mega-sauropod Amphicoelias fragillimus Cope, 1878
  Foster, J.R. and Lucas, S. G., eds., 2006, Paleontology and Geology of the Upper Jurassic Morrison Formation.
  New Mexico Museum of Natural History and Science Bulletin 36.pp. 131-137

  最大の恐竜は?という質問によく引き合いに出されますね。標本はどこかに失われています
 が、コープの記載をもとに、カーペンターがその椎骨をディプロドクス科の前位胸胴椎骨として
 復元しています。
 その推定高2.7mから、体長58m、背部の最高部の高さ9.25m、体重122.4tという超巨大竜脚類
 が推定されるのだそうです。
 論文はカーペンターの論文ページからダウンロードできます。

Chinshakiangosaurus chunghoensis Ye vide Dong 1992 の再評価 2.20.07

四川省、重慶自然博物館にマメンチサウルス科骨格展示 1.01.07
  新華社重慶頻道 新華社重慶頻道
  地元では「大石壩恐竜」と呼ばれています。2004年、重慶を流れる嘉陵江(長江上流の
 支流)の大石壩というところの北岸水辺を歩いていた女工、胡玉秀らが発見したのが始ま
 りだそうです。当時、河の水位が相等低く、水中に隠れていた化石(大腿骨)が現れたもの
 です。

  その後、重慶自然博物館の調査で約1億5千万年前、体長約18m、背高約3.5mのマメン
 チサウルス科恐竜骨格と判明しました。骨格全体の約70%が残っています。専門家は、あ
 る程度肉食恐竜に食べられた後、埋没したのではないかと推測しています。

 展示写真を見ると、産状を残して展示しているようです。元旦から三日間、重慶市民に公
 開するそうです。

ヨーロッパ最大の恐竜記載 12.22.06
  読売 MSNBC  ニューサイエンティスト
  推定体長37m、体重48tに達する大型竜脚類。Turiasaurus riodevensis と命名されました。
 1億5千万年前のスペインから。Turiasauriaという新しいクレードに属します。
 A Giant European Dinosaur and a New Sauropod Clade
 Rafael Royo-Torres, Alberto Cobos, Luis Alcalá
 サイエンス 12月22日号
 Science 22 December 2006: Vol. 314. no. 5807, pp. 1925 - 1927
 DOI: 10.1126/science.1132885
 
胃石は竜脚類恐竜の消化の助けにならなかった 12.22.06
  ユーレカラート サイエンスデイリー ボン大学ニュース(独語)(英語)
  竜脚類恐竜には胃咀嚼器はなかったそうです。
  No gastric mill in sauropod dinosaurs: new evidence from analysis of gastrolith
  mass and function in ostriches
  Oliver Wings and P. Martin Sander
  Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences
  FirstCite Early Online Publishing DOI: 10.1098/rspb.2006.3763

中国四川省濾州市でマメンチサウルス化石発見 12.19.06
  捜狐
  四川省濾州市濾県嘉明鎮葛林湾村で発見されたそうです。今年10月、同村の村民
 謝騰貴が自宅の増築工事(家畜小屋か何からしいです)で、竹林を切り開いたときに、
 工事をした人が長さ80cmほどの骨頭を発見したのだそうです。その発見状況を知った
 鎮政府が工事を停止させ、12月13日の段階で濾州市博物館の専門家が、恐竜化石と
 鑑定しました。14日、自貢恐竜博物館副館長の彭光照と研究主任の葉勇實が、これを
 マメンチサウルスの左上腕骨と鑑定したそうです。

消えた、不可解な獣脚類 Aliwalia rex 11.05.06

中国新疆ウイグル自治区昌吉回族自治州でマメンキサウルス類化石発掘 8.27.06
  新華社 朝日新聞 NHK 読売新聞
  奇台県恐竜溝で発掘された化石はマメンキサウルスのもので、その体長は35m、クビ
 の長さは15mに達すると発表しています。「亜州(アジア)第一竜」と呼ばれています。
 参考:山東新聞網(写真)

中国寧夏で22本の歯をもつ竜脚類下顎骨発見 8.27.06
  新浪網
  寧夏灵武で発掘された竜脚類化石には、22本の歯をもつ下顎骨があるそうです。
 
中国寧夏で発見されたディプロドクス科の学名は? 8.27.06
  新華社
  26日放送された「回到恐竜時代」で、新しい恐竜の名を投票したそうです。投票数が
 高かったのは、「奇異灵武竜」、「回郷竜(回族自治区だからでしょう)」、「馬雲(恐竜化
 石の発見者名)竜」の3つです。

 徐星は、今後正式に学名をつける際には「奇異灵武竜」を参考にするそうです。
 参考:灵武竜の発掘(捜狐) 新華社 新華社(英文)

寧夏から発見された竜脚類はディプロドクス科の新種 8.23.06
  人民日報
  徐星によると、これはアジアでディプロドクス科が発見された初の例ということです。

アルゼンチン、チュブト州後期ジュラ紀Cañadón Calcáreo層産出のブラキオサウルス科竜脚類 7.18.06
  A brachiosaurid sauropod from the Late Jurassic Cañadón Calcáreo Formation of Chubut, Argentina
  Oliver W. M. Rauhut
  Fossil Record 9(2) (2006), 226–237 / DOI 10.1002/mmng.200600010
  
  アルゼンチン、パタゴニア、チュブト州の後期ジュラ紀(Tithonian)Cañadón Calcáreo層から産出した、断
 片的な竜脚類化石を記載しています。大型だがとても細い前肢ということです。前方に神経棘が位置した
 尾椎、細い前肢及び上腕骨の大きい三角胸筋稜から、この材料が南米から報告された始めてのブラキオ
 サウルス科であることを示すとしています。この発見により、後期ジュラ紀にブラキオサウルス科が殆ど世
 界的に分布していたこと、また、ゆえにこのグループの起源から後、後期ジュラ紀中期に急速な多様化と
 分散をしたらしいことを示すとしています。

An unusual new neosauropod dinosaur 7.10.06
  Taylor, Michael P. 2006. An unusual new neosauropod dinosaur from the Lower Cretaceous Hastings
 Beds Group of East Sussex, England. p. 17 in Anonymous (ed.),
 Abstract book: Progressive Palaeontology 2006, Cambridge (England), 22-23 June 2006. 28 pp
 これまでのどの新竜脚類にも似ていない竜脚類胴椎骨についてです。恐らく新科をつくる?というもの。
 ページ左下の[slides]をクリックすると、パワーポイントプレゼンテーションを見ることができます。
 また、こちらではその標本BMNH R2095をプリントしたTシャツやマグカップを販売しています。

アルゼンチン・ネウケン州産の竜脚類 Zapalasaurus bonapartei 6.28.06

新しいジュラ紀後期竜脚類において骨組織は島嶼矮小化を示す 6.08.06

レバノンから初の竜脚類歯化石 5.09.06
  Naturwissenschaften DOI: 10.1007/s00114-006-0124-z
  First nonavian dinosaur from Lebanon: a brachiosaurid sauropod from the Lower
  Cretaceous of the Jezzine District
  Eric Buffetaut
  レバノンで初の非鳥恐竜化石になるそうです。白亜紀前期、ブラキオサウルス科とみら
 れる竜脚類の歯が2本見つかったそうです。
 ヤフーニュース(AFP)

ノルウェー初の恐竜化石、世界最深、海底下2256mで発見 4.25.06
  北海海底をボーリングしたドリルのコアから、ほぼ2億年前のプラテオサウ
 ルス化石が発見されました。砕けた指関節の骨ということです。
 ユーレカラート ライブサイエンス innovations report
 オスロ大自然史博物館ニュース(ノルウェー語)
  同博物館ニュース内の記事(ノルウェー語ですが大きい写真あり)
  同、骨断面写真がある記事(         〃           )

  参考: Bone histology and growth of the prosauropod dinosaur Plateosaurus engelhardti
   MEYER, 1837 from the Norian bonebeds of Trossingen (Germany) and Frick (Switzerland)

   論文ダウンロードできます。

   >>> Nettutstilling: DØDELIGE DINOSAURER

1億4000万年前の韓半島恐竜を復元 12.29.05
  内容追加しました。記載論文も追加。

プラテオサウルスはどのように成長したか 12.17.05
  BBC
  12歳で成長が止まるものも27歳まで成長したものもいたそうです。これまで
 他の恐竜では見られていません。
  サイエンスの論文から
  ボン大学ニュース

ジュラ紀中期マダガスカル産の古竜脚類のような歯をした竜脚類 11.07.05

四川省自貢の竜脚類新属 8.08.05

南アフリカからマッソスポンディルス胎児化石 7.29.05
  サイエンス7月29日号 Science, Vol 309, Issue 5735, 761-764
  Embryos of an Early Jurassic Prosauropod Dinosaur and Their Evolutionary Significance
  Robert R. Reisz, Diane Scott, Hans-Dieter Sues, David C. Evans, Michael A. Raath

  南アフリカ下部ジュラ系Elliot層から産出したMassospondylus carinatus
 6個の胎児化石の記載です。脚の骨の発達具合から、孵化時には4足歩行
 であったとされています(成体は2足歩行)。また歯が殆ど発達していなかった
 ので、孵化後もしばらくは親が面倒を見る必要があったただろうとのこと。
 毎日 読売 ニューサイエンティスト ナショナルジオグラフィック
 トロント大ニュース

パタゴニアジュラ紀後期産短い頚部の竜脚類の発見 6.02.05

ユタ州で北米初の白亜紀竜脚類頭蓋 5.31.05
  記事を見ると、恐竜ナショナルモニュメントで発掘した4個の頭蓋についてです。
 同所の古生物学者Dan Chureやブリガムヤング大の研究者たちが、ここ数年研
 究しているようです。
  deseretnews.com(写真あり)

米ワイオミング州モリソン層(上部ジュラ系)産のAPATOSAURUS AJAX(竜脚類:
 ディプロドクス科)新標本
 5.07.05

国立科学博物館モノグラフ 4.27.05
  第26号「アメリカ、ワイオミング州のモリソン層(ジュラ紀後期)より産した
 Apatosaurus ajax (竜脚目、ディプロドクス科)の新標本」
 Paul Upchurch、冨田幸光、Paul M. Barrett 著 1,500円(税込)
 
 科博新館に展示してあるアパトサウルスの記載です。平成11年度から14年度に
 かけて進めた研究をまとめたもの。科博ミュージアムショップで販売
 参考 博物館探訪記 2000年と2002年のアパトサウルス解体研究があります

Anchisaurus polyzelus 既知最小の竜脚類および竜脚形類における
  巨大化進化について 3.01.05
  Anchisaurus polyzelus (Hitchcock): The Smallest Known Sauropod Dinosaur
  and the Evolution of Gigantism among Sauropodomorph Dinosaurs
  Yates, A.M. 2004 Postilla, 230: 1-58.

  DinosaurML Jerry D. Harris の紹介によると、アブストラクトは
 Ammosaurus major Anchisaurus polyzelus のジュニアシノニム。系統
 分析ではAnchisaurus polyzelus が竜脚類の最基盤にあることが強力に
 支持される。
 square change parsimony を使用して大腿骨のサイズを最適化すると、新
 竜脚類にいたる系統が獣脚類からの分岐以来持続してゆるやかにサイズ
 増加してきたのが示される。またA. polyzelus はこの傾向に反し、竜脚類
 の共通祖先に比べサイズが小さくなったことが示される。

アルゼンチン、ネウケン州下部白亜系のレバッキサウルス科竜脚類 12.29.04

ヨーロッパ最大の恐竜? 12.01.04

セイスモサウルスサイズダウン そして 11.07.04

Acta Paleontologica Polonica 49 (2), 2004 5.07.04
  いくつか興味深い論文が載っています。ダウンロードできます。
  米モンタナ州上部ジュラ系モリソン層産出の、新しいディプロドクス類
  Suuwassea emilieae gen. et sp. nov. 記載されています。
   crowはカラスでなく、クロウ族でした。チョビ之助さんのご指摘ありがとう
  ございます。

  ヨーロッパで初めて発見されたモササウルス類Clidastes

  オヴィラプトル科の脳室内 かれらはいっぱい脳みそをもっていたようです。

  少し読んでから紹介していきます。

Amazonsaurus の報道 1.20.04


Bobbing for Sauropods 10.21.03
  サイエンスナウ
  SVP総会でミネソタ大のJeff Wilson らが行った発表を紹介しています。
 ジュラ紀中期の竜脚類行跡に前足の跡しかないものがよくあることについ
 て、その新しい説明を提示しました。

 竜脚類の体の重心は、陸上では体の後ろの方にあるのですが、水中で肩
 まで水の中に入るようだと尾は水中に入りますが、その分浮力がついて、
 重心が体の前方に移動する、そのため前肢により圧力がかかるようになる
 ということのようです。

 一方、カルガリー大のDon Henderson は、肩まで水中に入れば尾は浮き、
 それにつれて後肢は底から離れる。さらに深くなると前後肢とも浮くが、こ
 ういった細長い動物は側方にひっくり返りやすい。竜脚類が泳ぐのは大変
 だったろうとのことです。

 ブラジルから下部白亜系竜脚類 9.30.03
  Amazonsaurus maranhensis gen. et sp. nov. (Sauropoda, Diplodocoidea)
   from the Lower Cretaceous (Aptian-Albian) of Brazil

  Ismar de Souza Carvalho, Leonardo dos Santos Avilla, and Leonardo Salgado
  Cretaceous Research in press

  Amazonsaurus maranhensis
  ディプロドクス上科に属するそうです。

モロッコ、ジュラ紀新竜脚類記載 9.25.03
  モロッコ、スイス、仏、米の国際チーム(報道にはフィリップ・タケ、
 デール・ラッセルの名があります)により、モロッコ南西部、アトラス
 山脈の村、Tazouda という所で発掘されたものだそうです。
 Tazoudasaurus Naimi と命名されたそうです。17本の歯をもつあご
 を含む骨格が発見。体長30フィート報道されています。
 ディスカバリーチャンネル アナノヴァ smh.com
モロッコ産ジュラ紀の竜脚類 9.29.03
  Tazoudasaurus Naimi について写真付記事があります。
 ヤフーニュース(AFP) 9online Swiss info(歯骨写真あり)


 中国吉林省九台市で白亜紀恐竜発掘 9.25.03
  脊椎骨18個の"長竜"など報道されています。他の報道を見ると
 大型竜脚類とあります。ほかに脛骨、腓骨も発見されています。
 脊椎骨の長さはあわせて2.9m、肢骨長は0.95mだそうです。
  人民日報(写真2枚) 人民日報(写真1枚)
  新華社(写真複数) 新華社(吉林省) 新文化報 新文化報
  中国恐竜網
  新華社ティタノサウルス科とする報道10.13.03


知られている最古の竜脚類および竜脚類の移動に向かった
  第一歩 7.06.03
  The earliest known sauropod dinosaur and the first steps
 towards sauropod locomotion
 Adam Yates and James W. Kitching
 Proceedings of the Royal Society of London B

 アブストラクトほにゃ訳
 南アフリカ上部三畳系堆積物から産出した部分的な恐竜骨格が記
 載され、Antetonitrus ingenipes と命名された。それは、伸長した前
 肢、修正された大腿骨の構造、短縮した中足骨および体重が足全
 体に配分されるような変更のような、地上性の四足歩行に適応を見
 せ始めている、基盤的竜脚類で初めての有益な情報を与える形をし
 ている。 これらの適応は史上最大の陸上動物を生み出すクレード
 を許すことになった。しかしながら、A. ingenipes には、より派生した
 竜脚類に見られる手の特殊化を欠き、それが握る能力を保持してい
 たことを示す。Antetonitrus は、最近タイで記載されたIsanosaurus
 より古く、最古の知られている信頼の置ける竜脚類である。

 Witwatersrand 大ニュース によると、属名Antetonitrusは雷の前(
 Ante=前、tonitrus=雷 を表すラテン語)Brontosaurus(カミナリ竜)
 の仲間で、もっとも前にいたことを意味し、種小名はどっしりとした足
 を意味するそうです。年代は約2億1千万年から2億1千5百万年前。
 体長は10m、体重は1.8トンと見積もられています。化石自体は1980
 年代に発掘されていたものです。
 その特徴は、基盤的なものと派生的なものが混じっています。四肢
 はほとんど同じ長さで足は非常に短く、ゆっくり四足歩行したことを
 示している(初期原竜脚類は手が短く、二足歩行できたのに対し)。
 Yates は「これはいつも四足でがっしりした足で歩いていた恐竜の
 最も早い証拠だ。後にあんなに巨大なサイズになる、首の長い恐
 竜の特徴的な形が、我々がこれまで考えていたより非常に急速に
 はるかに早く進化したことを示している。また、後肢の内側の趾は
 中趾の骨より太く、体重の配分が足の内側に偏っていたことを指し
 示す、言い換えればこの恐竜は少し内股だった。さらに、最も内側
 の爪先(人間の足の親指と、同等である)はたぶん防衛的なキック
 で使用された例外的に大きい鉤爪を持っていた。
 Antetonitrus は初期の原竜脚類と一つの特徴を共有していた:そ
 の前足は後の竜脚類のように前方向にロックされていなく、握るの
 はもちろん、どんな捕食者も強打することができた、動かすことの
 できる爪のついた指を有していた。
 この化石は成熟した成体ではなく、幼体化石も共産しているそうで
 すが、Yatesは、これが家族を意味しているかどうか不明としていま
 す。
 ヤフーニュース(写真) MSNBC

Thecodontosaurus 新論文 5.08.03
  A NEW SPECIES OF THE PRIMITIVE DINOSAUR
    THECODONTOSAURUS (SAURISCHIA: SAUROPODOMORPHA)
    AND ITS IMPLICATIONS FOR THE SYSTEMATICS OF EARLY
    DINOSAURS

  Adam M. Yates 
  Journal of Systematic Palaeontology Volume 1 - Issue 01 - March 2003
  42ページあるPDFファイルを無料でダウンロードできます。
  参考:DinosaurMLThomas R. Holtzの紹介

ルーフェンゴサウルスの爪指節骨 11.07.02
  中国恐竜網Lufengosaurus magnusi のものだそうです。写真入りな
 ので紹介しました。

Pukyongosaurus millenniumi 10.23.02
  たまたまDinosaurMLで紹介している方がいましたので、一応紹介
 します。
 2001年に開催された第八届中国古脊椎動物学学術年会論文集
 掲載されているものです。pp.41-53
 記韓国白亜紀一新的蜥脚類恐竜
 董枝明、白仁成、金賢珠
 A PRELIMINARY REPORT ON A SAUROPOD FROM THE HANSANDONG
 FORMATION (LOWER CRETACEOUS), KOREA
 韓国慶尚(Gyeongsang)盆地、河東(Hasandong)層で発見されました。
 河口近い氾濫原堆積層です。全部で20個ほどの断片的なものですが
 7個の頚椎骨、1個の胴椎骨、1個の完全な血道弓などが含まれ、同
 一層準、同一現場からの発見なので1個体と示唆されています。
 分類は、頚椎骨および胴椎骨の特徴からエウヘロプス科とされています。
 属名は白仁成、金賢珠が所属する釜慶(Pukyong) 国立大学、種小名は
 2000年のミレニアムにちなんでいます。

 他にも同論文集には数点恐竜関係の論文が収録されています。
 新舗竜的頭后骨格                  劉俊
 雲南禄豊原竜脚類和蜥脚類恐竜食性研究   魏明瑞ほか
 遼寧朝陽地区土城子組的蜥脚類恐竜化石   董枝明
 広東河源盆地的恐竜化石              邱立城ほか
 山西天鎮-河北陽原一帯晩白亜世的恐竜動物群及地層 ホウ其清
 なお、日本からも以下の論文が掲載されています。
 日本的第一个多瘤歯獣化石            高田大考ほか

竜脚類の系統分析 10.03.02
  Sauropod dinosaur phylogeny: critique and cladistic analysis
  JeffreyA. Wilson
  Zoological Journal of the Linnean Society Vol. 136 Issue 2 pp. 217 -276
  
 
Shunosaurus中国ジュラ紀中期からの基幹的竜脚類の頭蓋解剖構造
  8.31.02
  Cranial anatomy of Shunosaurus, a basal sauropod dinosaur from
  the Middle Jurassic of China
  Sankar Chatterjee and Zhong Zheng
  Zoological Journal of the Linnean Society, 2002, 136, 145-169. 
  アブストラクトほにゃ訳
  中国ジュラ紀中期から産出した Shunosaurus は、おそらく最もよく
 知られた基幹的竜脚類であり、いくつかの完全な骨格により表されて
 いる。竜脚類の中でも尾の端に骨質のクラブを持っていることが特徴
 的である。新しい頭蓋資料から、その解剖構造、脳の形態、換歯パ
 ターン、食性および系統関係について、批判的な情報がもたらされて
 いる。頭蓋は無動原体であり、monimostylicである。脳は比較的小さ
 く、幅狭く原始的にデザインされている。換歯パターンは、交換歯の位
 置において、後ろから前への波が表されている。歯はヘラ形、頑丈で、
 および、より粗い植物食物を暗示した、よく発達した磨耗面がある。
 上下歯列は指のように並び、剪断するとき互いにかみあった。歯の形
 態、頭蓋の構造および頸部の姿勢から、Shunosaurus は地上または
 低い位置での摂食に適応していたことが示される。
 Shunosaurus は以下の頭蓋の固有派生形質を表している:歯列後ろ
 にある頬骨/方形頬骨バーの腹側縁が凹形である;後眼窩骨には外
 側窩がある;鋤骨は後鼻孔の構成に加わっていない;翼状骨は腹側
 に窩があり、非常に細長く、小さい。翼状骨方形枝は二股になってい
 る;顎関節に方形頬骨は加わっている;歯の形態は円筒形とヘラ形の
 組み合わせである;底翼状骨突起は翼状骨尾側突起により覆われて
 いない;滑車神経は2つの出口がある;上顎歯列の咬合レベルは下
 向きに凸状であるが、歯骨のものは上向きに凹状であり、1組の庭ば
 さみのようにふるまう;歯骨歯の数は25以上である;交換歯は機能し
 ている歯の唇側に侵入する。基幹的な竜脚類にわたって頭蓋形質は
 見直される。Shunosaurus は頭蓋骨が知られる最も初期の竜脚類で
 あるので、系統的に重要な位置を占め、原竜脚類の状態から頭蓋の
 形態の変更を示す。竜脚類の頭蓋骨の共有派生形質は今のところ
 未知であるが、27の頭蓋骨の共有派生形質がクレードEusauropoda
 で知られている。

豪クイーンズランド博、"Elliot" の尾部化石骨発掘 7.25.02
  "Elliot"はオーストラリアで1999年に発見された最大の恐竜(竜脚類)で、
 昨年10月に同博物館はその発見を発表しています。
 この6、7月の発掘で、20個の完全な骨と400個の破片が発掘されたそうで
 す。これまでのところ体長16-25mと見積もられています。
 発掘は2004年まで継続し、全身を発掘するそうです。
 参考:同博"Elliot"のページ

中国広西自然博物館で広西最大の恐竜化石を修復 7.15.02
  2001年8月、同自治区扶綏県山ウ鎮六榜村で発掘された竜脚類化石を
 修復、組み立てしているようです。これは中国南部で発見された白亜紀恐竜
 で最も完全なものだそうです。
 人民日報日本語版 人民日報(写真5枚)
 この恐竜化石、大腿骨や腰部に骨質結核のあとがあると報道されたことも
 あります(人民日報)。
 参考:発掘時の報道
    新華社広西版報告1 報告2 報告3 報告4 8月の報道
    写真 発掘現場 脊椎骨 肋骨(長さ1.6m)

ロシア、西シベリアの白亜紀前期から竜脚類の足 2.21.02
  A sauropod foot from the Early Cretaceous of Western Siberia, Russia
  Alexander O. Averianov, Alexei V. Voronkevich, Evgeny N. Maschenko,
  Sergei V. Leshchinsky, and Alexei V. Fayngertz
  Acta Palaeontologica Polonica 47 (1), 2002 pp.117-124 アブストラクト
  シベリア西部Shestakovo地方白亜紀前期(Aptian-Albian) Ilek層から産出した、かな
 り完全な竜脚類の足についての報告です。
 ティタノサウルス形類とされています。

アラモサウルスの幼体記載 1.14.02
  A JUVENILE SPECIMEN OF THE SAUROPOD DINOSAUR ALAMOSAURUS
   SANJUANENSIS FROM THE UPPER CRETACEOUS OF BIG BEND NATIONAL
   PARK, TEXAS

  THOMAS M. LEHMAN, and ALAN B. COULSON
  Journal of Paleontology: Vol. 76, No. 1, pp. 156-172.
  テキサス州 BIG BEND 国立公園の、K-T境界層直下から発掘された、
 ティタノサウルス科、Alamosaurus sanjuanensis の幼体標本についての
 報告です。
 
 大きさは成体の半分以下。浅い氾濫原の池の堆積物中から関節しない状
 態で。これまでに報告されていなかった部分もある。長く伸びた後凹の頚
 椎骨には二股に分かれず後方に向かう棘突起があり、その後ろには深い
 窩がある。胴椎には前に強固な薄層のある幅広いへら状の棘突起があり、
 次楔状突起-次関節腔の関節を欠く。
 Alamosaurus sanjuanensis はこの幼体標本でさえ明白に、ユニークな坐
 骨の形態を表す。
 他のティタノサウルス科標本と比較すると、A. sanjuanensis はブラジル、
 Peiropolis 産の命名されていないティタノサウルス類、およびアルゼンチン
 産のNeuquensaurus australis にもっとも近縁である。

中国広西壮族自治区の恐竜発掘続報 12.12.01
  10月にお伝えしたニュースの続報です。広西壮族自治区扶綏県山ウ鎮
 六傍村で発見された、竜脚類化石。大腿骨に結核の跡が残るものがある
 ことをお伝えしました。

 今度は、肋骨と腰椎が合わさる部分に結核病変の跡が残る化石が発掘
 されたそうです。この地域で骨質結核に侵された竜脚類は1匹にとどまら
 なかったようです。
 人民日報広西版

韓国の新しい竜脚類など 12.10.01
  DinosaurMLでオルシェフスキーがポストしています。
 第八届中国古脊椎動物学学術年会論文集 ISBN: 7-5027-4538-6 に
 掲載されている論文からです。
 "A preliminary report on a sauropod from the Hasandong Formation
 (Lower Cretaceous), Korea," in Deng & Wang, eds., 2001: 41-53.
 董枝明と韓国の研究者 Paik In Sungと Kim Hyun Jooによる。

 韓国慶尚(Gyeongsang)盆地の白亜紀後期の地層から発見された7個の
 不完全な頚椎、ほとんど完全な同椎、1個の頸肋骨、1個の肋骨、1個の
 血弓道など。同じ現場の同じ層準から発見されたもので、同一個体のも
 のと考えられる。
 頚椎・胴椎から、エウヘロプス科に近縁であることが示唆される。
 新属新種として、Pukyongosaurus millenniumi gen. et sp. nov. と命名
 されています。

 ほかにもいろいろ論文はあるようですが、もう少しはっきりしてから紹介
 します。

パラリティタンの新しいイメージ 11.15.01
  EgyptDinos.org にLuc Bailly 描く新しいイラストが追加されています。

豪、クイーンズランド州で発見された竜脚類 10.10.01
  "Eliot"と命名された竜脚類。オーストラリアで発見された恐竜の中では
 最大で、14から19mほどと推定されています。新しいタイプの竜脚類とい
 うのですが、どこがユニークなのか報道ではくわしく触れていません。
 ヤフーニュース スタートリビューン(AP) CNN
 MSNBCニュース ディスカバリー ニューサイエンティスト

中国広西壮族自治区の恐竜発掘続報10.4.01
  8月にお伝えしたニュースの続報です。広西壮族自治区扶綏県山ウ鎮
 六傍村で発見された、約1億1千万年前の竜脚類化石で、全長約25mと
 されています。これまでに約50平方メートルの発掘現場から長さ1.6mの
 肋骨や10mあまりの脊椎骨、大腿骨、3種の恐竜歯、ほかに爬虫類化石
 などが産出しています。
 
 この大腿骨には結核顆粒のあとがあり、恐竜の病理や死亡原因を研究
 する貴重な資料となるそうです。
 
 発掘地、那派盆地は広さ約200平方キロメートルありますが、中生代は
 湖の周囲に植物が茂り、恐竜にとって生息しやすい環境だったそうです。
 1973年には発掘地から1kmほどの所から2種の恐竜が発見され、獣脚
 類の"広西恐歯竜(Prodeinodon kwangshiensis)"、および竜脚類の
 "広西亜州竜(Asiatosaurus kwangshiensis)"と命名されているそうです。

 発掘地は自治区の中心都市である南寧市から10kmの近郊で、付近に
 自然の名勝もいくつかあるため、新たな観光拠点とする構想も浮かび上
 がっているようです。
 新華社広西版報告1 報告2 報告3 報告4 8月の報道
 写真 発掘現場 脊椎骨 肋骨(長さ1.6m)


JVP2001年2号から7.12.01
 The osteology of Kotasaurus yamanpalliensis, a sauropod dinosaur from
 the Early Jurassic Kota Formation of India.
 P. YADAGIRI
 インドの白亜紀前期 kota 層から12個体以上に属する骨が産出しているそ
 うです。Kotasaurus はヴルカノドン、シュノサウルス、バラパサウルス、オ
 メイサウルスに加わる基盤的竜脚類であるそうです。

セグノサウルスは原竜脚類?7.01.01
  DinosaurMLでMickey Mortimerがポストしています。
 Adam Yate の未刊の分析を用いて、PAUP 4.0b8でランさせたものだそうで
 す。にわかには信じられない気もしますが。

スペインから新種竜脚類6.07.01
  DinosaurMLによると、Dacentrurus armatus という竜脚類が記載されて
 います。
 Casanovas, M. L., Santafe, J. V. & Sanz, J. L. 2001.
   _Losillasaurus giganteus_, un nuevo sauropodo del transito Jurasico-Cretacico
  de la cuenca de "Los Serranos" (Valencia, Espa).
  Paleontologia i Evolucio, 32-33: 99-122.

 ジュラ紀後期から白亜紀前期にかけての年代です。
 参考:FosilSp@inスペイン語

パラリティタン 毎日中学生新聞 6.06.01
  中学生用にわかりやすくまとめてあります。

アラモサウルスの脊椎骨、ダラス自然史博物館へ空輸5.08.01
  5月7日、米テキサス州Big Bend 国立公園の秘密のサイトからヘリコプ
 ターで空輸されたそうです。
 96年に別のアラモサウルス幼体の発掘をしているときに学生が発見した
 もので、10個の脊椎骨の長さは合わせて9mあまり。これから2年ほどかけ
 て研究されるそうです。
 MSNBCニュース ヤフーニュース(AP)

Osteology, paleobiology, and relationships of the sauropod dinosaur
  Sauroposeidon 4.20.01
  ACTA PALAEONTOLOGICA POLONICA 45(4) に掲載された、サウロポ
 セイドンの論文です。
 下記でPDFファイル形式でダウンロードできます。ただし、論文をスキャナで
 読み込んだもののようです。字も画像ファイルになっています。4.8MBほどで
 すので、ダウンロードには時間がかかります。46ページあります。
 PDFファイル(要アドビアクロバット)
 参考:Sam Noble Oklahoma Museum pubulications
     1970-2000年の8たぶんオクラホマ地域に関連した論文のリプリントを
     ダウンロードできます。恐竜関係はサウロポセイドンについてJVPに掲
     載した論文があります。

アジアで最初のブラキオサウルス類の歯3.21.01
  NaturwissenschaftenVolume 88 Issue 2 (2001) pp 82-84
  The first discovery of a brachiosaurid from the Asian continent
  J.-D. Lim(カンザス大) , L.D. Martin(同左) , K.-S. Baek(韓国Kyungpook国立大)
  ブリーフコミュニケーションです。
  韓国で発見された白亜紀前期の歯化石について、Brachiosaurusと同様であると
 報告しています。歯冠は舌側に斜めになっていて、生えていたときには、ノミのよう
 なエッジをしていただろう。この発見は白亜紀前期東アジアにブラキオサウルス類
 の存在を立証するとしています。

アルゼンチンでの竜脚類発見人民日報報道2.27.01
  漢字で説明つきの図があります。

アルゼンチンでの最大の恐竜発見について2.26.01
  アルゼンチンでは、昨年から最近にかけて恐竜化石を発見したいくつかのグ
 ループが、自分の恐竜が最大だ!と主張しあっているようです。
 しかし、通信社の記者さん、herbivorous saurpodi とかcarnivorous theropodi
 学名のように書くのはどういうことなんだろう?
 ABCニュース BBCニュース

アルジェリアで1億6千万年前の恐竜化石発見2.23.01
  Ain Sefra 地域で51個の骨を含む竜脚類化石が発見されたそうです。
 ヤフーニュース

アルゼンチンで新しい植物食恐竜(竜脚類?)発見 2.9.01
  アルゼンチンの古生物学者Edith Simon らは、ネウケン州 el Chocon 村近く
 で恐らくこれまで知られていない植物食恐竜化石を発見したそうです。アルゼン
 ティノサウルスと同じエリア、同じ層準のようです。Sauropodusと書いてありま
 すが、どうも一般に竜脚類をいう言葉のような気がします。
 30m近い体長、体重70tと推定されるそうです。前肢、後肢、椎骨、肋骨、歯など
 が発見されているそうです。詳しい情報が期待されます。
 ヤフーニュース(ロイター)

Dinosaurs Just Grazed 10.24.00
  豪、Adelaide大のRoger Seymourによれば、竜脚類は首を水平またはそれ
 以下に保っていたそうです。バロサウルスの頭部に血液を送るのに2,000kgも
 必要ならば3つの理由でそれは不可能としています。
 1そんな心臓を収めるスペースがない。2そんな心臓は体の残り全部より多い
 エネルギーを消費する。3首が(圧力で)変形する方に血液を送るより余計な
 エネルギーを消費する。
 ナショナルジオグラフィックニュース
 Adelaide大ニュース(要Adobeアクロバット)

知られている限り最古の竜脚類9.7.00
  ネイチャー9月7日号Nature 407, 72 - 74掲載
  The earliest known sauropod dinosaur
  ERIC BUFFETAUT, VARAVUDH SUTEETHORN, GILLES CUNY, HAIYAN
  TONG, JEAN LE LOEUFF, SASIDHORN KHANSUBHA & SUTEE
  JONGAUTCHARIYAKUL
  Isanosaurus attavipachi gen. et sp. nov.と命名された最古の竜脚類は、
 タイ北東部の三畳紀後期ノリアンとされる地層から1998年に発見された部
 分的な骨格によっています。数個の椎骨、神経弓、血道弓、肋骨断片、右
 肩甲骨、左大腿骨などです。
  これまで最古の竜脚類骨化石はジュラ紀前期のイタリアから、またそれよ
 り古いものは足跡で、確証は弱いものでした。今回の発見で竜脚類の進化
 が三畳紀にかなり長期にわたっていたという理論が実証されるとしています。
 ヤフーニュース(AFP)
 ABCニュース
 ディスカバリーオンライン

ポルトガル、ロウリンハの海岸から竜脚類化石発見7.24.00
  DinosaurMLで現地の研究者オクタヴィオ・マテウスがポストしています。
 7月18日にロウリンハ博物館が発表したそうです。海岸の満潮時の水面より下
 からなので、発掘には苦労したそうです。残念ながら同博物館のサイトが真っ白
 で、工事中のようなので詳細は不明です。

Adilabad dinosaur ready for show 7.24.00
  DinosaurMLで紹介していた記事です。インドで発見された竜脚類、コタサウ
 ルス Kotasaurus Yamanpalliensis の骨格が組みあがって公開されるそうです。
 
 コタサウルスは1988年にヤダギリ Yadagiri により記載されたジュラ紀前期の竜
 脚類です。属名はコタ層 Kota Fomation から。ケティオサウルス科またはブル
 カノドン科に分類されています。竜脚類の中では原始的とされる科ですね。

 記事によれば、コタサウルスは25年前、インド地質調査所(GSI)がインド中部の
 アブリバード地方を調査中、偶然発見したものです。Yamanapalli 発掘サイトから
 1974年から80年にかけて840以上の骨が集められましたが、それは同一種に
 属する12個体のものだそうです。頭骨は発見されていません。
 
 Birlaサイエンスセンターで組みあがった骨格は、85%純骨で、体長13.4m、高さ
 4.9m。会場は`Dinosaurium'と呼ばれ7月25日公開されるそうです。
 頭骨はカーネギー自然史博から贈られたとあるので、分類上近い竜脚類の頭を
 つけているのでしょう。

 GSIのDr.S. K. Mazumder(代表権のある偉い地位らしい)は、コタサウルスが最
 も原始的な竜脚類とより進化した竜脚類の間のミッシング・リンクである、またイ
 ンドがゴンドワナ大陸と約1億6千5百万年前までつながりをもっていた証拠であ
 ると話しています。

 ほかに、より小さい化石、化石化した木の幹、アーメダバードで発見された4個
 の恐竜卵がある巣なども展示されるそうです。
 参考:BBCニュース

鳥羽竜化石は上腕骨と大腿骨。ティタノサウルス類?7.20.00
  毎日フォトジャーナルです。三重県大型化石発掘調査団は19日、見つかった
 化石が上腕骨(右前脚)と大たい骨(右後脚)であると発表したそうです。
 ヤフーニュース

パタゴニアで竜脚類の巣(?)発見4.4.00
  アルゼンチン・ネウケン州で調査活動をしている研究者達は、初の竜脚類の
 巣を思われるものを発見したと3日発表しました。15から35個の卵が凹地に土
 のバスケットに入れてあるような形になっていると、チームのリーダーである、
 ロドルフォ・コーリアは語っているそうです。
 調査の結果、巣であることが導かれれば、これは世界初の竜脚類の巣である
 ことになるそうです。巣であるとすれば、この地域に多数生息していたティタノサ
 ウルスのものである可能性が高いそうです。
 ヤフーニュースライン
 ABCニュース
 CNNニュース

テキサスで発見の竜脚類追加2.6.00
  ヤフーニュースラインにロイターの写真が出ています。
 頸椎を関節したままジャケッティングしています。こんな長いジャケッ
 ト、どうやって運ぶのだろう?
 このニュース、どこかで読んだことがと思ったら、1月12日付けのディ
 スカバリーオンラインで報道していました。
 ディスカバリーオンライン

米テキサス州南西部で白亜紀後期の竜脚類発見2.3.00
  テキサス大ダラス校のチームが発表したものです。関節した頚椎
 が10個、約7m分。推定体長は30mほどになるそうです。 Big Bend
 国立公園から発掘されました。時代は6,700から6,800万年前。
 '95年に発掘隊の一員、モントゴメリー博士がアラモサウルスの幼体
 化石を発掘している近くでJ.カーター博士が頚椎を発見したのだそう
 です。白亜紀後期にこのような竜脚類の頚椎が発見されるのは非常
 に稀だそうです。近い種類はアルゼンチンからだそうです。ティタノサ
 ウルスの仲間なのでしょうか。
 ヤフーニュースライン
 CNNニュース
 ABCニュース
 ヤフーニュースライン(写真)

竜脚類の首の姿勢1.28.00
  サイエンス1月28日号掲載のテクニカルコメント。
 科博で先日アパトサウルスの標本の計測をした、ケンブリッジ大の
 アップチャーチが、シミュレーションに用いられた標本の骨の変形や
 関節具合などについて批判的な意見を述べています。
 これも時間がないのでリンクのみ
 
アルゼンチンで最大級の恐竜化石発見1.19.00
  アルゼンチンのパタゴニア南部、リオネグロ州ブイトレラ(Buitrera
 意味するところは、コンドルの篭だそうです)渓谷で発掘をしていた
 首都ブオノスアイレスの博物館と地元のフロレンチーノ・アメギーノ
 博物館の合同チームが、これまでで最大級の恐竜化石を発見した
 と発表しました。

 草食恐竜で、時代は白亜紀9千万年前から1億500万年前(チューロ
 ニアンからアルビアンということになるのでしょうか)

 現在発見されたのは2個の長さ1.2m(3.94 feet high)の頚椎、長さ
 2mの大腿骨、他の骨も現れていると同博物館の古生物学者Carlos
 Munozは述べています。
 推定体長は約48mから51m。これまで最大とされてきたアルゼンチノ
 サウルスより8mほど大きく、種類を問わず既知の恐竜の中で最大だ
 そうです。
 
 まだ分類や名称は定まっていませんが、報道からみる限り竜脚類と
 しかわかりません。この地方からは昨年4月にギガノトサウルスより
 大きい獣脚類がカナダ・アルゼンチン合同チームにより発掘されてい
 ます。
 発掘チームは1月31日まで作業を続け、博物館に化石を輸送するそう
 です。
 ヤフーニュースライン(日本)
 ABCニュース
 BBCニュース
 ディスカバリーオンラインカナダ(ブイトレラ渓谷の風景写真あり)
 サンデータイムス
アルゼンチン最大級の恐竜1.26.00
  ABCニュースで発掘現場の写真入りの報道があります。
  MSNBCニュースでも新しい写真があります。

テキサスで巨大なアラモサウルス?の化石発見1.12.00
  テキサス大ダラス校のHomer Montgomeryによれば、これまで同
 州で発見された恐竜化石で最大のものだそうです。長さ7m以上の
 頚椎、や脊椎が発見されています。
 発見地は、白亜紀後期の竜脚類アラモサウルスの幼体の発見地の
 近くだそうですが、これがアラモサウルスなのか新種になるのか、こ
 れからの研究にまつようです。
 ディスカバリーオンライン

ポール・セレノ、新種恐竜ジョバリア発表11.12.11
  ナショナルジオグラフィックのサイトをみると、発表は米東部時
 間午後2時から(日本時間だと12日の午前4時でしょうか)。
 リアルプレイヤーが必要です(37分3秒。9分過ぎからセレノ登場)。

 1億3千500万年前にニジェールで生きていた竜脚類。複数の成体
 と子どもの化石が発見されています。全骨格95%が産出しています。
 また、子どもの肋骨には歯型の痕があったそうです。当時の環境は
 森が広がり大河が流れていたので、群れが洪水で流されたか肉食
 恐竜に襲われたものと想像されます。

 Jobaria tiguidensisと命名されました(新属新種)。属名は、発掘地
 の遊牧民、トワレグ族の伝説中の動物Jobarから、種名は発見地近
 くの崖の名からです。体長は約21m、体重は約20tと推定されてい
 ます。

 歯がスプーン状な点、頸椎が12個しかなく首が比較的短い、(ディ
 プロドクス科では頸椎15・6個)、脊椎骨の構造が単純など、同時代
 の北米の竜脚類ディプロドクスやアパトサウルスに比べ、原始的な
 特徴を残しています。また、首の構造は柔軟度が比較的高く、スプー
 ン状の歯とともに、木の小枝を食べるのに適応していたとされていま
 す。

 体つきはゾウに似て頑丈な後肢を持つそうです。そのためか、ナ
 ショナルジオグラフィックでの骨格展示では成体は後肢で立った姿
 勢で展示されています。

 さらに、もう1種Nigersaurus taquetiという竜脚類の報告がされて
 います。こちらは最小の竜脚類、体長15m程度。時代は1億1千5
 百万年前から1億5百万年前。部分的な骨が出ています。
 属名は国名、種名は仏の古生物学者、フィリップ・タケからと思われ
 ます。
 サイエンスの論文でもあまり紹介していないのですが、レバッキサウ
 ルス類に近いようです。また、顎に600本もの歯があるそうです。どう
 もカモノハシ恐竜のような歯みたいです。

  結局、アフリカの竜脚類は、ジョバリアのような原始的な種類、
 ニジェールサウルスのようなレバッキサウルス類、マラウィサウルス
 のような原始的ティタノサウルス類の3系統が生息したようです。

 ナショナルジオグラフィックプレスイベントをご覧ください。
 ナショナルジオグラフィックニュースでも、本文の他にインタビュー
 もあります(要リアルプレイヤー
 また12日発行のサイエンスに論文が掲載されています。
 Jobaria
 ヤフーニュースライン(AP)(写真)日本語
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース
 ユーレカアラート
 デイリーユニバーシティーサイエンスニュース(画像が大きい)
 
 なお、CNBCTVで14日に"Dinosaurs Take Wing"という番組を
 放送しますが、勿論日本で観ることはできません。ビデオにして
 販売しないのかな?


米オクラホマ州で発見された世界最大級の竜脚類化石11.3.99
    米オクラホマ大のRichard Cifelliが発表したものです。彼のチー
 ムが'94年にオクラホマ州南東部で発掘したもので、最初は木の
 幹と思ったほどの骨だそうです。
 個々の頸椎の長さ4フィート(約1.2m)。体高60フィート(約18.3m)、
 体重約60トンと推定されています。
  時代は約1億1千万年前。ブラキオサウルスに近いということは、
 プレウロコエルスの異常に大きくなったものでしょうか?
 古代の河口付近に生息していたとされています。

 ブラキオサウルス科の恐竜は体長に比べ体高が高いので、体長
 では世界最大とは言えないのではないかな?

 ニュースではその名をサウロポセイドンSauroposeidonとされてい
 ます。意味するところは地震を起こす神の爬虫類とでいうのでしょ
 うか。大分意訳ですね。ポセイドンはギリシャの海神ですから。
 来年3月のJVP(米古脊椎動物学会機関誌)にレポートが掲載され
 るそうです。

 オクラホマ大のプレスリリースによると、
 JVPに掲載するレポートの著者はMathew Wedel, Richard Cifelli, と
 Kent Sanders。竜脚類の学名は Sauroposeidon proteles。種名は、
 「終了の前に完成された。」という意味。それは、その種類の最後の
 最も特殊化したものであることを表します。
 新しい発見は、長さ約5フィート(1.52m)の頸椎、頸肋骨を入れると殆
 ど12フィート(3.66m)になるのですが、全体では39フィート(11.89m)とな
 り、サイロポセイドンをこれまで発見された中で最も首の長い動物にし
 ています。
 サウロポセイドンは、ジュラ紀の米とアフリカで知られている、キリンの
 ような首をもったブラキオサウルスに近縁であるようです。
 ブラキオサウルス自体軽量級ではなく、重量があり、最大級の竜脚類
 の一つです。シカゴ博物館ではそれは80フィート(24.38m)の体長であり、
 生きていた時には体重30トン程度だったでしょう。
 対照的にサウロポセイドンは体長殆ど100フィート(30.48m)、体重は50
 トン以上あったとされています。
 骨の構造は軽く頑丈にできていたそうです。そうでないと首がもたない。
 この発見は、この時代の竜脚類の研究に大きく寄与するばかりでなく、
 今まで足跡ばかり知られていた巨大な竜脚類の解明にもつながるもの
 とされています。
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース
 ディスカバリーオンライン
 ヤフーニュースライン(写真)
 ヤフーニュースライン(写真)
 オクラホマ大プレスリリース 写真


ポール・セレノはなぜ恐竜発掘をするのか11.10.99
  ナショナルジオグラフィックニュースです。11日、ナショナルジ
 オグラフィック協会で竜脚類の復元について発表をするそうです。
 恐竜を発掘することがブラックマーケットに消えるのを防ぐことに
 なるという考え方のようです。

モロッコ、アトラス山脈で発見された1億6千5百万年前の
 竜脚類10.30.99
  サンデータイムズ紙10月13日付けの記事です。
 Atlasaurus imelakeiと命名された恐竜は殆ど完全な骨
 格で産出したそうです。体長20m、体重22.5トンと推定
 されています。この骨格は13日からパリ自然史博物館
 の特別展"Maroc, Memoire de la Terre"の中で来年1
 月まで展示されているそうです。
 ブラキオサウルスなどの竜脚類に先行する竜脚類の形
 態を知る上で貴重な資料となるそうです。

マダガスカルで世界最古と見られる恐竜化石発見
                           10.22.99
 米シカゴフィールド博物館のジョン・フリン他のチーム
 が、マダガスカルで三畳紀約2億3千万年前の恐竜
 化石を発見しました。発見されたのは、カンガルーほ
 どの大きさの2種類の草食恐竜の顎の骨です。
 原竜脚類です。1種はモロッコで発見されたアゼンドー
 サウルスに近縁だそうです。
 このサイトからは、他にリンコサウルス類のイサロリン
 クス、カンネメイエリア類のディキノドン、少なくとも4種
 のエオディキノドンが産出しています。
 サイエンスのレポートはこの恐竜の記載ではなく、三畳
 紀のマダガスカルの動物相の報告です。アイソトープ測
 定でなく、哺乳類型爬虫類や、他の爬虫類の産出から、
 この年代が出てきたそうです。
 この発見は”最古の恐竜”というだけでなく、三畳紀中
 後期カルニアンの動物相として恐竜と哺乳類型爬虫
 類、他の爬虫類が共に生きていたという点でも重要で
 す。
 10月22日付けのサイエンスに掲載。
 ヤフーニュースライン(ロイター)
 ヤフーニュースライン(AP)
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース
 ユーレカアラート
 ヤフーニュースライン(日本語)
 読売新聞
 フィールド博物館ニュース
 カリフォルニア大サンタバーバラ校プレスリリース

クロアチア産の新属の竜脚類9.12.99
  DinosaurMLによると、Dalla Vecchia, F. M., 1998. "Remains of Sau-
 ropoda (Reptilia, Saurischia) in the Lower Cretaceous (Upper Hau-
 terivian/Lower Barremian) Limestones of SW Istria (Croatia),"
 Geologica Croatica 51(2): 105-134.
 で、 Histriasaurus boscarollii という竜脚類が記載されています。
  レバッキサウルスに近縁だそうです。属名はイストリアのトカゲを意味
 します。
 
米ユタ州で竜脚類化石発見7.30.99
  ユタ州ジェンセン近郊でパイプライン敷設の調査をしていたUinta
  Paleontological Associatesは、6月21日に竜脚類の化石を発見し
 たそうです。約1億5千5百万年前の地層で、有名なナショナルモ
 ニュメ ントよりも5百から1千万年古いそうです。残念ながら種類
 については詳しい情報が載っていません。
 ヤフーニュースライン
 ABCニュース
 パイプライン敷設会社のニュースリリース
 同会社のリリース内発掘現場の写真

幅広の恐竜ハイウェーは分類上の違いから7.12.99
 Wilson, J. A., と M. T. Carrano. Paleobiology 25: 252-267.
  竜脚類の作った恐竜ハイウェーの幅は、単にその恐竜の大きさによ
 るのでなく、分類上の違いによるそうです。幅の狭いトラックウェーは、
 比較的原始的な竜脚類のものですが、幅広のものはティタノサウルス
 科のもので、彼らはより移動に適した骨格構造を持っていたし、後肢で
 立つことも可能だったかもしれないとしています。
 Paleobiology

セイスモサウルスの復元骨格組立!7.10.99、7.13追加
  米ワイオミングのチームが初めてのセイスモサウルス復元骨格を組み
 立てました。Dinosauria Internationalというところが費用35万ドルを負担
 しています。この骨格は8月までワイオミング恐竜センターで展示した後、
 いったん解体され、来春Dinofest2000で展示し、その後スミソニアン博物
 館で展示するそうです。
  骨格はDavid Trexlerという古生物学者がスタイロフォームを削って4年か
 けて制作しました。一般のキャストに使われる材料ではセイスモサウルス
 のサイズでは重くなりすぎるからだそうです。
 ワイオミング恐竜センターによると、この骨格は全長134フィート以上。これ
 まで最大の恐竜骨格より50フィート以上大きく、種を問わず最大だったス
 ミソニアン博物館のクジラ骨格(101フィート)を抜いたため、ギネスブック
 に申請を検討しているそうです。
 ディスカバリーオンライン
 CNNカスタムニュース
 参考:ニューメキシコ自然史博物館のセイスモサウルス説明文
     同博バックヤードにあるセイスモサウルス脊椎
     セイスモサウルス尾椎(世界大恐竜博で)
     Dinofest
     ワイオミング恐竜センター

ポルトガルで新しい竜脚類発見6.27.99
  ポルトガルのLourinhaから新しい竜脚類化石が発見されたそうです。
 ここからは、昨年も化石発見のニュースがありました。
 Miguel Telles AntunesとOctavio Mateusのもとで発掘された化石は、
 脛骨、腓骨、高さ1mの脊椎、肋骨、胃石などがあるそうです。
 今までにLourinhaからは、Dinheirosaurus lourinhanensisや Brachio-
 saurus atalaiensis.が知られています。
 DinosaurML
 Lourinha博物館(ポルトガル語。この夏の発掘のボランティアを募集中)


ポルトガルでディプロドクス科の新しい恐竜記載5.12.99
  DinosaurMLの情報によると、ポルトガルのlourinhaのジュラ紀後期
 の地層から発見された竜脚類はディプロドクス科の新属新種として、
 Dinheirosaurus lourinhanensis gen. et sp. nov.と命名されました。
 記載者はボナパルテ。
 DinosaurML


竜脚類の首の姿勢と食性について新研究4.30.99
 サイエンス4月30日号に掲載された研究です。
 オレゴン大のKent A. Stevensと北イリノイ大のJ. Michael Parrish
 によれば、ディプロドクスとアパトサウルスの2種の竜脚類について
 筋肉の付着についてはワニ・トリを参考にして、どのような姿勢が、
 一番自然か、また問題なく頚部が動く範囲を研究しました。結果は
 牛やバイソンのように地面に下がる姿勢であるとしています。
 竜脚類は木の小枝でなく岸辺で草や水草を食べていたのかもしれな
 いと、しています。
 ヤフーニュースライン(ロイター)
 ヤフーニュースライン(AP)
 CNNニュース
 ABCニュース
 毎日新聞
 参考:The DinoMorph Project


アルゼンチンの恐竜についてのニュース4.15.99
 数日前から流れていたニュースでイラストや写真付きになった
 ものがあります。
 Clues to Plant Eating DinosaursABCニュース
 ティタノサウルスについての最近の研究成果について
 Where Dinosaurs were bornABCニュース
 パタゴニアの恐竜卵化石の研究について
 Dinosaur eggs,and a surprise,unearthed in the Patagonian Desert
 CNNニュースです。残念ながらイラストも写真もなし。
 キアッペを主人公にしたパタゴニアの恐竜発掘ストーリーです。

パタゴニアの恐竜卵化石
  ティタノサウルスのレポート4.12.99
 いずれもAPのレポートです。
  磁気のトレースにより卵化石の年代を知る
  発掘サイトの磁極反転のパターンを調査して年代を推定する
  作業についてのレポートです。

パタゴニアで恐竜卵化石現場のマッピング一段落4.1.99
 皮膚化石も見つかった、あの現場のマッピング作業が一段落した
 そうです。
 ABCニュース
 参考(発見時のもの)
 Infoquest Foundation(詳細な報告と大きい写真があります)
 FIRST DINOSAUR EMBRYOS FOUND WITH FOSSILIZED SKIN
 (アメリカ自然史博物館)


鳥羽で竜脚類の歯発見3.11.99
 残念ながら直接の情報を見ていません。聞くところでは、3年前に発見された大腿骨と同一個体
 のものの可能性もある。ネメグトサウルスに似ているという話もあります。


ポルトガルで記載された新属の竜脚類12.24.98
 Lourinhasaurus n. gen. という竜脚類はこれまでApatosaurus alenquerensisと
 されていたそうですが、特に最初の7個の脊椎の研究により新属とされたそうで
 す。時代はキンメリッジアン上部からチトニアンのLourinha Formationです。
 DinosaurML
 新属紹介のページ(ポルトガル語と英語)
 

アルゼンチン・パタゴニア・ネウケンで大量の恐竜卵化石発見11.18.98
 CNNカスタムニュースによれば、当地で竜脚類の卵化石が大量に発見
 されたそうです。発見されたのは7,000万年前から9,000万年前のティタ
 ノサウルス類で、5種類の卵が識別され、中には皮膚も残る胎児化石も
 あるそうです。アメリカ自然史博物館のキアッペらの発見で、今週木曜の
 ネイチャーに掲載される予定です。また、ナショナルジオグラフィックマガジ
 ンの12月号
にも掲載される予定です。
 CNNニュース
 CNNカスタムニュース同AP同ロイター
 ヤフーニュースラインAP同ロイタープレパレーション作業の写真
 ABCニュース(発掘風景やプレパレーションのスライドショー付)
 MSNBCニュース
 CBSニュース
 BBCニュース
 Infoquest Foundation(詳細な報告と大きい写真があります!11.19追記)
 アメリカ自然史博物館のサイエンスニュース
 ネイチャー(登録が必要)