カナダ・サスカチュワン州から6600万年前の森林火災の証拠 6.09.14
  McGill大ニュース McGill大フェイスブック
  McGill大ほかの研究により、サスカチュワン州で初めてとなる、6600万年前の
 森林火災と火災から再生した化石証拠が記載されました。また、当時の気候は
 現在より温暖湿潤で、降水量は現在の6倍、気温は10~12℃だったそうです。
 Emily L. Bamforth, Christine L. Button1, Hans C.E. Larsson.(2014)
 Paleoclimate estimates and fire ecology immediately prior to the
 end-Cretaceous mass extinction in the Frenchman Formation (66 Ma),
 Saskatchewan, Canada
 Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology
 DOI: 10.1016/j.palaeo.2014.02.020 アブストラクト

クレーターはどこへ行った? 5.28.14
  GSA
  恐竜を絶滅させたといわれるチクシュラブクレーター(直径170km)より大きい、巨
 大クレーターは80あったと推定されますが、衝突の影響が今日まで残存するのは
 僅か4個です。また地質学者はもう3個のクレーターを発見しているそうです。月
 や火星に比べると極端に少ないといえます。従って、残存しているクレーターだけ
 から衝突を受けた地球史を解明することは、できません。
 MITのB.C. Johnson らによる研究によると、クレーターそのものより、衝撃により
 つくられた溶融噴出物の層を探すほうが、より実りがあるとしています。
 B.C. Johnson and T.J. Bowling.(2014)
 Where have all the craters gone? Earth's bombardment history and the
 expected terrestrial cratering record
 Geology  doi: 10.1130/G35754.1アブストラクト

南極半島、白亜紀末~古第三紀の気候変動 5.27.14
  南極半島先端のシーモア島の堆積物(浅海に堆積した花粉情報)から古気候の
 変動を研究しています。
 白亜紀末当時もシーモア島は南緯65度に位置し、南極半島は温帯雨林の気候
 だったそうです。また、涼しく雨量の多い気候は、K-Pgイベントの200万年前に、
 より温暖な気候に変化したとのこと。
 Vanessa C. Bowman, Jane E. Francis, Rosemary A. Askin, James B. Riding
 & Graeme T. Swindles (2014)
 Latest Cretaceous–earliest Paleogene vegetation and climate change at the
 high southern latitudes: palynological evidence from Seymour Island,
 Antarctic Peninsula.
 Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology 408: 26–47
 doi: http://dx.doi.org/10.1016/j.palaeo.2014.04.018

チクシュラブクレーター衝突後の気温低下を示す初の直接証拠 5.13.14
  ナショナルジオグラフィック(日)
  6600万年前、白亜紀末の大量絶滅の原因として筆頭に挙げられるのは、この
 衝突です。これまでも、衝突後、「核の冬」になぞらえて、巻き上げあられた粉塵
 などにより太陽光が遮られ、「衝突の冬」が起こったとする仮説が提示されてきま
 した。
 今回の研究では、テキサス州Brazos川地域の堆積物についてTEX86という古気
 温を示す手法を用いて、衝突後最初の1か月の海面温度を調べたところ、温度が
 7℃低下したことが確認されたそうです。
 Johan Vellekoop, Appy Sluijs, Jan Smitb, Stefan Schouten, Johan W. H. Weijers,
 Jaap S. Sinninghe Damste, and Henk Brinkhuis(2014)
 Rapid short-term cooling following the Chicxulub impact at the Cretaceous–
 Paleogene boundary
 Proceedings of the National Academy of Sciences
 doi: 10.1073/pnas.1319253111 アブストラクト

恐竜絶滅は酸性雨が原因か? 3.10.14
  NHK 中日新聞
  恐竜を絶滅させたといわれる巨大隕石衝突ですが、衝突そのものだけでなく、付随して
 起こった災害、たとえば全地球的な火事や衝突の冬、酸性雨についてもこれまで取り上
 げられています。
 千葉工業大学惑星探査研究センターの大野宗佑上席研究員らがレーザー装置により、
 衝突直後の様子を再現したところ、酸性雨の原因となる三酸化硫黄を大量に放出するこ
 とがわかりました。酸性雨は全地球に降り、恐竜や浮遊性有孔虫の絶滅につながったと
 しています。
 Ohno et al.,(2014)
 Production of sulphate-rich vapour during the Chicxulub impact and implications for
 ocean acidification
 Nature Geoscience doi:10.1038/ngeo2094 アブストラクト

ダークマターは恐竜を殺したか? 3.10.14
  ネイチャーニュース
  衝突クレーターができた年代を調べると、統計的に3500万年周期で有意に多くなるそ
 うです。以前は、太陽の伴星ネメシスが3500万年周期でオールトの雲を擾乱して彗星
 や隕石の雨を降らせるという説がありました。
 今回、ハーバード大のリサ・ランドールらは、太陽系が銀河を公転する際に銀画面に対し
 波打つように動き、3500万年周期で銀画面にある薄いダークマターの円盤層に突入し、
 ダークマターの重力によりオールトの雲が擾乱されるという説を打ち出しています。これに
 疑問をもつ研究者や、そもそも3500万年周期など無いという研究者もいるので、今後も
 議論が続きそうです。
 Lisa Randall and Matthew Reece(2014)
 Dark Matter as a Trigger for Periodic Comet Impacts
 Physical Review Letters アブストラクト(論文ダウンロードできます)

地球最古の地殻、44億年前と断定 2.26.14
  ナショナルジオグラフィック(日) AFPBB ウィスコンシン大マディソン校
  冷えた地球がその時代からなら、生命の起源もさらにさかのぼるのでしょうか。
 
 Hadean age for a post-magma-ocean zircon confirmed by atom-probe tomography
 John W. Valley, Aaron J. Cavosie, Takayuki Ushikubo, David A. Reinhard, Daniel F.
 Lawrence, David J. Larson, Peter H. Clifton, Thomas F. Kelly, Simon A. Wilde,
 Desmond E. Moser & Michael J. Spicuzza.(2014)
 Nature Geoscience (2014) doi:10.1038/ngeo2075 アブストラクト

マグマ水蒸気爆発の火砕流が熱河生物群の良好な化石保全に関わった 2.05.14
  アメリカ自然史博物館 AFPBB
  遼寧省の義県層や九仏堂層などから産出する化石は、なぜ良好に保存されている
 のか、その理由を探った研究です。
 それによると、マグマ水蒸気爆発による火砕流が恐竜・鳥類ほか多くの生物を湖沼
 まで運び、水中に密封して素早く葬ったためということです。
 Baoyu Jiang, George E. Harlow, Kenneth Wohletz, Zhonghe Zhou & Jin Meng(2014)
 New evidence suggests pyroclastic flows are responsible for the remarkable
 preservation of the Jehol biota
 Nature Communications 5, Article number: 3151 doi:10.1038/ncomms4151
 アブストラクト

恐竜終焉の地をマッピングする 12.10.13
  モントレー湾水族館研究所
  恐竜絶滅の原因といえば、異論はあるものの、ユカタン半島に落ちた小天体に
 よるものと言われています。その痕跡であるクレーターは地中深く埋まっていて、
 直接調べることは困難です。
 モントレー湾水族館研究所の Charlie Paull ら、国際チームにより、メキシコ湾内の
 Campeche Escarpment という海中の大規模な崖の約100㎞にわたり詳細なマップ
 を作成する作業が進んでいるそうです。崖の斜面には、インパクトの堆積物を含め
 数百万年にわたって起こったイベントの記録が順次露出しています。詳細なマップ
 が出来上がれば、それを元にした研究に発展するものということです。
 参考:SOI Symposium Charlie Paull の講演(動画)

恐竜は成長に複数ニッチ必要だったため絶滅 11.11.13
  Babbage(経済誌エコノミストの科学ブログ)
  SVP総会での発表を伝えています。モンタナ州立大の博士課程生、Denver Fowler
 らの発表です。
 まず、近年ドラコレックス、スティギモロク、パキケファロサウルスが同一種の幼体から
 成体に至る過程だったことを説きおこし、次に恐竜は、この成長過程で異なる生態環
 境を必要とし、異なるニッチを占めていたとしています。白亜紀末の大量絶滅時に、こ
 の複数の生態環境が失われたため、より絶滅しやすくなったということです。一方、哺
 乳類は子どもを授乳により育てるため、単一の生態環境で生き延びることができ、そ
 れが両者の生存率の差になったということです。

2億1500万年前の地層から巨大隕石衝突の証拠 9.19.13
  参考:鹿児島大(2012.11) 朝日新聞 岐阜新聞
  上記リンクにもあるように、岐阜県坂祝町の地層から、地球上では稀にしか存在しない白
 金族元素オスミウムが高濃度に存在したことは、既に論文発表されています。しかし、その
 起源が隕石なのか、深海中で濃縮されたのかについては不明なままでした。
 今回の発表は、その点をつめたもので、補完的に坂祝から600㎞離れ、当時外洋深海底だっ
 た、大分県の地層のデータを調べ、その起源を明らかにしたものです。深海中の濃縮ではな
 く、隕石起源であることが明らかになりました。またその隕石は直径3.3~7.8㎞という巨大な
 ものであったことがわかりました。
 その時代の巨大隕石クレーターとしては、カナダのマニクアガン・クレーターが知られています。
 Honami Sato, Tetsuji Onoue, Tatsuo Nozaki & Katsuhiko Suzuki.(2013)
 Osmium isotope evidence for a large Late Triassic impact event
 Nature Communications 4, Article number: 2455 doi:10.1038/ncomms3455 論文

恐竜絶滅期、淡水種の多くは生き延びた 7.25.13
  ナショナルジオグラフィック(日)
  海洋環境では生物種の約50%が絶滅したのに対し、淡水環境では10~20%に過ぎないそう
 です。環境が悪い時期に休眠したり卵で過ごし、やり過ごしたとのことです。
 Douglas S. Robertson, William M. Lewis, Peter M. Sheehan, Owen B. Toon.(2013)
 K-Pg extinction patterns in marine and freshwater environments: The impact winter model
 Journal of Geophysical Research: BiogeosciencesDOI: 10.1002/jgrg.20086
 アブストラクト(論文フリー)

三畳紀末の大量絶滅は、大規模噴火活動によるもの 3.22.13
  コロムビア大 MIT
  その後の恐竜の発展に道を開いた、三畳紀末の大量絶滅の原因は、これまでの研究
 でも、大規模な噴火活動によるものと示唆されています。一方、その活動と絶滅の時期
 とは1~3百万年ずれているとする研究もあり、議論が続いていました。
 今回の研究では、約2億年前に始まったとされる、その大規模噴火活動(中央大西洋マ
 グマ地域CAMP)で噴出した溶岩中のジルコン中に含まれるからウラン同位体から、その
 年代を調べています。
 調査地は、現在のノヴァスコシア、モロッコ、ニューヨーク郊外です。
 その結果、溶岩噴出の時期と、三畳紀末の時期とは数千年の誤差しかないことがわかり
 ました。噴出活動は約60万年間、4回にわたり起こったそうです。また、噴出層の下から
 E23rという地磁気反転があり、これも年代の特定に役立っているそうです。
 Terrence J. Blackburn, Paul E. Olsen, Samuel A. Bowring, Noah M. McLean,
 Dennis V. Kent, John Puffer, Greg McHone, E. Troy Rasbury, Mohammed Et-Touhami
 (2013)
 Zircon U-Pb Geochronology Links the End-Triassic Extinction with the Central Atlantic
 Magmatic Province
 Science Express DOI: 10.1126/science.1234204 アブストラクト

ロシアの隕石はアポロ群から 2.27.13
  ニューサイエンティスト アンティオキア大 アンティオキア大
  隕石落下を撮影した各地のビデオ映像から軌道を復元した結果、隕石はアポロ群小惑星
 であることがわかったそうです。

ロシアの隕石ニュース 2.16.13
  もうさんざんメディアで見ているでしょうが、一応リンクを。
  NASAの発表によると、直径約17m、重さ約10,000tの隕石だったそうです。15m程度では、観
 測にひっかからないのですね。小惑星の接近もありましたし、杞憂とはいえなくなりましたね。
 NHK グーグル隕石ニュース検索

恐竜絶滅、火山と隕石の複合原因? 2.16.13
  ナショナルジオグラフィック(日)
  チクシュルーブ・クレーターを形成した隕石衝突はとどめの一発で、インドのデカントラップを
 形成した火山活動が恐竜の衰退をもたらしたという説を紹介しています。
 しかし、紹介した論文のアブストラクトを見る限り、衝突インパクトと恐竜絶滅の時期は極めて
 一致しているというのが趣旨のようです。わずか3万3000年以内だそうです。
 Paul R. Renne, Alan L. Deino, Frederik J. Hilgen, Klaudia F. Kuiper, Darren F. Mark, William
 S. Mitchell III, Leah E. Morgan, Roland Mundil, and Jan Smit (2013)
 Time Scales of Critical Events Around the Cretaceous-Paleogene Boundary
 Science 8 February 2013:pp.684-687 DOI: 10.1126/science.1230492
 アブストラクト サイエンス2月8日号ハイライト

恐竜を一掃した小惑星は双子だった 2.03.13
  ニューサイエンティスト
  二重小惑星衝突クレーターの形態と数を扱った論文を紹介しています。観察できる地球近傍小
 惑星のうち15%が二重小惑星ですが、二重クレーターは地球ではクレーターのうち2~4%、火星で
 2~3%だそうです。論文では二重クレーターの形態を分類しています。ユカタン半島のチクシュ
 ルーブ・クレーターもいくつかの重要なな非対称性を示し、二重クレーターであるということです。
 Katarina Miljkovi, Gareth S. Collins, Sahil Mannick, Philip A. Bland (2013)
 Morphology and population of binary asteroid impact craters
 Earth and Planetary Science Letters Volume 363, 1 February 2013, Pages 121-132
 アブストラクト

白亜紀末って6600万年前に 12.28.12
  ひょんなことからICSの国際地質年代表を見たら、今年7月にバージョンが新しくなっていて、
 白亜紀末が65.5maから66.0maにかわっているのがわかりました。また50万年かわったのですね。
 International Chronostratigraphic Chart

恐竜を絶滅させた小惑星は、"オバマドン"も一掃した。 12.11.12
  イェール大
  恐竜を絶滅させた小惑星衝突は、恐竜だけに影響があったわけではなく、ヘビやトカゲなど他の爬
 虫類や哺乳類、鳥類などにも著しい影響を及ぼしています。しかし、ヘビやトカゲに対する影響は、こ
 れまで考えられてきたより、かなり深刻なものだったことが明らかになりました。かれらの83%が絶滅
 に追いやられ、体重1ポンド以上の種は生き残らなかったそうです。
 研究によると、ニューメキシコからカナダ・アルバータに至る北米には白亜紀末に21種の既知のヘビ、
 トカゲの種と新たに記載された9種が生息していました。当時広範囲に生息していたトカゲの分類群
 Polyglyphanodontia は、当時のトカゲ類の40%を占め、その中には今回記載されたObamadon gracilis
 もいたわけです。これは体長30㎝以下でおそらく昆虫食だったそうです。
 Nicholas R. Longrich, Bhart-Anjan S. Bhullar, and Jacques A. Gauthier
 Mass extinction of lizards and snakes at the Cretaceous?Paleogene boundary
 PNAS doi: 10.1073/pnas.1211526110 アブストラクト

グランドキャニオンの形成時期はずっと古かった 11.30.12
  47ニュース サイエンスナウ
  米、グランドキャニオンの形成時期は、これまで約4,000万年前からコロラド川による浸食が
 始まったと考えられてきました。今回発表された論文では、放射性同位元素の分析から、浸
 食は、7,000万年前に始まった可能性があるととしています。

三畳紀末絶滅、2億1千5百万年前の隕石衝突証拠日本から論文記載 11.06.12
  鹿児島大学 NHK 時事
  三畳紀末の絶滅イベントは何によるものか、これも議論されているものです。鹿児島大の尾上哲
 治
助教らのグループは、岐阜県坂祝町の木曽川の河川敷にある同時期の海底に堆積した地層か
 ら、白亜紀末と同様なイリジウムなどの元素の微粒子を、通常の50から2000倍の濃度で発見した
 そうです。これは、カナダのマニクアガン・クレーターが衝突した際に世界的に堆積したものという
 ことです。
 Onoue, T., Sato, H., Nakamura, T., Noguchi, T., Hidaka, Y., Shirai, N., Ebihara, M., Osawa, T.,
 Hatsukawa, Y., Toh, Y., Koizumi, M., Harada, H., Orchard, M.J., Nedachi, M.,
 Deep-sea record of impact apparently unrelated to mass extinction in the Late Triassic.
 PNAS doi: 10.1073/pnas.1209486109 アブストラクト

白亜紀末の大量絶滅は2つの別個の要因で起こった 9.06.12
  ワシントン大 ニューサイエンティスト
  2つ目の方は、誰もが知っている、ユカタン半島のクレーターの元となった天体衝突です。
 これで決着がついたとしている研究者も多数います。
 それより20~30万年前に、現在のインド・デカン高原で大規模噴火が起こりました。最初期
 には、地球を冷却するエアロゾルを放出し、長期的には1度目の大量絶滅につながる、温暖
 化を促進する二酸化炭素等のガスを放出したとしています。
 1度目の絶滅では海底に生息していた生物に影響を与えたのに対し、2度目の衝突では、自
 由遊泳性生物を死に至らしめたということです。
 これらの証拠となる地層は、南極のSeymour 島López de Bertodano層にあり、詳細な磁気
 による経時測定により、古気温がわかりました。高温だった時期は、デカントラップの活動と
 同調していたそうです。
 Tobin, T. S., P. D. Ward, E. J. Steig, E. B. Olivero, I. A. Hilburn, R. N. Mitchell,
 M. R. Diamond, T. D. Raub, and J. L. Kirschvink, 2012
 Extinction patterns, I´18 O trends, and magnetostratigraphy from a southern high-latitude
 Cretaceousa€-Paleogene section: Links with Deccan volcanism.
 Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology. vol. 350a-352, pp. 180a-188.
 アブストラクト

白亜紀末の大量絶滅は複数回の絶滅イベントによる 8.10,12
  ニューサイエンティスト
  恐竜の絶滅をもたらした白亜紀末の大量絶滅を引き起こした原因は、ユカタン半島に衝突した
 小天体によるものただ1回。と、多くの研究者が署名した論文が2010年に出ています。参考
 これらの研究者と対立する、複数回絶滅イベント説を提唱しているのが、プリンストン大の
 Gerta Keller。ニューサイエンティストでは、Kellerともう一人ワシントン大のThomas Tobin の研
 究を紹介しています。
 Tobinの研究は、南極半島にあるSeymour 島のK-Pg境界の地層を調べてみると、さらにその
 下層40m、年代にして15万年前にも絶滅イベントがあったことが明らかになった。これは、インド
 のデカン高原を形成した大量噴火活動とリンクしている。少なくとも高緯度地方では、絶滅イベン
 トは複数回あったとしています。
 Kellerの研究では、インド、のデカントラップ活動による微化石の影響を調べたものです。これに
 よると、深くボーリングして活動の跡を調べると、大量噴出活動は4回あったことが明らかになり
 ました。最初の大量噴出により浮遊性有孔虫の種の50%が絶滅し、その年代はK-Pg境界より
 かなり以前です。またデカントラップ活動の環境への影響は世界的なものだったとしています。

 Thomas S. Tobin, Peter D. Ward, Eric J. Steig, Eduardo B. Olivero, Isaac A. Hilburn,
 Ross N. Mitchell, Matthew R. Diamond, Timothy D. Raub, Joseph L. Kirschvink (2012)
 Extinction patterns, δ18 O trends, and magnetostratigraphy from a southern high-latitude
 Cretaceous–Paleogene section: Links with Deccan volcanism
 Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology
  Volumes 350-352, 15 September 2012, Pages 180-188 アブストラクト 論文

 G. Keller, T. Adatte, P.K Bhowmick, H. Upadhyay, A. Dave, A.N. Reddy, B.C. Jaiprakash(2012)
 Nature and timing of extinctions in Cretaceous-Tertiary planktic foraminifera preserved in
 Deccan intertrappean sediments of the Krishna?Godavari Basin, India
 Earth and Planetary Science Letters Volumes 341-344, August 2012, Pages 211-221
 アブストラクト 論文

恐竜は大量絶滅前に衰退していったか? 5.03.12
  時事 アメリカ自然史博物館(プレスリリース ニュース)
  白亜紀末の大量絶滅前に、既に恐竜は衰退の過程にあったのかどうか、議論はかなり以前からあ
 りました。今回、ネイチャーコミュニケーションズに掲載された論文では、北米に限った話ですが、角竜
 類とハドロサウルス類は絶滅前1200万年間、衰退過程にあったとしています。
 Stephen L. Brusatte, Richard J. Butler, Albert Prieto-Márquez, Mark A. Norell(2012)
 Dinosaur morphological diversity and the end-Cretaceous extinction
 Nat. Commun. 3 : 804doi:10.1038/ncomms1815 (2012)

白亜紀の野火ははるかに広がっていた 3.30.12
  ユーレカアラート Holloway大
  恐竜は、しばしば森林や草原の火災に直面していたのかもしれません。化石記録に残る炭堆積物を
 調査してわかったことです。

羽毛恐竜は始祖鳥より古いことが明確に 2.03.12
  羽毛恐竜や、翼竜 Darwinopterus の性成熟個体とその卵が共にが産出している、Daohugou
 (道虎溝)生物群は、熱河生物群より古い年代とされていますが、その確実な年代は、これまで
 わかっていませんでした。中期ジュラ紀から前期白亜紀という幅があったのです。
 今回、SHRIMP U-Pbジルコン年代法により、化石産出層の年代が明らかになりました。これに
 より、中国に初めて羽毛恐竜が出現した年代は1億61百万年より前であり、Archaeopteryx
 り紛れもなく古いことがわかりました。さらに、鳥盤類恐竜に初めて羽毛が現れたのは、前期白
 亜紀の後期よりは1億59百万年以前であり、移行的形態の翼竜が出現したのは1億61百万年
 以前であるとしています。
 Yong-Qing Liu, Hong-Wei Kuang, Xiao-Jun Jiang, Nan Peng, Huan Xu & Hui-Yi Sun (2012)
 Timing of the earliest known feathered dinosaurs and transitional pterosaurs
 older than the Jehol Biota.
 Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (advance online publication)
 http://dx.doi.org/10.1016/j.palaeo.2012.01.017  アブストラクト

ペルム紀末の大量絶滅は、何千世紀にわたる火山活動から 2.04.12
  シンシナティ大ニュース
  全生物の90%が絶滅したとも言われるペルム紀末の大量絶滅。これまでの研究ではその
 調査対象は、西シベリアの溶岩噴出活動により噴出したものが堆積した当時のテチス海の
 一部だった南中国の海洋堆積物を対象にしており、そこから得られた結果は、絶滅は突然
 起こったというものでした。
 シンシナティ大のThomas J. Algeoらのチームは、ペルム紀末当時、南中国よりもシベリアに
 近かった、カナダ極圏のEllesmere島にあるペルム紀-三畳紀境界を含む当時の地層を調べ
 ました。岩石の化学組成の変化、含まれる化石の変化などです。
 その結果、珪質海綿が海洋生物の大量絶滅がテチス海域で記録される10万年前に起こった
 ことが明らかになりました。研究によると、これはシベリアの活動の初期にあたり、熱帯地域
 だったテチス海域に影響が及ぶのは、シベリアの活動が最盛期になってからだったというこ
 とです。
 論文は2月3日付のGeological Society of America Bulletinに掲載sれるそうです。
 Thomas Algeo, Charles M. Henderson, Brooks Ellwood, Harry Rowe, Erika Elswick, Steven
 Bates, Timothy Lyons, James C. Hower, Christina Smith, Barry Maynard, Lindsay E. Hays,
 Roger E. Summons, James Fulton, and Katherine H. Freeman(2012)
 Evidence for a diachronous Late Permian marine crisis from the Canadian Arctic region
 Geological Society of America Bulletin, first published on February 6, 2012,
 doi:10.1130/B30505.1 アブストラクト

大量絶滅の原因候補:ショート・ハードガンマ線バースト 10.11.11
  テスト版にアップしました。

鳥類も恐竜同様白亜紀末に大量絶滅 9.25.11

恐竜を絶滅させた天体はバティスティーナ族ではなかった 9.24.11
  テスト版にアップしました。

白亜紀末より71万年後の年代を示す恐竜化石 1.31.11
  朝日新聞 アルバータ大ニュース
  恐竜は白亜紀末に全て絶滅したのか、生存し続けたという報告はこれまでもありました。
 しかし、K-T境界より上の地層で発見された化石について、古い時代の化石が再堆積され
 たものとする見方が優勢でした。また、化石が含まれる地層そのものや、その上下に火山
 灰を含んだ地層があると、アルゴン・アルゴン法などの放射性年代測定により地層年代は
 判明しますが、化石そのものの年代と一致するかどうか、また近くにそのような地層がない
 場合やアンモナイトなどの示準化石が産出しない場合など、おおまかな相対年代しかわか
 らない場合もあります。
 米地質調査所のJames E. Fassett、カナダ、アルバータ大の Larry M. Heaman らは、ニュー
 メキシコ州北西からコロラド州南西に広がるサン・フアン盆地の地層から産出した2つの恐
 竜化石を用いて、ウラン・鉛法により、直接年代測定を行いました。その結果、K-T境界より
 下の地層から産出した化石は73.6 ± 0.9百万年を示し、すぐ近くの火山灰層もアルゴン・ア
 ルゴン法で73.04 ± 0.25 百万年を示しました。一方、K-T境界の上の地層から産出した化
 石は64.8 ± 0.9百万年を示し、境界より70万年新しいことがわかりました。この化石は、竜
 脚類アラモサウルスの大腿骨です。少なくとも、ある種の竜脚類は大量絶滅を生き延びた
 のでしょう。
 James E. Fassett, Larry M. Heaman and Antonio Simonetti
 Direct U-Pb dating of Cretaceous and Paleocene dinosaur bones, San Juan Basin,
 New Mexico
 Geology, February 2011, v. 39, p. 159-162, first published on January 5, 2011, doi:10.1130/G31466.1

3億年前の温暖化による森林崩壊が爬虫類の進化を加速した 11.30.10
  ポーツマス大ニュース デイリーメール
  ブリストル大のSarda Sahneyらの研究によると、3億年前のユーラメリカで温暖化に
 より乾燥化が進み、石炭紀の森林が急速に崩壊・分断したそうです。その事が、当時
 の爬虫類が分断された環境の中で多様に進化する引き金となり、さらに1億年後に恐
 竜の登場をもたらしたとしています。
 Sarda Sahney, Michael J. Benton and Howard J. Falcon-Lang
 Rainforest collapse triggered Carboniferous tetrapod diversification in Euramerica
 Geology, published online on 12 November 2010 doi:10.1130/G31182.1
 論文はSarda Sahneyの  Publicationsからダウンロードできます。

日本最古の鉱物の示す真実 --- 日本列島が出来た場所とは?9.02.10
  国立科学博物館ホットニュース
  日本最古、37億5千万年前のジルコン砂粒発見について解説しています。

茨城にカンブリア紀の地層…日本最古、5億年前 8.20.10
  読売新聞
  常陸太田市長谷町の西堂平層が日本最古となる約5億1100万年前のカン
 ブリア紀のものであることが、日立市郷土博物館特別専門員で茨城大名誉
 教授の田切(たぎり)美智雄さんの研究チームの調査でわかったそうです。
 9月18日から富山大で開かれる日本地質学会で発表されるとのこと。

1万年前の寒冷期、隕石原因説は誤り? 6.23.10
  ナショナルジオグラフィック(日)
  約12,900年前に巨大隕石が北米に衝突し、これが原因となって約1,000年間寒冷
 化が進み、マンモスなど大型動物が絶滅したという説があります。
 このことについては、議論が続いているようで、ヤンガードリアス期の地層に多く見ら
 れる微小な炭素の球状体は衝突により有機物が燃えてできたという説に対し、固く
 球状になった菌類や昆虫の糞だという説もあるそうです。
 衝突によってできたと思われるナノダイヤモンドの存在については、今年1月のサイ
 エンス
に論文掲載されました。

白亜紀末大量絶滅の原因は複数か 5.21.10
  3月15日付のサイエンスで12か国のチームが、チチュルブ・クレーターを作った大隕石が
 絶滅の原因と結論づけました。ニュース
 これに対し、異を唱える研究者たちが5月21日付のサイエンスでlettersの形で、複数の原
 因があるのではないかとか、デカン高原などの噴火活動による仮説などを投稿しています。
 3月15日付論文側の研究者たちも再反論を投稿しています。
 まだこの問題に決着がつくのは先なのかもしれません。

白亜紀末のインパクトによる絶滅は、オゾン耐性 3.15.10
  恐竜は滅びたのに、なぜ鳥は生き残ったのか?この問いに解答が出るのかもしれ
 ません。
  K-Tインパクトのあと、なぜ生物が選択的に絶滅したか、シミュレーションでは、イン
 パクト後の光化学反応により、地表部に1.0 ppm以下のオゾンを生じたが、生物により
 オゾン耐性が異なるため、生き残るものもいれば、絶滅したものもいるとしています。

 半水生の両生類は高率で生き残り、半水生の爬虫類、ほ乳類および鳥類は、中程度
 の率で生き残るが、有袋類および陸生は虫類は低率、そして恐竜が生き残る率は恐
 らくゼロだったのだろうとしています。

 Ryunosuke Kikuchi(菊池隆之助) and Maarten Vanneste(2010)
 A theoretical exercise in the modeling of ground-level ozone resulting from the
 K-T asteroid impact: Its possible link with the extinction selectivity of terrestrial
 vertebrates
 Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology Volume 288, Issues 1-4, Pages 14-23
 doi:10.1016/j.palaeo.2010.01.027 アブストラクト

コンゴ民主共和国に大型クレーター 3.11.10
  BBC 発表文
  イタリアパドヴァ大のGiovanni Monegatoらが41st Lunar and Planetary Science
 Conference (2010)で発表しました。
 クレーターは、アフリカ・コンゴ民主共和国のKasai州、南緯3度37分50秒、東経24度
 31分00秒にあります。衛星写真で確認されました。Unia川により輪郭づけられてい
 ます。輪の内側は洪水による氾濫水面より50~60m上にあります。
 衝突によるクレーターとすると、径2kmの隕石が衝突したことになり、年代はジュラ紀
 より後ではないかということです。さらに研究が期待されます。
 
恐竜は隕石で絶滅、12か国のチームが結論 3.05.10

恐竜絶滅の決定打はインドの隕石? 10.19.09
  ナショナルジオグラフィック(日)
  GSAプレスリリース GSAでの発表アブストラクト
  シバ・クレーターの話を聞くのは本当に久しぶりです。立ち消えになったのかと
 思ったら、チャタジー達、研究続けていたのですね。
 チチュラブクレーターの30万年後に直径40キロの別の隕石がインド西岸に衝突し
 たとしています。

古代、火山の噴火で森林が消滅した 10.07.09
  ナショナルジオグラフィック(日) PHYSORG
  ペルム紀末、 約2億5000万年前、火山の大噴火によって世界中の森林が消滅し、
 レドゥウィアスポロニテス(Reduviasporonites)と呼ばれる木食性の菌類で地球が覆
 われたことが最新の研究で明らかになりました。
 Mark A. Sephton, Henk Visscher, Cindy V. Looy, Alexander Verchovsky and
 Jonathan S. Watson
 Chemical constitution of a Permian-Triassic disaster species
 Geology, October 2009; v. 37; no. 10; p. 875-878; doi: 10.1130/G30096A.1

白亜紀末の激変の影響は、ヨーロッパではそれほどでも? 9.24.09
  MSNBC ディスカバリー
  白亜紀末、ユカタン半島にクレーターを作った激変により、大量絶滅が引き起こされた
 とされています。このうち、植物と昆虫については、これまで米西部内陸の化石記録に
 よると、激変により植物の60%が絶滅し、生態系の回復に1000万年かかっています。
 しかし、フランスのMenatで発掘された植物化石と昆虫のかじった痕跡によれば、完全に
 回復するのに400万年しかかからなかったそうです。
 このことから、チチュラブクレーターをつくった激変の影響は汎地球的というよりも地域的
 なもので、その影響はクレーターからの距離によるのではないかとしています。
 Torsten Wappler, Ellen D. Currano, Peter Wilf, Jes Rust and Conrad C. Labandeira 2009.
 insect-feeding damage on diverse middle Palaeocene plants, Menat, France
 Proceedings of the Royal Society B doi: 10.1098/rspb.2009.1255 アブストラクト

第四紀の境界、80万年遡る 9.23.09
  ユーレカアラート
  International Commission on Stratigraphy (ICS)の決定により、第四紀の地質
 年代が改定されました。これまで約180万年前からとされていましたが、80万年
 遡り、約258万年前からになりました。Gelasianが含められることになったようです。
 Philip L. Gibbard, Martin J. Head, Michael J. C. Walker, the Subcommission on Quaternary Stratigraphy
 Formal ratification of the Quaternary System/Period and the Pleistocene Series/
 Epoch with a base at 2.58 Ma (p n/a)
 Journal of Quaternary Science DOI: 10.1002/jqs.1338 アブストラクト
 参考:ICS国際地質年代表2009年版
     ウィキペディア

大量絶滅の原因はガンマ線バーストか 4.08.09
  ナショナルジオグラフィック(日)
  オルドビス紀に三葉虫などが大量絶滅した原因は、非常に質量が大きい星が崩壊
 した時に出るガンマ線バーストのためではないかという研究を紹介しています。

白亜紀末のインパクトでは世界的な火災は起きなかった 2.24.09
  ネイチャーニュース Royal Holloway University of London ニュース
  恐竜を絶滅させたとする白亜紀末のインパクトにより世界的な火災が起きたとする
 見解がこれまで優勢でした。Royal Holloway大のClaire Belcherらの研究によると、
 その仮説を支える証拠とされてきた、当時の堆積層に含まれる煤には、植物起源で
 である木炭質は含まれず、多環芳香性炭化水素と呼ばれる、地中のガスや石油に
 含まれるものが含まれていたそうです。
 彼らによると、衝撃によりユカタン半島地域の地中の石油などが燃えたことになりま
 す。世界規模の火災で恐竜が焼け死ぬことはなかったのでしょうか。
 Belcher, C. M., Finch, P., Collinson, M. E., Scott, A. C. & Grassineau, N. V.
 Proc. Natl Acad. Sci. USA [doi:10.1073/pnas.0813117106] (2009).

大量絶滅はワン・ツーパンチで 2.24.09
  MSNBC
  大量絶滅は宇宙からのインパクトだけでは引き起こされない、そこに、デカン高原を
 形成したような大規模な噴火活動が加わると引き起こされるとする研究が紹介されて
 います。インパクトを「パンチ」。百万年単位のような大規模な継続的溶岩噴出活動を
 「プレス」とし、Hobart and William Smith大のNan Crystal Arensらは、中生代から新生
 代の両者の活動と絶滅の割合%を調べています。その結果、この両者が共に起こっ
 た時、絶滅の割合がもっとも高くなるとしています。
 Nan Crystal Arens, Ian D. West 2008.
 Press-pulse: a general theory of mass extinction?
 Paleobiology Dec 2008 : Volume 34 Issue 4 456–471 doi: 10.1666/07034.1
 アブストラクト

恐竜絶滅の謎に新説=真菌の大発生が卵を汚染した 2.16.09
  レコードチャイナ 中国網
  中国地質大学のゴン(竜の下に共)一鳴教授らが、湖北省丹江口市にある白亜紀末、
 胡崗層(Hugang Formation)から採集した恐竜卵破片を調べたところ、その内部に大量
 の真菌化石が残されていたそうです。真菌の形状は針状、糸状、帯状などで、長さは
 5~18μm、基部の幅は0.3~0.5 μm。その成分などから、化石化する前に真菌が卵
 殻内に侵入したとしています。
 白亜紀末には恐竜卵の中に真菌が大量に侵入し孵化を妨げたため、大量絶滅の原因
 となった可能性があるとしています。
 報道では、これから論文発表と受け取れますが、2008年に公刊されています。
 GONG YiMing, XU Ran, HU Bi 2008.
 Endolithic fungi: A possible killer for the mass extinc-tion of Cretaceous dinosaurs
 Science in China Series D-Earth Sciences Vol. 51 (6): 801-807
  アブストラクト 論文ダウンロードできます。
 中国文 中国科学D:地球科学2008年 38卷 4期
  石内真菌:恐竜大絶滅的可能殺手 アブストラクト 論文ダウンロードできます。

生物大絶滅時の地層を岩泉で確認 東北大のチーム 2.08.09
  岩手日報
  古生代ペルム紀と中生代三畳紀の間、P/T境界の地層を、東北大大学院生高橋聡
 さん達のチームが発見しました。地球史上最大の生物絶滅の謎を探る基礎資料となり、
 これまで国内外で報告されていた遠洋域深海相のP/T境界層のなかではもっとも連
 続性の保存がよいもののひとつであるそうです。

 Satoshi Takahashi, Satoshi Yamakita, Noritoshi Suzuki, Kunio Kaiho, Masayuki Ehiro
 High organic carbon content and a decrease in radiolarians at the end of the Permian in a
 newly discovered continuous pelagic section: A coincidence?

 Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology 2009,271 Pages 1-12 論文

マンモス絶滅をもたらした気候急変も小天体衝突が原因か 1.03.09
  BBC タイムス オレゴン大ニュース
  約1万3千年前、北米でマンモスなどが絶滅した気候の急変は、彗星・小惑星など小
 天体が衝突したためとする研究がサイエンスに発表されました。この時、ヤンガードリ
 アス
(Younger Dryas) と呼ばれる亜氷期が始まったのですが、この境界層の堆積物か
 ら2種類の微小ダイヤモンド同素体が発見されました。これら微小ダイヤモンドは非常
 に高圧高温でないと生成されません。これらは既知の小天体の衝突境界層から発見
 されています。よってこの時にも衝突があり、気候の急変が起こった強力な証拠である
 としています。
 D. J. Kennett, J. P. Kennett, A. West, C. Mercer, S. S. Que Hee, L. Bement, T. E. Bunch, M. Sellers,
 and W. S. Wolbach

 Nanodiamonds in the Younger Dryas Boundary Sediment Layer
 Science Vol. 323. no. 5910, p. 94 DOI: 10.1126/science.1162819

 一方、MSNBCではマンモス絶滅はパーフェクトストームがもたらしたとする、ロシアの
 Sergey Zimov らの見解を伝えています。

地球温暖化が氷河期の到来を阻止? 11.13.08
  ナショナルジオグラフィック(日)
  今日のネイチャーに掲載された研究によると、過去300万年間は、気候状態が寒い
 氷期と暖かい間氷期という両極端の間を行ったり来たりするという、激しい変動の時
 代だったそうです。この状態は氷河期に気候が遷移するという形で安定するそうです。
 現代から1万から10万年後にはその可能性がありますが、温暖化がそれを妨げてい
 ます。大気中のCO2が過去1万年の間より低くなる場合のみ起こるそうです。
 Thomas J. Crowley & William T. Hyde
 Transient nature of late Pleistocene climate variability
 Nature 456, 226-230 (13 November 2008) | doi:10.1038/nature07365

 日立変成岩:日本最古…カンブリア紀の地層 茨城・日立 9.17.08
  毎日新聞
  茨城県日立市の地層を形成する日立変成岩がの年代が約5億年前だったことが
 田切美智雄・茨城大教授(地球科学)の研究チームの分析でわかったそうです。
 日本地質学会第115年学術大会で口演されます(9月22日午後)。

大地震:富士山級「海山」が震源 8.29.08
  毎日新聞
  茨城県沖の海底下に富士山級の海山が沈み込み、大地震を起こしているという
 研究が出ています。
 Kimihiro Mochizuki, Tomoaki Yamada, Masanao Shinohara, Yoshiko Yamanaka, and Toshihiko Kanazawa
 Weak Interplate Coupling by Seamounts and Repeating M ~ 7 Earthquakes
 Science 29 August 2008: 1194-1197. DOI: 10.1126/science.1160250
 アブストラクト

「第四紀」80万年早く開始、活断層の定義や地質図に影響 8.06.08
  読売新聞
  今日からオスロで開催された万国地質会議で提案されるそうです。いろいろ問題があるの
 でしょうね。
  参考:第四紀に関するニュース

大規模な火山活動が引き金になった、白亜紀海洋無酸素事変2 7.17.08
  ネイチャー7月17日号
  Steven C. Turgeon & Robert A. Creaser
  Cretaceous oceanic anoxic event 2 triggered by a massive magmatic episode
  Nature 454, 323-326 doi:10.1038/nature07076

  深海中の酸素が極端に少なくなる海洋無酸素事変。過去10回ほど起きたそうです。
 そのうち、約9350万年前に起きた、白亜紀海洋無酸素事変2の原因について、この
 論文では大規模な海底火山活動によるとしています。
 離れた2つの場所で採取された、有機物に富んだ堆積物中の海水オスミウム同位体
 比を測定したところ、その97%が火山起源であること。また年代は海洋無酸素事変2
 と同時期または最大2万3千年前ということです。この差は、爆発から全地球の海洋が
 無酸素になるタイムラグとも考えられます。Caribbean–Colombian igneous province
 ような活動から引き起こされたと考えられるそうです。
 BBC アルバータ大ニュース ネイチャーニュース

2億5000万年前の「大絶滅」の主要仮説を否定、英研究報告 3.26.08
  AFPBB
 ペルム紀末の大量絶滅の原因として海の酸素量が減少、硫黄量が増加して海洋生物
 が絶滅したとする主流の仮説を否定する研究について。

プレート運動における下部マントルへのスラブ貫通段階を示す証拠 2.21.08
  ネイチャー2月21日号 pp.981 doi:10.1038/nature06691
  Saskia Goes, Fabio A. Capitanio & Gabriele Morra
  Evidence of lower-mantle slab penetration phases in plate motions
  地球の主要な沈み込み帯における新生代のプレート運動と、沈み込むプレートの密度のみ
  に駆動される上部マントルでの沈み込み段階の完全な動的モデルによって予測される動き
  を比較することで、下部マントルへのスラブの貫通を明らかにしているそうです。
  
バージェス頁岩の謎、解決 2.20.08
  Leicester大ニュース
  カンブリア爆発を今に伝える、カナダのバージェス頁岩。この特異な点は、普通には殆ど保存
 されない軟組織まできれいに保存していることです。1909年の化石発見以来、この謎は研究
 者達を悩ませてきました。
 ライセスター大のSarah Gabbott らがこの頁岩を1mm毎に分析した研究によると、大抵の頁岩
 では、泥が少しずつ堆積していくのに対し、濃い泥水が急斜面を下り、通常の腐敗が起こらな
 いような深さに埋めてしまったのだということです。
 S.E. Gabbott, J. Zalasiewicz & D. Collins
 Sedimentation of the Phyllopod Bed within the Cambrian Burgess Shale Formation of British Columbia
 Journal of the Geological Society; 2008; v. 165; issue.1; p. 307-318;
 DOI: 10.1144/0016-76492007-023

日本沈没ない?愛媛大でプレート落下説を否定する研究成果 2.14.08
  読売新聞 愛媛大学ニュース
  愛媛大の入舩教授らは、岩石の種類により地震波の伝わる速度に違いがあることに着目。
 マントル遷移層と同様の高圧内での伝わり方を調べました。その結果、マントル遷移層の上
 部から中部の領域は,上部マントルと同じかんらん岩からできていることが判明しました。
 しかし、下部領域は別の成分でできていることがわかり、最も近いのは沈み込んだプレートの
 主要物質であるハルツバージャイトの速度データということです。
 下部領域は過去に沈み込んだプレートの墓場になっていたようです。
 ネイチャー2月14日号
 T. Irifune, Y. Higo, T. Inoue, Y. Kono, H. Ohfuji & K. Funakoshi
 Sound velocities of majorite garnet and the composition of the mantle transition region
 Nature 451, 814-817 (14 February 2008) | doi:10.1038/nature06551

私達は新しい地質年代に生きているのか 1.30.08
  GSA Today WIKIPEDIA
  現在を新しい地質年代Anthropocene(人新世とでもいうのでしょうか?)とする見方があるそう
 です。人の活動により地球環境が変貌していますから。

2億年以前のクレーターがいまだに地下水を汚染 1.28.07
  ディスカバリーニュース
  カナダ・マニトバ州にあるSaint Martin湖は、2億2千万年±32百万年前に隕石の衝突により
 できたクレーターです。その周辺地域の井戸からは人間の健康に影響するほど高濃度のフッ
 素が含まれているそうです。これは、クレーターを形成した衝突の衝撃により、溶けた岩石や
 その上の赤色層にフッ素などが多く含まれ、衝撃により粒子サイズが小さくなったため、地下
 水にふれる表面積が増し、フッ素が高く含まれるようになったのだそうです。

 Matthew I. Leybourne, Jan M. Peter, Karen H. Johannesson, and Daniel R. Boyle
 The Lake St. Martin bolide has a big impact on groundwater fluoride concentrations
 Geology Volume 36, Issue 2 (February 2008)pp. 115–118  DOI: 10.1130/G24135A.1

Seismic Images Show Dinosaur-Killing Meteor Made Bigger Splash 1.24.08
  テキサス大オースティン校ニュース
  チチュラブクレーターを地震波で3次元イメージにしたものから、このクレーターは従来考え
 られたより深い海につくられ、6.5倍の水蒸気が大気中に放散されたということです。
 またこの場所の蒸発岩には硫化物を多く含むことから、水蒸気とこれが化合して硫酸塩エア
 ロゾルとなり、硫酸雨となって生物に多大の被害を与えたそうです。大量の水蒸気と硫酸塩
 エアロゾルの存在は、大量絶滅のシナリオを修正させるのかもしれません。
 論文ではチチュラブクレーターの非対称性は、衝突した物の軌道よりも衝突前のその地域の
 地殻構造によるとしているそうです。
 Sean P. S. Gulick他
 Importance of pre-impact crustal structure for the asymmetry of the Chicxulub impact crater
 Nature Geoscience Published online: 13 January 2008 | doi:10.1038/ngeo103
 アブストラクト

Mammoth tusks show up meteorite shower 12.14.07
  ネイチャーニュース
  マンモスの牙の片側にだけあいた微小な穴から、3万から3万4千年前の、いん石雨が明らかに

スノーボールより溶けかかった雪玉 12.06.07
  W. Richard Peltier, Yonggang Liu & John W. Crowley
   Snowball Earth prevention by dissolved organic carbon remineralization
  ネイチャー12月6日号 Nature 450, 813-818 doi:10.1038/nature06354

  地球がかつて全球凍結したというスノーボール仮説に水をさす研究が出ています。
 新原生代の炭素循環の明解なモデルと物理的な気候システムモデルを結合したもので
 す。表面気温が低下すると、大気中の酸素が海に取り込まれ、溶存有機炭素の大規模
 なプールが再び無機化する速度が増加することを示されています。
 その結果、大気中の二酸化炭素が増加し、温室効果によって地球の表面気温が大きく
 上昇し、全球凍結状態が妨げられるとしています。
 もし、そうなら、カンブリア爆発ってどのように起こったのでしょうね?

1908年ツングースカ爆発のクレーター発見 11.08.07
  ナショナルジオグラフィック
  1908年、シベリア西部のツングースカ河近くで起こった爆発は地上10kmの高さだったそうで
 す。木々がなぎ倒された写真は、どなたも見たことがあるでしょう。しかし、クレーターはこれま
 で発見されていませんでした。
 イタリアの Gasperiniら研究チームが爆発中心地から約8km北にあるCheko湖の底を音響画像
 で調査したところ、この湖がクレーターであることがわかったそうです。しかし通常のクレーター
 のような円形ではなく、深くも無く、長さ500m、深さ50mという形だそうです。またクレーター周囲
 の堆積物の丘もありません。
 これは幅10mほどの破片が爆発を免れて秒速1kmほどの遅い速度で飛来し、表面の湿地にソ
 フトクラッシュし、下の永久凍土層を溶かしたことを示唆するのだそうです。
 この湖の成立年代については、ロシアの研究者はツングースカ以前だとしているので、議論は
 続くのかもしれません。
 L. Gasperini, F. Alvisi, G. Biasini, E. Bonatti, G. Longo, M. Pipan, M. Ravaioli, R. Serra (2007)
  A possible impact crater for the 1908 Tunguska Event
 Terra Nova 19 (4), 245–251.  doi:10.1111/j.1365-3121.2007.00742.x
 論文ダウンロードできます。
 参考:Tunguska event

Nature Digest 11.08.07
  07年11月号 恐竜を絶滅させた小惑星の玉突き
  Solar System: Lethal billiards Philippe Claeys & Steven Goderis doi:10.1038/ndigest.2007.071123
  Original source: Nature 30-31 (2007); doi:10.1038/449030a
  無料公開記事になっています。登録をするとPDFファイルで記事を読むことができます。

ガスが大量絶滅を引き起こしたかも 11.02.07
  ネイチャーニュース
  Gerta Kellerらの国際チームによる、インドのデカントラップの研究を報じています。彼女らは、
 白亜紀末の大量絶滅は、チチュラブクレーターを作り出したインパクトによるものでないとする
 研究を進めています。これまでに、チチュラブクレーターの成立年代がK/T境界より30万年早
 かったと報告したりしています。
 デカントラップについては、50-100ギガトンの硫酸と二酸化炭素を生じ、それは衝突によるもの
 より10倍も多いとしています。
 今回GSAのリポートではベンガル湾のRajahmundryという地域でデカントラップ溶岩の上の堆積
 層から有孔虫化石を調べています。すると、ガス放出後は非常に温かく湿潤になったことが判っ
 たそうです。

素早く移動したインド 10.18.07
  ネイチャー 10月18日号 p894 doi:10.1038/nature06214
  The rapid drift of the Indian tectonic plate
  Prakash Kumar, Xiaohui Yuan, M. Ravi Kumar, Rainer Kind, Xueqing Li & R. K. Chadha

  古地磁気データによる計測から、ゴンドワナ大陸が分裂後、インドプレートは白亜紀後期
 には年に18~20cmという、非常な高速で移動したことがわかりました。アフリカやオースト
 ラリアでは2~4cmだったので、インドは最大10倍の速さで移動したことになります。
 これは、ゴンドワナ大陸を分裂させたプルームが、インドのリソスフェア下部を熔かして、移
 動しやすくしたためということです。
 各地のリソスフェアの厚さを見積もったところ、南アフリカ、南極、オーストラリアのリソスフェ
 アは180~300kmの厚さがありますが、インドは最も薄く、100km程度ということです。
 ニューサイエンティスト ニューサイエンティスト

周期的な大量絶滅に、天文学から一つの回答 8.04.07
  過去5億年以上にわたり、6200万年±300万年の周期で化石の多様性が大幅に減少し
 ている原因について、カンサス大のMikhail V. Medvedevらは、太陽系が銀河を周回する
 動きに求めています。銀河面に対し、ジェットコースターのように上下に波打つかたちで
 まわるため、宇宙線を一番受ける時期に生物多様性が減少するのだそうです。
 サイエンスナウ 
 Mikhail V. Medvedev and Adrian L. Melott 2007
 Do extragalactic cosmic rays induce cycles in fossil diversity?
 Astrophysical Journal 論文ダウンロードできます。

メタン:大量放出、温暖化と連動 証拠の化石層発見--横国大グループ 6.26.07
  毎日新聞
  約170万年前の急激な温暖化と連動して海底からメタンガスが大量に放出されたことを
 示す化石の証拠を横浜国大の間嶋隆一教授らのグループが横浜市内で発見しました。
 なお、10月には横浜国大サイエンスカフェで同教授の講演があるようです。

地中海の深海底に巨大な塩水湖 死海より濃い塩分濃度 4.12.07
  朝日新聞 読売新聞
  クレタ島の南西100km沖の深海に塩分濃度32.8%の塩水湖があるそうです。
 東京大学海洋研究所らの研究。

小笠原の南1000キロ、海底地殻「大陸型」に変化 3.02.07
  読売新聞28日付
  海洋研究開発機構プレスリリース
  Crustal structure and evolution of the Mariana intra-oceanic island arc

ジルコンUPb SHRIMP年代測定法による義県層の年代 1.30.07
 Wei Yang, Shuguang La, and Baoyu Jiang
 New evidence for Cretaceous age of the feathered dinosaurs of Liaoning: zircon U-Pb SHRIMP
 dating of the Yixian Formation in Sihetun, northeast China
 Cretaceous Research Article in Press doi:10.1016/j.cretres.2006.05.011

 同測定法で四合屯の義県層の年代測定をしたところ、前期白亜紀124.7 ± 2.7 Maの年代が得ら
 れ、黄半吉溝の義県層では122.8 ± 1.6 Maの年代が得られたそうです。また、義県層は200万年
 ほどの短期間に堆積したことを示すそうです。

インド洋に溶岩大平原、長さ26キロ 東大など確認 1.11.07
  朝日新聞 毎日新聞 
  参考:玉木賢策

大西洋深海底掘削から、インパクトと恐竜絶滅は1度で全てという反証 11.30.06
  ミズーリ大コロンビア校ニュース
  国際深海掘削計画(ODP)Leg 207航海では、赤道大西洋ギアナ沖にある、Demerara Rise
 という海台を掘削したそうです。ここはチチュラブクレーターから約4,500km北西になります。
 ミズーリ大コロンビア校の研究者、Ken MacLeod 達がボーリングにより採取された堆積物を
 研究したところ、インパクトによる堆積と多くの海洋プランクトンの絶滅が同時期であることが
 わかりました。このことから、大量絶滅は1度のインパクトにより起こったとしています。

 現在、大量絶滅はインパクトより以前だったという研究報告が他の研究者達から出ています
 が、議論は続きそうですね。
 Impact and extinction in remarkably complete Cretaceous-Tertiary boundary sections from
 Demerara Rise, tropical western North Atlantic
 Kenneth G. MacLeod, Donna I. Whitney, Brian T. Huber, Christian Koeberl
 Geological Society of America Bulletin in press DOI: 10.1130/B25955.1 アブストラクト

 参考:Leg 207:Demerara Rise 報告

「地球の自然環境を考えよう」 10.24.06
  サンパウロ新聞
  サンパウロ総合大学名誉教授、グァルーリョス大学地球環境考察大学院教授 杉尾憲一郎氏が執筆。
  36 & 37では、隕石によるクレーター形成と、衝突クレーターの堆積層ボウリングに触れています。サン
  パウロも地下200mにクレーターが隠れているそうです。

Meteorite Had Help in Dinosaur Extinction 10.18.06
  SCISCOOP
  米地質学会総会から、プリンストン大のGerta Keller らの発表を紹介しています。
  チチュラブクレーターの成立年代が白亜紀と第三紀の境界より30万年古いことは、既に発表されていることです。
 今回の発表ではチチュラブクレーターから遠く離れたテキサス州の Brazos 川 やメキシコ北西部でも同様の結果が
 得られたことを報告しています。海洋微化石記録からはクレーター層の下にも上にも変化がなく、クレーターのイン
 パクトが影響を与えたとは見えないそうです。
 一方、インド・デカン高原の大規模火山活動により、チチュラブクレーター以前に海洋は既に3-4℃温かくなっており、
 さらに2万年間に7-8℃高くなり、その状態が10万年ほど続いて大量絶滅以前に元に戻ったそうです。
 その後、第二のインパクトが地球を襲い、大量絶滅に向かったといいます。それは、インドのシヴァクレーターかも
 しれないそうです。
 Gerta Kellerの発表

地中レーダーで1万年前の隕石発見 米カンザス州 10.17.06
  cnn.co.jp
  カンザス州西部ブレンハムの小麦畑の地中から、約1万年前の隕石(約70kg)が掘り
 出されたそうです。

哺乳類の絶滅は地球の長周期振動にリンク 10.12.06
  ニューサイエンティスト (知識がないので自分でもよくわかりませんが・・・)
  哺乳類の種の寿命は約250万年だそうです。その理由についてはよくわかっていませんでした。
 ところが、スペイン中部のげっ歯類の絶滅を約2200万年にわたりを調べてみたところ、絶滅のサイクルは
 100万年と250万年の2つの周期があることがわかりました。これはミランコビッチサイクルの低振動変調
 とリンクするそうで、絶滅は約237万年の離心周期の極小期と約120万年の赤道傾角サイクルのノードで
 これらの時期には氷床が拡大し、地球は寒冷化するそうです。
 ネイチャー10月12日号 Nature 443, 687-691(12 October 2006) | doi:10.1038/nature05163
 Long-period astronomical forcing of mammal turnover
 Jan A. van Dam他
 参考:The role of Milankovitch climate oscillations in evolution.
     氷期・間氷期サイクルの基礎
     ミランコビッチ・サイクル(ウィキペディア)

白亜紀末の大量絶滅後、食物網の回復には1-2百万年かかった 8.28.06
  サイエンス8月25日号: Vol. 313. no. 5790, pp. 1112 - 1115 DOI: 10.1126/science.1129569
  Decoupled Plant and Insect Diversity After the End-Cretaceous Extinction
  Peter Wilf, Conrad C. Labandeira, Kirk R. Johnson, Beth Ellis

  米西部内陸にある14箇所の白亜紀末、暁新世及び始新世前期のサイトから、昆虫により食害を
 受けた14,999の被子植物の葉を調査した研究です。殆どの暁新世植物相では植物の多様性も低
 く、昆虫の害も低いものでした。しかし、モンタナ南東部の6,440万年前の植物相では非常に高い
 害の多様性を示しています、一方デンバー盆地の6,380万年前では害の程度も多様性も低いもの
 となっています。このことから、白亜紀末から1-2百万年後に非常に不均衡な食物網が終焉したこ
 とを明らかにするとしています。
 ペンシルバニア州立大学ニュース 同写真

オーストラリアの大溶岩噴出跡はカンブリア紀前期の絶滅に 6.23.06
  ディスカバリーチャンネル
  The Kalkarindji continental flood basalt province: A new Cambrian large igneous province in Australia
  with possible links to faunal extinctions
  Linda M Glass and David Phillips
  doi: 10.1130/G22122.1 Geology: Vol. 34, No. 6, pp. 461–464.

  Kalkarindji Continental Flood Basalt Province という地域で、5億8百万年前から5億5百万年前にかけて
 大規模な噴出があったそうです。これが、カンブリア紀前期と中期の間の絶滅を引き起こしたことを示唆する
 としています。

5500万年前 北極の海面は23度「亜熱帯」 6.05.06
  朝日新聞6月1日付

南極にチチュラブクレーターの2倍以上の大きさのクレーター 6.02.06
  オハイオ州立大ニュース 写真
  約2億5千万年前、ペルム紀末の大絶滅に関係するかもしれません。300マイルということは、
 480kmの大きさ。NASAと共同で研究したそうです。南極東部Wilkes Landにあります。
 チチュラブクレーターを作った天体は径10kmと考えられるのに対し、こちらは50kmと考えられる
 そうです。
 The Times ヤフーニュース(AFP) ネイチャーニュース
 読売新聞

数百万年の長さの噴火が大量絶滅を引き起こしたか 5.04.06
  ナショナルジオグラフィックニュース
  ペルム期末の大量絶滅をシベリアトラップ活動から

太平洋・大西洋が繋がったのは4100万年前 4.21.06
  南米と南極間の地峡がなくなり、太平洋・大西洋が繋がったのは、4100万年前
 であることがわかったそうです。これまで考えられていたより数百万年早い時期
 ということです。これにより、南極の周囲を冷たい海流がまわるようになり、南極
 が冷えていったわけです。

 研究は、魚化石の歯に含まれるニオディミウムという稀元素同位体の測定により
 年代決定されたそうです。
 サイエンス 4月21日号掲載
 ライブサイエンス BBC フロリダ大ニュース

Scientists Debate Dinosaur Demise 3.31.06
  ライブサイエンス MSNBC
  先日紹介した、チチュラブクレーターはK-T境界より30万年前という趣旨です。
 参考:The Great Chicxulub Debate-チチュルブ衝突と白亜紀 / 第三紀境界の同時性をめぐる論争-

チチュラブクレーター年代はK-T境界より30万年前 3.28.06
  ディスカバリーニュース
  オランダ・ユトレヒト大のMarkus Harting によれば、メキシコ北東部、グアテマラ、ベリー
 ズ、テキサスおよびハイチからのガラス質小球の科学特性及び年代は全てK-T境界より
 30万年前だったそうです。
 4月3日から開催される、アメリカとアルゼンチンの両地質学会共同ミーティングで発表
 されるそうです。
 
<温室効果>1億年前の大西洋、熱めのお風呂なみ? 2.19.06
  ヤフーニュース(毎日)18日付

関東平野の地下に日本最大の断層 早大などが確認 2.5.06
  朝日新聞3日付
  中央構造線が関東地方の地下まで伸びていたそうです。
  産業技術総合研究所プレスリリース
  早稲田大学教育学部理学科地球科学専修プレスリリース
  参考:早稲田大学高木研究室

1億1千万年前、大津波の痕跡 三陸海岸で発見 2.2.06
  朝日新聞
  4日の古生物学会で発表されるそうです。

火山性ガスがペルム紀末の大量絶滅を引き起こした 12.07.05
  BBC
  Geologyに掲載された論文
  Catastrophic soil erosion during the end-Permian biotic crisis から紹介
 しています。イタリア北東部ドロミテ山中から採取された海成層堆積物から、陸
 上で作られた多糖体が見つかった。これはペルム紀末に土壌成分が急速に
 侵食されて海中に流入したためであり、その原因は火山性ガスにより陸上生態
 系が壊滅的な被害を受けたからということのようです。土壌の流入により海中に
 光が届かなくなり、また酸素を吸収され、海洋生態系も壊滅したとのこと。
 論文のアブストラクトではそこまで書いていないので、どこまで論文に書いてある
 のか不明ですが。

地球は初期から大陸が形成され生息可能に 11.20.05
  18日付のサイエンスオンライン版に掲載された論文によると、地球の大陸は、
 44億年前に形成されたということです。よく想像図にある溶岩の海に覆われた
 地球はどうやら誤りだったようです。年代はウェスタンオーストラリアのJack Hills
 というところから産出したジルコンの測定により得られたようです。
 Heterogeneous Hadean Hafnium: Evidence of Continental Crust at 4.4 to 4.5 Ga
 T. M. Harrison, J. Blichert-Toft, W. Müller,4 F. Albarede3 P. Holden, S. J. Mojzsis

 MSNBC ライブサイエンス 
 オーストラリア国立大ニュース コロラド大ニュース

山城火山灰層は「京都で最古級」 青少年科学センター・池田氏が見解
  10.03.05 少なくとも約220万年前とのこと。
  京都新聞 9.29付

ペルム紀末の大量絶滅は温度上昇、コンピュータシミュレーションから 8.29.05

チチュラブクレーターが絶滅の原因説にまた衝撃 5.25.05

マーストリヒト期後期のマントルプルームによる火山活動:
 衝突と大量絶滅との関係
 11.06.04

ロシアのペルム紀-三畳紀境界に起こった脊椎動物の生態系再編
  11.05.04

第四紀がなくなる 10.28.04

K-Tインパクト後の冷却化 6.30.05
  Geology誌掲載論文は、Matthew Huberのホームページからダウンロード
 できます。
  Records of post Cretaceous-Tertiary boundary millennial-scale cooling from the western Tethys:
  A smoking gun for the impact-winter hypothesis?
 PDFファイルです

 ニュース記事 ヤフーニュース(ロイター) ヤフーニュース(ロイター英文)

Bedout:オーストラリア北西部沖合いにある、ペルム紀末のインパクトクレータ
 でありうるもの 5.17.04


世界的な気温の変化が恐竜の絶滅をもたらしたか 4.22.04
  ワニ、カメ、など多くの爬虫類は孵化時の温度により、その性が決まります。
 Leed大のDavid Millerらが生殖医学誌Fertility and Sterilityに発表した論文では、6千5百
 万年前の世界的な温度変化により、生まれてくる恐竜の性がオスばかりになり、繁殖で
 きずに絶滅したのでないかとしています。
 ではワニやカメはなぜ生き残れたかという問いに対しては、その卵が海岸や川岸(の地中)
 に産み付けられるため、温度変化から比較的守られたのだろうということです。
 MSNBC 
 Environmental versus genetic sex determination: a possible factor in dinosaur extinction?
 David Miller, Jonathan Summers and Sherman Silber
 Fertility and Sterility Vol.81, Issue 4, pp. 954-964 (April 2004)

チチュラブクレーターはKT境界より30万年古い 3.03.04
  ヤフーニュース 読売 BBC
  PNAS

白亜紀後期には氷床により大規模な海面変化が起こった2.29.04

K-T境界で恐竜は焼かれなかった 12.03.03
  ネイチャーサイエンスアップデート BBC
  Geology

直径8キロ、香川に隕石クレーター 列島形成に影響か11.25.03
  朝日新聞11月22日付
  高松市の地下に眠るクレーターから、1,530万年前に直径1kmの隕
 石がぶつかったらしいことが判明。11月21日から25日まで山口市で開
 催された日本・東南アジア・環太平洋のインパクトイベントの国際シンポ
 ジウム(IEJSAP’03) で発表されました。
 参考:山口大学理学部地球科学講座
     三浦保範助教授

 1770年の日本の津波は北米の大地震による 11.25.03
  ネイチャーサイエンスアップデート
  サイエンスデイリー

ペルム紀末の大量絶滅の原因は隕石などの衝突による11.21.03
  11月21日付サイエンスで論文が出ているようです。
  ロチェスター大のAsish Basuらの研究。
 南極のGraphite Peak という地域から採取したP/T境界層の岩石により
 年代を調べ、さらに加え中国のメイシャン、日本からの資料に隕石破片や
 宇宙起源の炭素(フラーレンのことを言っているのでしょう)が含まれている
 ことから結論づけたようです。
 ロチェスター大ニュース ユーレカアラート(同文) CNN
 ナショナルジオグラフィック

プリンストン大から恐竜絶滅について新説 9.26.03
  隕石説でなく、火山説の証拠を提示する、同大の研究者、Gerta
 Keller
。彼女によると、K-T境界の30万年後まで白亜紀は続き、チ
 チュラブクレーターの規模も従来考えられたよりかなり小さい直径
 120km以下としています。K-T境界の50万年前に始まった、大規模
 火山活動と、それによりもたらされた地球温暖化が、大量絶滅へ圧
 力をかけたとしています。
 プリンストン大週報

オルドビス紀の大量絶滅はガンマ線に関連 9.25.03
  ネイチャーサイエンスアップデート
  ニューサイエンティスト

地震の化石を発見 7.30.03
  朝日新聞 海洋科学技術センター

大隕石衝突は大規模火山活動の引き金になったかも 12.16.02
  Extraterrestrial influences on mantle plume activity
  Dallas H. Abbott and Ann E. Isley
  Earth and Planetary Science Letters
  Vol.205, Issues 1-2, 30 Dec. 2002, Pages 53-62
  過去2億5千万年間の、38の大規模クレーターとマントルプルーム活動の
 関連について。研究者たちは同じ期間、マントルプルーム活動が強く関連
 していることを明らかにしています。インドのデカン高原も、チチュラブクレー
 ターを形成した隕石により大いに活動を活発化させたとしています。
 ニューサイエンティスト
 参考:Impact induced melting and the development of large igneous provinces

古奈良湖、180万年前に最大 京都府井手町の火山灰層から12.04.02
  ヤフーニュース

英南西部三畳紀後期の衝撃射出物層 11.15.02
  A Late Triassic Impact Ejecta Layer in Southwestern Britain
  Gordon Walkden, Julian Parker, Simon Kelley
  サイエンスエクスプレス11月14日
  ブリストル近くで発見されたショックトクォーツなどは、三畳紀後期のマニ
 コーガン(Manicouagan)クレータなどと同時代だそうです。イギリスで確認
 された最初の例。
 BBC

チチュラブとサドバリー、2つの大クレーターの成因解明 10.28.02
  6千5百万年前のチチュラブクレーター、18億年前のサドバリークレーター
 (カナダ、オンタリオ州)。この2つは大きさはほぼ同じですが、その成因は
 異なることが判りました。
 イリノイ大Urbana-Champaign校のSusan Kiefferらによると、衝撃によって熔
 けた量が違います。チチュラブが約1万8千立方キロなのに対し、サドバリー
 の方は3万1千立法キロ。これについて、チチュラブは小惑星が約45度の角
 度で地球に衝突したとすると合うのに対し、サドバリーは彗星が約30-45度
 で衝突したというモデルに合うのだそうです。
 イリノイ大Urbana-Champaign 校ニュース

河北省で最古の海洋底発見 10.21.02
  蛇緑岩というのが、太古の海洋底の証拠らしいのですが、河北省
 遵化山という所でそれを発見、年代測定の結果25億年前のものと
 判明したそうです。
 人民日報 新華社

黑竜江省嘉蔭県の恐竜墓地 9.19.02
  人民日報 写真3枚。まさしくボーンベッドです。
 ティラノサウルス類の歯とヨロイ竜の皮骨板の写真もあります。
 各国研究者が見学しているスナップも。

中国恐竜之郷、黑竜江省嘉蔭県恐竜化石群発見のいきさつ 9.19.02
  人民日報 新華社
  1902年、一人の高級軍人が嘉蔭県竜骨山上で骨格化石を発見し
 たのがはじまり。結局それは恐竜化石とわかり、この後10体の恐竜
 化石を産出したそうです。

 1991年夏、黒竜江省地鉱の工程師、劉春山が鳥拉ga地区を調査中
 農民が大きな骨を掘り出したことを聞き、調べたら恐竜化石だった。
 さらに5年後中国科学院古脊椎動物与古人類学研究所の研究者たち
 により、カモノハシリュウと鑑定された。
 2002年7月、黑竜江省国土資源局地質博物館は于庭相、余福林ら4
 名の工程師を派遣して鳥拉ga地区を調査。約40平方メートルの発掘
 でボーンベッド出現となったそうです。

 ここの厚さ200mの地層の中にはK/T境界面があるそうです。研究の
 進展により、恐竜絶滅の真相が現れるでしょうか。

中国内外の科学者、恐竜絶滅前後の地層を研究 9.10.02
  新華社 9日、黒龍江省嘉蔭県に内外の研究者数十名が集まり、
 地層剖面を選定し化石採集をしたそうです。ここはKT境界層の上下
 とも連続していて、生物群の移り変わりがわかるとともに、ここ独自の
 特色もあるそうです。吉林大学を拠点に2005年まで研究されるそう
 です。
 関連記事:新華社 新華社

隕石衝突前に気候の寒冷化により恐竜は絶滅へ 8.31.02
  カナダ、アルバータ州、ドラムヘラーの峡谷での調査から。隕石衝突
 の7百万年前からカバーすると、平均気温が25度から15度に下がり、
 変温性の爬虫類や多くの植物食恐竜は死滅していったというもの。
 化石に含まれる酸素同位体から導き出されたようです。
 BBCニュース

34億7千万年前に大インパクト 8.23.02
  An Archean Impact Layer from the Pilbara and Kaapvaal Cratons
  Gary R. Byerly, Donald R. Lowe, Joseph L. Wooden, Xiaogang Xie
  サイエンス8月23日号 Vol. 297, No. 5585, pp.1325-1327.
  研究者たちは南アフリカのBarberton greenstone belt とオーストラ
 リアのPilbara blockからその証拠を取り出しました。ともに32-35億年
 前といわれる地層です。
 その中からジルコンを探し、その放射性同位体から年代を測定。
 直径20kmですので、小惑星といっていいですね。
 ユーレカアラート

 北海海底にインパクトクレーター 8.01.02
  ネイチャー8月1日号掲載 Nature 418, 520 - 523 (2002);
  A 20-km-diameter multi-ringed impact structure in the North Sea
  SIMON A. STEWART AND PHILIP J. ALLEN
  
  英ヨークシャーの海岸から東に130kmの海底下1,000mの地点に、6千-6
 千5百万年前のインパクトクレーターがあることがネイチャーに発表されまし
 た。Silverpitクレーターと名づけられています。
 92年にガス田調査のため地震波反射3Dデータを調べているときに、その
 構造が発見されたのですが、インパクトによるものとされるまで研究調査が
 進められたようです。
 これは直径200-500mの隕石により引き起こされたもので、クレーター径は
 約19km、深さ300mとされています。
 この特徴は、非常によくクレーターの形状が保存されていることです。また
 硬い岩盤でなくやわらかい海底に落ちたことで、形に特徴があります。
 ripplesという表現ですが、周囲にさざ波のような構造があります。BBCによ
 れば、木製の衛星カリストのクレーターに同じ構造があるそうです。
 BBC MSNBC ニューサイエンティスト ナショナルジオグラフィック
 ヤフーニュース(読売)

大量絶滅においては生存者イコール勝者ではない 6.12.02
  Survival without recovery after mass extinctions
  Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 99, Issue 12, 8139-8144, June 11, 2002
  David Jablonsk
  In Evolution Game, Survival Doesn't Equal Success
  NSFプレスリリース


巨大隕石衝突による津波は巨大でゆっくり 6.12.02
  6月5日、米天文学会年会で発表されたものです。ロス・アラモス国立研究所の
 Galen Gisler と Bob Weaver がスーパーコンピュータを使って、巨大隕石衝突に
 よる津波をシミュレーションしました。

 海洋に時速45,000マイルで突っ込む直径1km、500m、250mの成分が鉄の隕石
 および石の隕石(こちらは鉄の40%の質量になります)についてです。
 その結果、直径1kmの鉄の隕石は1兆5,000億トンのTNT火薬と等しいエネルギー
 をもつことがわかりました。また、これまでのシミュレーションでは3つの部分に分 
 けて計算していたものを今回は1度で計算しているので、それだけ誤差が少なく
 なるそうです。

 その結果、最大の隕石によって起こる津波は時速380マイルで伝播することがわ
 かりました。これまでは時速500マイルとされていたのです。しかし、最初の波高
 は0.5マイル、40マイルほど中心から離れて、その2/3ほどになるそうです。

 白亜紀末にはこんな大きい津波で周辺の環境は破壊されたのでしょうか。
 Asteroid Tsunamis Could be Huge, Slow(ディスカバリーオンライン)
 ロス・アラモス ニュースリリース(リンクで津波シミュレーション動画もあります)

葉に記録される白亜紀末絶滅の地球外起源 6.12.02
  An atmospheric pCO2 reconstruction across the Cretaceous-Tertiary
   boundary from leaf megafossils
  D. J. Beerling,, B. H. Lomax, D. L. Royer, G. R. Upchurch Jr., and L. R. Kump
  Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 99, Issue 12, 7836-7840, June 11, 2002

  白亜紀末の大量絶滅の原因はチチュラブクレーターを作った巨大隕石
 によると、一般に思われていますが、インドのデカン高原を形成した大
  規模な溶岩噴出活動により環境が悪化したためとする説もあります。
 この研究では、K-T境界層の前後、6,590万年前から6,400万年前の間
 の70の植物化石を調査しています。植物の葉の気孔は、二酸化炭素が
 大気中に多くなるとその数が少なくなります。それから彼らは大気中の
 二酸化炭素量を復元しました。

 白亜紀末から第三紀はじめにかけて、二酸化炭素のバックグラウンドレ
 ベルは350-500ppm なのに対し、K-T境界層から10,000年以内では、
 5倍にもなる、2,300 ppm に達していました。このことは、急激な温暖化
 を意味し、気温は摂氏7.5度も上昇したということです。

 このような急激な二酸化炭素レベルの上昇は長期にわたる溶岩噴出
 活動では考えられず、衝突の衝撃により二酸化炭素を含む石灰岩が
 大量に蒸発することで放出されたと考えられるそうです。
 Dino heatwave recorded in leaves
 Fossils point to asteroid causing dinosaurs' demise
 ナショナルジオグラフィックニュース

西シベリア盆地からの40Ar/39Ar年代:シベリア玄武岩台地地域は2倍に
  なった 6.07.02
  40Ar/39Ar Dates from the West Siberian Basin: Siberian Flood Basalt
  Province Doubled
  Marc K. Reichow, Andrew D. Saunders, Rosalind V. White, Malcolm S. Pringle,
  Alexander I. Al'Mukhamedov, Alexander I. Medvedev, and Nikolay P. Kirda
  サイエンス6月7日号掲載 Vol.296, No. 5574, pp. 1812-1813

  シベリア玄武岩台地(シベリア・トラップ)はペルム紀末にできたといわれ、
 陸上に存在する最大の火成岩石区だそうです。この報告では、これまで知ら
 れていたその西側限界より1,000kmちかく西側で掘削し、コアサンプルから
 その年代を調べたものです。

  40Ar/39Ar法による年代測定結果は、250.8 ± 2.6 Ma (百万年)、約2億5
 千万年となり、これまでもっと東部の玄武岩台地で同様の方法から知られて
 いた値と一致するそうです。これに基づき、その面積を計算すると、シベリア・
 トラップの面積は3.9 x 106 km2 と算出され、これまで算出された面積の2倍
 にあたるそうです。またその体積は2 x 106 から 3 x 106 km3 と見積もられ
 るそうです。

 これだけ大規模な溶岩噴出があれば、当然地球環境に大きな影響を及ぼし
 ます。研究者たちはこのこととペルム紀末の大量絶滅の間の強い相関を示
 唆しています。
 MSNBCニュース BBCニュース CNNニュース ユーレカアラート
 ネイチャーサイエンスアップデート NASAゴダートフライトセンター

  グリーンランドAkiliaの石英-輝石岩石の交代作用起源および地球最初の
  生命に対する影響 5.24.02
  Metasomatic Origin of Quartz-Pyroxene Rock, Akilia, Greenland,
  and Implications for Earth's Earliest Life
  サイエンス5月24日号 Vol. 296, N0. 5572, May 2002, pp. 1448-1452.
  朝日新聞

恐竜の上昇はジュラ紀-三畳紀境界のイリジウム異常にリンクされる 5.17.02
   Ascent of Dinosaurs Linked to an Iridium Anomaly at the Triassic-Jurassic
    Boundary
   P. E. Olsen, D. V. Kent, H.-D. Sues, C. Koeberl, H. Huber, A. Montanari,
    E. C. Rainforth,  S. J. Fowell, M. J. Szajna, B. W. Hartline

   サイエンス5月17日号掲載 Vol. 296, No. 5571, Issue of 17 May 2002, pp. 1305-1307.

  研究者たちは、北アメリカ東部の70以上の現場で四足動物の足跡と骨格資
 料を分析しました。その結果、大型獣脚類は三畳紀-ジュラ紀境界から1万年
 未満後、また少なくとも最後の三畳紀の分類群から3万年後に初めて現れ、
 陸上生物の大量絶滅と同時であることがわかりました。

 この異常な交代は、イリジウムの異常(最高285/1兆、平均141/1兆)とシダ胞
 子の急上昇の山に関連付けられ、火球インパクトが原因であったことを示唆す
 る。北アメリカ東部の恐竜の多様性は、境界の10万年未満後に最大の安定に
 達し、引き続く1億3千5百万年間、恐竜が支配する世界を打ち立てたとしてい
 ます。
 ヤフーニュース(ロイター) ヤフーニュース(AP) ヤフーニュース(毎日)
 BBCニュース ネイチャーサイエンスアップデート
 コロムビア大地球研ニュース(足跡などのイメージあり)
進化:小惑星が恐竜を繁栄させた?5.24.02
  ネイチャーバイオニュース 先週サイエンスで発表された、三畳紀・ジュラ紀
 境界後に大型恐竜が現れた理由について。


海洋生態系は唯2回の大量絶滅によってのみ変えられた 5.15.02
  Anatomical and ecological constraints on Phanerozoic animal diversity in
  the marine realm PNAS 2002 99: 6854-6859 アブストラクト
  Richard K. Bambach, Andrew H. Knoll, and J. John Sepkoski, Jr.
  これまでの研究では5大絶滅といわれていましたが、今回の研究では、海洋
 生態系は強固なシステムであり、本当に影響を受けたのはペルム紀と白亜紀
 末の2回のみとしています。
 ユーレカアラート

2880年、小惑星が地球に衝突(?) 4.05.02
  小惑星1950DAと呼ばれる天体、その名のとおり、1950年2月23日にいったん
 発見されながら、行方不明となっていました。昨年12月31日にthe Lowell
 Observatory Near Earth Object Search (LONEOS) program により再発見。

 最新の観測に基づく軌道計算では、2880年3月16日に地球と衝突するかもしれ
 ないそうです。
 衝突すれば、直径22kmのクレーター、衝撃の突風で周囲300kmは壊滅的なダ
 メージをうけることになるそうです。
 ABC BBC MSNBC 朝日新聞

小惑星や彗星衝突の運動エネルギーと大量絶滅 4.04.02

化石記録における絶滅の決定要素 3.28.02
  Determinants of extinction in the fossil record
  SHANAN E. PETERS AND MICHAEL FOOTE
  ネイチャー3月28日号 Nature 416, 420 - 424 (2002)
 研究者たちはカンブリア紀から現世まで5億4千万年間にわたる海洋無脊椎動
 物の絶滅記録を調べたそうです。すると、一見、絶滅率は地質年代は大きく変
 動したようにみえます。
 しかし、これでは地質学者が資料を採取可能な露頭がたくさんあると、その年代
 は一見絶滅率が高いようになります。
 そこで、その分を補正すると、各年代を通じて絶滅率の増減の大部分は実際には
 見かけだけのものだということが判明したそうです。
  大量絶滅は実はなかったということでしょうか。

約18億年前の超大陸 3.26.02
  BBCニュースです。コロンビアという名が提唱されています。
 参考:Gondwana Research

白亜紀末の大量絶滅では昆虫も 2.26.02
  Impact of the terminal Cretaceous event on plant-insect associations
  Conrad C. Labandeira, Kirk R. Johnson, and Peter Wilf
  Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 99, Issue 4, 2061-2066, February 19, 2002
  研究者たちは、ノースダコタ州南西部の白亜紀末から第三紀にかけて13,441 
 点の化石植物から、虫が葉を食べた痕を調べました。虫の種類によって食べた
 痕は異なります。
 すると、白亜紀末まではその量も多様性も大きかったのですが、境界を越えると
 量も多様性もなくなってしまうことがわかりました。彼らは植物を食べる昆虫の
 55-60%が絶滅したと見積もっているそうです。
 また、植物を食べる昆虫の中でも、いろいろな種類の植物を食べるものは生き
 残ったのに対し、特定の植物のみをたべるものは70%が死滅したとしています。
 ロッキーマウンテンニュース

K-Tインパクトの大量絶滅はチリによるものではない 1.25.02
  Geology Vol. 30, No. 2, pp. 99-102.
  Impact dust not the cause of the Cretaceous-Tertiary mass extinction
  Kevin O. Pope
  チチュラブクレーターをつくった衝突により、チリが舞い上がり、太陽光をさえ
 ぎり光合成を不能にして大量絶滅にいたる・・・これが一般に認められた説だ
 そうです。
 ところが、Kevin O. Pope によると、全世界を覆うようなチリは、非常に細かい
 これまで考えられてきたより1/100程度のものであるそうです。これは、チリ
 でなく、衝突した岩や世界的な火災から生じた煤から生成された硝酸塩の
 エアロゾルによるもので、これが太陽光線を覆い、世界的な寒冷化をもたら
 したとしています。
 サイエンスデイリー
 なお、同号には、白亜紀の深海の海水温が異常に高温だったと報告した
 論文もあります。

チチュラブクレーター掘削プロジェクト進行 1.25.02
  地下深く眠るクレーターまで掘削して、実際の組成などを調査するプロ
 ジェクトが2年ほど前から進行しています。
 ナショナルジオグラフィックニュースによると、クレーター最上部の層まで
 ドリルが届いたようです。いったい何が地球に衝突したのか解明を期待
 します。
 
小さい化石化した魚の歯から海洋史の手がかりが 1.23.02
  ニューヨークタイムズです。(読むには無料の登録が必要)
  南米大陸南端と南極大陸を隔てるドレイク海峡。両大陸が引き裂かれて、
 この海峡ができたことにより、南極大陸を廻る寒流ができました。その結果
 暖かい海水が南極に到達しなくなり、南極はより寒冷化し乾燥したそうです。
 
 これがいつの出来事だったのかが、南極大陸と地球全体の気候の進化を
 研究する上で非常に重要なのだそうです。

 フロリダ大のEllen E. Martin博士らは、ケープタウンから700マイル南西の
 海底を掘削し、堆積物中の魚の歯(1/40インチという大きさ)に含まれる稀土
 類元素ネオジムNdの同位体Nd143に注目しました。これは海水中から魚の
 歯の化石化の過程で浸透しますが、太平洋と大西洋では含まれる割合が
 違うのだそうです。北米大西洋岸のクラストではこの値が小さいそうです。

 2,500万年のスパンで魚の歯化石を調べ、彼らは南大西洋では北米側より
 Nd143の値が大きくなるのを期待しました。が、結果は逆で、およそ2,850万
 年前に変化したのですが、南の方の値が小さくなりました。予想では太平洋
 の海水がまじり、Ndの値が上昇するだろうとしていたのですが、海流が乱さ
 れ、大西洋側から多くの海水が流れ込んだようです。
 
 実際にドレイク海峡がいつ開いたのかは、南太平洋からも資料を調査しなけ
 ればなりません。Martin博士らは、より多くのデータにより、ドレイク海峡の開
 口時を100万年の幅以内に特定できるかもしれないとしています。
 
200万年前の超新星爆発で海洋生物絶滅 1.10.02
  アメリカ天文学協会の年会でジョンズ・ホプキンス大のNarciso Benitez
 と、Space Telescope Science InstituteのJesus Maiz-Apellanizにより発
 表されたもの。

 彼らは若い大質量の星の集団である(ということは、超新星もできやすい)、
 "さそり座・ケンタウルス座OBアソシエーション"の観測をしていました。
 すると、現在地球から350光年離れているこの星の集団が、2百万年前に、
 太陽系の近く、130光年以内を通過した事がわかりました。

 その証拠が地球にないかチェックしてみると、1999年にドイツの天文学者
 Klaus Knie らにより深海洋底を掘削したサンプルから異常に高度に鉄の
 同位体60Feが含まれていることがわかりました。60Feの半減期は150万
 年なので、太陽系には非常に稀にしかありません。これは100-130光年
 離れた超新星爆発の残骸が地球に届いたものと考えられますが、今回の
 観測までその元となった超新星は知られていませんでした。

 そして、BeittezはJesusの観測とKnieの調査間に非常によい一致がある
 ことを発見しました。
 彼は、妻のMatilde Canellesに、古生物学上の記録で超新星爆発により
 微小藻類の絶滅に影響を与えたものが含まれるかどうかるかどうか相談
 しました。彼女は修士論文で微小藻類の研究をしたのです。
 彼女は、約200万年前、プランクトンと他の海洋生物が広範囲に絶滅し、
 (the Pliocene-Pleistocene boundary marine extinction)その原因につ
 いてまだ議論されていることに注意しました。

 超新星からの有害な紫外線放射により、大気中のオゾン層が破壊され、
 植物プランクトンなどに壊滅的な影響を与えたとしています。
 報道では、鉄の同位元素の発見された海洋底サンプルの年代をはっきり
 出していないのですが、これが一致しているとすれば、とても興味深いも
 のがあります。天文学、地質学、古生物学の異なった分野の証拠から判
 明したのですから。まるでSFの物語のようですね。
 ナショナルジオグラフィックニュース ニューサイエンティスト
 ジョンズ・ホプキンス大プレスリリース

 チチュラブクレーターの構造について地震波の屈折によりデータ分析
  12.20.01
  ネイチャー12月20日号News and views
  Geophysics: Deep down at Chicxulub  JAY MELOSH
  the Journal of Geophysical Research 誌に掲載された論文、
 Deep crustal structure of the Chicxulub impact crater
 Christeson, Gail L. ; Nakamura, Yosio ほか
 について紹介しています。
 これまでの研究により、同クレーターが多重リング構造をしていること、
 外側の斜面の直径が約180kmであること、中心から40-70kmに陥没し
 ている地帯があり、直径約80kmのピークリングがあることが判明してい
 ます。

 今回の報告では、上記に加え、表面の近くに直径約80km厚さ約1kmの
 地震波低速度構造が発見されたそうです。また、はるかに深いモホ面の
 状態も明らかになっています。クレーター中心部から34kmまでは通常の
 面より約1km上昇しているのに対し、35kmでは約1.25-1.5 km 下降して
 いるのだそうです。しかし、これは衝撃で一時的にモホ面が現れることを
 考えると小さい値といえます。これについて、衝撃でとばされた岩屑が、
 すぐに埋めたため、通常の面からあまり動かなかったと考えられるそうで
 す。

 チチュラブクレーターは地中深く埋もれているため、かえってその構造が
 よく保存されている、クレーターのミイラのような存在なのだそうです。

 「地球への天体衝突」研究の現状 12.18.01
  ヤフーニュース WIREDの日本語版です。

中国遼寧省義県層の年代をアルゴン同位体により測定 12.17.01
  義県組同位素年代新証拠及土城子組40Ar/39Ar年齢測定
  科学通報2001年12月15日 第48巻第23期 pp.2009-2012
  Chinese Sience Bulletin Vol.47 No.3 pp.226-260
  C.C.Swisher, 汪筱林, 周忠和, 王元青, 金 帆, 張江永, 徐 星, 張福成, 王 原

  遼寧省の義県層といえば、数々の非常に保存のよい羽毛恐竜などの
 化石を産出することで、世界的にも有名です。北票盆地では上から義県
 層、(四合屯層)、土城子層の関係にあるそうです。

  遼寧省北票地区の四合屯と恒道子という2地点で、義県層下部と土城
 子層上部の火山灰層中、長石と黒雲母の中に含まれるアルゴン同位体
 40Ar/39Arを測定したものです。
 その結果、この2地点の義県層下部の年代は、いずれも1億2千5百万年
 前と判明しました。また、四家子という所の土城子層上部の年代は、1億
 3千9百万年前と判明しました("中国地層典 侏羅系"では義県層と土城
 子層の関係は不整合としています)。

 この結果により、義県層は白亜紀前期の中頃、土城子層はジュラ紀後
 期になるが、その上部は白亜紀前期になります。

  義県層の年代については、産出する化石に翼竜のようなジュラ紀型動
 物を含むことから、ジュラ紀とする見解と、逆に白亜紀とする見解が対立
 しています。ネイチャー99年7月1日号掲載の論文では、やはりアルゴン
 同位体分析により義県層下部の年代を約1億2千5百万年前と報告して
 います。一方99年に羅清華、陳丕基らが義県層下部年代を黒雲母中の
 アルゴン同位体により測定したところ、約1億4千7百万年前という結果が
 出たそうです。

 こんどの報告により年代の論争に決着がつくのでしょうか。
 
インドで16億年前の雨粒の跡発見 12.17.01
  インド・マディアプラデシュ(Madhya Pradesh)州、ビンドヤ山脈(Vindhyan
 range)下部からです。同州のサトナ(Satna)、レーワ(Rewa)という地域の
 砂岩層の露出した面にあったそうです。
 少なくとも16億年前のもので、もちろん最古の雨粒の痕跡です。
 これについての論文は、Chirananda De により、Bangaloreにある環境科
 学センターの"the journal Current Science"に掲載されるそうです。
 
 痕跡は直径3-5mmのクレーター状で、円形のものも楕円形のものもあり
 ます。楕円形のものは、斜めから降ったことをあらわしています。

 この発見により当時の古環境の解明につながるとともに、雨粒の痕跡が
 保存されたことは、当時雨があまり降らなかったことをあらわしているの
 かもしれません。
 BBCニュース

韓国下部白亜系Hasandong層の恐竜産出堆積層の古環境とタフォノミー
  12.12.01
  Cretaceous Research Vol. 22, No. 5, October 1, 2001 pp.627-642
  Palaeoenvironments and taphonomic preservation of dinosaur
  bone-bearing  deposits in the Lower Cretaceous Hasandong
    Formation, Korea

    In Sung Paik, Hyun Joo Kim, Kye Hun Park, Yong Sun Song,
  Yong Il Lee, Jin  Yeon Hwang, Min Huh
    pp. 627-642  (doi:10.1006/cres.2001.0282)
  Galsari地域からは竜脚類の関節した頚椎、胴椎、尾椎、肋骨などが産
 出されているそうです。当時氾濫原だったところで、乾燥した森林地帯と
 酸化した土壌があり、そこの死骸は腐肉食の恐竜や昆虫の餌食になった
 湖近くの火山活動により死骸が埋められて化石化したということです。

 メタンの大量放出が5,500万年前の地球を温暖化 12.11.01
  NASAが10日から開催されたAmerican Geophysical Union (AGU) 秋季
 総会で12日発表予定の研究。
 メタンはCO2の20倍の温室効果があります。深海で高圧により閉じ込め
 られていたメタンが5,500万年前に大量放出され、大気温を摂氏7度上昇
 させ、その効果は10万年続いたそうです。
 NASAの研究者Gavin Schmidtらのコンピュータシミュレーションによるも
 のです。

  Late Paleocene Thermal Maximum (LPTM)と呼ばれるものだそうです。
 インド亜大陸がヒマラヤに衝突し、ヒマラヤが上昇することにより海底に
 かかる圧力が減少し、放出されたと考えています。大気温が上昇すれば
 よりメタンは放出されやすくなります。

 Schmidtらは、現代もメタンは人間の諸活動により、この200年で2倍以上
 増加しており、5,500万年前のような温室化に警鐘を鳴らしています。
 NASAリリース ユーレカアラート

雪玉地球説に投げかけるカーブボール 12.05.01
  およそ6億5千万年前、地球がすっぽり雪と氷に覆われたとする説は、かな
 りポピュラーになりました。これに対し、そうかな?と疑問を投げかける研究で
 す。GEOLOGY2001年12号
 カリフォルニア大のMartin Kennedyらによると、彼らは北ナミビア、中部オース
 トラリアおよび北アメリカ山系で、この期間の氷河の堆積物を調査し、C12と
 C13の比を測定しました。すると、明らかに光合成を行った生物起源である値
 がでたそうです。彼は、海洋とその中の生物はは雪玉の影響とは無縁であっ
 たとしています。
 Geology プレスリリース
 なお、同誌は最近購読者以外はアブストラクトのみ閲覧可でしたが、本号は
 全文HTMLでもPDFでも見ることができました。
 他にも面白いテーマの研究が並んでいます。
 たとえば、南アフリカ、カルー盆地における脊椎動物のペルム紀-三畳紀境界
 大量絶滅のパターンとか、エディアカラタイプ化石の組織構造とか・・・
 Paul F. Hoffman 雪玉地球説
 サイエンティフィックアメリカン雪玉地球説

6500万年前の小惑星衝突、地球規模の災害だった  12.03.01
  ヤフーニュース(日本語)です。
  11月23日のサイエンスに掲載された報告について解説しています。
 ニュージーランド西海岸にある炭鉱の石炭層に残っていた花粉の粒子を調査した
 ところ、イリジウムの残留、シダ胞子の増加が認められるそうです。シダ類が急に
 大繁殖するのは、環境の激変で植物相が完全に破壊された後に見られる現象だ
 そうです。

南半球でも白亜紀末後の環境激変、植物化石から証拠 11.23.01
  Indication of Global Deforestation at the Cretaceous-Tertiary Boundary by New Zealand
  Fern Spike Vivi Vajda, J. Ian Raine, Christopher J. Hollis
  ニュージーランド南島(メキシコから11,000km離れているそうです)で、その
 年代の植物化石から明らかになったことです。
 西海岸のMoody Creek mine で岩石中の花粉とシダ類の胞子化石を調査し
 たところ、いわゆるインパクト後でその割合が変わり、そのことから、以前には
 湿地で豊かな森林だったところが縮小し、シダの生えている所が拡大したこ
 とを表すそうです。
 環境の激変で植物がいったん絶滅すると、最初にコケ類、次にシダ類が生え
 ることから、南島でもそれがあったとしています。
 BBCにより書きました。

鳥類の起源、陸島仮説 11.09.01
  中国広東省深センの撫仙湖植物園で、この11月に開催された、中国古脊
 椎動物学会第8次年会で発表されたものです。

 中国科学院地質與地球物理研究所の劉東生院士の説。遼寧省西部から
 発見された化石鳥類は非常に多くの属からなる、これは世界的にもトップを
 いく。そこで、この古環境を研究すると、まず火山湖があることが必須の条件
 になる。そのもとで、特殊な生態環境が形成された。外界との非常に少ない
 島の環境である。水があり浅い水域、深い水域、平地、山地、草原、森林が
 ある。これにより各種の鳥の繁殖条件に適合し、成長することができる。

 彼によれば、陸島(元大陸の一部であったものが、地盤陥没のために分離し
 て島となったもの、または大陸付近の海底が隆起したもの)がこのような独立
 した自然環境を形成していたのだが、突然の火山爆発により大量の有毒ガス
 が放出され、鳥類を急死させ、それが火山灰の中に保存されたというのです。
 新華社

白亜紀後期と始新世における熱帯の温暖な海面水温
  Warm tropical sea surface temperatures in the Late Cretaceous and
   Eocene epochs

  PAUL N. PEARSON, PETER W. DITCHFIELD, JOYCE SINGANO,
   KATHERINE G. HARCOURT-BROWN, CHRISTOPHER J. NICHOLAS,
  RICHARD K. OLSSON, NICHOLAS J. SHACKLETON & MIKE A. HALL

  ネイチャー10月4日号掲載
  CO量を増加させたコンピュータモデルでは、地球温暖化による熱帯
 の温度上昇が予測され、またこれまで白亜紀後期と始新世の極では、
 温度が高く、氷がほとんどなかったデータがあるのに、有孔虫の殻の酸
 素同位体による古温度測定データ熱帯の海面水温は15-23℃と矛盾し
 たものでした。
 
 研究者たちはタンザニアやメキシコなどの不透水層から非常に保存状態
 が良い有孔虫殻を採取して、データを取り直しました。すると、この年代の
 熱帯海面水温は少なくとも28-32℃であることがわかったそうです。
 
 この研究により、すでに知られている温度に敏感な化石生物の地理的分
 布や、CO2量を増加させた気候モデルの結果との整合性がこれまでより
 高くなり、古気候学の進展に大きな影響を与えるものだそうです。
 BBCニュース

浙江省天台はかつて恐竜の楽園だった 9.07.01
  人民日報です。つい最近私も天台に行き、その卵化石の多さに驚きまし
 た。この記事では天台における恐竜卵化石発掘と研究の歴史、天台の古
 環境(盆地に豊かな植物が生え、湖もあった)、その悪化(高濃度の鉛、地
 球外元素、気候の激変)などを紹介しています。

 天台の中西部には44箇所の恐竜卵や化石のある地点が確認されている
 そうです。中国科学院古脊椎動物與古人類研究所の陳克樵教授によれば
 天台の化石には以下の4つの特徴があるそうです。
 1.化石分布範囲が広い 2.卵化石、骨化石の埋蔵量が多い 3.その埋蔵
 地点が多い 4.この研究から後期白亜紀の天台盆地の恐竜群が他と比較
 して多種なこと
 
 天台は天台宗の祖地である国清寺など観光資源にも恵まれたところです。
 ここにさらに化石保護区や博物館を設置すれば国内外に著名な観光地に
 なるでしょう。

ペルム紀末の大量絶滅は小惑星が引き起こした8.27.01
  End-Permian catastrophe by a bolide impact: Evidence of a gigantic
  release of sulfur from the mantle
  Geology: Vol. 29, No. 9, pp. 815-818.アブストラクト
  海保邦夫(東北大)ほか
  ペルム紀末の大量絶滅の原因が宇宙からきた証拠となる研究です

  研究者たちは中国南部メイシャンのペルム紀末に著しいイオウとストロンチ
 ウム同位体の偏移を発見しました。これは、衝撃により変質した小粒子やカ
 オリナイトの集中、またマンガン、亜リン酸、カルシウム及び微化石の著しい
 減少とも符合するそうです。

 このことは、ペルム紀末に小惑星あるいは彗星が海洋に衝突し、マントル起
 源のイオウが海洋・大気圏に著しく増加し、大量の酸素を消費して急激に化
 合し、酸性雨を降らせ、おそらく大規模な火山活動を引き起こしたたことを示
 唆するそうです。
 
 なお、サイエンス2001年2月23日号では、この大量絶滅の原因が宇宙起源
 である証拠として、バッキーボールと呼ばれる炭素原子60-70個以上のサッ
 カーボール状の分子、フラーレン(buckminster-fullerenes, or Buckyballs)の
 分布をあげています。
 ユーレカアラート

三畳紀末大量絶滅の犯人さがし 8.14.01
  三畳紀末の大量絶滅の犯人を大隕石または小惑星に求める研究者たちに
 ついてです。サイエンス5月11日号でもカナダ、ブリティッシュコロンビア州、太
 平洋岸のクイーンシャルロット島の1億9千6百万年前の海洋性プランクトン化
 石と生物性炭素の急激な減少から、三畳紀末にインパクトがあったとする研究
 が掲載されました。
 インパクトのあととして、マニコーガンクレーターが候補にあがっています。従来
 この成立年代が2億1千4百万年前とされていることについて、トロント大のハン
 ス ディータースーズは、その地にある最古の岩石も溶かして混ざってしまった
 試料を測定した結果、歪められた値になったのではないかと述べています。
 そのほか、クーンシャルロット島の岩石からショックドクオーツを探すことや、境
 界後にシダ類が急激に繁茂していないか(森林火災のあと一番先に生える)な
 ど、いろいろ証拠付けの研究が行われているそうです。
 ヤフーニュース CNNニュース MSNBCニュース

大量絶滅の見せかけが縮小される8.09.08
  9千4百万年前、セノマニアン-チューロニアン期境界での大量絶滅では、棘
 皮動物の存在する属の71%が絶滅したとされているそうです。英自然史博物
  館のAndrew Smith らは、この絶滅が実際どの程度の規模だったのか、英・仏
 ・独の堆積層と棘皮動物化石の研究をしました。
 すると、絶滅したとされる属の半分はチューロニアン期の3千万年後にはまた
 出現していることが判ったそうです。結局絶滅したのは17%ほどで、言われて
  いたほど大量絶滅ではなかったとのこと。これは海退と水位の低下で浅海部
 の化石が減少したり侵食されたためと、Smithは述べています。
 デイリーインサイト

中国浙江省の恐竜卵化石研究から絶滅原因を考察7.27.01
  浙江省水文地質工程地質大隊から26日出された研究。"浙江天台晩白亜
 世盆地與恐竜化石研究"と題されています。

 約1億年前、天台盆地には湖と平原が広がり、松柏の喬木が茂り理想的な
 生態環境でした。恐竜たちもそこで平和に繁殖していたのです。
 しかし、白亜紀末になると気候変動により、大雨が降ったり気温が下がったり
 泥流が流れたり環境が悪化したそうです。環境の急激な悪化により恐竜は絶
 滅に向かったとしています。
 
 また、恐竜卵化石の中に地球ではごく稀な元素が含まれている。これは、い
 わゆる大隕石か小惑星の衝突による影響だろうと推測しています。
  人民日報

恐竜の絶滅はカオスによって引き起こされた6.28.01
  英スコットランドのエジンバラで24日から27日に開催されている、
 the Earth Systems Processes conference で発表されたものです。
 UCLAのBruce Runnegar らの研究。
 彼らは大洋底の堆積物から、地球の軌道の変動による気候変化が40万
 年周期であることを確認しました。それに基づき1億年前まで、太陽と惑星
 の重力的な相互影響をコンピュータシミュレーションしたところ、特に変化は
 ありませんでしたが、6千5百万年前に内惑星の軌道が突然変動したことが
 わかったそうです。
 このことが小惑星帯にある小惑星の軌道も乱し、地球に突入したものが、
 恐竜の絶滅をもたらしたという理論です。
 BBCニュース ネイチャーサイエンスアップデート CNNニュース
 GSAニュースリリース 発表アブストラクト
 ほかにもネッシーに関するもの
  ABCニュース MSNBCニュース GSAニュースリリース アブストラクト
 その他のテーマについてGSAニュース一覧

 ペルム期末の大量絶滅は2段階の証拠5.29.01
  6月4日から開催される地球惑星科学関連学会合同大会で東大の
 磯崎行雄教授、太田綾乃さんらが発表する予定です。この絶滅が2
 段階で進んだらしいことは、中国南部など当時の超大陸パンゲアの
 陸棚であった浅海で堆積した、石灰岩のフズリナ化石研究から、わ
 かっていました。
 今回の研究は、そこから離れた超大洋パンサラサの海山頂上部で
 堆積した石灰岩層からも同様なことが証拠付けられ、大量絶滅が
 氾地球的な出来事だったたことを明らかにしたものです。

 磯崎教授らは宮崎県高千穂町上村(かむら)で見つけた、約2億5千
 万年前のペルム期末境界から1千万年以前の間に体積した石灰岩
 からフズリナの化石を調べました。すると大型フズリナが1千万年前
 約2億6千万年前に絶滅していることがわかったそうです。小さいフズ
 リナが絶滅したペルム期末と2段階の進行があったことが判ったそう
 です。

  中日新聞の報道をみる限り、磯崎教授はペルム期末の大量絶滅を
 火山活動によるものと見ているようですが、サイエンス2001年2月23
 日号では、絶滅の宇宙起源を証拠づけるフラーレン分子の分布が報告
 されています。大量絶滅の真犯人を突き止めるのはなかなか大変かも
 しれません。
 中日新聞
 同大会地球年代学セッション
  (宮崎県上村の海山頂部相ペルム系石灰岩の生層序と岩相層序)
   予稿はPDFファイルで読むことができます

化石植物のクチクラから得た、大気中CO2の3億年の記録5.17.01
  A 300-million-year record of atmospheric carbon dioxide from
   fossil plant cuticles
  GREGORY J. RETALLACK  ネイチャー5月17日号掲載
  過去3億年間にわたって、現在のイチョウの仲間の4つの属の葉化石に
 残る気孔の存在量から、葉の気孔存在量と成長季節のCO2濃度の間の
 既知の関係を用いて、過去の大気中のCO2濃度を再現した研究です。
 大気中にCO2が少なければ、より多くのCO2を吸収するために気孔の存
 在量が増すのだそうです。
 これによると、過去3億年間に低CO2だった時期はペルム期前期(2億7千
 5百万年前から2億9千万年前)と新第三期(百万年前から8百万年前)の
 2回で、いずれも氷期だった時期だそうです。植物化石を元にしたこれほど
 長期間にわたるCO2変動の研究は初めてのものです。
 ネイチャーサイエンスアップデート
 
中国華北で25億年前の太古の地殻片発見5.14.01
  1月30日付けで人民日報ニュースでお伝えしたもの。もう少し研究が進ん
 だのでしょうか、1月には27億年前と報道されていました。
 Dongwanzi オフィオライトと呼ばれています。オフィオライトとは主に深海性
 堆積物や玄武岩、ハンレイ岩、カンラン岩などの塩基性から超塩基性の
 火成岩からなる岩体で、海洋地殻の残骸と考えられているそうです。

 幅5km、長さ50km、厚さ14km、25億5百万年前に遡るこの岩体は、プレート
 テクトニクスの最古の証拠となるそうです。
 CNNニュース MSNBCニュース 参考:人民日報日本語版 人民日報
 新華社(写真あり)

恐竜はもう一つの大量絶滅をくぐりぬけた 5.11.01
  Sudden Productivity Collapse Associated with the Triassic-Jurassic
  Boundary Mass Extinction
  P. D. Ward, J. W. Haggart, E. S. Carter, D. Wilbur, H. W. Tipper, and T. Evans
  サイエンス5月11日号掲載
  恐竜は白亜紀末の巨大隕石により絶滅と言われますが、それ以前、三
 畳紀末にも巨大隕石による大量絶滅があったという研究です。
 研究者たちはカナダ、ブリティッシュコロンビア州、太平洋岸のクイーンシャ
 ルロット島の1億9千6百万年前の海洋性プランクトン化石と生物性炭素の
 急激な減少、から結論づけたようです。
 彼らはケベック州にあるマニコーガンManicouaganクレーターがその隕石
 落下のあとであると考えています。これまでその年代は2億1千4百万年前
 とされていますが、この年代は古すぎると考えています。
 この大量絶滅で哺乳類型爬虫類を含む多くの生物が絶滅しましたが、恐
 竜はくぐりぬけたということです。
 ヤフーニュース ABCニュース MSNBCニュース

Asteroid, Comet Impact Expert Talks Of Pros And Cons 4.05.01

K-T境界層の堆積期間は10,000年以内 3.09.01
  サイエンス3月9日号掲載
  Sujoy Mukhopadhyay ほかの研究者達が、イタリアとチュニジアの堆積岩から
 ヘリウムの同位体He3をで年代測定したところ、堆積に要した時間は10,000年
 以内という結果が出たそうです。
 これは地質学的には全くの瞬時といえます。恐竜も瞬時に絶滅したのでしょうか。

 また、デカントラップを形成した大規模な活動は50万年以内とされますが、それよ
 り遥かに短い期間でK-T境界層が堆積したことから、この活動が大量絶滅に結び
 ついたとは言いにくいとしています。
 BBCニュース

ヒマラヤ前地盆地で得られた最古の大陸性堆積物の年代決定 3.08.01
  ネイチャー3月8日号掲載
   Dating of the oldest continental sediments
  from the Himalayan foreland basin
  YANI NAJMAN, MALCOLM PRINGLE, LAURENT GODIN & GRAHAME OLIVER
  ヒマラヤ山脈の成立時期について。同山脈が侵食されてできた堆積層の年代
 を放射性同位元素で測定。

 パキスタンの前地盆地で見つかった5500万年前の大陸性堆積物の層序の4種
 類の粘土層から採取した白雲母岩屑性粒子の年代を40Ar-39Ar法により測定し
 たところ、3,600から4,000万年前であることがわかりました。
 これまで考えられてきたより1,500から2,000万年新しくなります。

 ということは、インドが島だった、あるいはゴンドワナと陸続きだった時期もそれだ
 け新しくなるのでしょうか?

古地磁気の強度を正確に3.05.01
  サイエンス3月2日号掲載
  ロチェスター大の研究グループが、測定に超伝導量子干渉素子(superconducting
 quantum interference device (Squid).)できわめて正確に古地磁気を測定したそう
 です。その結果、1億年前の地磁気は今より3倍強かったという結果が出たそうで
 す。
 この測定法については、古地磁気学(東京大学出版会ISBN4-13-060725-1)P129
 に原理の説明が出ています。
 BBCニュース UniSci ロチェスター大ニュース

ペルム紀末の大量絶滅は小惑星が引き起こした2.23.01
  サイエンス2月23日号掲載
  Impact Event at the Permian-Triassic Boundary: Evidence from
  Extraterrestrial Noble Gases in Fullerenes
  Luann Becker, Robert J. Poreda, Andrew G. Hunt, Theodore E. Bunch,
  and Michael Rampino
  2億5千万年前、ペルム紀末の大量絶滅では、地上生物の70%、海洋中の
 生物の90%が絶滅したとも言われています。
 その原因として、研究者たちは小惑星又は彗星の衝突及びそれにより誘発さ
 れた環境の激変をあげています。
 ペルム紀末に衝突の証拠となるクレーターはまだ発見されていません。白亜紀
 末の証拠とされる高濃度のイリジウムもなく、ショックドクオーツもほとんどありま
 せん。しかし、研究者たちは証拠として別のものをあげています。

  NASAほかの発表及び報道によると、その証拠としてバッキーボールと呼ばれ
 る炭素原子60-70個以上のサッカーボール状の分子、フラーレン(buckminster-
 fullerenes, or Buckyballs)の分布をあげています。

 この分子の中にはヘリウムやアルゴンが捉えられています。例えば地球上の
 ヘリウムは殆どヘリウム4であり、同位体ヘリウム3は稀だそうです。しかし、こ
 の分子中のヘリウム3の割合は高く、地球外で生成されたもので、それが堆積
 物中に集中していれば、小惑星または彗星からもたらされたものといえるのだ
 そうです。
 
 研究者たちはハンガリー、日本(篠山)及び中国(メイシャン)のペルム紀/三畳
 紀境界地層を調査したところ、日本及び中国からは強力な証拠が得られたとし
 ています。
 また、その分布状況から小惑星または彗星の直径は6から12kmだったと推定
 しています。これは、チチュラブクレーターを作ったといわれるものに匹敵する
 大きさです。12kmより大きければ世界中に分布するのだそうです。
 NASAプレスリリース(ftpによるtxt.ファイル) ワシントン大ニュース
 ワシントン大イメージファイル(プレス用の大きさ)
 CNNニュース ABCニュース MSNBCニュース BBCニュース ユーレカアラート
 参考:フラーレンについて

ペルム紀末の大量絶滅に関してNASAが明日発表2.21.01
  2億5千万年前、ペルム紀末には生物の90%が絶滅したとも言われます。
  木曜午後2時(東部時間)のブリーフィングにおいてNASAがペルム紀末の大量
 絶滅について新発見の発表をします。
 NASAの地球外生物学の研究者Michael Meyer、ワシントン大の Luann Becker
 ほか。
 MSNBCニュース DinosaurML
 参考:2000年7月20日付けMSNBCニュース

中国で36億年前の古地殻残体発見1.30.01
  中国西部阿爾金山東段海抜2,636mの阿克塔什塔格山で36億5千万年前の
 古地殻残体が発見されたそうです。
 人民日報(中国語)

中国華北地方で、世界最古の海洋地殻の破片を発見1.16.01
  約27億年前のものと推定されるそうです。北京大学・地質学部の李江海助教授、
 セントルイス大学・地質学部教授のカスキー(T. Kusky)博士らの研究。
 人民日報 人民日報(中国語)

大量絶滅の原因探りにチチュラブクレーター掘削へ12.19.00
  サンフランシスコで開催されたAmerican Geophysical Union2000年秋季会合
 で、アラスカ大フェアバンクス校のBuck Sharpton が明らかにしたもの。来年6月に
 彼とメキシコ国立大のLuis Marin らのグループはメキシコ Meridaの南約80kmの
 地点で2kmのボーリングをするそうです。
 これは、隕石あるいは小惑星の与えた環境に対する影響が、どのようなものだった
 のか、厳密に調査するためです。これまで、粉塵や破片のため太陽光が遮られ、気
 温の低下により大量絶滅が起こったと説明されてきました。しかし、近年の研究で、
 そんな影響を与えるほど沢山の粉塵や破片は生じなかったといわれています。
 硫化物や二酸化炭素の影響の方が大きかったのではないか、調査では硫化物や
 炭素が生じている岩石を探すようです。
 BBCニュース ディスカバリーオンラインニュース MSNBCニュース
 ナショナルジオグラフィックニュース

Ancient Asteroid Made Jell-O of Earth at Chicxulub Crater 11.23.00
  Space.comのニュースです。11月16日付けでお知らせした、小惑星衝突によ
 るクレーター流動体化についてです。

チチュラブクレーターのコンピュータシミュレーション11.16.00
  英インペリアルカレッジ、トマス・ハックスリー校のGareth Collinsらのグ
 ループが開催中の米地質協会年会で発表したものです。衝突の衝撃によ
 り、ユカタン半島は流体化し、中央のピークや周囲のリング状部をつくった
 そうです。
 以前、別のホームページでシミュレーションを見たときは、粉の中に弾丸を
 打ち込んでいました。粉よりも液体の方がいいのでしょうか。
  UnSci
  コンピュータシミュレーション
  GSAミーティング

始新世/漸新世境界での大量絶滅の原因と見られる冬の寒冷化 10.19.00
  ネイチャー10月19日号
  Cooler winters as a possible cause of mass extinctions at the Eocene/
  Oligocene boundary
  LINDA C. IVANY, WILLIAM P. PATTERSON & KYGER C. LOHMANN
  約3,700万年前のこの境界では新生代で最大級の海洋無脊椎生物の大量
  絶滅が起こったそうです。その原因としての気候変動が考えられていました
  が、気候を再現してもこの仮説を支持する結果は得られていませんでした。
  この研究では境界をまたいで魚の耳石を採集し、含まれるアラレ石中の酸素
  同位体を調べたところ、1年ごとの平均気温の変動ではなく、冬が約4℃寒く
  なったことがわかったそうです。
  ネイチャー   MSNBCニュース ディスカバリーオンライン
  ナショナルジオグラフィックニュース

Walking to Africa 10.12.00
  プレートテクトニクスが予想する2億5千万年後の超大陸 "Pangaea Ultima"
  その頃どんな生物が進化しているでしょう。
  ナショナルジオグラフィックニュース
   Continents in Collision: Pangea Ultima
  参考:パレオマッププロジェクト
      シカゴ大学古地勢図プロジェクト

New evidence indicates huge vegetation loss accompanied
  mass extinction 9.8.00
  サイエンス9月8日号1740-1743掲載
  Altered River Morphology in South Africa Related to the Permian-
  Triassic Extinction
  Peter D. Ward, David R. Montgomery, and Roger Smith
  ペルム紀末の大量絶滅について南アフリカのカルー盆地における堆積の
 調査から跡付けています。
 ユーレカアラート
 space.com
 デイリーインサイト
 ナショナルジオグラフィックニュース

 ジュラ紀海洋無酸素事件におけるガス水和物の大量解離7.27.00
  ネイチャー7月27日号掲載。
  Massive dissociation of gas hydrate during a Jurassic oceanic anoxic event
 STEPHEN P. HESSELBO, DARREN R. GROCKE, HUGH C. JENKYNS, CHRISTIAN J.
 BJERRUM, PAUL FARRIMOND, HELEN S. MORGANS BELL & OWEN R. GREEN

  先日、ペルム紀末の海洋生物大量絶滅が比較的短期間に起こったという研究を
 紹介しました。
 今日は、約1億8,300万年前、ジュラ紀のトアルシアン期前期に起こった海洋無酸素
 事件を引き起こした原因の研究です。

  海洋無酸素事件は当然海洋生物の大量絶滅をもたらします。またこの時代に海底
 に有機物が堆積すると、それを分解する酸素がないので有機物を多く含む黒色頁岩
 層を形成します。また堆積物中には炭素同位体12Cが多く含まれます。

 今回の研究は、主にこの時代のヨーロッパ各地の海岸近くで堆積した木の化石から
 炭素同位体を分析した結果によっています。炭素には軽い12Cと重い13Cがあり、木
 に含まれる炭素同位体は、その時代の大気中の炭素同位体比を反映します。

  一般にジュラ紀の岩石や化石は重い炭素同位体13Cの割合が多くなっています。
 ところが、トアルシアン期前期においては、岩石や化石に軽い12Cが多く含まれてい
 るそうです。

  これまでは、その理由として12Cの割合の多い深層水が局所的に上昇したためと、
 主に説明されてきました。ところが、木の化石中の炭素同位体を解析したところ、や
 はり12Cの割合が多いことが解りました。ということは、深層水の上昇では説明がつ
 かず、全地球的に12Cの割合が多かったことになります。

 研究者達は、12Cが多かった原因を、95年にDickensほかが5,500万年前暁新世と
 更新世境界における同様な同位体比の異常の原因としたものと同じと考えています。
  その原因とは、海底に堆積したメタンの急な放出です。
 大陸縁辺の海底にはメタンが水和物として堆積しています。メタンには豊富に12C
 が含まれています。それが深層水の圧力の減少や急速な温度上昇により突然大量
 に急に放出されたために12Cが多くなったというのです。メタンはさらに酸化してCO2
 になります。

 で、これと大量絶滅の関係は?ここからは参考文献からです。
 まず、気温が上昇すると海水面が上昇し、海岸近くの平野は浅海になります。光の
 届く浅い海が広がると、そこで植物プランクトンが大繁殖します。すると全地球的な赤
 潮のようなものになります。
 植物プランクトンを分解するのに酸素が海水中で使われます。ところが大気に触れて
 いる新鮮な表層海水は、気温上昇のために高緯度地域でもそれほど冷やされなくな
 り、比重が重くならないので底の方に沈まず、酸素を供給しなくなり無酸素水の層や
 塊ができていくのだそうです。
 かくして海洋生物の大量絶滅が進行していくことになるのでしょう。
 参考文献:「絶滅の科学」学研 から 浮上する第3のシナリオ「海洋無酸素事変」
        平野弘道
 MSNBCニュース
 CNNニュース
 ディスカバリーオンライン
 Gas (Methane) Hydrates -- A New Frontier

3,500万年前の相次ぐ隕石衝突で地球の気温が低下8.7.00
  Geology誌8月号に掲載された論文です。
 Global cooling accelerated by early late Eocene impacts?
 Hubert B. Vonhof, Jan Smit, Henk Brinkhuis, Alessandro Montanari,
 Alexandra J. Nederbragt

 始新世、3,550万年前に相次いで2つの隕石が地球に落下しました。
 1つは米メリーランド州チェサピーク湾クレーター、もう1つは北シベリアのポピ
 ガイ(Popigai) クレーターです。両者ともクレーター直径90-100km、隕石は数
 kmの大きさと推定されています。この2つは1-2万年の間をおいて衝突したと
 考えられています。また、1個のみより2つの衝突により影響は大きくなったと
 考えられています。

 恐竜絶滅の犯人として隕石が取り沙汰されだした頃、それより前でしょうか、
 ”核の冬”という言葉が流行りました。爆発で吹き上げられた粉塵が大気を覆
 い、光をさえぎるため急激に気温低下をもたらすというものです。

 研究者たちは、この隕石衝突でも核の冬のような気温低下があったかどうか
 調べてみました。南極近くの海底を掘削して得た堆積物中の微細化石に含ま
 れる酸素同位体18δOの含まれる割合の調査です。

 その結果、約摂氏2度の急激な温度低下があったことがわかりました。また
 低下は約10万年間続いたこともわかりました。10万年も続いたことについて、
 衝突の直接の影響だけでは説明できません。これは気温低下により雪や氷
 に覆われた地表が増え、太陽光を吸収せずに反射する、それによって気温低
 下に正のフィードバックが働いたためと説明しています。
 ネイチャーサイエンスアップデート(たぶん無料の登録必要)

32億年前の岩から油分発見8.7.00
  Geology誌8月号に掲載された論文です。
 Oily old ores: Evidence for hydrothermal petroleum generation in an
 Archean volcanogenic massive sulfide deposit
 Birger Rasmussen, Roger Buick
 オーストラリアの研究者であるこの2人は、ウエスタンオーストラリアの
 Pilbara craton で32億年前の岩石から油分を発見しました。これは当時、油
 をつくるバクテリアが世界中に生息していたことを示すとしています。
 また、この岩石は太古の深海の硫黄泉が形成したものなので、硫黄泉は最
 も初期の生命のゆりかごであったかもしれないとしています。
 油は鉱物粒子の中に閉じ込められる形で微細滴としてあったのですが、彼ら
 の次の研究は、この油分の中からバクテリアの微細化石を発見することだそ
 うです。
 さらに、これまで、こういう岩に油分が含まれているかどうか資源探査されて
 いなかったため、この発見は石油産業にとっても重要なことと報道は伝えて
 います。
 BBCニュース
 ディスカバリーオンライン
 

ペルム紀末の大量絶滅はやはり急速8.6.00
  Tempo of the end-Permian event: High-resolution cyclostratigraphy at the
  Permian-Triassic boundary
  Michael R. Rampino, Andreas Prokoph, Andre Adler
  Geology 7月号に掲載。
  7月23日付けネイチャーの研究では中国の地層からその絶滅の期間が短期間
 だったということが報告されています。
  こちらは、オーストリアやイタリアのアルプスのペルム紀末から三畳紀にかけて
 の地層の調査です。この境界における劇的な生物相の変化は6万年以内とのこ
 と。これはカタストロフィックな原因によることを示唆するとしています。

デカントラップの形成年代明らかに8.6.00
  インドのデカン高原は、白亜紀末に大量の溶岩が噴出して形成されたと
 言われています。また、恐竜を含んだ大量絶滅の犯人は巨大隕石でなく、
 この噴出活動だとする学説もあります。
 DinosaurMLで紹介されたものです。
 Earth and Planetary Science Letters 180: 13-27.に掲載された論文
 40Ar/39Ar dating of mineral separates and whole rocks from the Western
 Ghats lava pile: further constraints on duration and age of the Deccan traps
 C. Hofmann, G. Feraud, V. Courtillot

 ここでは、デカントラップの下部から上部にかけてサンプルをとり、40Ar/39Ar
 法(アルゴンの同位体を調べる。中国遼寧省の義県累層の年代も、この方法
 により、白亜紀前期とわかりました)によりその形成時期を調べました。

  下部のサンプルで6,540万年±70万年、それから1,800m上部のサンプルで
 6,520万年±40万年、噴出活動は6,550万年前までに終息したとのこと。デカン
 トラップの噴出活動は短期間だったことが明らかになったとともに、これ以前の
 研究ではその時期を約6,700万年前としていたのに比べ年代が若くなりました。
 
  100万年より短い期間にあのデカントラップが形成されたなら、その活動はすさ
 まじいものだったでしょう。さらに、時期もちょうど白亜紀末。ということは、やはり
 デカントラップが恐竜絶滅も含む大量絶滅の犯人なのでしょうか。

地球上の酸素量は24億5千万年前から20億9千万年の間に増加8.5.00
  サイエンス8月4日号掲載。
 Atmospheric Influence of Earth's Earliest Sulfur Cycle
 James Farquhar,* Huiming Bao, Mark Thiemens
  これはよくわかりませんでした。中国、南アフリカ、オーストラリア、北米の
 プレカンブリアンの堆積岩中のイオウ酸化物と硫化物のイオウ同位体から、
 大気中の酸素の量がわかるらしいのですが。
 このころに酸素が増え、またオゾン層が出来て生物の進化に決定的な役割
 を果たしたそうです。
 BBCニュース
 ディスカバリーオンライン
 ナショナルジオグラフィックニュース
 UCSDニュース

ジュラ紀海洋無酸素事件におけるガス水和物の大量解離7.27.00
  ネイチャー7月27日号掲載。
  最新ニュースに掲載しました。

ペルム紀末の大量絶滅はごく短期間に起こった7.23.00
  サイエンス7月21日号掲載。
 Y. G. Jin, Y. Wang, W. Wang, Q. H. Shang, C. Q. Cao(中国科学院南京地質古
 生物研究所), D. H. Erwin(米国立自然史博物館)
 ペルム期末の大量絶滅は、いわゆる五大絶滅のうち最も規模の大きいもので、
 海洋生物の科で60%、種のレベルでは96%が絶滅したとも言われています。

  この研究では、中国南部のメイシャン、ここはペルム紀-三畳紀境界の地層で
 世界で最も研究されている所だそうです。そこから産出する化石記録を統計処
 理しました。ここからは15の海洋生物群その中に162属、種のレベルでは333種
 あるのですが、2億5千140万年前の前後50万年以内に(ナショナルジオグラフィッ
 クニュースでは16万年としています)その90%以上が絶滅したことが判りました。
 彼らはこの絶滅の原因についてはシベリアントラップの大規模な溶岩噴出活動
 また、未だ確認されていませんが隕石など宇宙からの飛来物を候補としてあげ
 ていますが、そのどちらとも断定はしていません。
 ナショナルジオグラフィックニュース
ペルム紀末の大量絶滅の証拠7.25.00
  ABCニュースです。先日お知らせしたサイエンス発表の研究を、側面からリ
 ポートというもの。サイエンス論文の研究対象は、中国メイシャンの地層でし
 たが、こちらはニューメキシコ州ズーニー山地でその証拠発見というものです。
 同論文の共同執筆者D.H.Erwin側から。

恐竜は隕石衝突後数週間で絶滅6.1.00
  今朝は忙しい中、標題を逆に取り違えていました。
  詳細は、ヤフーニュースライン日本語を
 ディスカバリーオンライン
 ABCニュース
 ディスカバリーオンラインカナダ
 ユーレカアラート
 Geology誌6月号(PDFファイルで全文ダウンロードできます)

雪玉仮説に新たな理論5.25.00
  ネイチャー5月25日号掲載。WILLIAM T. HYDE, THOMAS J. CROWLEY,
 STEVEN K. BAUM & W. RICHARD PELTIER
 原生代(約8億~6億年前)、地球全体が氷結したと言われています。
 多細胞生物の進化にとって非常に重要な時期なので、この間、生物が
 どのように生き延びたか問題となっています。
 今回のシミュレーション研究では、太陽定数が現在より低かったが二酸
 化炭素濃度は現在と同じだったという仮定で行ったそうです。結果は、地
 質学や古地磁気学的証拠と同じように雪玉状態が急速に始まり、また急
 速に終わったが、その間も赤道付近には氷に覆われていない水域がある
 場合もあると結果がでたそうです。

 これまでの研究では、二酸化炭素濃度の変化も凍結・温暖化に影響を与
 えていたと考えられていました。

 もし、実際にも氷に覆われていない水域があれば、そこで生物は生き延
 びるとともに次代のカンブリア爆発に向けて進化していくことができたでしょ
 う。
 ネイチャー
 ネイチャーサイエンスアップデート
 ネイチャー門 論文が読めます。たぶん要登録(無料)
 BBCニュース
 参考:サイエンティフィックアメリカン"Snowball Earth"2000年1月号
     日経サイエンス4月号に掲載。

オーストラリアで2億5千万年~3億6千万年前のクレーター4.20.00
  オーストラリア西海岸、シャーク湾近くの町Woodleighの周囲で発見されたも
 のです。衝撃によるクレーターは80マイル(約120km)に及ぶもので、それは、
 ショックトクォーツや磁力・重力の異常により検出されたものです。

 時代は2億5千万年~3億6千万年前とされています。ちょうどこの時期、ペルム
 期末から三畳紀にかけての大絶滅がありました(2億4千5百万年前頃)。この
 大絶滅は地球の生命史上でも最大規模で、海洋生物の96%が死滅したと言わ
 れています。新発見のクレーターは、この犯人かもしれません。

 Woodleighクレーターはこれまで発見されたクレータの中で4番目の大きさだそ
 うです(1番は南アフリカの直径200マイルのVredefortクレーター、2番はカナダ
 の直径165マイルのSudburyクレーター、3番はあのチチュラブクレーター、直径
 120マイル)。
 
 ただし、ペルム期末の大絶滅を引き起こしのかどうかは、さらに研究する必要
 があります。それより小規模の絶滅は3億6千4百万年前と、2億4千7百万年前
 にも起きているからです。

 この研究はウェスタンオーストラリア地質調査所のRobert Iasky, Arthur Mory
 らにより、Earth and Planetary Science Letters4月15日号に発表されていま
 す。(HTML、PDFファイルをダウンロードできます)
  ディスカバリーオンライン

絶滅後の生物多様性の回復は化石記録全体を通じて遅い 3.12.00
  ネイチャー3月9日号掲載。JAMES W. KIRCHNERと ANNE WEIL
  この研究では、個々の大量絶滅についてではなく、全体的に見て絶滅後
 の生物多様性の回復速度がどれくらいになるかを、顕生代(カンブリア紀~
 現世)を通じた海生化石記録で絶滅と創生速度の相関関係を算定して調べ
 ています。その結果から、絶滅速度は同時代の創生速度とは有意の相関性
 をもたないが、ほぼ1000万年後の創生速度と相関することが明らかになりま
 した。
 現在、人間の行為により生物の絶滅が加速されていますが、そのために失
 われる生物の多様性が回復するのは1000万年後になってしまうのです。
 ネイチャー
 ネイチャーサイエンスアップデート
 ネイチャージャパン(ハイライトに日本語要約あり)
 ABCニュース
 
Sand Slides Create Dino-Fossil Trove3.6.00
  ゴビの豊富な化石は砂嵐で埋められたのでなく、豪雨に砂が押し流さ
 れて埋められたものだという、研究の紹介です。ネブラスカ大の堆積学者
 David Loopeと、アメリカ自然史博物館のLowell Dingusが昨年11月に、
 The Journal of Geology誌に昨年発表した研究をとりあげたものです。

ゴビに化石がなぜ豊富なのか12.29.99
  内外モンゴルにまたがるゴビ砂漠は化石を豊富に産することで知ら
 れています。その理由の研究です。これまでは砂嵐で埋もれたものと
 考えられてきました。しかし、ネブラスカ大の堆積学者David Loopeと、
 アメリカ自然史博物館のLowell DingusがThe Journal of Geology誌に
 発表した研究 によれば、化石の周囲の砂は風によって堆積したもの
 ではないそうです。
 ウカー・トルゴッドの白亜紀前期の地層、ジャドクタ累層で調査したとこ
 ろ、豪雨が表面数フィートの砂を押し流して、砂丘の下にいた不運な恐
 竜を埋めたとことが判ったのだそうです。
 一方、これに対する批判者としてケネス・カーペンターは、押し流された
 砂で埋もれれば恐竜の体は粉々になる。格闘化石のような保存はでき
 ないとしています。
 ディスカバリーオンライン
 The Journal of Geology1999 vol.107 No.6(全文及びPDFファイルあり)

最後の恐竜は生きながら焼かれたか?11.18.99
  ニューサイエンティスト11月20日号掲載の記事です。
 米の海洋学者のチームは、小惑星衝突により海中のメタンガスが
 開放され、大気が燃えたと信じています。ワシントンDCにある海軍
 研究所のBurton Hurdleらの発表です。
  深度500mより深い海中には堆積物の腐敗から生じたメタンガス
 が温度と高圧のため開放されず水と結合した状態で蓄えられてい
 るそうです。しかし、衝突の衝撃波が世界中の海中を伝わり、莫大
 な量のメタンを大気中に開放したというのです。
 ニューサイエンティスト
 ユーレカアラート
 BBCニュース
 CNNニュース
 ヤフーニュースライン

対馬に国内最大級の漣痕9.19.99
  長崎県・対馬の峰町教育委員会は十七日、同町北浦の海岸で、
 さざ波状の痕跡が岩に残る、国内最大規模の「漣痕(れんこん)」
 が見つかったと発表しました。漣痕は2,600万年から6,500万年前
 にできたとされているそうです。
 ヤフーニュースライン

三畳紀-ジュラ紀境界における地球温暖化8.27.99
 同じくサイエンス8月27日号に掲載です。植物化石からこの時代に
 3から4度の温暖化が示唆されるそうです。

中国遼寧省の羽毛恐竜の生息年代は白亜紀7.1.99
  7月1日付ネイチャーに掲載。
 CARL C. SWISHER III, YUAN-QING WANG, XIAO-LIN WANG†, XING XU
 & YUAN WANG
  遼寧省からはシノサウロプテリクス(中華竜鳥)、プロトアーケオプテリクス、
 カウディプテリクス、ベイピャオサウルス、孔子鳥、"最初の花をつけた植物"
 など世界を驚かせた数々の化石を産出されています。
  これらの化石が出土した義県累層の年代については、研究者の間にジュ
 ラ紀後期から白亜紀前期まで、見解の相違がありした。

  研究論文によると、今まで約1億4千万年前(ジュラ紀後期)と考えられてい
 た羽毛恐竜ほか多くの化石が出土した義県(イーシャン)累層下部の地層を、
  40Ar/39Ar(アルゴン同位体)法により分析したところ、少なくとも2千万年新
 しい、約1億2千5百万年前(白亜紀初期バレミアン)とわかったそうです。

  分析サンプルは、四合屯(シヘトゥン)、尖山匂(ジャンシャンゴウ、3字目は
 さんずいがつく)、フアンバンジゴウの化石を産出する層準の凝灰岩(文字通
 り火山灰起源)からとりました。分析結果は約1億2,460万年前となりました。
 
  これまでは、含まれる無脊椎動物や昆虫化石などを他地域と比較してジュラ
 紀後期と考えられていました。また、カリウム-アルゴン法による分析では、約
 1億3,700万年前とされてきました。
 
  義県累層の化石層準の絶対年代が判明したことにより、次のような考察がさ
 れています。
 1.羽毛恐竜は、その時代の生きた化石だった?。
   この地域の化石は、始祖鳥化石が発見されたドイツのゾルンフォーヘンにと
  てもよく似通っているため(例:翼竜化石、シノサウロプテリクスとコンプソグナ
  トゥス)、ジュラ紀と思われてきました。しかし、この研究により、時代が2千万
  年下りました。このことは、この地域が2千万年の間、生物相があまり変わら
  ないロストワールドだったことを意味するのかもしれません。
  そうするとシノサウロプテリクスを始めとする羽毛恐竜は皆、当時の生きた化石
  だったのかもしれません。
   逆に、ゾルンフォーヘンの年代も再検討されなければならないかもしれません。

 2.世界最古の花をつけた植物とは言えなくなった。
   2千万年、時代が下ると、中国の他の地域でもロシア、ヨーロッパ、北米東部な
  どに花をつけた植物の化石があるそうです。ですから、この化石は他の地域の化
  石と比較検討されなければなりません。また植物相においてもロストワールドだっ
  たかもしれません。
 
  鳥の起源について、侯連海は、CNNカスタムニュースで新華社に対し、「トリは恐
 竜の子孫でなく、姉妹グループだ。ジュラ紀にはトリは多様に進化している。」と発言
 しています。孔子鳥の新種や長城鳥など、この地域で多様な鳥が分岐していること
 からこの発言が出ているのでしょうが、時代が2千万年下れば始祖鳥から多様に進
 化しても当然、という見方も出てくるでしょう。これは、"トリは恐竜の子孫セオリー"を
 補強することになるのでしょうね。
 ネイチャー
 ネイチャーバイオニュース(日本語)
 BBCニュース
 ABCニュース
 CNNニュース
 ディスカバリーオンライン
 バークレー地質年代学センター

南アフリカで世界最大のクレーター発見7.15.99
  南アフリカのヨハネスブルグから約120km南西の地域に、約20億年
 前に直径8kmの隕石が落下して直径約250kmのクレーターを形成した
 ことが、わかりました。
  NASAのランドサット衛星からの画像では、水面に石を投げ込むと生
 じる波紋のような地形が見られます。
 ディスカバリーオンライン

恐竜絶滅は気温の変化が原因?6.21.99
  ABCニュースで紹介されています。
 カメやワニはその孵化する時の気温によりその性別が決定されます。
 恐竜も環境の変化により孵化した幼体が全てオスだったりメスだったり
 して、繁殖できず減少していったのでないかとしています。

インド洋に沈んだ2千万年前の小大陸6.12.99
  ゴンドワナ大陸が分裂を始め、インド洋が形成され始めた約1億1千万
 年前から約2千万年前まで何回か海面上に顔を出していた小大陸、ケ
 ルゲレン海台(でいいのかな?朝日新聞ではカーグエラン台地と表記)。
 その大きさは米合衆国の1/3といいます。
  これは、オーシャン・ドリリングプログラムという、計画事業の成果の一
 つとして発表されました。その中心は、ジョイデス・レゾリューション(JOI-
 DES Resolution)という掘削船。'78年に建造され、2ヶ月単位で年6回、
 世界の海洋底をボーリングしています。海底から8.2kmほどの掘削能力
 があるそうです。
  この海台は、インド洋の南東、南極大陸に近いのですが、ここは、ゴンド
 ワナ大陸が分裂したというより、マグマのホットスポットとして存在していま
 した。現在でもハード島などはその産物だそうです。
  ここで、研究者達は陸上で生成された岩石や、植物化石などを採集した
 のですが、最終的に海底に沈むまでに少なくとも3回陸地として存在してい
 たことが判りました。 
 BBCニュース
 オーシャン・ドリリング・プログラム
 ケルゲレン諸島
 ケルゲレン諸島でのドリリングプログラム
 

恐竜絶滅の天体をシミュレーション6.9.99
  6月8日から11日まで東京で開かれている地球惑星科学関連学会
 連合大会で、東北大学工学部の今村文彦助教授らが衝突により発
 生する津波のシミュレーションを9日発表したそうです。
  それによると、北米では300m、ヨーロッパ100mの大津波が来襲し
 たそうです。
 ヤフーニュースライン時事
 ヤフーニュースライン河北新報
 参考:
 地球惑星科学関連学会連合大会
 東北大学大学院工学研究科附属災害防御工学センター津波工学研究分野
 「隕石衝突による津波の発生と被害推定」
 今村文彦助教授のホームページ


ジュラ紀か白亜紀かそれが問題6.7.99
  シノサウロプテリクス、ベイピャオサウルスほか数々の新発見の重要
 化石を産出している中国遼寧省。産出する地層の年代についてジュラ
 紀後期とする説、白亜紀初期とする説がともに主張されています。
 DinosaurMLでは、その年代を測定した論文への言及があります。そこ
 では、シノサウロプテリクスなどを産出した層は、およそ1億2千500万年
 前(白亜紀初期)としています。
 果たしてこれで決着はついたのでしょうか。
 
エミューの卵化石からオーストラリア内陸部の古気候を研究5.15.99
 サイエンス5月14日号掲載。米ワシントン大のBeverly Johnsonほか。
  オーストラリアにアボリジニの祖先が渡ってきたのは、およそ65,000年前
 だそうです。彼らの獲物を火を使って追い立てる狩猟により、当時オースト
 ラリアに生息していた体重25kg以上の動物の85%が絶滅したことは、このグ
 ループにより既に報告されました。

  今回の報告は、その続きとも言えるものです。彼らは、まず現在もオースト
 ラリアに生息しているダチョウに似たトリ、エミューの食物と、その卵殻に含ま
 れている炭素の同位体C13の相関を調べました。
  エミューがC3植物(樹木や冬の草)を主に食べる地域(冬の降雨量が多い)
 と、その卵殻にはC13が顕著に現れます。一方、C4植物(夏のモンスーン地
 域の草でC13は少ない)を食べる地域の卵殻は、C13が少なくなります。
 
  彼らは中部オーストラリアのLake Eyre盆地(サウスオーストラリア州)で採集
 された卵化石を分析して古気候を研究しました。その結果、65,000年前から
 45,000年前まではC3植物の特徴もC4植物の特徴も見られますが、30,000年
 から15,000年前の卵殻からは殆どC4植物の特徴は見られないそうです。

  このことから、65,000年前にアボリジニの先祖が渡ってきて、植物を焼き払う
 狩猟を続けてきた結果、オーストラリア内陸部の植生が変化し、モンスーン気
 候が弱まり、乾燥した内陸では消滅したと結論しています。
 ユーレカアラート

これまで報告された中で最大の溶岩噴出跡発見4.25.99
  2億年前に大絶滅をもたらし、三畳紀を終結に至らせたのは、一つの巨大な溶
 岩の噴出でした。それはパンゲア大陸を分裂させ、大西洋を創りだしたのです。
  米カリフォルニア大バークレー校地質年代学センターのPaul R. Renneらの研究
 グループによると、ニュージャージー、ブラジルのアマゾン、スペインそして西アフ
 リカに分散する溶岩などを結びつけるものだそうです。
 噴出が始まった頃、これらの地域はパンゲア大陸の中心部でしたが、これにより
 分裂し、大西洋を形成していったそうです。
  溶岩は上部マントル層から数百万年という地質学的には短期間に700万平方
 キロメートルという広大な地域を覆ったそうです。これをCentral Atlantic Magmatic
 Province(CAMP)と呼びます。これまで知られている最大のものはインドのデカン・
 トラップ、シベリア・トラップですが、これらの2倍もの規模があります。
  研究者達は、これは地球規模の溶岩の噴出が大量絶滅をもたらす最良の例であ
 るとしています。三畳紀末には全海洋生物の科の20%が絶滅したそうですが、隕石
 の衝突以外にも生物の大量絶滅をもたらす事例としてこれからも注目を浴びるでしょ
 う。
 米カリフォルニア大バークレー校プレスリリース
 CNNニュース
 ABCニュース
 サイエンス


南インド洋で中生代に遡る大規模なマグマの噴出活動跡を発見2.19.99
 ナショナルサイエンスファウンデーションによると、南インド洋にあるケルゲレン海盆
 を掘削するプロジェクトが成功しました。ケルゲレン海盆の広さは米合衆国の1/3ほ
 どで、東経70゜、南緯50゜あたりにあります(この部分は地図で推定)。
  プロジェクトの目的は、ケルゲレン海盆の活動がいつ頃から始まったか、また活動
 期間、さらに海面上に陸地がどの程度出ていたか、また海盆からの陸地性の断片
 の探索です。
  その結果、南極から110kmしか離れていない海盆の南端はおよそ1億1千万年前
 に、中部は9千5百から8千5百万年前に、北部は3千5百万年より以降に活動したこ
 とがわかりました。
 また、海盆のかなりの部分が海面上に顔を出していた豊富な証拠も発見されたそう
 です。木、草、種子、花粉などの植物化石が、約9千万年前とされるハード島南東部
 の海盆から発見され、この地域が海面上に出ていたことが明らかになりました。
  Elan Bankでは陸地性の岩石片も採取されました。「どのように古代の陸地の断片が
 Elan Bankの周囲に取り込まれたか知ることは、およそ1億3千万年前にオーストラリ
 ア、インド、南極が分裂したとする我々の理解に重要な衝撃を与えるだろう」と、
 Massachusetts Institute of TechnologyのFred Freyは述べています。
  ゴンドワナ大陸の恐竜展が昨夏、上野の科博で開催されましたが、そこでも、恐竜
 の南北交流について、どうやって大陸を渡って来たのかわからないような化石が展示
 されていました。この発見は、こんなところにも解明の光を与えるかもしれません。
 ナショナルサイエンスファウンデーションニュース
 BBCニュース


ノルウェー北方海底で隕石クレーター発見2.10.99追記
 ノルウェーの北方200kmの海底で直径40kmの広さのクレーターが発見されました。
 正確な位置はバレンツ海の北緯73度40分、東経20度40分です。
 ノルウェーのSINTEF research instituteという機関の調査です。
 報告はここの出版するGeminiという出版物の1月号に載っています。
  約1億5千万年前に2kmの大きさの隕石が時速3万kmで飛来してこれを作ったとし
 ています。衝撃はカナダからロシアまで届く津波を引き起こし、熱い砕片は空中に
 柱のように吹き出して地球を暗くしたと述べられています。
 最初、海底火山かとも考えられたのですが、コアサンプルの分析で40万のクォーツ
 粒やイリジウムも確認されました。世界でも7個目の海底の隕石クレーターだったの
 です。(地上には150ほどあるそうです)非常によく保存されているそうです。
 クレーターはMjoelnirと名付けられましたが、これは北欧神話の雷神、トールのもつ
 ハンマーにちなんだものです。神の鉄槌というところでしょうか。そういえば、リング
 ワールドというSFでも大隕石孔がFist of God(神の拳)と名付けられていました。
 地図を見ると、ノルウェーとグリーンランドの中間地点の北極海というあたりです。
 1億5千万年前といえばジュラ紀末期チトニアンあたりになりますが、この隕石がジュ
 ラ紀から白亜紀への変化を引き起こしたのでしょうか。
 ヤフーニュースライン
 CNNカスタムニュース
 DinosaurML全て文章は同じです。
 CNNニュース
 ディスカバリーオンライン(1日で消えます)
 SINTEFの出版誌Gemini
 BBCニュース


アルゼンチンで隕石衝突証拠発見12.12.98
 アルゼンチンのパンパを330万年前に襲ったそうです。その結果気候が
 変わり、36種類の動物が絶滅したそうです。
 サイエンス今週号に掲載です。
 CNNニュース
 ABCニュース
 BBCニュース
 毎日新聞アウロス
 サイエンス


恐竜絶滅の元となった隕石片発見11.19.98
 UCLAニュースによれば、UCLAのFrank Kyteは、北太平洋海底の
 K-T境界層から直径2.5mmの隕石片を発見しました。その組成は金属と
 イオウの多い、コンドライトと言われる隕石です。イリジウムも多く含まれて
 いるそうです。彼はこれが白亜紀末の大絶滅をもたらした小惑星の破片と
 考えています。ネイチャー11月19日号に掲載されています。
 CNNニュース