ペルム紀末の大量絶滅は温度上昇、コンピュータシミュレーションから 8.29.05
約2億5千万年前、ペルム紀末の大量絶滅は、最も大規模なものとして知られ
ています。陸生生物の70%、海洋生物の95%が死滅したといわれています。
この原因については、白亜紀末と同じく、小惑星などの衝突説や火山噴火説など
の論争があります。例えば衝突の際にできるショックトクオーツは世界各地で確
認され、「犯人」候補のクレーターもあがっています。
今回、米大気研究所(NCAR)では、コンピュータシミュレーションにより、70万年も
続く火山活動が大気中にCO2と硫黄酸化物を供給し、地球温暖化をもたらしたと
いう考え方を支持する結果を出しました。
Jeffrey KiehlらNCARのチームは、大気の温度、海洋温度及び海流の総合効果を
調べるCommunity Climate System Model (CSSM) という研究ツールを使用しまし
た。
研究によると、高緯度の気温が非常に上昇したので海が深さ3,000mまで温めら
れたことを示すそうです。このため深海まで酸素と栄養物を運ぶ垂直方向の海水
の循環が妨げられ、海水は層状となり、海洋生物を絶滅に追いやりました。
海洋生物がもはや大気中からCO2を取り除かなくなったため、地球温暖化がいっ
そう進み、陸生生物の死滅ももたらしたとしています。
これまで古生物学者が、高緯度の気温が現在より8℃上昇としたのに対し、この
モデルでは現在より10から30℃上昇としています。
BBC NCARニュース
参考:ペルム紀末の絶滅(英文 ブリストル大パレオファイル)