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Bedout:オーストラリア北西部沖合いにある、ペルム紀末のインパクトクレータ
 でありうるもの 5.17.04
 Bedout: A Possible End-Permian Impact Crater Offshore of Northwestern Australia
 L. Becker,R. J. Poreda, A. R. Basu, K. O. Pope, T. M. Harrison, C. Nicholson, R. Iasky
 サイエンスエクスプレス 5月14日

 ペルム紀末の大量絶滅は、海洋生物の90%が死滅したといわれるほどの大規模でした。これまで、
 日本の篠山や中国のメイシャンを含む世界各地でペルム紀末の地層の成分が分析されました。そ
 の結果、宇宙起源とされる炭素分子フラーレンが発見されるなど、その原因が隕石や小惑星によ
 るインパクトであるということが確実になってきていました。

 ただ、直接証拠となるインパクトクレーターはどこにあるか、はっきりしませんでした。たとえば
 同じオーストラリア西部、シャーク湾にあるWoodleigh多重リング構造も直径約120kmのクレーター
 であると報告され、年代もペルム紀末に近いとされています。

 今回報告されたBedout High は、オーストラリア北西部の沖合いにあります。以前からクレーター
 の可能性があるため、いろいろな方法で調査されていたようです。今回は海底を掘削してコアサン
 プルを分析し、純粋な珪素ガラス、衝撃で溶解した斜長石や球状ガラスを確認しました。
 また、Ar39/Ar40同位元素を用いた年代測定では250±4.5百万年の結果を得ました。また、重力異常
 の調査から、その直径はチチュラブクレーターと同規模(200km以下)とされています。

 クレーターの位置そのものは、ペルム紀末には古テチス海の沿岸部だったようです。チチュラブ同様
 大津波も発生したかもしれませんね。

 論文ではクレーターの位置、規模および年代から、これが世界的規模で広がるペルム紀-三畳紀境界
 のインパクト堆積物をつくった原因と考えられるとしています。

 サイエンス
 Impact Deja Vu? L. BeckerのBedoutに関する紹介や研究
 カリフォルニア大プレスリリース
 オーストラリアのインパクトクレーター
 読売新聞 朝日新聞
 ニューサイエンティスト