鳥脚類に関するニュース
注目集めるハドロサウルス科の恐竜化石 1.02.15
苫小牧民報
むかわ町穂別で発見されたハドロサウルス科恐竜の第2次発掘からクリーニング、
研究状況などを簡潔にまとめています。
Canadian Journal of Earth Sciencesの特集 12.16.14
プレスリリース phys.org
The Danek Edmontosaurus Bonebed という、エドモントサウルスのボーンベッドに
ついて、総合的な研究特集になっています。編集陣、執筆陣とも錚々たる顔ぶれです。
オープンでないのは残念ですが、1冊分50ドル払っても読む価値はあります。
特集のコンテンツ
マレーシア、トレンガヌ州からイグアノドン類歯化石ほか発見 11.17.14
マレーシア鉱物地質学局 The Star.com
トレンガヌ州は、マレー半島、昨日のニュースで植物食鳥盤類恐竜歯化石の産地
となっているパハン州より北東部、海岸よりに位置しています。
マレーシア鉱物地質学局、マレーシア国民大学、マラヤ大学ほかいくつかの大学等
からなる The Gagau-Menjejak Dinosaur Expedition 2014 という発掘調査により、
トレンガヌ州Gagau山のジュラ紀から白亜紀の地層で発見されたものです。
イグアノドン類の長さ1.5cmの歯、ほかに獣脚類や竜脚類の足跡も発見されているそ
うです。
テスケロサウルスの頭蓋解剖学 11.14.14
サウスダコタ鉱産技術学校
私の記憶では、昔、心臓が保存されているとかいないとか、論争になったことがあり
ました。今回は頭蓋の詳細な記述についてです。英文標題を見ると、虐待されたとあり
ます。1891年の発見から20年近く学名もつかなかったそうですが、頭蓋の詳細はさら
に100年たって明らかになったわけです。
Clint A. Boyd.(2014)
The cranial anatomy of the neornithischian dinosaur Thescelosaurus neglectus.
PeerJ 2:e669 http://dx.doi.org/10.7717/peerj.669 論文フリー
荘川の小5が恐竜の化石発見 体験教室でイグアノドンの歯 11.07.14
中日新聞
高山市荘川町の荘川小学校五年の沢中七星(ななせ)さん(11)が、荘川化石調査
研究推進委員会が開催している化石発掘体験教室で発見、委員会の下島志津夫さん
が化石と確認し、京都大学の松岡広繁さんによりイグアノドン類の上顎と鑑定された
そうです。
エドモントサウルスとシャントゥンゴサウルスの比較骨学および系統関係 12.17.14
北米産のEdmontosaurus と、中国産の Shantungosaurus にはいろいろ共通する形
質があります。この論文では、両属をハドロサウルス上科内の姉妹群関係にあるとして
います。さらにKerberosaurus はこの両属に対する姉妹群になるということです。エドモ
ントサウルス亜科は少なくともKerberosaurus と Edmontosaurus が含まれるクレードと
して定義される。山東省諸城から産出しているZhuchengosaurus と Huaxiaosaurus は
Shantungosaurus のジュニアシノニムに。Kundurosaurus はKerberosaurus のジュニア
シノニムに。エドモントサウルス亜科はアジア起源で、その後北米に分散したとしていま
す。
XING Hai, ZHAO Xijin, WANG Kebai, LI Dunjing, CHEN Shuqing, Jordan C.
MALLON,
ZHANG Yanxia & XU Xing (2014)
Comparative Osteology and Phylogenetic Relationship of Edmontosaurus and
Shantungosaurus (Dinosauria: Hadrosauridae) from the Upper Cretaceous
of
North America and East Asia.
Acta Geologica Sinica(地質学報英文版) 88(6): 1623-1652 (English Edition)
アブストラクト 論文フリー
カナダ、アルバータ州の川から新種可能性のあるハドロサウルス化石 11.13.14
ロイヤルティレル博物館
2013年の洪水で、普段より高い水位になったため、2人の釣り人により発見された
そうです。重さ約1.3tのブロックに、新種の可能性があるハドロサウルス類化石が、
表面から確認できます。リンクのページには、現場からヘリで博物館に輸送するシーン
や、化石の解説がある動画があります。
むかわ町、恐竜化石のまちづくりを宣言 10.14.14
苫小牧民報
むかわ町では、ハドロサウルス科恐竜化石が発掘されたことを受けて、「恐竜
化石のまちづくりプロジェクトチーム(仮称)」を今年度中に立ち上げるようです。
むかわ町穂別産恐竜の頭骨一部を発見 10.10.14
NHK(動画4分21秒!) 苫小牧民報 北海道新聞
北海道大学・穂別博物館PDFファイル
先月、むかわ町穂別で発掘された岩石の中から上顎骨の後ろ3分の1が発見
されました。上顎骨の残りも未処理のノジュールにあるとみられています。
頭骨の他の部分も未処理のノジュールにある可能性が高くなりましたね。
絶滅直前の恐竜の歯100本発見 10.03.14
NHK
北海道、むかわ町で第二次発掘作業されたハドロサウルス科恐竜のものとみら
れています。
9月19日頃の報道では40本ということでしたが、大幅に増えましたね。
これで、頭骨が出たら素晴らしいのですが。
米、ユタ州、白亜紀後期のハドロサウルス科恐竜記載 9.18.14
ノースカロライナ州立大
ユタ州中部、上部白亜系Neslen 層(カンパニアン)から産出した標本に基づき、
記載されています。
Rhinorex condrupus ハドロサウルス科サウロロフス亜科の新属新種
属名:'Rhino'ギリシャ語で鼻。+'rex''ラテン語で王。この恐竜の大きな鼻から。
種小名:'condo'ラテン語で埋める。岩に覆われていたことから。+'rupes'ラテン
語で崖。ユタ州東部〜中部にあるBook Cliffs で発見されたことから。
学名であらわされているように、鼻骨の前腹側に鉤状の突起があることなどの
特徴があります。
Terry A. Gatesab & Rodney Scheetz.(2014)
A new saurolophine hadrosaurid (Dinosauria: Ornithopoda) from the Campanian
of Utah, North America
Journal of Systematic Palaeontology DOI:10.1080/14772019.2014.950614
論文オープンです。
ポルトガルからドリオサウルス科恐竜記載 9.10.14
ポルトガル、Lourinha(ロウリンニャ)から約2.5q南西の発掘地(上部ジュラ系
Alcobaca層 キンメリッジアン)から産出した、良好に保存された部分的な骨格
から記載されています。
Eousdryosaurus nanohallucis 新属新種
属名: ‘Eous,’ラテン語で'東の'+Dryosaurus(樫の森のトカゲ)
種小名: ‘Nano,’ギリシャ語で'小さい'+ ‘hallux,’ラテン語で足の第一趾。第一
趾が小さくなっていることから。
体長1.6mほどの小型のドリオサウルス科恐竜としています。
Fernando Escaso, Francisco Ortega, Pedro Dantas, Elisabete Malafaia, Bruno
Silva, Jose M. Gasulla, Pedro Mocho, Ivan Narvaez & JosE L. Sanz (2014)
A new dryosaurid ornithopod (Dinosauria, Ornithischia) from the Late Jurassic
of Portugal.
Journal of Vertebrate Paleontology 34(5): 1102-1112
DOI:10.1080/02724634.2014.849715 アブストラクト
北海道、むかわ町穂別で第2次恐竜発掘開始 9.04.14
北海道新聞 むかわ町立穂別博物館ブログ
9月1日、北海道大学とむかわ町が協定を結び、9月4日から発掘開始とのことです。
成果が期待されますね。
穂別博物館普及講演会 「穂別恐竜 発掘最前線!!」
9月23日(火・祝) 16:00-18:00 穂別町民センターで開催されます。
小林快次先生も講演をする予定です。
シベリアから産出したジュラ紀の鳥盤類には羽毛と鱗の両方があった
7.25.14
NHK ナショナルジオグラフィック(日)
サイエンス7月25日号ハイライト日本語(PDF) サイエンスニュース
ロシア、シベリア、トランスバイカル産の新鳥盤類Kulindadromeus zabaikalicus
については、ロシアの専門誌に掲載された事を既にお知らせしました。
今日のサイエンスでは、Supplementary Materials にSystematic paleontology
などを載せ、記載のかたちをとっています。
この恐竜で注目すべき点は、やはり鳥類につながる獣脚類以外の恐竜の系統
から、羽毛が認められることですね。また、この恐竜には羽毛と鱗の両方がある
ことが、他と異なった点です。例えば脚の遠位部は鱗ですが、大腿から脛にか
けては、羽毛に覆われています。
論文では、恐らく全ての恐竜に羽毛があった。羽の出現の最初の目的は飛行で
はなく、断熱や交尾相手を引き付ける信号であり、飛行に使用されるようになっ
たのは後のことだという以前の考えを支持するものであったとしています。
Pascal Godefroit, Sofia M. Sinitsa, Danielle Dhouailly, Yuri L. Bolotsky,
Alexander V. Sizov, Maria E. McNamara, Michael J. Benton
& Paul Spagna (2014)
A Jurassic ornithischian dinosaur from Siberia with both feathers and
scales.
Science 345( 6195): 451-455 DOI: 10.1126/science.1253351アブストラクト
ハドロサウルス科の新属Augustynolophus 7.11.14
これまでSaurolophus morrisi (上部マーストリヒチアン、Moreno 層、カリフォルニア
中部)として記載されていた標本を検討し、新属Augustynolophusとしたものです。
北米マーストリヒチアンで2番目に記載されたハドロサウルス科で、これまで認識され
ていたよりより多様な恐竜相だったとしています。
Albert Prieto-Marquez, Jonathan R. Wagner, Phil R. Bell and Luis M. Chiappe
(2014)
The late-surviving ‘duck-billed’ dinosaur Augustynolophus from the upper
Maastrichtian of western North America and crest evolution in Saurolophini.
Geological Magazine (advance online publication)
DOI: http://dx.doi.org/10.1017/S0016756814000284
ロシア、トランスバイカルからの恐竜記載 7.07.14
Paleontological jounal ロシア語版に論文が掲載されています。まだ英語版には
出ていないようです。
ロシア語を機械翻訳してみると、鳥脚類ジェホロサウルス科の新属新種として、
Kulindapteryx ukureica 、ヒプシロフォドン科の新属新種としてDaurosaurus olovus
が記載されています。
産地はトランスバイカル地方のKulinda、上部ジュラ系ukurejskoj層ということです。
ヒプシロフォドン科恐竜には剛毛があるとのことです。剛毛については、別論文で
詳しく報告されています。
ロシア、トランスバイカル産恐竜の"剛毛状うろこ" 7.07.14
トランスバイカル産、ジュラ紀後期のヒプシロフォドン科恐竜の"剛毛状うろこ"に
ついて記載しています。基部は2〜6.5mmあり、そこから長さ2〜5mmの数本の"剛
毛"が伸びています。
S. V. Saveliev, V. R. Alifanov.(2014)
A new type of skin derivatives in Ornithischian dinosaurs from the late
Jurassic
of Transbaikalia (Russia)
Doklady Biological Sciences May 2014, Volume 456, Issue 1, pp 182-184
Look Inside をクリックすると、最初の2ページを見ることができます。
関連論文
V. R. Alifanov.(2014)
The discovery of late Jurassic dinosaurs in Russia
Doklady Earth Sciences April 2014, Volume 455, Issue 2, pp 365-367
モンタナ州からエドモントサウルス幼体化石 6.11.14
頭蓋部分とほとんど完全なそれ以外の骨格化石です。こういうものが出ると、
エドモントサウルスの骨格が成長に従いどう変化するか、成体との比較で、よく
わかりますね。
Albert Prieto-Marquez(2014)
A juvenile Edmontosaurus from the late Maastrichtian (Cretaceous) of North
America: Implications for ontogeny and phylogenetic inference in saurolophine
dinosaurs
Cretaceous Research Volume 50, July 2014, Pages 282-303
DOI: 10.1016/j.cretres.2014.05.003 アブストラクト
中国河南省から基盤的ハドロサウルス上科恐竜記載 6.09.14
Zhanghenglong yangchengensis 新属新種
属名:漢代の天文家・政治家である張衡に献名。彼の出生地南陽市郊外から
標本が産出したため。
種小名:河南省南西部が含まれる春秋時代の古地名Yancheng (陽城?)から。
産地と層準:河南省西峡盆地Zhoujiagou(周家溝)村
上部白亜系(サントニアン)Majiacun(馬家村)層
ハドロサウルス上科からハドロサウルス科への移行的な特徴を持っているそう
です。
Hai Xing, Deyou Wang, Fenglu Han, Corwin Sullivan, Qingyu Ma, Yiming
He,
David W. E. Hone, Ronghao Yan, Fuming Du, Xing Xu.(2014)
A New Basal Hadrosauroid Dinosaur (Dinosauria: Ornithopoda) with Transitional
Features from the Late Cretaceous of Henan Province, China
PLoS ONE 9(6): e98821. doi:10.1371/journal.pone.0098821 論文
ダコタは何を食べていたか? 4.03.14
何年前になるでしょうか、幕張で開催された恐竜展のスターはエドモントサ
ウルスのミイラ化石、ダコタでした。その化石に含まれている花粉から、この
恐竜が何を食べていたかがわかります。
60種類の陸上植物の花粉がありました。そして、ヘルクリーク層の恐竜は、
主にヒノキ類やマツ類で構成される針葉樹の森に生息していたことがわかり
ました。シダ類や草は地面を覆い、それが恐竜の主食になっていたことが示
されるそうです。
Vivi Vajdaa, Tyler R. Lyson, Antoine Bercovici, Jessamy H. Doman,
Dean A. Pearson.(2014)
A snapshot into the terrestrial ecosystem of an exceptionally
well-preserved dinosaur (Hadrosauridae) from the Upper Cretaceous of
North Dakota, USA
Cretaceous Research Volume 46, November 2013, Pages 114-122
http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2013.08.010
最北の地で発見された恐竜化石から 4.03.14
alaskadispatch.com
カナダのクイーンエリザベス諸島、アクセル・ハイバーグ島から発見された、
ハドロサウルス科恐竜の化石から、白亜紀後期の北極地方における恐竜の
生態が明らかになりました。この地域は当時、より南方のアメリカ東部とは海
峡で隔てられ、恐竜は南方に移動することができませんでした。よって、ハド
ロサウルス科恐竜も通年で生息し、広葉樹が落葉した冬季は針葉樹の葉や
もしかしたら枝なども食べていたことが示唆されるそうです。
Matthew J Vavrek, Len V. Hills, Philip J. Currie.(2014)
A Hadrosaurid (Dinosauria: Ornithischia) from the Late Cretaceous
(Campanian) Kanguk Formation of Axel Heiberg Island, Nunavut,
Canada, and Its Ecological and Geographical Implications
ARCTIC Vol 67, No 1 pp.1-9 論文
北海道むかわ町穂別の恐竜化石、150点を確認 1.22.14
朝日新聞 マイナビニュース(詳しい) 苫小牧民報
北海道大学総合博物館の小林准教授は、昨秋の発掘でむかわ町の恐竜化石につ
いて、150点の化石が確認されたと21日発表したそうです。まだ未発掘の部分もあり
ますので、来シーズンの発掘成果が楽しみですね。これまでの発掘成果は、24日から
兵庫県立人と自然の博物館で開催される日本古生物学会第163回例会で発表されま
す。現在、標本は穂別博物館でクリーニング中で、ゴールデンウィーク前には同博物
館で展示されるそうです。
北海道むかわ町からハドロサウルス科恐竜の足の骨発掘 1.17.14
NHK 北海道大学プレスリリース(PDF)
むかわ町の約7200万年前の地層から発掘されました。全身骨格が埋まっている可
能性があるそうです。北海道大学の小林准教授らが調査し、調査結果を今週末の日
本古生物学会で発表します。
北海道大学のプレスリリースでは、そのポイントを下記のように紹介しています。
・ 第一次発掘では,腰よりも後ろの骨格の大部分が発見された。大腿骨は1.2 メート
ルほどあり,巨大な恐竜である(推定全長8 メートル)。また,遊離した歯が数本発
見されていることから,今後の調査で頭骨が発見される可能性が高い。
・ 穂別から発見された恐竜化石が,ハドロサウルス科の全身骨格であると確認され
た。体の右側の骨は繋がった状態で保存され,骨格の保存状態が非常に良い。
・ ティラノサウルスが生きていた時代(約7,200 万年前)の恐竜化石として,全身骨
格の発見は国内初であり,日本有数の恐竜全身骨格化石である。
・ 今回埋蔵されている恐竜化石が全身骨格であることから,恐竜絶滅直前のアジ
アの恐竜について知る上で重要な標本となる。ハドロサウルス科の進化や生態解
明に大きく貢献する可能性が高い。
Gongpoquansaurus と Plesiohadros 12.29.13
正式記載はまだのようですが、ネット上では出回っています。
前者はハドロサウルス上科恐竜で、甘粛省馬ソウ山新民堡層群Zhonggou層から
産出したものです。後者は基盤的ハドロサウルス上科恐竜で、モンゴル、ジャドクタ
層(カンパニアン)から産出したそうです。
ユーチューブ
軟組織のとさかをもつ、ミイラ化したカモハシ恐竜 12.22.13
12月13日に紹介した論文要旨をほにゃ訳しました。
ミイラ化したエドモントサウルスの頭にとさかが! 12.13.13
ユーレカアラート サイエンスショット 47ニュース ナショナルジオグラフィック(日)
今日から復元が変わってしまいます。エドモントサウルスの頭には軟組織のとさか
があったことが明らかになりました。カナダ、アルバータ州西部で発見された標本に
ニワトリのとさかに似たものがありました。論文では、異性を惹きつけるための特徴
ではないかとしています。この発見により、他の恐竜にも肉質のとさかがあった可能
性が浮上してきました。
Phil R. Bell, Federico Fanti, Philip J. Currie, Victoria M. Arbour
A Mummified Duck-Billed Dinosaur with a Soft-Tissue Cock’s Comb
Current Biology http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2013.11.008
”一角”恐竜ではなかった:チンタオサウルスの新しい復元 11.24.13
ハドロサウルス類の皮膚印象化石から新情報 11.11.13
Babbage(経済誌エコノミストの科学ブログ)
SVP総会での発表を伝えています。ユタ自然史博物館のKatherine Clayton の発表
です。
彼女は南ユタで発掘されたハドロサウルス類56標本の周囲にある皮膚印象化石を、
体のどの領域にどのような皮膚印象があるかを含め、調査しました。
その結果、成体のハドロサウルス亜科恐竜 Gryposaurus、Saurolophus、および
Edmontosaurus にはひだ状のリッジがある結節があるのに対し、ハドロサウルス亜科
Brachylophosaurus やランベオサウルス亜科Lambeosaurus や Corythosaurus には
ない。独特な結節のパターン(同サイズの結節からなる帯状や集団状)が、ハドロサウ
ルス亜科Edmontosaurus,、Saurolophus angustirostris およびS. osborni にある。
荘川で小学生が発見、イグアノドン類の歯。支所で展示予定 10.31.13
中日新聞
今年10月上旬の化石発掘体験教室に参加した、高山市南小学校6年生の牧ケ野文哉君が
発見したものです。27日に京都大学の松岡広繁助教が鑑定して正式にわかりました。
化石は荘川支所で展示する予定だそうです。
中国山西省からハドロサウルス上科恐竜記載 10.21.13
中国、山西省の後期白亜紀の初めの地層から産出した化石により、ハドロサウルス上科恐竜
Yunganglong datongensis が記載されています。
ヨーロッパ群島のランベオサウルス亜科恐竜 8.09.13
ちょっと前の論文ですが、紹介します。
メキシコで恐竜の関節した尾、発掘 7.25.13
NHK io9 メキシコ国立人類学・歴史学協会(ニュース 動画) AFP(動画)
メキシコ人類学・歴史学協会が発表したもの。コアウイラ州General Cepeda 近郊で発掘され
たもので、約7200万年前のハドロサウルス類です。尾の長さは約5m、完全に関節した尾椎が
メキシコで発見されたのは初とのことです。体長は12mと推定されています。
"T-REXは殺し屋"の物証 7.17.13
カンザス大ニュース ネイチャーニュース CNN.jco.jp AFPBB
殺し屋だったのかスカベンジャーだったのか、議論が続いているT-REXですが、殺し屋の
物証が加わりました。
T-REXの歯冠が埋まった、ハドロサウルス類の尾椎骨が記載されたのです。
このことから、ハドロサウルスは逃げおおせ、その後数年生き続けたことが示されるとのこと
です。
Robert A. DePalma II, David A. Burnham, Larry D. Martin, Bruce M. Rothschild,
and Peter L. Larson.(2013)
Physical evidence of predatory behavior in Tyrannosaurus rex
PNAS 2013 ; published ahead of print July 15, 2013, doi:10.1073/pnas.1216534110
アブストラクト
北海道、むかわ町穂別からハドロサウルス科と思われる恐竜尾椎 7.17.13
北海道大学・むかわ町立穂別博物館プレスリリース 苫小牧民報
2003年にむかわ町穂別の上部白亜系函淵層の海成層(約7200万年前)から同町在住の
堀田良幸氏により発見されたもので、ノジュール内に13個の尾椎が関節していたそうです。
尾の中位より後方の椎骨ということです。その特徴からハドロサウルス科恐竜の可能性があ
り、体長は7〜8mに達するということです。
この尾椎はむかわ町立穂別博物館で7/18(木)〜12/1(日)展示されます。
カナダから知られる最小の植物食恐竜記載 5.28.13
このところ、北米地域から小型恐竜の記載が相次ぎ、当時の恐竜相の多様性が、
より理解されるようになってきました。この恐竜も従来なら見過ごされていたのでしょ
う。
Albertadromeus syntarsus 新属新種(テスケロサウルス科)
属名は産地アルバータ州+ギリシャ語のランナー
種小名は腓骨遠位が退縮して、脛骨遠位と癒合していることから'Syn'(一緒に ギリ
シャ語)+'tarsus'(足首 ギリシャ語
産地と層準 カナダ、アルバータ州南部 上部オールドマン層(カンパニアン)
体長約1.6m、大型のシチメンチョウ程度と表現されています。
この小型植物食恐竜は、当時の恐竜の食物連鎖では最下位に位置していたのだろ
うとされています。
SVP トロント大 クリーブランド自然史博物館
Brown CM, Evans DC, Ryan MJ, and Russell AP. 2013.
New data on the diversity and abundance of small-bodied ornithopods
(DINOSAURIA: ORNITHISCHIA) from the Belly River Group (Campanian) of Alberta.
Journal of Vertebrate Paleontology 33(3):1-26. 論文
T・レックスから逃れたカモノハシ恐竜 3.05.13
ナショナルジオグラフィック(日)
T-REXの噛み跡の残るエドモントサウルス化石の研究についてです。
Bruce M. Rothschild, Robert Depalma (2013)
Skin pathology in the Cretaceous: Evidence for probable failed predation
in a dinosaur
Cretaceous Research http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2013.01.005
米ユタ州上部白亜系から、ワニ形類に食べられた鳥脚類骨、記載 3.01.13
サウスダコタ鉱産技術学校
ユタ州上部白亜系(カンパニアン)Kaiparowits層から産出した、「ヒプシロフォドン科」恐竜
幼体の骨を記載しています。その左肩甲骨や右大腿骨には、ワニ形類の噛み跡があり、
右大腿骨にはワニ形類の歯冠が残っています。また、CTスキャンにより、その周囲にダ
メージが広がっていることもわかりました。
これは、獲物の骨にワニ形類の歯が残っている標本として2番目の報告になるそうです。
Kaiparowits層が形成された当時の生態系を考察する助けとなるものです。
なお、恐竜自体は別論文で記載されるそうです。
Boyd CA, Drumheller SK, Gates TA (2013) Crocodyliform Feeding Traces on
Juvenile
Ornithischian Dinosaurs from the Upper Cretaceous (Campanian) Kaiparowits
Formation, Utah.
PLoS ONE 8(2): e57605. doi:10.1371/journal.pone.0057605 論文
南極から発見された鳥脚類、記載 1.10.13
南極、ジェームズ・ロス島の Snow Hill Island層(後期白亜紀カンパニアン)から産出した標本
に基づいて記載されています。
Trinisaura santamartaensis 新属新種
属名は地質学者Trinidad Diazに献名 種小名は標本が産出したSanta Marta Cove サイトから。
系統的には後期白亜紀パタゴニアのGasparinisaura,、Anabisetia 、 Talenkahuenに近いそうで
す。
Rodolfo A. Coria, Juan J. Moly, Marcelo Reguero, Sergio Santillana &
Sergio Marenssi (2013)
A new ornithopod (Dinosauria; Ornithischia) from Antarctica.
Cretaceous Research (advance online publication) アブストラクト
後期白亜紀ハンガリーから産出したラブドドン科恐竜における系統、組織及び推論される
体サイズの進化 9.22.12
PLOSone
スペイン下部白亜系からイグアノドン類記載 12.23.12
スペイン、テルエル州のEscucha層(lower Albian)から産出した数個体の標本に基づき、基盤的イグ
アノドン類が記載されています。
Proa valdearinnoensis 新属新種
Andrew T. MCDONALD, Eduardo ESPILEZ, Luis MAMPEL, James I. KIRKLAND &
Luis ALCALA. 2012.
An unusual new basal iguanodont (Dinosauria: Ornithopoda) from the Lower
Cretaceous of Teruel,
Spain.
Zootaxa 3595: 61-76 (21 Dec. 2012) アブストラクト
アルゼンチン、ラパンパ州からハドロサウルス科恐竜記載 12.23.12
Allen層(後期カンパニアン/前期マーストリヒチアン)から産出したハドロサウルス科恐竜を記載しています。
Lapampasaurus cholinoi 新属新種
Rodolfo A. Coria, Bernardo Gonzalez Riga, Silvio Casadio (2012?)
A NEW HADROSAURID (DINOSAURIA, ORNITHOPODA) FROM ALLEN FORMATION, LA PAMPA
PROVINCE, ARGENTINA. Ameghiniana (advance online publication)
アブストラクト
メキシコ北部からハドロサウルス科恐竜記載 11.28.12
ランベオサウルス亜科の新属新種、Latirhinus uitstlani が記載されています。
Gryposaurus に似て、吻部が幅広い種です。同亜科の中でもサウロロフス類で最南部
にいたもので、同類の分布域が広がったことになります。
Albert Prieto-Marquez & Claudia Ines Serrano Branas (2012)
Latirhinus uitstlani, a ?broad-nosed? saurolophine hadrosaurid (Dinosauria,
Ornithopoda)
from the late Campanian (Cretaceous) of northern Mexico.
Historical Biology 24(6): 607-619 DOI:10.1080/08912963.2012.671311
アブストラクト
カモハシ恐竜繁栄の秘密、解明 10.05.12
白亜紀後期、ハドロサウルス科恐竜は、北米、アジア、ヨーロッパなどで非常に繁栄しました。
なぜ、そんなに繁栄できたのか、答えは歯にありました。
普通の爬虫類の歯はエナメル質と象牙質の2種類から成っているのに対し、哺乳類の歯はエ
ナメル質、象牙質が2種類、それにセメント質と、合計4種類の組織から成っています。
ところが、ハドロサウルス科恐竜の歯は6種類の組織からなり、それぞれの特性により植物の
切断や粉砕に役立っていたことがわかりました。哺乳類を超える洗練された歯により、繁栄を
築いたのですね。
Gregory M. Erickson, Brandon A. Krick, Matthew Hamilton, Gerald R. Bourne, Mark A. Norell,
Erica Lilleodden, W. Gregory Sawyer (2012)
Complex Dental Structure and Wear Biomechanics in Hadrosaurid Dinosaurs
Science Vol. 338 no. 6103 pp. 98-101 DOI: 10.1126/science.1224495 アブストラクト
サイエンスナウ フロリダ大ニュース
南アフリカからヘテロドントサウルス科恐竜記載 10.04.12
南アフリカで1960年代に発見された約2億年前の標本に基づき、ヘテロドント科恐竜が記載
されています。あわせて、ヘテロドント科恐竜の系統なども議論しています。
Pegomastax africanus 新属新種
Paul Sereno (2012)
Taxonomy, morphology, masticatory function and phylogeny of heterodontosaurid
dinosaurs.
ZooKeys 224: 1-225. doi: 10.3897/zookeys.224.2840 論文
シカゴ大学ニュース ナショナルジオグラフィック(英) 読売新聞 ナショナルジオグラフィック(日)
福井県立恐竜博物館、国際シンポジウムでイグアノドン類の子どもの化石について発表
9.26.12
プレスリリース(発表の様子、標本写真あり)
9月15日〜20日まで浙江自然博物館で開催された、第5回 恐竜の卵と赤ちゃん化石に関
する国際シンポジウムで発表したそうです。
ハドロサウルス上科恐竜、Glishades ericksoni 無効名に 8.27.12
Glishades ericksoni は米モンタナ州上部白亜系ツーメディシン層から産出した、1対の部分
的な前上顎骨に基づき2010年に記載されました。
今回の研究では、その小さなサイズから幼体のものと考えられ、固有派生形質とされる形質
も、ProsaurolophusyaやGryposaurusのような同年代のハドロサウルス科恐竜と共通するの
で、無効名とされています。
E. Campione, Kirstin S. Brink, Elizabeth A. Freedman,
Christopher T. McGarrity and David C. Evans (2012)
Glishades ericksoni, an indeterminate juvenile hadrosaurid from the Two Medicine
Formation of Montana: implications for hadrosauroid diversity in the latest
Cretaceous (Campanian-Maastrichtian) of western North America.
Palaeobiodiversity and Palaeoenvironments (advance online publication)
DOI: 10.1007/s12549-012-0097-1 アブストラクト
ランベオサウルス亜科恐竜記載 6.13.12
ハドロサウルス科、ランベオサウルス亜科の新属が記載されています。
Magnapaulia laticaudus
これまでLambeosaurus laticaudus として記載されていた標本です。
Albert Prieto-Marquez, Luis M. Chiappe & Shantanu H. Joshi (2012)
The Lambeosaurine Dinosaur Magnapaulia laticaudus from the Late Cretaceous
of Baja
California, Northwestern Mexico.
PLoS ONE 7(6): e38207. 論文
北極圏のハドロサウルス類は、冬も極圏で耐え忍んだ 4.14.12
テンプル大 ケープタウン大
冬季にハドロサウルス類がどのように生きていたか、骨の微細構造から探ろうという研究です。
約7000万年前のアラスカに生息していたEdmontosaurus の骨の微細構造を調べると、その生活史が
明らかになるという仮説のもと研究されました。その断面構造は、成長が活発な部分と停滞する部分が
樹木の年輪のように交互に現れていました。これをアルバータ州南部で産出した同種の骨のと比較す
ると、こちらでは年輪のような構造は確認されませんでした。
このことから、北極圏のEdmontosaurus は冬季に渡りをして南下したのではなく、留まって冬を耐えて
いたことが分かったそうです。また、産出した骨は全て同じ層準にあり、これは当時の氾濫原で、冬の
雪が溶けて河川が氾濫した際に命を落としたものと考えられるそうです。南部で生活していた同類が
この時期に北極圏まで渡ることも考えにくいとのことです。
Anusuya Chinsamy, Daniel B. Thomas, Allison R. Tumarkin-Deratzian, Anthony
R. Fiorillo(2012)
Hadrosaurs Were Perennial Polar Residents
The Anatomical Record vol.295 issue 4 pp,610-614 DOI: 10.1002/ar.22428
アブストラクト
参考:南極圏の恐竜について
Anusuya Chinsamya, T. Richb & P. Vickers-Richc(1998)
Polar dinosaur bone histology
Journal of Vertebrate Paleontology Volume 18, Issue 2, 1998 pp.385-390 アブストラクト
Tenontosaurus tilletti の個体発生骨組織学 3.31.12
テスト版に入れました。
首なしハドロサウルス類事件 3.24.12
DINOSAUR TRACKING
ロイヤル・ティレル博物館のDarren Tanke と Rhian Russell が最近解決した問題だそうです。
1992年、彼らはアルバータ州恐竜州立公園の放棄され、記録されていなかった恐竜発掘サイトで
7500万年前の大型ハドロサウルス類の腰、肢、尾の化石を採集しました。これは昔のハンターが
採集を途中でやめたものでした。また、92年、フィリップ・カリーはそのサイトでハドロサウルス類の
下顎を採集しました。サイトや標本は記録され、度々訪れられたが、誰が発掘したサイトかは依然
不明でした。さらにある者が指骨とそれを包んでいた新聞紙(1920年の)を発見しました。
Tankeらの調査によると、当時そこで発掘をしていたのは、George F. Sternberg。妻と息子を同行
して採集していたそうです。おそらく彼らは価値のある頭骨のみ採集し、残りは放棄したのだろう
とのことです。現在、もともと一個体の骨は複数の博物館に分散しています。このことから、古生物
学において詳細な記録がいかに大切かがわかると彼らは結論づけています。
福井県立恐竜博物館、長崎県でハドロサウルス科化石発掘と発表 3.12.12
47ニュース 福井新聞 朝日新聞
福井県立恐竜博物館は12日、長崎県長崎市北浦町の後期白亜約8400万年前の地層から、ハドロ
サウルス科と見られる恐竜の右大腿骨の上半分を発掘したと発表しました。長さ約41cm、最大幅は
約23cmとのことです。
長崎県での発見は、半島西側、長崎市野母崎で2004年に発見されたハドロサウルス類左大腿骨の一
部につぎ、2例目となります。(参考:福井新聞)
後期白亜紀の鳥脚類恐竜Gasparinisaura cincosaltensis の骨微細構造の生物学的意味2.29.12
後期白亜紀のパタゴニアから産出したGasparinisaura cincosaltensis 標本の軸椎および四肢骨の
微細構造を調べています。異なった成長段階にある複数個体の骨をサンプルにしています。
殆どの骨の骨皮質は、急速な成長を示唆する、主に長軸方向に向いた血管のスペースを含む、繊
維・層板組織からなっています。しかし繊維・層板骨は通常、成長停止線と解釈され、および/ま
たは繊維が平行に並ぶ骨の環構成から急速な成長が周期的だったことを示される。
Ignacio A. Cerda & Anusuya Chinsamy (2012)
Biological implications of the bone microstructure of the Late Cretaceous
Ornithopod
Dinosaur Gasparinisaura cincosaltensis.
Journal of Vertebrate Paleontology 32(2): 355-368
DOI:10.1080/02724634.2012.646804 アブストラクト
Saurolophus の皮膚印象化石で種の分別可能に 2.04.12
examiner.com
恐竜の種を皮膚印象で分別したものです。モンゴル産のS. angustirostris とカナダ産の
S. osborni 。この2種は鱗の形状とパターンにも違いがあるそうです。
Bell PR (2012)
Standardized Terminology and Potential Taxonomic Utility for Hadrosaurid Skin Impressions:
A Case Study for Saurolophus from Canada and Mongolia.
PLoS ONE 7(2): e31295. doi:10.1371/journal.pone.0031295 論文
メキシコ産基盤的ハドロサウルス類記載 2.16.12
後期白亜紀(Santonian)のメキシコ南西部、Michoacan州から産出した、米大陸南限の基盤
的ハドロサウルス科恐竜が記載されています。
Huehuecanauhtlus tiquichensis
Ramirez-Velasco AA, Benammi M, Prieto-Marquez A, Ortega JA, Hernandez-Rivera R (2012)
Huehuecanauhtlus tiquichensis, a new hadrosauroid dinosaur (Ornithischia: Ornithopoda)
from the Santonian (Late Cretaceous) of Michoacan, Mexico.
Canadian Journal of Earth Sciences 49(2): 379-395. アブストラクト
Gryposaurus latidens の骨学 2.10.12
Gryposaurus latidens の骨学詳細について記載されています。この記載により、グリポサウ
ルス属の3種の関係が確認されました。G.latidens はG.notabilis およびG. monumentensis の
姉妹群になるということです。
Albert Prieto-Marquez (2012)
The skull and appendicular skeleton of Gryposaurus latidens, a saurolophine
hadrosaurid
(Dinosauria: Ornithopoda) from the early Campanian (Cretaceous) of Montana,
USA.
Canadian Journal of Earth Sciences (advance online publication)
doi: 10.1139/e11-069 アブストラクト
Ratchasimasaurus suranareae プレスリリース 10.10.11
福井県立恐竜博物館のプレスリリースが7日出ています。
タイから産出した前期白亜紀のイグアノドン類です。
タイ下部白亜系から新種イグアノドン類 10.04.11
福井県立恐竜博物館のチームがタイで発掘した成果でしょうか。タイ東北部、Nakhon
Ratchasimaの下部白亜系 Khok Kruat 層から産出したイグアノドン類の歯骨に基づき
記載しています。
Ratchasimasaurus suranareae 新属新種
Masateru SHIBATA, Pratueng JINTASAKUL, Yoichi AZUMA
A New Iguanodontian Dinosaur from the Lower Cretaceous Khok Kruat
Formation, Nakhon Ratchasima in Northeastern Thailand
Acta Geologica Sinica - English Edition 85(5): 969?976
DOI: 10.1111/j.1755-6724.2011.00230.x アブストラクト
サウロロフスの新種 9.25.11
Acta Palaeontologica Polonica Forthcoming papersに、米カリフォルニア州産出
のサウロロフス新種Saurolophus morrisi 記載論文が掲載されています。
Albert Prieto-Marquez and Jonathan R. Wagner
Saurolophus morrisi, a new species of hadrosaurid dinosaur from the Late
Cretaceous of the Pacific coast of North America
Acta Palaeontologica Polonica in press doi:10.4202/app.2011.0049
タイ東北部から、イグアノドン類 9.12.11
タイ東北部Khok Kruat 層(Aptian)から産出した、良好に保存された上顎に基づき、記載
されています。
Siamodon nimngami 新属新種
派生したイグアノドン類で、Probactrosaurus と近縁としています。また、派生したイグアノ
ドン類は、アジアに最初に出現し、世界の他地域へ放散したとしています。
Eric Buffetauta, Varavudh Suteethorn
A new iguanodontian dinosaur from the Khok Kruat Formation (Early Cretaceous,
Aptian)
of northeastern Thailand
Annales de Paleontologie article in press doi:10.1016/j.annpal.2011.08.001
Shantungosaurus Giganteus の系統、習性および生息環境 2.06.11
JI Yannan, WANG Xuri, LIU Yongqing, JI Qiang
Systematics, Behavior and Living Environment of Shantungosaurus Giganteus
(Dinosauria: Hadrosauridae)
Acta Geologica Sinica - English Edition Volume 85, Issue 1, pp.58-65,
February 2011
DOI: 10.1111/j.1755-6724.2011.00378.x 論文ダウンロードできます。
アブストラクト
タフォノミー、骨学解剖学、個体発生のヴァリエーションに基づき、Zhuchengosaurus
maximus Zhao et al., 2007 はここにShantungosaurus giganteus Hu, 1973 の同物異名
とみなされる。本論文ではS.giganteusの習性とその生息環境も明らかにする。それは、
地上性群居性の植物食恐竜であり、丘陵に生息し、多量の雨と豊かな植生の中にいた。
中国甘粛省から最も基盤的なハドロサウルス形類恐竜 2.05.11
モンゴル後期白亜紀のSaurolophus angustirostris 頭蓋解剖学とその成長1.09.11
Phil R. Bell
Cranial osteology and ontogeny of Saurolophus angustirostris from the Late
Cretaceous of Mongolia with comments on Saurolophus osborni from Canada
Acta Palaeontologica Polonica in press doi:10.4202/app.2010.0061
Saurolophus angustirostris の頭骨を再解析し、それが北米の類縁S. osborni と
異なった独自の種であることを確認しています。また両者が系統的に姉妹群をなす
ことが裏付けられています。
スペイン、白亜紀末のランベオサウルス亜科恐竜 12.02.10
Canadian Journal of Earth Sciencesで記載公刊されました。
Blasisaurus canudoi 新属新種
Can. J. Earth Sci. 47(12): 1507-1517 (2010) doi:10.1139/E10-081
米ユタ州から2種類のイグアノドン類記載 11.24.10
ペンシルバニア大ニュース ユタ地質調査所ニュース
Styracosterna(カンプトサウルス科よりもハドロサウルス科に近縁なイグアノドン類)
に属する2つのイグアノドン類が記載されています。
Hippodraco scutodens
属名は"Hippos"ギリシャ語で馬+"draco"ラテン語で竜。その平たく長い頭骨の形か
ら、馬の頭骨に似通っているため。
種小名は"scutum "ラテン語で長方形の盾+"dens"歯。歯骨歯冠の形状から。
ほとんど完全だが、つぶれた頭骨や椎骨、肢骨などがあります。
約1億2千5百万年前に生息していました。体長は4.5m程度だったそうです。
Iguanacolossus fortis
属名は"Iguana"と"colossus"ラテン語で巨人。前半は、イグアノドンの歯がイグアナ
と比較された歴史的経緯を踏まえたものです。後半はその巨大な体長から。
種小名は"fortis"ラテン語で強大な。
頭骨の一部、椎骨の大部分、骨盤、後肢骨などがあります。
体長は約9mあったそうで、既知のイグアノドン類で最大だそうです。
北米で発見された基盤的イグアノドン類である両者とも、同時代のヨーロッパやアジア
の同類に比べより基盤的だったそうです。
McDonald AT, Kirkland JI, DeBlieux DD, Madsen SK, Cavin J, et al. 2010
New Basal Iguanodonts from the Cedar Mountain Formation of Utah and the
Evolution of Thumb-Spiked Dinosaurs.
PLoS ONE 5(11): e14075. doi:10.1371/journal.pone.0014075
スペイン、白亜紀末のランベオサウルス亜科恐竜 11.10.10
未公刊ですが、DinosaurMLによると、Canadian Journal of Earth Sciences 47(12)で
Blasisaurus canudoi というハドロサウルス科ランベオサウルス亜科恐竜が記載される
そうです。
中国遼寧省義県層から産出したイグアノドン類 11.08.10
遼寧省義県頭台郷白台溝村の下部白亜系義県層から産出した基盤的イグアノドン上科
恐竜を記載しています。
Bolong yixianensis 新属新種 中国名 義県簿氏竜
属名は完模式標本の発見採集者である、義県宜州化石館の元館長簿海臣と現館長簿学
に献名+long(竜)。種小名は義県から産出したため。
産地と層準は上記のとおり
完模式標本 義県宜州化石館 YHZ-001 ほとんど完全な骨格
アジアで発見された中でも最も原始的なイグアノドン上科類としています。
WU Wen-hao(?文昊),Pascal Godefroit,HU Dong-yu(胡東宇)
Bolong yixianensis gen. et sp. nov.:A NEW IGUANODONTOID DINOSAUR FROM
THE
YIXIAN FORMATION OF WESTERN LIAONING,CHINA
Geology and Resources(地質与資源) 19(2):pp.127-133.
韓国の名前がついた恐竜 11.03.10
朝鮮日報 中央日報
基盤的鳥脚類 Koreanosaurus boseongensis の公開を伝えています。
Oryctodromeus と同様に穴を掘っていたとしています。
Min Huh, Dae-Gil Lee, Jung-Kyun Kim, Gwangju, Jong-Deock Lim, Daejeon, and
Pascal Godefroit, Brussels
A new basal ornithopod dinosaur from the Upper Cretaceous
of South Korea
N. Jb. Geol. Palaont. Abh. 論文
米ユタ州、ハドロサウルス科恐竜の皮膚印象化石 9.06.10
ユタ州南部カンパニアン後期Kaiparowits層から産出した皮膚印象化石を記載してい
ます。ハドロサウルス科恐竜の胸部だが、皮膚は骨格から離れた状態だったそうです。
埋まる前に部分的に離れてしまったことを示唆するとしています。
Lucia Herrero & Andrew A. Farke. 2010.
Hadrosaurid Dinosaur Skin Impressions from the Upper Cretaceous Kaiparowits
Formation of Southern Utah, USA.
Palarch’s Journal of Vertebrate Palaeontology 7(2) (2010), 1-7. 論文
再記載されたイグアノドン類 Kukufeldia 9.02.10
Kukufeldia tilgatensis 新属新種
属名は産出地Cuckfieldの古名から 種小名はウェストサセックス州の地名から
完模式標本NHMUK 28660は、マンテルにより1848年に記録された、ほとんど完
全な右歯骨です。Iguanodon anglicus 模式標本とである歯が発見されたのと同じ
ウェストサセックス州Cuckfield近くの同じ層準から発見されています。
この記載論文でIguanodon anglicus は無効名とされています。
系統的にはStyracosterna という分類群になるようです。
ANDREW T. MCDONALD, PAUL M. BARRETT & SANDRA D. CHAPMAN
A new basal iguanodont (Dinosauria: Ornithischia) from the Wealden
(Lower Cretaceous) of England
Zootaxa 2569: 1?43 (2010)
参考:Andrew T. McDonald は今年Jeyawati rugoculus も記載しています。PENN
長崎県からハドロサウルス類大腿骨 7.05.10
読売新聞 中日新聞 長崎新聞(動画)
福井県立恐竜博物館は、4日、2004年に同博物館の宮田研究員が長崎市野母崎
(のもざき)の白亜紀後期(約8,400万年前)の地層から発見された化石がハドロサウ
ルス類の左大腿骨関節部だったと発表しました。同博物館で9日から展示されます。
長崎市役所ほかではレプリカが展示されます。
鹿児島県の獅子島で見つかった恐竜化石 6.01.10
谷本 正浩、宇都宮 聡
地学研究 第58巻 第4号 2010年4月 pp.225-228
鹿児島県獅子島の御所浦層群(獅子島層)から産出した鳥脚類歯化石を記載していま
す。現時点で鹿児島県で最古の恐竜化石であり、鹿児島県における恐竜のグループを
増やす発見であるとしています。
イタリアから"Antonio"記載 12.14.09
ディスカバリー
JVPの最新号に記載論文が掲載されているそうです。
"Antonio"はもちろんニックネーム。Tethyshodros insularis と命名されたそうです。
イタリアで命名された2番目の恐竜。これまでヨーロッパで発見された中から大型恐
竜のうち最も完全。恐らく世界でも最も完全なものの一つ。カモハシ恐竜の近縁の
恐竜の詳細まで解明できる最初の例。という紹介をしています。
やはりヨーロッパの島の法則下にあったようで、体長4mほど、同類の半分ほどだった
そうです。
系統的にはハドロサウルス上科に属していたそうです。
鹿児島県長島町・獅子島で発見された草食恐竜歯化石 9.15.09
南日本新聞13日付
後期白亜紀セノマニアン期の地層から大型鳥脚類の歯化石が発見されました。
発見したのは、東大阪市在住の会社員宇都宮聡さん。これまでにも獅子島でクビナガ
リュウ化石や、白山市で転石から大型獣脚類歯発見など報道されています。著書
化石は歯の一部分で、最大長3.7cm、最大幅2cm。歯の側面に隆起線がある特徴など
から、二脚歩行を主とする鳥脚類で5メートル前後の大型である可能性が高いというこ
とです。鑑定は谷本正浩さん。報道によれば、鹿児島大の仲谷教授も獅子島で今後、
様々な恐竜化石が見つかる可能性は高いと話しています。今後の調査と研究成果が
期待されます。
”ダコタ”の皮膚の秘密、明らかに 7.09.09
恐竜2009-砂漠の奇跡-の主役、恐竜ミイラ化石、ダコタの皮膚や爪の部分を分析し
た研究が出ています。細胞構造を残した恐竜の皮膚は、現生の鳥類や爬虫類のように
2層からなっているそうです。
マンチェスター大ニュース
Phillip L. Manning, Peter M. Morris, Adam McMahon, Emrys Jones, Andy Gize,
Joe H. S. Macquaker,
George Wolff, Anu Thompson, Jim Marshall, Kevin G. Taylor, Tyler Lyson,
Simon Gaskell, Onrapak
Reamtong, William I. Sellers, Bart E. van Dongen, Mike Buckley, and Roy
A. Wogelius
Mineralized soft-tissue structure and chemistry in a mummified hadrosaur
from
the Hell Creek Formation, North Dakota (USA)
Proc. R. Soc. B published online before print July 1, 2009,
doi:10.1098/rspb.2009.0812 アブストラクト
義県層から産出したイグアノドン科Jinzhousaurus yangi の頭蓋解剖学 3.22.09
Paul M. Barrett, Richard J. Butler, Wang Xiao?Lin, and Xu Xing
Cranial anatomy of the iguanodontoid ornithopod Jinzhousaurus yangi from the
Lower Cretaceous Yixian Formation of China
Acta Palaeontologica Polonica 54 (1), 2009: 35-48 アブストラクト
義県層から産出したイグアノドン科Jinzhousaurus yangi の頭蓋解剖学 3.22.09
Paul M. Barrett, Richard J. Butler, Wang Xiao?Lin, and Xu Xing
Cranial anatomy of the iguanodontoid ornithopod Jinzhousaurus yangi from the
Lower Cretaceous Yixian Formation of China
Acta Palaeontologica Polonica 54 (1), 2009: 35-48 アブストラクト
繊維状外皮構造をもつ白亜紀初期のヘテロドントサウルス類 3.19.09
Xiao-Ting Zheng, Hai-Lu You(尤海魯), Xing Xu(除星) & Zhi-Ming Dong(董枝明)
An Early Cretaceous heterodontosaurid dinosaur with filamentous integumentary
structures
ネイチャー3月19日号 Nature 458, 333-336 doi:10.1038/nature07856
遼寧省建昌(Jianchang)県の熱河層群(前期白亜紀)から産出した、ヘトロドントサウ
ルス科恐竜新属新種を記載しています。
Tianyulong confuciusi (ティアニュロング)
属名は、標本を所蔵する山東省天寧自然博物館にちなみ、種小名は孔子に献名。
孔子の故郷曲阜が標本を所蔵する博物館から遠くないためです。
体長70cm、うち頭部6cm、尾長44cmとされています。
ヘテロドントサウルス科は鳥盤類の中でもかなり基盤的なグループですが、前期白
亜紀まで生息していたこと、中国という東アジアの地で発見されたこと(ヘテロドント
サウルス自体は前期ジュラ紀の南アフリカから産出した恐竜です)、そして、鳥盤類
恐竜としては初めて繊維状外皮構造をもつことが確認されたが重要なポイントです。
参考:Not Exactly Rocket Science 読売新聞 天寧自然博物館ニュース(中国語)
イグアノドン類恐竜における歯骨歯隙の進化 2.26.09
Katsuhiro KUBOTA and Yoshitugu KOBAYASHI
Evolution of Dentary Diastema in Iguanodontian Dinosaurs
Acta Geologica Sinica(地質学報英文版) 83(1):pp. 39-45
.恐竜における歯骨歯隙は、前歯骨後位端から歯骨の最初の歯の間をいうそ
うです。イグアノドン類(Iguanodontia)におけるこれは、低栄養・高繊維植物を食
べるための適応の中で派生してきたとする考え方もあります。また、これはかつて
イグアノドン上科の共有派生形質とされたこともありましたが、この獲得はいくつか
の非ハドロサウルス科イグアノドン類やハドロサウルス科の中で収れん的に進化
したものとされているそうです。
この論文では、非ハドロサウルス科イグアノドン類(11属12種の13標本及び1未記
載標本)、ハドロサウルス亜科(6属10種の18標本)及びランベオサウルス亜科(6属
9種の31標本)の歯骨歯隙の長さを計測・比較して、その進化を明らかにしています。
その結果、殆どの非ハドロサウルス科イグアノドン類とハドロサウルス類の間に、
ギャップがあることがわかりました。
前者では歯骨歯隙は無いか短いものになっています。また、ハドロサウルス亜科
と、ランベオサウルス亜科では成長段階におけるその発達のステージが異なるこ
とが観察されています。
ヘテロドントサウルス幼体頭骨から食性の移行を解明 10.24.08
ユーレカアラート 英自然史博物館ニュース(動画あり)
Heterodontosaurus は前期ジュラ紀約1億9千万年前の南アフリカに生息していた、
小型鳥脚類(成体でシチメンチョウ程度の大きさ)です。属名に表されるように、犬歯
状の歯をもつことが知られています。
英自然史博物館のRichard Butle rらが、1960年代に南アフリカで発掘された幼体の
頭骨(長さ45mm)をCTスキャンにより研究しました。
すると、幼体にも大きな犬歯状歯が生えていることがわかりました。これまでこの歯は
闘争や防衛、あるいは二次性徴として性的二形をあらわすと考えられてきました。
今回、幼体から発見されたことで、Heterodontosaurus 幼体は昆虫や小型動物を食
べていた。その食性は肉食から植物食への移行途上にあったとされています。
なお、この頭骨はこれまで発見された恐竜頭骨中最小だそうです。
RICHARD J. BUTLER, LAURA B. PORRO, and DAVID B. NORMAN
A JUVENILE SKULL OF THE PRIMITIVE ORNITHISCHIAN DINOSAUR
HETERODONTOSAURUS TUCKI FROM THE ‘STORMBERG’ OF SOUTHERN AFRICA
Journal of Vertebrate Paleontology 28(3):702?711, September 2008
DOI: 10.1671/0272-4634(2008)28[702:AJSOTP]2.0.CO;2 アブストラクト
小さな恐竜頭骨化石を発見=一部雑食の赤ちゃん−南ア 10.27.08
時事ドットコム
ヘテロドントサウルス幼体頭骨化石のニュースです。発見は1960年代なんですが…
ランベオサウルス亜科のとさかはコミュニケーションのため 10.17.08
オハイオ大ニュース オハイオ大ウィットマーラボニュース(詳しい、大画像、3D画像)
ランベオサウルス亜科恐竜のとさかの機能について、1920年代からこれまで論
争されてきました。嗅覚器官の表面積を増加させ嗅覚を高める働きがある。コミュ
ニケーションのために声を増幅させる働きがある。などです。
機能についてロイヤルオンタリオ博物館のDavid Evans、オハイオ大のLawrence
WitmerらがSVP総会で発表した研究が紹介されています。
彼らは頭蓋のCTスキャンし、頭蓋内の立体構造を明らかにし、内部にあった器官
や組織の形態も明らかにしています。その結果、とさかの外形にかかわらず、嗅覚
器官は比較的小さく原始的であることが判りました。嗅覚を高める働きはなかった
のです。
一方、コミュニケーションのため、とさかは低い鳴き声の増幅をさせる説について、
これらの恐竜には精巧な内耳があることが判りました。このことから、低い鳴き声
を聴く能力を備えていたとしています。また脳には高度な認識機能があることが認
められたそうです。
これらの結果から、とさかは聴覚・視覚両方でコミュニケーションする機能をもって
いたと結論づけています。
この研究はThe Anatomical Recordの次号に掲載されるそうです。
Brachylophosaurus canadensis の標本体内に残された植物片 9.16.08
豪クイーンズランド州最後期アルビアン産出のヒプシロフォドン科上顎歯 9.14.08
Hocknull, S.A., and Cook, A.G. 2008.
Hypsilophodontid (Dinosauria:Ornithischia) from latest Albian, Winton Formation, central Queensland.
Memoirs of the Queensland Museum 52(2):212.ダウンロードできます
豪クイーンズランド州、再後期アルビアン下部Winton層から産出した単離右上顎歯を
記載しています。Atlascopcosaurus loadsi 及びQantassaurus intrepidus と同様の特
徴をもつとしています。
ヒプシロフォドンの装甲はなかった 8.22.08
ABC(豪)
小型の鳥脚類、ヒプシロフォドンにはプレートが発見されてあり、これまでそれは
皮骨の装甲とされてきました。しかし今回の研究で、それは体内部の肋骨先端部と
近接していて、装甲ではないことが確認されました。それは鉤状突起と同様のもの
で、体を動かす時や呼吸時に恐竜の胸郭の支持を補助していたと考えられるそう
です。
Richard J. Butler and Peter M. Galton 2008.
The ‘dermal armour’ of the ornithopod dinosaur Hypsilophodon from the
Wealden
(Early Cretaceous: Barremian) of the Isle of Wight: a reappraisal
Cretaceous Research Volume 29, Issue 4, August 2008, pp. 636-642
doi:10.1016/j.cretres.2008.02.002
カモハシ竜は生き残りのため捕食者より早く成長した 8.06.08
オハイオ大ニュース モンタナ州立大ニュース AFPBB
カモハシ竜類は、T-REXなどの捕食者より早く成長して生き残りを賭ける戦略をとっていた
そうです。オハイオ大のLisa Noelle Cooper らの研究では、ヒパクロサウルス(Hypacrosaurus
stebingeri (MOR 549))と捕食者であるアルバートサウルス(Albertosaurus)、T-REXおよびトロ
オドン(Troodon)の大腿骨や脛骨の成長曲線を比較しています。
ヒパクロサウルスMOR549標本は、死亡時には成体で13歳でした。成体の95%の大きさに達
するのに10から12年かかったそうです。一方、アルバートサウルスが成体の95%の大きさに
達するには23年、T-REXは36年かかったとしています。トロオドンと比較すると、ヒパクロサウ
ルスの方が2倍速く成長しただろうとしています。
また、ヒパクロサウルスが性的成熟に達するのも速く、2から3年で成熟したそうです。
この結果から、ヒパクロサウルスが捕食者をしのぐ成長をすることで、いくらかは捕食者を避け
ることができたことが示唆されるとしています。
L. N. Cooper et al. 2008.
Relative growth rates of predator and prey dinosaurs reflect effects of
predation
Proc. R. Soc. B doi:10.1098/rspb.2008.0912
アブストラクト 論文ダウンロードできます。
Camptosaurus の新種 5.05.08
MLでは4月22日に流れていました。あとづけで紹介です。
Carpenter, K., and Wilson, Y. 2008.
A new species of Camptosaurus (Ornithopoda: Dinosauria) from the Morrison Formation (Upper Jurassic)
of Dinosaur National Monument, Utah, and a biomechanical analysis of its forelimb.
Annals of the Carnegie Museum 76(4):227-263. 論文
Camptosaurus の新種Camptosaurus aphanoecetes を記載しています。
種小名はギリシャ語"aphanoe-"隠された+ギリシャ語"-cetes"住んでいる
この標本が75年間もユタ州の恐竜国立モニュメントで展示されていたことから。
Velafrons coahuilensis のニュース 2.13.08
Velafrons coahuilensis は、JVP2007年4号で記載されたランベオサウルス亜科恐竜です。メキ
シコ、コアウイラ州の約7,200万年前の地層から産出しました。
ユタ大学ニュースでその紹介をしています。復元頭骨写真や、生態復元図もあります。
The Salt Lake Tribune少し斜めからの頭骨写真があります。
参考:Gaston Design, Inc.(復元頭骨作成) Todd
Marshall(復元図作成)
ユタ自然史博物館でも紹介しています。
New Dinosaur from Mexico
プレスリリース プレス用写真Velafrons Image Galleryとても大きい写真があります。
ミイラ化したハドロサウルスDakota 12.03.07
ナショナルジオグラフィック AFPBB
1999年に発見された最も良好なハドロサウルスのミイラ"Dakota"、皮膚や筋肉も
良好に残り、筋肉の量から速度を推定し、T-REXより速かったとする研究も出ています。
米ナショナルジオグラフィックTVでは、12月9日、DINO DEATH TRAPS, DINO AUTOPSY
という2本の特集番組を放送します。
参考:マンチェスター大古生物学研究テーマ MARMARTH RESEARCH FOUNDATION
体の多くの部分に皮膚や筋肉などの軟組織 恐竜のミイラ化石「ダコタ」の詳細が明らかに 12.07.07
ナショナルジオグラフィック日本版
熊本県御船町でハドロサウルス類頭骨化石発見 10.14.07
東京新聞 読売新聞 朝日新聞 御船町
13日、御船町恐竜博物館が発表しました。2004年2月、同県益城(ましき)町のアマチュア
化石研究家・富田優司さんが発見したもの。その後同博物館のクリーニングで、脳函を含む
ハドロサウルス類の頭骨と判明(国内初)。
発見について、17日からのSVP総会で報告するそうです。
米ユタ州南部から産出したGryposaurusの新種 10.04.07
Gryposaurus monumentensis と命名されています。種小名は恐竜ナショナルモニュメント
で産出したことから。
TERRY A. GATES and SCOTT D. SAMPSON
A new species of Gryposaurus (Dinosauria: Hadrosauridae) from the late
Campanian
Kaiparowits Formation, southern Utah, USA
Zoological Journal of the Linnean Society 151 (2), 351?376.
doi:10.1111/j.1096-3642.2007.00349.x アブストラクト(論文ダウンロードできます)
ナショナルジオグラフィック ユタ大学ニュース ユタ自然史博物館ニュース
読売新聞 毎日新聞
スペインBurgosでイグアノドン(?)化石産出 8.07.07
Typically Spanish
La Tejera in Barbadillo del Mercado というところでイグアノドンのものと考えられる大腿骨
(1.2m)と脛骨(1.1m)が発見されたそうです。
初の巣穴に住み穴掘りする恐竜の生痕化石及び体化石の証拠 3.22.07
穴掘り恐竜が記載されました!
新種の恐竜発見=「長春竜」と命名−中国 4.11.06
ヤフーニュース(時事) 新華社吉林頻道 人民日報日本語版
ただし、実際にはずいぶん前に紹介した恐竜です。パンテオンでは昨年8月18日に
紹介しました。
吉林省中部、前期白亜紀、泉頭層の原始的鳥脚類恐竜
中国古生物網
ランベオサウルス亜科恐竜における鼻腔の相同性及び頭の稜の機能1.17.06
ユーレカラート トロント大ニュース MSNBC
中国甘粛省第三地質鉱産勘査院、蘭州竜を命名 10.12.05
10月11日、同院は劉家峡国家地質公園開園と蘭州竜命名の会を開催しました。
蘭州竜は、同院の李大慶博士を中心に6年間研究してきた恐竜で、蘭州盆地から
初めて産出したものです。写真を見ると大型の鳥脚類ですね。
その特徴は、現在知られる植物食恐竜中、最大の歯をもつことです。最大の歯は、
幅7.5cm、長さ14cm。下顎長1m、14の歯槽があり、1個の歯槽の広さは4cm。これ
も既知の恐竜中初めてとのことです。生きている時は体長10m、体高4.2m、頭骨
長は体長の1/10。体重5.5tだそうです。
記載は地質通報の2005年9号に掲載されているようです。表紙にその歯の写真が
あります。ゼムクリップと比べるとその大きさがわかります。
論文の中国語表題は「中国甘粛発現世界上最大牙歯植食性恐竜 巨歯蘭州竜」
新華社 開会命名の模様(同院) 同院地層古生物研究
ヤフーニュース(時事)
内蒙古(中国)前期白亜紀産の原始的ハドロサウルス上科恐竜 8.31.05
吉林省中部、前期白亜紀、泉頭層の原始的鳥脚類恐竜 8.18.05
Jinzhousaurus のクリーニング完了 7.19.05
遼西商報
Jinzhousaurus は中国遼寧省で発見され、イグアノドン科とされた
恐竜です。
熱河層で発見された恐竜の中では最大のものです。2004年夏、幕張
メッセで開催された「驚異の大恐竜博」で頭蓋が展示されました。
なぜ、頭蓋のみ展示されたかというと、ほかの部分のクリーニングが
済んでいなかったためです。記載論文も頭蓋のみの記載です。
報道によれば長さ4.5m、高さ2.5mとあります。錦州宜州化石館に展
示されてあるそうです。
韓国宝城郡で「子恐竜の化石」発見 10.14.04
極東ロシア、マーストリヒト期産のランベオサウルス亜科恐竜 10.09.04
淡路島から関西初の恐竜化石発見 8.03.04
白亜紀後期ワイオミングから発見された恐竜皮膚化石 4.27.04
Quo Vadis? Paleoenvironmental and Diagenetic Constraints on Late Cretaceous
Dinosaur Skin from Western North America
Wegweiser, Breithaupt, Matthews, Sheffield and Skinner. March 2004.
SEPM The Sedimentary Record 2(1): 4-8.PDFファイル
ワイオミング州で発見されたランベオサウルス亜科恐竜化石の皮膚および皮膚印象
化石について、その化石生成を論じています。
チェコのイグアノドン類 11.27.03
写真が出ています。文章はチェコ語?なのでわかりません。
ナショナルジオグラフィック(チェコ版) ラジオプラハ
チェコでイグアノドン類化石 11.19.03
DinosaurMLの情報では、チェコで初の恐竜化石が発見されたそうで
す。最初にアマチュアが大たい骨を発見し、さらに国立博物館のチーム
が不完全な骨格要素を発掘したそうです。
およそ9千4百万年前のイグアノドン類で、推定体長4mとかなり小型です。
白亜紀のヨーロッパは島が点在するようになっていたので、島の法則で
小型化したのかもしれません。
Zalmoxes robustus 記載論文 10.13.03
Jornal of systematic palaeontology1(2)pp.65-123
まだネット上ではちゃんと出ていないのですが、どなたかがスキャンした
ものを見ることができます。早く読みたい方は読んでください。
イグアノドン類のラブドドン科に位置づけられています。
参考:ザルモクシス
いわきの恐竜化石、8500万年前のハドロサウルス科と判明
7.03.03
ヤフーニュース(毎日) 福島民報
フクイサウルス記載 4.07.03
A NEW IGUANODONTIAN (DINOSAURIA: ORNITHOPODA) FROM
THE LOWER CRETACEOUS KITADANI FORMATION OF FUKUI
PREFECTURE, JAPAN
小林欣次、東洋一
Journal of Vertebrate Paleontology: Vol. 23, No. 1, pp. 166-175.
Fukuisaurus tetoriensis gen. et sp. nov.
と命名されています。
参考:福井県立恐竜博物館
米モンタナでミイラ化したbrachylophosaurus“Leonardo”
10.11.02
SVP発表のひとつです。
アブストラクトによると全身の90%完全で、また全身の80%表皮が
残っているそうです。
写真(Phillips County Museum)
ナショナルジオグラフィック
SVPプレスリリース 同写真 プレスリリースに他数件あり
参考:SVP発表アブストラクト解説は、ドラゴン宮下さんの
Life is Dinosaur ラボラトリーに十数件あります。
アルゼンチン、パタゴニア、ネウケン盆地産、新しいイグアノドン類
鳥脚類 9.18.02
A NEW IGUANODONTIAN ORNITHOPOD FROM NEUQUEN BASIN,
PATAGONIA, ARGENTINA
RODOLFO A. CORIA, and JORGE O. CALVO
Journal of Vertebrate Paleontology: Vol. 22, No. 3, pp. 503-509.
以下アブストラクトほにゃ訳
ネウケン層群下部(Rio Limay 層、白亜紀前期)の新しいイグアノドン
類鳥脚類の発見は、数年前 Gasparinisaura cincosaltensisから始まっ
た、この種の恐竜の発見記録を増やした。
Anabisetia saldiviai, gen. et sp. nov. は以下幾つかの特徴により他の
全ての鳥脚類と識別される。扁平な第五中手骨、非常に大きい肩峰
のある肩甲骨、腸骨には全長の50%以上の長さがある寛骨臼前突起
がある。
AnabisetiaはTenontosaurus より派生していて、新イグアノドン類
〔Euiguanodontia (Gasparinisaura + Dryomorpha)〕 と、以下の特徴-
各上顎骨歯に一次外側隆線がある、幅広いbrevis-shelf 、退縮した
中足骨-を共有する。横断面で扁平な前恥骨突起や前腹方向を向い
た坐骨脚のような、派生した特長は、 Anabisetia を Dryomorpha
(たとえば、,Dryosaurus, Camptosaurus およびIguanodon)と関連づけ
る。
Anabisetia は、基幹的イグアノドン類鳥脚類が白亜紀後期に北米に現
れる以前に南米に生息していたという仮説を補強する。
アジアの鳥脚類、Probactrosaurus Rozhdestvensky, 1966について
8.31.02
On Asian ornithopods (Dinosauria: Ornithischia).
4. Probactrosaurus Rozhdestvensky, 1966
David B. Norman
Zoological Journal of the Linnean Society, 2002, 136, 113-144.
この号は主竜類の解剖学と古生物学を特集していますが、うち2編が
恐竜です。アブストラクトほにゃ訳
Probactrosaurus 属は、内蒙古自治区での中国・ロシア共同発掘遠征
で発見された材料により設立された。化石はMaorty (= Maortu)という
サイトで採集された。鳥脚類恐竜に帰せられる材料は新しい属の2つの
種、Probactrosaurus gobiensis とP.alashanicusを定義するに十分であ
ると考えられた。前者ははかなりの量の骨格材料に基づいたが、その
大部分は、モスクワの古生物協会(PIN)のコレクションに今でも見ること
ができる。後者ははるかに貧弱にしか保存されていない標本に基づい
ているが、もはやPINのコレクションに見ることができない完模式標本(
後頭蓋)を含む。またそれは伝えられるところによれば、他の材料ととも
に北京の古脊椎動物与古人類学研究所に返還された。P.alashanicus
に帰せられるオリジナルな材料の一部はPINのコレクションにある。両
分類群ともA. K. Rozhdestvenskyにより設けられたが、早期中国・ロシ
ア発掘遠征の全ての材料を用いて再記載された。
Probactrosaurus alashanicus はP.gobiensis の新参主観的同物異名
であるとみなされる。なお一層の対比が最近記載された標本、
Probactrosaurus mazongshanensis Lu, 1997 とされた。後者は
Probactrosaurus 属に帰することができるように見えない。
Probactrosaurus はきゃしゃな鳥脚類(体長4-6m)である。頭蓋はどん
な形の頭蓋稜にも飾られていない。しかし、前顎のくちばしは腹側に
偏り、歯列はより派生したハドロサウルス類鳥脚類に見られるものと
同様である。頭蓋より後方の骨格は、とりわけ伸びた前肢と手、および
小さい円錐状の母指の棘において華奢さが著しい。系統分析からは、
P.gobiensis は派生した、ハドロサウルス類でない、イグアノドン類の
鳥脚類であり、分類群ハドロサウルス科の基幹的姉妹群であることが
示唆される。現在知られているイグアノドン類の系統が再検討された。
カナダ・ブリティッシュコロンビア州で州史上最大の恐竜発見 7.10.02
同州北部の都市Tumbler Ridge近郊で、これまで20個の骨が発見され
たそうです。約9千5百万年前から9千7百万年前の鳥脚類のもの。
The Globe and Mail]
参考:Fossils of Northern British Columbia
レソトサウルスのほとんど完全な頭骨 7.02.02
Nearly Complete Skull of Lesothosaurus (Dinosauria: Ornithischia) from
the Upper Elliot
Formation (Lower Jurassic: Hettangian) of Lesotho
FABIEN KNOLL
Journal of Vertebrate Paleontology: Vol. 22, No. 2, pp. 238-243.
レソト、MasitiseのUpper Elliot層(Hettangian)で発見された、ほとんど完全
なレソトサウルスの頭骨について記載しています。後頭骨領域で新しい知
見が得られたようです。成体のものではありません。
スウェーデンのヒプシロフォドン 10.8.01
DinosaurML によると、スウェーデン南部、スコーネ(Skane)地方のクリ
スチャンスタート(Kristianstad)盆地から発見されたもの。
Kristianasaura ugnsmunnarnensis と命名されたそうです。モササウルス
骨格と一緒に発見されたとそうです。
発見されたのは1.5cmほどの歯で、約8千万年前のものという別の記事も
あるのですが、ここでは発掘地はScania北東のIvo湖となっています。
タイから40以上の恐竜化石発見 9.28.01
DinosaurMLでBen Creisler がポストしたものです。9月22日付けのバン
コクポスト紙によると、The Rajabhat Institute は40以上の恐竜化石を発見
したことを発表しました。これは、同協会の探査チームがタイ北西部Muang
地方のBan Nong Rangka, と Ban Pong Malaengwan という2つのサイトで発
掘したものです。
約1億1千万年前のイグアノドン科のものとされています。2個体に属する歯、
右上顎骨、体肢骨があり、母親と子かもしれないと言われています。
歯や顎は他国で発見されているイグアノドン科とは違っているそうです。
この化石はVaravudh Suteethorn とフランスの古生物学者により調査され
るそうです。
また、シャモティラヌスの骨も産出していますが、これはコーンケーン省プー
ウィアング地方で発掘されたものより2千万年新しいとのこと。これらは来年
できる新しい博物館で展示されるとのことです。
バンコクポスト紙
参考:金子隆一タイ恐竜ツアーアルバム
中国遼寧省義県層から鳥脚類新属新種 9.28.01
A new iguanodontid (Jinzhousaurus yangi gen. et sp. nov.) from the
Yixian Formation of western Liaoning, China
汪筱林、徐星
Chinese Science Bulletein vol.46 No.19 P.1669-1672
科学通報2001年3月第5号掲載論文の英語版です。(6月23日紹介)
頭蓋骨と歯の形態からイグアノドン科の新属新種として報告しています。
以下アブストラクトほにゃ訳
遼寧省西部義県層から産出した標本。いくつか原始的な形質も残してい
るが、他の派生したイグアノドン科恐竜と同様な多くの形質がある。前眼
窩窓の欠如、前頭骨は眼窩の形成にあずからない、それはハドロサウル
ス科の状態に近づいている。
このように稀な形質の組み合わせから、ハドロサウルス類へ形態的進化
の評価について重要なデータをもたらす。また、この発見は遼西の熱河動
物群において最初の大型恐竜の報告であり、この有名な動物群の多様性
を増すものである。さらに、義県層からの派生したイグアノドン科の発見は、
熱河動物群が白亜紀のものであることを支持するさらなる証拠をもたらし、
またこれは同位体による年代とも一致する。
皮膚印象が鮮明に残されたブラキロフォサウルス化石 9.25.01
DinosaurMLでNate Murphyがポストしています。
"Leonard"とよばれるブラキロフォサウルス(白亜紀後期に北米に生息してい
たハドロサウルス科の恐竜です)は、2000年7月27日にモンタナ州のジュ
ディスリバー層で発見されたそうです。
とても保存の良い化石なのですが、特筆すべきことは皮膚印象がポジにも
ネガにも保存されていることです。写真を見る限りでは直径1cmほどの丸い
粒状のうろこだったのかな?と思えます。
Judith River Dinosaur InstituteここのLEONARD をクリックしてください。
Jeholosaurus の詳細 8.13.01
DinosaurMLでMickey Mortimer がポストしています。
Vertebrata PalAsiatica 38(4): 318-325に掲載されたもので、パンテオンでは
1月26日にそのことだけお知らせしました。
A primitive ornithopod from the Early Cretaceous Yixian Formation of
Liaoning Xu, Wang and You
中国遼寧省義県層前期白亜紀バレミアン期から。属名はこの地方の古い地
方名から。種名 shangyangensis はこれも地名から。
記載標本は、不完全な頭蓋骨(63mm)、下顎骨(59mm)、頚椎、尾椎、
大腿骨(90mm)、脛骨(107mm)、腓骨、中足骨、趾骨など。参照標本は不完全
な頭蓋骨(〜50mm)、頚椎。
外背側に拡大した鼻孔、方形頬骨最大長の25%以上ある方形頬骨窓、方形
頬骨は頭蓋骨高の30%以下、前歯骨は前上顎骨より殆ど150%長い、歯骨
は殆ど角骨の後ろの境界まで後方に伸びている、第三中足骨は他の中足骨
より前方に位置している。
鳥脚類の中の位置付けについては、この詳細を見る限り、記載者たちはあま
りはっきりさせていないようです。
詳細は上記MLをご覧ください。やはり記載論文を見たいですね。
中国遼寧省義県層から鳥脚類新属新種6.23.01
科学通報2001年3月第5号掲載
遼寧義県組禽竜新属種:楊氏錦州竜
汪筱林、徐 星
大型の鳥脚類で、頭骨の形態と歯の特性から新属新種とするとあります。
Jinzhousaurus yangi gen. et sp. nov.(楊氏錦州竜)
既知の鳥脚類と比較して原始的な特性を有するが、上顎骨と嘴部が中等に
拡大している、また歯の並び方の特性ががカモハシ竜に非常に近い。
カモハシ竜の進化と起源を研究する上で、重要な意義を有している。
残念ながら写真などはありません。
米ユタ州でカモハシ竜皮膚化石発見5.22.01
アリゾナ・ユタ州境の北側、Grand Staircase-Escalante National
Monumentという台地で発掘をしていた北アリゾナ博物館のBarry Albright
らが発見したものです。4インチ四方のもの、バレーボールサイズのものが
カモハシ竜椎骨ちかくで発見されたそうです。同博物館で展示されるそう
です。
MSNBCニュース
ポルトガル、ロウリンハから新しいカンプトサウルス科恐竜5.2.01
DinosaulMLによれば、ポルトガルのマテウスらにより、記載された
そうです。
Mateus, O. and M. T. Antunes. 2001.
_Draconyx loureiroi_, a new camptosauridae
(Dinosauria, Ornithopoda)
from the Late Jurassic of Lourinha, Portugal. Ann.
Paleontol. 87, 1, 67-73.
ドラコニクスとはすごい属名ですね。同一個体に属するばらばらな骨に
より記載されています。上顎歯、3個の尾椎と血道弓、右上腕骨と大腿
骨遠位端、指、趾骨、踵骨などです。
米のモリソン層とのつながりにおいて、アロサウルス-ロウリンハノサウ
ルス、ディプロドクス-ディンヘイロサウルス、カマラサウルス-ロウリンハ
サウルスに先行してカンプトサウルス-ドラコニクスの対応がなされた
としています。
米オクラホマ州で頭蓋骨のあるテノントサウルス発見2.27.01
ニューヨークタイムスです(無料の登録必要)。
オクラホマ大の研究者、Dr. Richard L. Cifelli らのチームが同州都オクラホマ
シティから150マイル南東のAtoka郡で発掘したものです。彼によれば、「恐らく
今までで最大かつ最良に保存されたテノントサウルス」だそうです。
テノントサウルスといえば、ディノニクスの群れに教われているイラストが目に浮
かびます。
これまでのテノントサウルス標本では頭蓋骨は失われているか断片だったという
こと。標本は同大のSam Nobleオクラホマ自然史博物館でクリーニングされてい
ますが、その様子は同館のウェブカメラで見ることができます。
参考:同館のテノントサウルスと共にディノニクス発見のニュース(2000年)
同博物館テノントサウルス関係写真4.20.01追加
Dinosaur with a Heart of Stone 2.3.01
サイエンス2月2日号のサイエンティフィック・コレスポンデンスです。
心臓化石のWilloは昨年の大きなニュースでした。一方、柔らかい心臓組織が
化石として保存されるかどうか、疑問の声もあがっていました。今回はその側から
の調査報告。
ティモシー・ロウ他の報告では、心臓化石ではなく、鉄分などが凝固したものと、し
ています。もちろん、デイル・ラッセルらの側も反論をそのホームページのFA&Qに
掲載しています。あなたはどう判断しますか?
デイリーインサイト
参考:Willo, the Dinosaur with a heart
Jeholosaurus shangyuanensis 1.26.01
DinosaurML(Dinosaur Genera List corrections #155)によると、
Vertebrata PalAsiatica 38(4): 318-325
"A primitive ornithopod from the Early Cretaceous Yixian Formation
of Liaoning,"
で掲載されたものです。遼寧省北票のLujiatun , Shangyuanで発見され、殆ど
完全な頭骨があるそうです。
Debate over dinosaur 'heart' gets blood pumping
Some say the fossil had
four chambers; others just see mud 10.4.00
USATODAYです。テスケロサウルス"ウィロ"の心臓に関する記事です。
先日ネイチャーの記事を紹介しました。こちらでもやや詳しくこの経緯を紹介
しています。
爬虫類の生理に本当に精通した者が論文を執筆したか、
共同執筆者である、この化石を売ったHammer
の見解に左右されなかったか、
4心室・心房の構造が必ずしも温血を示すものでない(ワニのように)、
化石の発見されたヘルクリーク累層からこれまで柔らかい組織の化石が発見
された例はきわめて稀、
CTスキャンを見た心臓専門医は化石の専門家と言えるのか、
サイエンス誌は論文が送付されてきてから出版までの期間が短すぎたのでは
ないか。などの問題があるようです。
サイエンス誌上での次の論文が待たれます。
参考:Willo The dinosaur with a heart
テスケロサウルスの"化石化した心臓"に疑問が9.21.00
ネイチャー9月21日号掲載のニュースです。
テスケロサウルス”ウィロ”の心臓について、4つの心室をと1本の大動脈をも
ち、爬虫類よりヒトに類似する、このことは、少なくともこの恐竜が中から高度
の代謝をし、温血であったことを導くとされたのは、ごく最近サイエンス4月21
日号掲載論文でです。
しかし、他の古生物研究者からは本当に心臓なのか疑問の声が上がって
いたようです。8月にテキサス大のティモシー・ロウたちにより、この化石は調
査されました。その結果、彼らはサイエンスに反論を掲載するようです。
ミネラルが沈殿して凝固したものというのでしょう。
”ウィロ”を発表したノースカロライナ大と同大博物館も、今月初めに再度より
高性能のCTスキャンで調査したそうですが、その結果は反論が出たあとに
持ち越されるようです。
参考:ウィロのサイト再CTスキャン記事
ノースカロライナ自然史博物館:
The Dinosaurs of Jurassic Park: The Lost
World
The Wonders of Willo
ニッポノサウルス新種に6.23.00
北大総合博物館の箕浦名知男助教授、同理学研究科の大学院生鈴木大輔
さん米ジョンズホプキンス大のデイヴィッド・ウェイシャンペル教授の研究による
ものです。今年のSVPで発表されるそうです。
ヤフーニュース
6,600万年前のテスケロサウルスからCTスキャンで心臓を復元
2心室2心房の心臓、温血だった?4.21.00
サイエンス4月21日号掲載。Paul
E. Fisher, Dale A. Russell, Michael K.
Stoskopf, Reese E. Barrick, Michael Hammer
1993年にサウスダコタ州のヘルクリーク累層で論文執筆者の一人マイケル・
ハマーにより発掘されたテスケロサウルス(ヒプシロフォドン科)の研究です。
ハマーはプロの化石プレパレーターなのですが、胸郭に塊があるのに気づいて
いました。通常なら骨のクリーニングの際、削ってしまうのですが、これまでに
なく保存のよい肋骨から、この塊は内臓かもしれないと思い、表面を丁寧に洗っ
たのだそうです。
化石は96年からノースカロライナの自然史博物館に展示され、発掘地の所有
者の妻にちなみ"Willo"と名づけられたのですが、博物館に送る前に、開業医
アンドリュークズミッツによりCTスキャン検査が行われました。
CTデータから自然史博物館及びノースカロライナ州立大から派遣されたチーム
が三次元画像を復元したところ、二つの近接する腔と大動脈の位置にある単一
の管状構造が判明したそうです。腔は恐らく心臓の下部の心室、上部の心房は
薄いので押しつぶされたと推定されています。
爬虫類の心臓は、肺からの酸素の豊富な血液と体を循環した酸素の少ない血
液が心臓の隔壁が不十分なため混ざってしまいます。ワニ類で隔壁が出来ま
すが一部穴があいています。鳥類・哺乳類において完全に隔てられ、2心房2心
室になります。それが高い代謝の元となっています。
この標本の心臓は4つの部分に分かれ、それは爬虫類よりも哺乳類の心臓に
似ていると報道されています。論文では、このことにより、恐竜は中程度の代謝
もしくは代謝率が高い定温であったことを示唆するとしています。
ヤフーニュース
CNNニュース
ABCニュース
ディスカバリーオンライン
ディスカバリーオンラインカナダ
BBCニュース
ユーレカアラート(日本語訳あり要アドビアクロバット)
ナショナルジオグラフィックニュース
http://www.dinoheart.org/必見!カラー画像ほか
ヤフーニュースWIRED日本語
サイエンスニュース
恐竜の心臓化石をCT検査、温血動物説の確証か(WIRED)4.24.00
ヤフーニュースWIRED日本語です。
恐竜は、ほ乳類に近い?
−−研究者、心臓の化石で推定 4.25.00
毎日中学生新聞です。わかりやすく解説しています。
A
Dinosaur with Heart5.2.00
サイエンティフィックアメリカンの記事です。もちろん、あの心臓化石のニュー
スです。ここは、リンクが豊富なので紹介します。
同じくサイエンティフィックアメリカンの記事でA
New Rexも見逃せません。パタ
ゴニアで発見された新しい大型獣脚類についてです。
北海道大学総合博物館のシンポジウムで2.28.00
「ニッポノサウルスの再記載と系統的位置」では、ニッポノサウルスは幼体
であること。ヒパクロサウルスに近縁なこと、北米からベーリング地峡を渡っ
てアジアにきた恐竜であると考えられると発表されました。
福島県いわき市で体験発掘でハドロサウルス化石8.1.99追加
いわき市のアンモナイトセンターで市民の体験発掘に参加した夫
妻が、約8千7百万年前のカモハシ竜の幼体化石を発見しました。
地層年代のわかっているものとしては世界最古級だそうです。
発見したのは、いわき市在住の大矢直仁・百合夫妻。5月23日に
発掘し発見した化石を群馬県立自然史博物館の長谷川館長の鑑定
により白亜紀後期のカモハシ竜の右胸の骨と判ったそうです。
朝日新聞
いわき市アンモナイトセンターの案内1,2,3
参考:林原:モンゴルで発見したサウロロフス足跡について
福井県博:ニッポノサウルスの復元について
豊橋市博:アナトサウルス展示室
東海大博:標本解説サウロロフス
パンテオン:ハドロサウルス幼体標本
南極で新種恐竜化石発見7.21.99
この2月にジェームズ・ロス島の岩浜で体長12フィートの2足歩行の植
物食恐竜の脛骨と腓骨それに大腿骨の一部が発見されたそうです。
発見の様子は定かでありませんが、アルゼンチンの南極研究組織の
2人の地質学者がアルゼンチン自然史博物館のFernando Novasに見せ
たそうです。およそ7千4百万年前のものとされています。
ヤフーニュースライン(ロイター)
CNNニュース(ロイター。中身は同じ)
ABCニュース(同上)
参考:FOSSILS
FROM MESOZOIC ERA ANTARCTICA
クリオロフォサウルスの発見について
ニューメキシコで発見されたハドロサウルスの皮膚印象化石2.8.99
米古脊椎動物学協会(SVP)の機関誌Journal of Vertebrate Paleontology18(4)
718-738('98年12月)に発表されたものです。数日前にCNNカスタムニュースで
紹介されていたので、ごく簡単に紹介します。
米ニューメキシコ州南西部のLittle Htchet山脈で、上部白亜紀のRingbone Formation
から発見されたものです。尾椎などの骨化石も同時に産出しています。
皮膚印象化石自体はポジ・ネガ両方あり、細かい粒状に見える部分もあるのです
が、小さい火山(私にはカサガイの群れに見えるけれど)のようなものがあります。
CNNカスタムニュース
皮膚印象写真(187KB)
石川県白峰村で国内最古の恐竜卵化石発見2.7.99
白峰村の桑島化石壁から30数点の卵化石が発見され、うち2点はほぼ原型を
とどめたものだそうです。年代は約1億3千万年前とされ、福井県勝山市から発
見された卵化石より約1千万年古いそうです。桑島化石壁のトンネル工事によっ
て発見されたもので、すでにトリティロドン歯化石やヒプシロフォドン頭骨化石が
発表されています。
北國新聞社
参考:ヒプシロフォドン頭骨写真
福井の卵化石(毎日新聞アウロス)
世界最古のカモノハシ恐竜1.21.98
先日紹介しましたプロトハドロスの紹介記事です。
サイエンスデイリー
プロトハドロス記載1.19.99
Journal of Vertbrate Paleontologyの'98年12月号で記載されました。
記載者はJason J. HEAD。テキサスから出土した化石は
Protohadros byrdi,gen.et sp. nov.(新属新種)とされています。詳細は
論文を読んでから紹介します。
CNNニュースから7.6.98
DinosaurMLで紹介されていたものです。
(私の英語力は中学生レベルなので鵜呑みにしないこと!)
Dinosaurs
Kept Warm in the Polar Chill
オーストラリアで発見された恐竜化石(ヒプシロフォドン)の研究から、
当時の極地帯で棲息していた恐竜は、体を暖かく保っていたとする。
南アフリカ・ケープタウン大のAnusuya Chinsamyの報告です。
シロートの私としては、小型とはいえ鳥脚類の植物食恐竜で、という
のは注目に値するのかな?と思いました。
Dinosaur
Denizens of the Dark
1月に南極半島近くのヴェガ島で発見されたハドロサウルスについての
リポートです。この島のサイトからは他に海棲爬虫類や鳥類の化石が産出
しているそうです。この化石の発見で浮かび上がる謎は、ここのハドロサウ
ルスは現代より暖かいとはいえ、闇が続く冬季をどうやって生きていたのか、
それとも南米との間で渡りをしていたのか、ということだそうです。