ランベオサウルス亜科恐竜における鼻腔の相同性及び頭の稜の機能 1.17.06
Nasal cavity homologies and cranial crest function in lambeosaurine dinosaurs
David C. Evans
Paleobiology: Vol.32, No.1, pp.109–125.
ランベオサウルス類恐竜にある頭飾り(冠、とさか)の機能を神経学的に検討し
ています。大きくなった部分は、嗅覚に関する部分でないことを解明し、その
機能は種内コミュニケーションのために鳴き声を共鳴させるためとしています。
アブストラクトほにゃ訳
ランベオサウルス亜科ハドロサウルス科(恐竜類:鳥脚類)で、現生主竜類に
おける鼻腔の相同関係評価をする神経学的な方法が、その肥大した鼻腔及び高
度に派生した頭蓋の稜に関連する機能的仮説を検証するために、展開された。
鼻腔の軟組織領域と一貫した関係がある、嗅覚系及び関連する頭蓋神経経路
が、新しい古神経学的データ及び比較系統学的アプローチに基づき、ランベオ
サウルス亜科において復元された。ランベオサウルス亜科嗅覚系及び鼻腔の新
モデルは、鼻腔の重要な部分がちょうど稜腔の外に位置することを示すと共に
一次臭覚領域が眼窩より吻内側であったことを示している。
全ての利用可能なデータから、鼻腔の進化に伴う肥大化が、非嗅覚鼻前庭部
内で主に起こり、稜の発達は嗅覚に関連したことが原因となっているのでない
ことが示された。稜形状の、種間及び成長上の高レベルな変化、及びランベオ
サウルス亜科における鼻前庭の発達は、行動機能、とりわけ種内コミュニケー
ションのための著しい音の共鳴と、最も一致している。主竜類内の鼻腔の著し
い変異、その極端な肥大、及びランベオサウルス亜科における眼窩上骨の発達
にもかかわらず、神経の嗅覚システムと鼻腔の嗅覚域は共有形質的な位置と関
係を適切に保ち続け、このシステムは脊椎動物の進化に高度に保存されている
ことが示唆されている。