中国甘粛省から最も基盤的なハドロサウルス形類恐竜 2.05.11
甘粛省酒泉区金塔県兪井子(Yujingzi)盆地、前期白亜紀(Aptian-Albian)新民堡(Xinminpu)
層群から産出した、殆ど完全な骨格に基づき、記載しています。
Xuwulong yueluni 新属新種
属名は、甘粛省地質調査所の先駆的な地質学者、王曰倫教授(1903-1981)の字(あざな)
叙五+竜。王教授は1943年に甘粛地質展示室を開設し、それは今日の甘粛地質博物館
の先駆けとなった。種小名は王教授に献名し、その名、曰倫。
完模式標本(GSGM F-00001)は、頭骨、下顎、さらに体軸骨格が関節し、遠位尾椎のみ欠
失しています。頭骨以外の骨格は左側側面のみ剖出されています。
推定体長約5mとされています。
歯骨の吻側端がV字型をし、その頂点は歯骨枝の中間よりわずかに下に位置している、
同様に、下顎関節面は歯骨枝の中間より下に位置しているていることなどの特徴があげ
られています。これらの特徴は他の基盤的ハドロサウルス形類では、はるかに歯骨の腹
側端に近いレベルに位置しているそうです。
Xuwulong yueluni を含め、3種類の基盤的ハドロサウルス形類(Jintasaurus, Equijubus)
が甘粛省の馬鬃山エリア、新民堡層群から産出しており、カモハシ恐竜の起源と進化を考
える上で、この地域は非常に重要であるとしています。
YOU Hailu, LI Daqing, LIU Weichang
A New Hadrosauriform Dinosaur from the Early Cretaceous of Gansu Province, China
Acta Geologica Sinica, 2011,(1):pp.51-57
アブストラクト(中国地質学会) 論文
参考:標本写真など(化石網論壇)