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吉林省中部、前期白亜紀、泉頭層の原始的鳥脚類恐竜 8.18.05
 吉林省中部早白亜世泉頭組一原始鳥脚類恐竜
 昝淑芹(ZAN Shu-Qin) 陳軍(CHEN Jun) 金利勇(JIN Li-Yong) 李涛(LI Tao)
 古脊椎動物学報第43巻第3期pp.182-193 論文は中国語。英文はDiagnosisまで。

  標題のとおり、吉林省中部前期白亜紀泉頭層から産出した、完全な頭骨をも
 つ小型の原始的鳥脚類恐竜骨格を記載しています。 科は不定の新属新種として
 Changchungsaurus parvus gen. et sp. nov. (嬌小長春竜)と命名しています。
 属名は、吉林省都、長春+saurus、parvusはラテン語で’小柄で小奇麗な’とい
 う意味。 頭骨最大長は115mmです。

 アブストラクトほにゃ訳(英文) いつもに増して訳には全く自信ありません
 新しい鳥脚類(Changchungsaurus parvus gen. et sp. nov.)が、中国吉林省劉房
 子の前期白亜紀泉頭層産の1標本に基づき、命名され記載された。この標本は、
 松遼盆地前期白亜紀堆積層から初めての原始的鳥脚類分類群である。

 Changchungsaurus は原始的及び派生的形質を組み合わせて持っている興味深い鳥
 脚類である。それはいくつかの鳥脚類の固有派生形質を有している:傍後頭突起が
 三日月形をしている、顎関節は上顎歯列に対し腹側にある。

 それは真鳥脚類と以下の共有派生形質を共有している:前眼窩窓は小さい、外上顎
 窓は無い。しかしながら、Changchungsaurus は殆どの鳥脚類及び周飾頭類より、
 5個の前上顎歯をもつ点、前上顎骨の短い歯のない前端領域、前上顎骨と上顎歯の間
 の歯隙は小さい、上顎歯と歯骨の歯冠のエナメルは対称的に広がっている、及び上
 顎骨の吻部をもつ前上顎骨の吻部。

 その頬骨突起はは頬骨の外側面に突き出ている。頬骨の外側膨大に小さな塊状の構
 造があり、それは他の鳥脚類では記載されていない。Changchungsaurus には、 長
 い前歯骨があり、それが、角竜類にあるような固定した下顎癒合かもしれないこと
 を示唆する。二重の腹側突起端がある前歯骨の形態では、派生した鳥脚類と同様で
 ある。この新しい鳥脚類の正確な系統関係をもたらすには更なる研究が必要である。


 あまりに自身ないので中国文のアブストラクトほにゃ訳もつけました。
 吉林省松遼盆地白亜紀堆積の中から初めて発見された原始的鳥脚類恐竜を記載する。
 その頭部の特徴に基づき新属新種(Changchungsaurus parvus gen. et sp. nov.)と
 する。 化石は吉林省公主嶺市劉房子鎮山前泉層上部紫紅色含礫泥質砂岩から産出
 し、同一層位から獣脚類、ワニ類、恐竜卵、哺乳類等の化石が産出している。  

 Changchungsaurus parvus は、原始的形質と派生的形質が混合した小型鳥脚類恐竜
 である。多くの鳥脚類と周飾頭類がもつ原始的形質を有している、例えば、5個の前
 上顎歯、前上顎骨の吻部は1列の歯があるのみ、前上顎骨と上顎歯の間隙は比較的
 小さい、頬歯両側のエナメル質は対称、前上顎骨の腹側縁と上顎骨の腹側縁は基本的
 に同一水準等。

 同時にChangchungsaurus parvus は、真鳥脚類に類似した派生した形質も有している、
 前眼窩窓は小さい、外下顎窓は無い。Changchungsaurus parvus は頬骨突起を有し、
 これは鳥脚類恐竜中比較的稀である。その頬骨突起表面には鮞(魚卵のこと) 状構造が
 あり、この特徴は他の鳥脚類では未だ知られていない。Changchungsaurus parvus
 前歯骨の形態と角竜類は接近し、腹側枝は明らかに対する側の枝より長く、前歯骨と
 歯骨の癒合方式は角竜類と相似する。Changchungsaurus parvus の系統的分類位置の
 確定にはさらに研究が必要である。