新潟県妙高山麓でナウマンゾウ臼歯発見 1.07.15
  信濃毎日新聞 読売新聞
  新潟県妙高市の妙高山麓、標高1230m地点から、ナウマンゾウ成獣の第3臼歯が
 発見されたと、野尻湖ナウマンゾウ博物館が発表しました。
 山麓の川辺で、2万9千年~5万年前の地層から土砂崩れ等で落ちてきたものと推
 定されています。国内では最も標高が高い地点の可能性があるとのことですが、生
 息していた当時は付近に湖がある環境とのことです。

奇蹄類の祖先は、島大陸だった頃のインドに 11.21.14
  phys.org ジョンズホプキンス大
  ウマもサイもバクも含まれる奇蹄類、その起源について、これまでよく解明されて
 いなかったようです。インド・グジャラート州から発見された5450万年前の祖先、
 Cambaytherium の化石により、奇蹄類は島大陸だった頃のインドに起源があり、
 進化したことが示唆されるということです。
 Kenneth D. Rose, Luke T. Holbrook, Rajendra S. Rana, Kishor Kumar, Katrina E.
 Jones, Heather E. Ahrens, Pieter Missiaen, Ashok Sahni & Thierry Smith.(2014)
 Early Eocene fossils suggest that the mammalian order Perissodactyla
 originated in India
 Nature Communications 5, Article number: 5570 doi:10.1038/ncomms6570
 アブストラクト

基盤的カンガルーBalbaroo の新種 11.20.14
  Balbaroo nalima という新種が記載されています。
  Black KH, Travouillon KJ, Den Boer W, Kear BP, Cooke BN, et al. (2014)
 A New Species of the Basal “Kangaroo” Balbaroo and a Re-Evaluation of
 Stem Macropodiform Interrelationships.
 PLoS ONE 9(11): e112705. doi:10.1371/journal.pone.0112705 論文

ニュージーランドから2500~2700万年前のクジラ記載 11.19.14
  オタゴ大学ニュース
  Tohoraata という新属に2種含まれています。属名はマオリ語で暁のクジラを
 意味します。ヒゲクジラの仲間で、一種はTohoraata raekohao 種小名は額の穴
 を意味するそうです。もう一種はMauicetus waitakiensis の属名がTohoraata
 かわったものです。
 Tohoraata についての詳細はオタゴ大学のページをご覧ください。

SVP2014から ドイツ、メッセルから妊娠したウマ祖先化石 11.08.14
  サイエンスマグ
  メッセルのタールピットから発見された、4700万年前のウマの祖先、Eurohippus
 messelensis
妊娠中で、胎児はもちろん、バクテリアによってできた黒いかげで、胎
 盤もわかるそうです。胎盤が確認できる化石としては2例目とのこと。

マダガスカルから、ゴンドワナテリウム類初の頭蓋による記載 11.06.14
  ストーニーブルック大 マサチューセッツ大アムハースト校 NSF AFPBB 
  ナショナルジオグラフィック(日)
  ゴンドワナテリウム類の事も私はよく知りませんが、白亜紀から古第三紀の南米、ア
 フリカ、インド、マダガスカル、南極半島から、歯骨の断片や歯からのみ知られる哺乳
 類のクレードで、今回の記載まで哺乳形類のどこに位置付けられるのかも定まってい
 ないものでした。
 この研究で記載された標本は、マダガスカルの北西部マハジャンガ盆地のMaevarano
 層(マーストリヒチアン72.1–66.0百万年前)から産出したものです。発見は偶然とのこと
 です。推定頭蓋長124.1mm、ここから導かれる体重は約9㎏という大きさ。当時トガリネ
 ズミ程度の大きさが大部分だった哺乳類の中では、とびぬけた大きさです。ニュースに
 おいては現生のウッドチャックを引き合いに出しています。この頭蓋に基づき、ゴンドワ
 ナテリウム類スダメリカ科の新属新種として記載されています。
 Vintana sertichi
 属名:マダガスカル語で幸運。発見の経緯から。
 種小名:発見者 Joseph Sertich に献名。
 頭・顔面の特徴から、この動物は植物食で、大きな眼、高い音を聞き取れる鋭い聴覚
 をもち、嗅覚も鋭かったことがわかりました。特徴には原始的なものと進化したものが
 極端に入り混じっていて、これはアフリカからマダガスカルが分かれて以来、長く孤立
 した地理的特性を反映したものとされています。
 この頭蓋により、ゴンドワナテリウム類自体も哺乳形類の系統のどこに位置付けられる
 か明らかになりました。同類は単一の系統で、異獣類の中に含まれ、北半球で繁栄し
 た多丘歯類と近縁であることがわかりました。
 David W. Krause, Simone Hoffmann, John R. Wible, E. Christopher Kirk, Julia A.
 Schultz, Wighart von Koenigswald, Joseph R. Groenke, James B. Rossie, Patrick M.
 O’Connor, Erik R. Seiffert, Elizabeth R. Dumont, Waymon L. Holloway, Raymond R.
 Rogers, Lydia J. Rahantarisoa, Addison D. Kemp & Haingoson Andriamialison.(2014)
 First cranial remains of a gondwanatherian mammal reveal remarkable mosaicism
 Nature (2014) doi:10.1038/nature13922 アブストラクト

跳ばず歩いた、巨大カンガルー 10.16.14
  ブラウン大学 ニューサイエンティスト
  約10万年前に生息していた、カンガルー科ステルヌス亜科の絶滅カンガ
 ルーは、体重240㎏と推定される巨大な生物でした。骨格を調べると跳躍せ
 ず、ゆっくり歩いていたことがわかったそうです。
 Janis CM, Buttrill K, Figueirido B (2014)
  Locomotion in Extinct Giant Kangaroos: Were Sthenurines Hop-Less
 Monsters?
 PLoS ONE 9(10): e109888. doi:10.1371/journal.pone.0109888 論文

中国遼寧省から哺乳類新種3種記載 9.11.14
  ユーレカアラート アメリカ自然史博物館 ナショナルジオグラフィック(日)
  中国遼寧省のジュラ紀中期、約1億6千万年前のTiaojishan 層から産出した6標
 本に基づき、3種が記載されています。
 Shenshou lui, Xianshou linglong, Xianshou songae
 これらは新たに設立されたクレード、エウハラミヤ類に属するものとされています。
 ハラミヤ類が哺乳類なのか、哺乳形類なのか、2013年の2つの論文でも異なっ
 た見方がされています。今回の論文では、異獣類系統の中で多丘歯類とエウハ
 ラミヤ類が姉妹群をなすとしています。また異獣類の起源は三畳紀後期約2億
 800万年前で、両者は分岐後世界的に分散したということです。中耳骨の発達に
 ついても独立して起こったものとしています。
 Shundong Bi, Yuanqing Wang, Jian Guan, Xia Sheng & Jin Meng (2014)
 Three new Jurassic euharamiyidan species reinforce early divergence of
 mammals.
 Nature (advance online publication) doi:10.1038/nature13718 アブストラクト

最初期の哺乳類でも食性は多様化 8.21.14
  ブリストル大
  哺乳類は三畳紀後期に出現し、現在に至っています。その最初の5千万年間、
 これまで単に食虫性と理解されてきました。一方、中生代に哺乳類は多様な環
 境に進出していたことが知られています。
 今回の研究では、最初期の哺乳形類であるモルガヌコドン( Morganucodon
 とキューネオテリウム( Kuehneotherium )の2分類群について、X線CTスキャン
 や有限要素法により顎の詳細な解剖構造や歯の咬耗について調べています。
 その結果、モルガヌコドンは強力で丈夫な顎を持ち、甲虫のような硬めのものを
 食べていた。一方キューネオテリウムは鱗翅類などの「軟らかい」獲物を捕食す
 る現生の狭食性動物や、硬い獲物と軟らかい獲物の両方を捕食する現生の混
 食性動物(mixed feeder)に類似していたことが明らかになりました。
 このことから、最初期の哺乳類から形態的、機能的および生態学的な多様化が
 始まっていたことになり、これまでの見方とはことなり、最初期の段階の系統分
 岐から生態形態学的特殊化およびニッチ分割を伴っていたことを示唆するそう
 です。
 Pamela G. Gill, Mark A. Purnell, Nick Crumpton, Kate Robson Brown, Neil J.
 Gostling, M. Stampanoni & Emily J. Rayfield (2014)
 Dietary specializations and diversity in feeding ecology of the earliest stem
 mammals. Nature 512: 303–305 doi:10.1038/nature13622 アブストラクト

クジラ頭骨など、石川県金沢市で発見 7.15.14
  中日新聞
  石川県金沢市の犀川中流大桑(おんま)層(約140~80万年前)から産出した
 ものです。瑞浪市化石博物館ボランティア楓達也さんらが発見。ヒゲクジラ類の
 頭骨のほかに椎骨、下顎骨なども出ているそうです。今後の研究に期待です
 ね。

マンモス、2幼体を詳細に立体CTスキャン 7.10.14
  ミシガン大 アメリカ自然史博物館
  昨年夏、東京圏では「ユカちゃんに会いたい!」というコピーが流れていました。
 これはユカギール マンモス幼体標本を目玉とする特別展が横浜で開催されたから
 です。しかし、保存のよいマンモス幼体標本は、ほかにもあります。
 リューバ(Lyuba)という名で知られる幼体と、Khroma という幼体、これらは生後1か
 月と2か月とのことですが、3DCTスキャンにより詳細に調べられました。
 新生児とはいえマンモスですから普通のCTでは調査不能です。リューバはフォード
 自動車の設備を使って調べられました。Khroma はフランスの病院でです。
 その結果、歯に一日ごとにできる層からリューバは生後30~35日、Khroma は52~
 57日だったことや、2頭とも体内に泥がたまっていることから泥を飲み込んで窒息死
 したこと、Khroma の脳は現生のゾウの脳よりわずかに小さいことから、マンモスの
 妊娠期間が現生のゾウより短かった可能性があること、リューバは春、氷が溶けか
 かった湖で死んだこと、Khroma は春の川岸で死んだことなど、わかった事は沢山
 あります。リンクのサイトではCT画像もありますので、ご覧ください。
 Daniel C. Fisher, Ethan A. Shirley, Christopher D. Whalen, Zachary T. Calamari,
 Adam N. Rountrey, Alexei N. Tikhonov, Bernard Buigues, Frédéric Lacombat,
 Semyon Grigoriev, and Piotr A. Lazarev.(2014)
 X-ray computed tomography of two mammoth calf mummies
 Journal of Paleontology Vol. 88, No. 4, pp. 664-675 アブストラクト

5,200万年前、最小のハリネズミ、記載 7.09.14
  コロラド大 
  体長約5㎝という小ささ、カナダ、ドリフトウッド・キャニオン州立公園の、約5200万
 年前の地層から発見されました。Silvacola acares と命名されています。

世界最古の左右非対称な頭骨を持つイルカの化石と 歯鯨類における左右対称
  及び非対称な頭骨の進化の意味 7.03.14
  早稲田大学
  早稲田大学教育・総合科学学術院教育学部理学科地球科学教室(平野弘道研
 究室・村上瑞季助手)を中心とした研究チームは1750-1550万年前の世界最古の
 左右非対称な頭骨を持つイルカ化石(マイルカ上科という広義のイルカの仲間)の存在に
 ついて報告し、歯鯨亜目において左右対称及び左右非対称な頭骨がどのように進
 化してきたのかシミュレーションによる解析で明らかにしました。これまで考えられ
 てきた1000万年前以前に栄えた祖先的なイルカのグループはみな左右対称な頭
 骨を持つという説を見直す内容となっています。なお本研究に関する論文は、日本
 古生物学会によって刊行されている国際学術雑誌Paleontological Researchに7月
 1日付けで掲載されました。

世界最古となるマイルカ科の化石が判明 7.03.14
  早稲田大学 北海道新聞 朝日新聞
  早稲田大学教育・総合科学学術院教育学部理学科地球科学教室(平野弘道研
 究室・村上瑞季助手)
を中心とした研究チームは、北海道新十津川町で発見されたイ
 ルカの頭骨でスジイルカ属の化石種「ステネラ・カバテンシス"Stenella" kabatensis
 として1977年に記載されていた化石(発見は1961年以前)について解剖学・系統学・
 地質学的な再検討を行いました。その結果、本種が世界最古のマイルカ科(バンド
 ウイルカ、シャチなどを含む狭義のイルカの仲間)
の化石であったことが判明し、これまで分
 類されていたスジイルカ属とは異なる「エオデルフィス"Eodelphis"」という、より原
 始的な新属を提唱し、同属に分類し直しました。
 この論文はJVPに掲載され、フリーになっています。また、標本を所有する北海道
 開拓記念館(札幌)では、今回のプレスリリースに合わせて期間限定で「北海道庁
 別館赤れんが庁舎2階・北海道の歴史ギャラリー」にて7/2(水)~8/18(月)まで実
 物化石を展示します。
 Mizuki Murakami, Chieko Shimada, Yoshinori Hikida, Yuhji Soeda &
 Hiromichi Hirano.(2014)
 Eodelphis kabatensis, a new name for the oldest true dolphin Stenella
 kabatensis Horikawa, 1977 (Cetacea, Odontoceti, Delphinidae), from the upper
 Miocene of Japan, and the phylogeny and paleobiogeography of Delphinoidea
 Journal of Vertebrate Paleontology Volume 34, Issue 3, 2014 pp.491-511
 論文

福岡県宗像市から4800万年前のサイの祖先化石 6.23.14
  47ニュース 日本経済新聞 福井新聞 
  福井県立恐竜博物館などのチームは、福岡県宗像市で1992年に発見した化
 石が4800万年前のサイの祖先、ヒラキウスの化石であり、サイの祖先として日
 本最古であると確認したことを発表しました。
 この研究は、28日の日本古生物学会でポスター発表されるようです。

群馬県立自然史博物館所蔵のクジラ化石、サメが捕食した痕 5.20.14
  上毛新聞
  クジラの全身骨格化石から16点、化石に密着した形でサメの歯が見つかっていま
 すが、これがホホジロサメの祖先の歯であることがわかりました。
 また、咬み跡とみられる跡が表面に残されていることも確認されました。
 クジラ化石はペルー産の700~750万年前のものということです。

野尻湖第20次発掘でナウマンゾウ肋骨などの成果 3.28.14
  信濃毎日新聞
  3月21日からの発掘で、ナウマンゾン肋骨をはじめ植物や貝を含めると291点の
 化石が確認されたそうです。

頸肋骨からウーリーマンモスの衰退と絶滅が示される 3.26.14
  ユーレカアラート (PeerJ)
  竜脚類ではあんなに目立つ頸肋骨ですが、哺乳類の頸椎には普通ありません。
 しかし、北海のウーリーマンモスの頸椎には現生のゾウに見られる10倍の頻度で
 頸肋骨が見られるそうです(33.3%:3.3%)。
 これは近親交配などにより発現しやすくなるそうで、このような生殖上のストレスに
 より、衰退から絶滅に至ったとしています。
 Jelle W.F. Reumer, Clara M.A. ten Broek, Frietson Galis.(2014)
 Extraordinary incidence of cervical ribs indicates vulnerable condition in Late
 Pleistocene mammoths
 PeerJ 2:e318

ミミナガバンディクートの祖先、1500万年前まで 3.19.14
  クイーンズランド大
  ミミナガバンディクートはオーストラリアに生息する有袋類で、1科1属1種という
 ものです。その祖先はこれまで500万年前まで遡ることができましたが、新たに
 見つかった上顎骨化石により、1500万年前まで遡ることがわかりました。
 DNAの解析では起源は2500万年前になるので、化石記録がより一致する方向
 に近づいたわけです。
 K. J. Travouillon, S. J. Hand, M. Archerb & K. H. Black.(2014)
 Earliest modern bandicoot and bilby (Marsupialia, Peramelidae and Thylacomyidae)
  from the Miocene of the Riversleigh World Heritage Area, northwestern
 Queensland, Australia
 Journal of Vertebrate Paleontology DOI:10.1080/02724634.2013.799071
 アブストラクト

カリフォルニアから異常に下あごが長いネズミイルカ記載 3.14.14
  ユーレカアラート イェール大 ナショナルジオグラフィック(日)
  150から530万年前のカリフォルニア沿岸に生息していたネズミイルカです。
 Semirostrum ceruttii と命名されました。何と言ってもその最たる特徴は、下
 あごの癒合部が異常に長いこと。最良に保存された標本では85㎝にもなりま
 す。下嘴の長い鳥類は、波のすぐ上で下嘴を水面下に差し入れて飛び、エサを
 探します。このイルカもセンサーに使ったのかもしれません。研究者は、CTス
 キャンにより、下あご先端部から脳まで神経が通っていたことを突き止めてい
 ます。海底の砂に先端を突っ込んでエサを探していたのでしょうか。
 Rachel A. Racicot send email , Thomas A. Demere , Brian L. Beatty ,
 Robert W. Boessenecker.(2014)
 Unique Feeding Morphology in a New Prognathous Extinct Porpoise from
 the Pliocene of California
 Current Biology 10.1016/j.cub.2014.02.031アブストラクト

約2800万年前のハクジラ化石にエコロケーションの起源 3.13.14
  サイエンスナウ Charleston大 
  約2800万年前のハクジラ Cotylocara macei 頭骨に最古のエコロケーションの証拠
 が見られるそうです。
 Jonathan H. Geisler, Matthew W. Colbert & James L. Carew (2014)
 A new fossil species supports an early origin for toothed whale echolocation
 Nature (2014) doi:10.1038/nature13086 アブストラクト

チリ、アタカマ砂漠から、古代のクジラの大規模ストランディング 2.27.14
  ニューサイエンティスト スミソニアン(発掘現場写真)
  もともと海に生活する生きものが海岸に漂着したり、打ち上げられたりすることを
 ストランディングといいます。国立科学博物館でもイルカやクジラのそれを研究して
 います。
  チリのアタカマ砂漠の海岸、Cerro Ballena で、2010年、アラスカとチリを結ぶ道路
 工事中に、古代のクジラの大量ストランディング化石が発見されました。40個体以上
 のヒゲクジラ、マッコウクジラの絶滅種、そのほか海生哺乳類が見つかっています。
 600から900万年前の地層の中、少なくとも4つの層で発見されています。研究者は、
 赤潮により毒素をもった藻類などを食べたため死亡して打ち上げられたとみていま
 す。当時のアタカマ砂漠には捕食動物もいなかったようで、クジラはそのまま砂に埋
 もれて今日まで保存されていました。
 Pyenson et al.,(2014)
 Repeated mass strandings of Miocene marine mammals from Atacama Region of
 Chile point to sudden death at sea
 Proceedings of the Royal Society B, DOI: 10.1098/rspb.2013.3316 フリー

鰭脚類の性的二形は2700万年前に 2.20.14
  カナダ自然博物館
  現生の多くの鰭脚類にはハーレムの形成が見られます。巨大なオスが数多くのメ
 スを囲う生殖行動。その起源についてです。
 研究では雌雄の身体の大きさの違いからハーレムを作る行動に密接に関連している
 としています。そして、初期の鰭脚類の祖先、Enaliarctos emlongi の雌雄の頭骨を比
 較すると明らかにオスの頭骨が大きいことから、身体の大きさの違いがここまで遡る
 としています。年代としては、2000万年から2700万年前になるそうです。
 Thomas M. Cullen, Danielle Fraser, Natalia Rybczynski, Claudia Schroder-Adams
 EARLY EVOLUTION OF SEXUAL DIMORPHISM AND POLYGYNY IN PINNIPEDIA
 Evolution DOI: 10.1111/evo.12360 アブストラクト

三重県鈴鹿市から240万年前のゾウ化石発掘 1.21.14
  毎日新聞
  鈴鹿市の御幣(おんべ)川岸で発見されたもので、大型のミエゾウから小型のアケボノ
 ゾウへの進化の途中段階を表すものと考えられているそうです。
 三重県総合博物館サイトに記者発表の様子の写真等があります。

系統的にも古生物学的にも有胎盤哺乳類の古第三紀起源は支持されない 1.16.14
  化石や分子の研究から、有胎盤哺乳類は白亜紀まで遡るとしています。
 Mario dos Reis, Philip C. J. Donoghue and Ziheng Yang.(2014)
 Neither phylogenomic nor palaeontological data support a Palaeogene origin of
 placental mammals
 Biol. Lett. January 2014 vol. 10 no. 1doi: 10.1098/rsbl.2013.1003
 アブストラクト(論文フリー)

ベルギーから5500万年前の食肉形類 1.07.14
  ユーラカアラート 時事
  250本以上の歯、顎、足首の骨が見つかっているそうです。Dormaalocyon latouri と命名
 されています。足首の骨の形から、樹上生活に適応していたとのこと。論文はJVPに掲載
 されるそうです。

ネギ畑からクジラの化石! 12.19.13
  千葉県立中央博物館ツイッタ―
  千葉市柏市内のネギ畑から12~13万年前のナガスクジラ類の化石がみつかり
 ました。頭骨、脊椎骨、肋骨のほか種類の同定に必要な耳骨も残っています。
 千葉県立中央博物館では、12月21日~27日速報展「ネギ畑からクジラの化石!」
 開催します。

埼玉県秩父地方に数万年前ヒグマ 12.18.13
  東京新聞
  秩父地方の鍾乳洞で見つかった頭骨化石がヒグマのものであることがわかった
 そうです。今では北海道以北が生息域です。1月の日本古生物学会で北川学芸員
 から発表があるそうです。

兵庫県豊岡市からゾウの足跡化石 11.27.13
  神戸新聞
  豊岡市日高町の神鍋高原を流れる稲葉川の河床で、約1800万年前の長鼻類
 足跡化石が発見されました。

最古のヒョウ類化石、チベットから記載 11.14.13

既知最大のカモノハシ、豪州から記載 11.05.13
  現生種の2倍の大きさ、歯があり、カメも食べていたとされています。
  SVPプレスリリース

フランス南部から白亜紀後期の真獣類哺乳類記載 10.30.13
  ヨーロッパ産の白亜紀後期の真獣類は、非常に稀で、これまでに3種しか記載されていな
 いそうです。LabesLainodonおよびValentinella ですが、前2種はゼレステス科として定まっ
 ているのに対し、Valentinella は、無効名でないかと疑われていました。
 今回の研究では、Valentinella 模式標本および新標本をX線CTスキャンし、再検討していま
 す。その結果、前臼歯や臼歯の特徴に固有のものがあることがわかり、あらためて有効名と
 されています。
 また、新発見の産地から、 Mistralestes arcensis 新属新種 記載をしています。
 Valentinella およびMistralestes もゼレステス科かもしれないとしています。
 Rodolphe Tabuce, Thierry Tortosa, Monique Vianey-Liaud, Geraldine Garcia, Renaud Lebrun,
 Pascal Godefroit, Yves Dutour, Severine Berton, Xavier Valentin and Gilles Cheylan (2013)
 New eutherian mammals from the Late Cretaceous of Aix-en-Provence
 Basin, south-eastern France.
 Zoological Journal of the Linnean Society 169(3): 653?672 DOI: 10.1111/zoj.12074
 アブストラクト

顕花植物の爆発的進化により、白亜紀哺乳類の多様性は減少した 10.03.13
  インディアナ大
  「花に追われた哺乳類」でしょうか。白亜紀前期から中ごろにかけて、被子植物の多様
 性が一挙に増大していったことが、化石記録からわかるそうです。それに応じて哺乳類も
 多様になっていったと思いたいところですが、必ずしもそうではないという研究が出ています。
 インディアナ大のDavid Grossnickleらの研究によると、白亜紀の中ごろには哺乳類の臼歯
 の多様性が著しく減少しているのだそうです。生き残った哺乳類の殆どは、主に昆虫食だっ
 た。減少は白亜紀末まで続き、その後純粋に植物食の哺乳類が出現し、多様性が増加し
 ているのだそうです。花と相性が悪かったのは、むしろ哺乳類なのでしょうか。
 David M. Grossnickle and P. David Polly
 Mammal disparity decreases during the Cretaceous angiosperm radiation
 Proc. R. Soc. B doi: 10.1098/rspb.2013.2110 アブストラクト

ベネズエラの油田から大量の化石 9.10.13
  AFPBB
  グリプトドン、サーベルタイガー他、オリノコ川北側の油田から多くの化石が見つかっている
 そうです。

多丘歯類の初期進化を解明するジュラ紀の化石 8.16.13

異歯類は大量絶滅を乗り越えたが多様化しなかった 8.15.13

哺乳類および鳥類における脳の体積と脳の幅の関係 8.12,13
  絶滅動物の脳の幅から脳の体積を推定する適切な変数として使用できるかどうか確
 かめるために、現生の広範囲の哺乳類と鳥類の脳の幅と体積の関係を調べています。
 哺乳類55種、鳥類64種の頭骨CTイメージを使ってその関係を調べたところ、脳の体積
 と幅は強い線形相関を示し、現生及び絶滅哺乳類と鳥類の脳体積は脳幅から推定でき
 ることがわかったとしています。
 キノドン類、トリコノドン類や非鳥獣脚類の脳幅は現生哺乳類・鳥類より比較的狭く、こ
 のデータは、彼らの初期の祖先に比べて、哺乳類や鳥類の両方の脳の幅が脳エンド
 キャスト量に関して増加していることを示しています。
 結論として脳の容積と脳幅の関係は絶滅した哺乳類や鳥類の脳容積を推定するために
 有用であること、また哺乳類・鳥類の相対的な脳幅はその進化史の中で初期の祖先よ
 り現生種まで増加していることがわかったとしています。
 Soichiro Kawabe, Tetsuya Shimokawa, Hitoshi Miki, Takashi Okamoto, Seiji Matsuda,
 Takuya Itou , Hiroshi Koie, Masato Kitagawa, Takeo Sakai, Misato Hosojima
 and Hideki Endo.(2013)
 Relationship Between Brain Volume and Brain Width in Mammals and Birds
 Paleontological Research 17(3):282-293. 2013
 doi: http://dx.doi.org/10.2517/1342-8144-17.3.282
 参考: 絶滅した鳥の脳の大きさを知りたい!~脳の体積と幅からわかること~
      (バードリサーチニュース)

ジュラ紀のハラミヤ類2種記載。しかしその系統位置づけは 8.08.13
  ネイチャーニュース
  8日付のネイチャーでジュラ紀の「哺乳類」ハラミヤ類が2種記載されています。しかし、
 その系統的位置づけは相反するものになっています。一方ではハラミヤ類を真の哺乳類
 となる以前に分岐した哺乳形類としているのに対し、もう一方では従来の哺乳類の系統中
 の異獣類に置いています。ハラミヤ類の系統については、今後さらに議論されることになり
 そうです。
 まず1つ目
 Megaconus mammaliaformis 新属新種
 属名:Mega ギリシャ語で大きい:conus:ラテン語で牙。下顎前臼歯の前にある1本の大き
 い牙から。
 種小名:哺乳類の祖先の特徴から。
 産地と層準:中国内蒙古自治区道虎溝
         Tiaojishan(髫髻山)層(1億65百万年~1億64百万年)
 主な特徴:林床を生息域にした地上性の小型哺乳形類。推定体重250g(シマリス程度)。
        歯は植物を咀嚼するため特殊化している。足関節は原始的。
 系統:現生哺乳類の共通祖先は約1億8千万年前に生息していたが、ハラミヤ類はそれ
     より4千万年前に分岐したとしています。
 Chang-Fu Zhou, Shaoyuan Wu, Thomas Martin & Zhe-Xi Luo.(2013
 A Jurassic mammaliaform and the earliest mammalian evolutionary adaptations
 Nature 500, 163?167 (08 August 2013) doi:10.1038/nature12429 アブストラクト
 ユーレカアラート ユーレカアラート 沈陽師範大学(発表の様子)

 2つ目
 Arboroharamiya jenkinsi 新属新種
 属名:arbor:ラテン語で木;Haramiya:アラビア語でトリックスターやコソ泥
 種小名:ハーヴァード大の研究者、故Farish A. Jenkins Jrに献名
 産地と層準:中国河北省秦皇島青竜満族自治県Mutoudeng(木頭凳鎮)
         Tiaojishan(髫髻山)層(約1億6千万年前)
 主な特徴:既知のハラミヤ科で最大(推定体重354g)。下顎は高等な多丘歯類に類似。
        頭部より後方は樹上生活に適している。
 系統:ハラミヤ類はクラウン哺乳綱に位置付けられ、クラウン哺乳綱が三畳紀後期(約2億28
    百万年前~2億130万年前)に生じてジュラ紀に多様化したことが示唆された。また、
    多丘歯類はハラミヤ類から分岐したとしています。
 Xiaoting Zheng, Shundong Bi, Xiaoli Wang & Jin Meng.(2013)
 A new arboreal haramiyid shows the diversity of crown mammals in the Jurassic period
 Nature 500, 199?202 (08 August 2013) doi:10.1038/nature12353 アブストラクト

約4.5万年前の北海道では、ナウマンゾウとマンモスゾウが共存の可能性 7.26.13
  北海道開拓記念館 北海道新聞
  マンモスとナウマンゾウは、ふつう気候変動に応じて入れ替わったと考えられています。
 ところが、北海道開拓記念館などの研究によると、約4.5万年前の北海道では両者が共存
 していた可能性があるという結果がでています。
 1975~78年に北広島市の野幌丘陵から発掘された5点の臼歯化石を調べたところ、3点が
 マンモス、1点がナウマンゾウであることがわかりました。ただ、発掘当時一緒に埋まってい
 たことが確認されていないので、今後は、化石発見地点の地質調査を行い、古環境を復元
 しつつ、年代測定データも増やして総合的に判断する計画とのことです。
 なお、同館では「北海道の歴史ギャラリー」 2013年度トピック展として、北海道庁旧本庁舎
 (赤れんが庁舎) 2階「北海道の歴史ギャラリー」で「野幌にもいた!ナウマンゾウとマンモス
 ゾウ」展を2014年3月31日まで開催しています。

既知のもので最古の霊長類骨格と直鼻猿類の初期進化 6.06.13
  時事 日経 ノーザンイリノイ大 同大ニュース動画 アメリカ自然史博物館 ESRF
  中国湖北省Jingzhou(荆州市)地域、約5500万年前の地層から産出した骨格に基
 づき記載されています。
 Archicebus achilles 新属新種
 属名:'arche'ギリシャ語で初め+'cebus'ラテン語化したギリシャ語で尾の長いサル
 種小名:ギリシャ神話のアキレス(踵が弱点だった)。完模式標本の類人猿様の踵骨
 から。
 これまで知られる最も古いメガネザル類分岐群のサルだそうです。また、曲鼻猿類
 と直鼻猿類の両分岐群が初期に分かれたことのさらなる裏付けが得られるだけで
 なく、メガネザル類と真猿類が分岐した年代もさらに絞り込めるものです。
 最初の霊長類がおそらく昼行性で樹上生活を送り、主として食虫性で、現在のピグ
 ミーネズミキツネザルほどの大きさの哺乳類であったという仮説の裏付けにもなるとの
 ことです。
 Xijun Ni, Daniel L. Gebo, Marian Dagosto, Jin Meng, Paul Tafforeau, John J. Flynn
 & K. Christopher Beard.(2013)
 The oldest known primate skeleton and early haplorhine evolution
 Nature 498,60-64(06 June 2013)doi:10.1038/nature12200 アブストラクト

栃木県佐野市から5万年超以前のタイリクオオカミ化石 6.04.13
  下野新聞 NHK
  化石標本そのものは、市内の石灰石採掘場から40年以上前に見つかったもの。
 2010年に奥村よほ子学芸員が事務所に保管してある上下のあご化石標本を見て、
 長谷川善和群馬県立自然史博物館名誉館長に鑑定を依頼し、タイクリオオカミと
 判明。 4日から23日まで葛生化石館で展示されるそうです。

マンモスの血液採取 5.31.13
  時事 ロシアの声 ロシアの声 北東連邦大ニュース(ロシア語 英語)
  ロシア、サハ共和国の北東連邦大学のヤクーツクの調査で、ノヴォシビルスク群島
 マールィ・リャホフスキイ島で凍っていない血液をもつマンモス成体(メス、50~60歳)
 が発見されました。過去112年で最高の保存状態で、肉も新鮮な赤色をしているそう
 です。
 現地の気温は-7℃~-10℃だったので、マンモスの血液は-10℃まで凍らない特
 性があるのでないかとしています。これは、カナダ・マニトバ大のKevin Campbell が、
 2010年にネイチャー・ジェネティクスに発表した論文の仮説を実証するものでないかと
 いうことです。
 報道によれば、血液のサンプルを採取し、今後クローン作製プロジェクトの資料とする
 そうです。
 連邦北東大にはマンモス博物館があり、従来から研究を進めているそうです。
 参考:
 Campbell, K.L., J.E.E. Roberts, L.N. Watson, J. Stetefeld, A.M. Sloan, A.V. Signore,
 J.W. Howatt, J.R.H. Tame, N. Rohland, T-J. Shen, J.J. Austin, M. Hofreiter, C. Ho,
 R.E. Weber† and A. Cooper†. 2010
 Substitutions in woolly mammoth hemoglobin confer biochemical properties adaptive
 for cold tolerance
 Nature Genetics, 42(6):536-540 論文

束柱類は海生哺乳類 4.03.13
  ボン大学(独語) 読売新聞
  束柱類でよく話題になるのは、四肢の付き方。しかし、今回の研究アプローチは違いま
 す。北海道足寄などで産出した束柱類4種(Behemotops, Paleoparadoxia , Ashoroa ,
 Desmostylus )の肋骨、上腕骨、大腿骨、椎骨を切断し、CTなどを使って骨の内部構造
 分析をしました。すると、内部の髄腔が非常に減少し、骨密度が高くなっていることがわ
 かりました。これは現生の水生哺乳類と同様に、骨をバラストに使うためと解釈されます。
 さらに詳しく調べると、4種のうち前3者は浅い海で水底に潜るのに適応していたのです
 が、Desmostylus はよりスポンジ状の海綿骨と長い骨をもち、より外洋を泳ぐのに適し
 ていたということがわかりました。
 Hayashi S, Houssaye A, Nakajima Y, Chiba K, Ando T, et al. (2013)
 Bone Inner Structure Suggests Increasing Aquatic Adaptations in Desmostylia
 (Mammalia, Afrotheria).
 PLoS ONE 8(4): e59146. doi:10.1371/journal.pone.0059146 論文

日本最古の真獣類化石、記載 3.29.13
  人と自然の博物館
  3月16日に開催された、ひょうご国際恐竜化石シンポジウムで楠橋 直氏が紹介して
 いました。今後数か月で公表とのことでしたが、案外早くなりましたね。
 Sasayamamylos kawaii 新属新種
 属名は、篠山層群と産地の篠山+mylos はギリシャ語で臼歯。トリボスフェニック型臼歯
 をもつことにちなむ。種小名は河合雅雄名誉館長にちなむ。
 この時代の真獣類の記載は少なく、白亜紀前期の真獣類の完全な下顎で記載されてい
 るのは、中国と今回の標本のみとのことです。
 同博物館では、トピックス展「日本最古の真獣類化石ササヤマミロス・カワイイ展」
 3月30日~6月30日まで開催します。
 関連セミナー:「篠山層群恐竜化石含有層調査結果報告会」は5月18日開催です。
 なお、「篠山層群恐竜化石等発掘調査 評価と提言 報告書」が公開されています。
 記載論文
 Nao Kusuhashi, Yukiyasu Tsutsumi, Haruo Saegusa, Kenji Horie, Tadahiro Ikeda,
 Kazumi Yokoyama and Kazuyuki Shiraishi (2013)
 A new Early Cretaceous eutherian mammal from the Sasayama Group, Hyogo, Japan
 Proc. R. Soc. doi: 10.1098/rspb.2013.0142 アブストラクト

野尻湖ナウマンゾウ発掘調査 3.27.13
  信濃毎日新聞
  3月22日~24日まで調査が行われました。新たな臼歯化石4点や足跡が見つかって
 いるそうです。
 野尻湖ナウマンゾウ博物館では、調査の様子を写真で紹介しています。

北極圏で350万年前のラクダ化石発見、カナダ 3.07.13
  AFPBB
  350万年前のカナダ北極圏で発見されたラクダ化石についてです。
 Natalia Rybczynski, John C. Gosse, C. Richard Harington, Roy A. Wogelius, Alan J. Hidy
 & Mike Buckley (2013)
 Mid-Pliocene warm-period deposits in the High Arctic yield insight into camel evolution
 Nature Communications 4,Article number:1550doi:10.1038/ncomms2516
 アブストラクト(論文オープン)

島根県大田市でガンジスカワイルカ化石発見 3.03.13
  中国新聞
  大田市仁摩町で約1600万年前のガンジスカワイルカ化石が発見されました。肩甲骨と
 右前ひれ化石です。群馬県立自然史博物館の鑑定でわかりました。
 3月2日~3月22日、大田市の仁摩サンドミュージアムで展示されています。

ヒゲクジラの祖先、新種の化石種を発見 2.22.13
  ナショナルジオグラフィック(日)
  米カリフォルニア州南部、ラグナキャニオンで発掘された1700万~1900万年前の多数のクジ
 ラ化石の紹介です。

クジラはどのようにしてその歯を獲得したか 2.22.13
  ユーレカアラート
  哺乳類の歯は切歯、犬歯、前臼歯、大臼歯の4種からなっています。しかしクジラの歯はど
 れも同じペグ状のものです。このような歯がどのようにして獲得されたかという研究です。
 化石記録から調べると、4800万年前には他の哺乳類と同様の歯でした。しかし徐々に歯は単
 純な形になり、3000万年前にはペグ状の歯になりました。
 今回の研究では胎児で発達中の歯がどのように形成されるのかに焦点を絞っています。これ
 には2種類のプロテインBMP4 (Bone Morphogenetic Protein 4) and FGF8 (Fibroblast Growth
 Factor 8)が関係しています。BMP4は通常顎の先端付近の歯の形成にかかわり、切歯のような
 歯を形成します。一方、FGF8は顎の後方の歯の形成に関わり、臼歯のような複雑な形状の歯
 を形成します。
 ではクジラでは2つのプロテインがどうかかわっているのか調べると、FGF8は顎の後方で見つ
 かりましたが、BMP4は顎全体にオーバーラップしてあることがわかりました。そのため、顎全体
 にわたり単純な形の歯が生えてくるようになったのです。
 このようにプロテインがどこにあるかにより歯の形が変化することは、逆に初期の哺乳類がどの
 ようにして異なった形の歯を獲得するかに至ったか理解する助けになると、今回の研究者達は
 考えています。
 Armfield et al. (2013)
 Development and evolution of the unique cetacean dentition
.
 PeerJ 1:e24

有胎盤哺乳類の系統と共通祖先、明らかに 2.08.13
  現生、化石種86種から得られた4541の形質をもとに、有胎盤哺乳類の系統を明らかにして
 います。現在有力な説とは矛盾していますが、有胎盤哺乳類が放散したのは、恐竜絶滅後で
 あることが明らかになりました。
 ストーニーブルック大 アメリカ自然史博物館 ユーレカアラート(カーネギー自然史博)
 産経新聞
  O'Leary et al.,(2013)
 The Placental Mammal Ancestor and the Post–K-Pg Radiation of Placentals
 Science 8 February 2013: Vol. 339 no. 6120 pp. 662-667 DOI: 10.1126/science.1229237
 アブストラクト

クジラの化石また発見 宇都宮の鬼怒川河川敷 1.31.13
  下野新聞(動画)
  昨年発見されたクジラ化石については、先日の古生物学会でも発表がありました。今回は、その
 発掘現場から1.5キロ下流の鬼怒川河川敷から。下あご、頭骨、肋骨の一部が発見されているそ
 うです。昨日から栃木県立博物館が発掘をはじめました。

野尻湖のナウマンゾウ化石、想定より広範囲に分布か 1.29.13
  信濃毎日新聞
  これまで集中的に化石が産出した「立が鼻遺跡」から800m離れた大崎の湖底からも臼歯化石
 が見つかっているそうです。
 この大崎で、春の野尻湖地質調査「ナウマンゾウ化石の見つかった地層調査」が実施されます。
 期間は2013年3月21日(木) ~24日(日)
 申込は2月20日(水)までに野尻湖ナウマンゾウ博物館まで
 参考:野尻湖発掘調査団

カリフォルニア南部のキラーセイウチに疑問符 11.18.13
  オタゴ大
  Pelagiarctos は約1300~1500万年前に生息していたセイウチ類です。これまで、その頑丈な顎
 と尖った歯から、他の海生哺乳類や鳥類を捕食していた、キラーセイウチと考えられていました。
 今回の研究では、この仮説に疑問を投げかけています。オタゴ大のBoesseneckerらによる、新し
 い、より完全な標本に基づき、この歯はより原始的な形状をとどめているにすぎず、体の大きさも、
 現生のオスのアシカ類と変わらないため、彼らと同様に魚食性だったとしています。
 また、今回初めて系統分析され、これが初期のアシカのようなセイウチで、別のアシカのようなセ
 イウチ Imagotaria downsi と近縁であることがわかりました。
 Boessenecker RW, Churchill M (2013)
 A Reevaluation of the Morphology, Paleoecology, and Phylogenetic Relationships of the
 Enigmatic Walrus Pelagiarctos.
 PLoS ONE 8(1): e54311. doi:10.1371/journal.pone.0054311論文

カイギュウ類の祖先はチュニジアから 1.18.13
  ユーレカアラート
  カイギュウ類の初期進化については化石標本が限られ、まだ不明な点が多いそうです。今回、
 チュニジア始新世から産出した頭骨の錐体を、X線マイクロトモグラフィーを用いて調べています。
 その結果、カイギュウ類のアフリカ起源が明らかになったそうです。当時のカイギュウは淡水に
 生息していたそうです。
 Benoit J, Adnet S, El Mabrouk E, Khayati H, Ben Haj Ali M, et al. (2013)
 Cranial Remain from Tunisia Provides New Clues for the Origin and Evolution of Sirenia
 (Mammalia, Afrotheria) in Africa.
 PLoS ONE 8(1): e54307. doi:10.1371/journal.pone.0054307 論文

噴火で焼け死んだ珍しいサイの化石 12.04.12
  ナショナルジオグラフィック(日)
  ニュース自体はかなり前から出ていますが、ナショジオで出したので、一応リンク。
 Antoine P-O, Orliac MJ, Atici G, Ulusoy I, Sen E, et al. (2012)
 A Rhinocerotid Skull Cooked-to-Death in a 9.2 Ma-Old Ignimbrite Flow of Turkey.
 PLoS ONE 7(11): e49997. doi:10.1371/journal.pone.0049997 論文

最古のジャイアント・パンダの祖先、イベリア半島から 11.15.12
  ユーレカアラート 時事 CNN.co.jp
  1160万年前の2個の顎の骨に基づき、新属Kretzoiarctos が記載されています。
  Abella J, Alba DM, Robles JM, Valenciano A, Rotgers C, et al. (2012)
 Kretzoiarctos gen. nov., the Oldest Member of the Giant Panda Clade.
 PLoS ONE 7(11): e48985. doi:10.1371/journal.pone.0048985 論文

北海道樺戸郡月形町でヒゲクジラ化石発掘 11.07.12
  北海道新聞
  月形町北郷で、昨年見つかったヒゲクジラ化石のうち、ほぼ全身が残っているとされる1体の発掘
 調査が始まりました。
 参考:昨年11月3日の発掘の様子(札幌市博物館活動センター)

 ※札幌市中央図書館では11月17日に小林快次博士の講演「ティラノサウルスと巨大ワニの戦い」
   が開催されます。詳細はリンクのページまたは下学上達をご覧ください。

建設現場から氷河期の化石を大量発掘 メキシコ 9.05.12
  AFPBB
  メキシコ国立人類学歴史研究所の発表。メキシコシティー北方のイダルゴ州の建設現場で、
 マンモスやマストドン、グリプトドンなどの化石が大量に発見されたそうです。

5700万年前の哺乳類、Ernanodon antelios の謎解明 8.28.12

1,750万年前のナキウサギ化石、記載 6.06.12
  岐阜新聞 毎日新聞 NHK
  岐阜県瑞浪市の1,750万年前の地層から発見された下顎に基づき、冨田幸光博士らが記載しまし
 た。Alloptox 属の新種、Alloptox japonicus です。また、この種のために亜属Mizuhoptox が新設さ
 れています。
 標本は、瑞浪市化石博物館で6月29日から公開されるそうです。
 Yukimitsu Tomida(2012)
 New Species of Alloptox (Lagomorpha, Ochotonidae), First Record of the Genus in Japan, and
  Subgeneric Distinction
 Paleontological Research 16(1):19-25. 2012
 doi: http://dx.doi.org/10.2517/1342-8144-16.1.019

地中海、クレタ島から最小のドワーフマンモス 5.10.12
  英自然史博物館ニュース ネイチャーニュース
  体高1.13m、現生ゾウの新生児より小さいという、最小のドワーフマンモスが記載されました。
 クレタ島産の化石臼歯は20世紀初頭に産出していましたが、当時の研究者はそれをゾウのものと記
 載していたそうです。しかし、昨年産出した新たな標本とともに研究した結果、明らかにマンモスの特
 徴があることから、新種として記載されました。昨年産出した上腕骨から、体高は約1.13m、体重は約
 310kg。Mammuthus creticus と命名されています。
 マンモスのドワーフマンモス化は、2つのマンモスの系統で独立して起こったと論文では結論づけて
 います。
 Victoria L. Herridge and Adrian M. Lister (2012)
 Extreme insular dwarfism evolved in a mammoth
 Proc. R. Soc. B Published online before print May 9, 2012, doi: 10.1098/rspb.2012.0671
 アブストラクト(論文フリー)

栃木県宇都宮市の鬼怒川河川敷でイルカ化石発掘 5.01.12
  下野新聞 朝日新聞 読売新聞
  クジラ化石が見つかった鬼怒川河川敷現場から20mほど離れたところから、イルカ化石が発見、発
 掘されました。発見者は東京都の海城高校1年浜田幸典さん。クジラのほかにも海生哺乳類の化石が
 見つかるはずと、一人で発掘をしイルカ化石を発見したそうです。
 4月29日、栃木県立博物館の柏村特別研究員の指導の下、海城高校地学部の生徒ほかが発掘し、
 浜田さん発見の個体を含め、5体のイルカ化石を発掘したそうです。中には栃木県内初めてのイルカ
 の歯化石もあるそうです。

山口大学、秋吉台の無名洞穴から新種のコウモリ化石群 4.20.12
  山口大理学部ニュース MSN産経 
  山口大学理学部を中心に結成されている無名穴学術調査団は,秋吉台の無名穴の発掘調査により,
 多量のコウモリ化石群を発見し,新種の大型テングコウモリが多数発見されたこと、コウモリの化石の周
 辺には周辺の洞窟ではこれまで発見されていない極限細菌と類似の洞穴特有の微生物群が見つかっ
 たことを発表しました。
 コウモリ化石を含む堆積物の年代は10数万年前と推定されます。

石川県珠洲市のクジラ化石年代、1240~1230万年前と算定 4.14.12
  富山新聞
  1965年、珠洲市正院町飯塚の中部中新統、飯塚層珪藻土から産出したクジラ類化石の年代が、化石
 を覆っていた珪藻質泥岩に含まれる珪藻化石群集の年代により決定されました。
 年代は1240~1230万年前とのことです。この化石は現在、同市 正院公民館で保管展示されているそう
 です。
 柳沢幸夫・小西健二・甲能直樹(2012)
 石川県珠洲市(能登半島)の中新統飯塚層から産出した鰭脚類及び鯨類化石の珪藻年代.
 地質調査総合センター研究資料集, no.546, 産業技術総合研究所地質調査総合センター
 内容紹介 論文

氷河期の剣歯レミング、Lemmus scimitardontii 4.02.12
  サイエンスナウ
  ノルウェー辺地のフィヨルドで、最終氷河期のレミングの、無数の化石が産出したものです。頭骨の2
 倍もある、長く頑丈な歯が突き出ています。その特徴から、Lemmus scimitardontii と命名されました。
 今日のレミングのように、集団で崖に向かって暴走したのだろうということです。
 
南米から初のアンフィレステス科三垂歯類哺乳類 3.25.12
  アルゼンチン、パタゴニア地方のQueso Rallado locality から産出した遊離歯です。左下顎の歯1本が
 出ています。
 Leandro C. Gaetano and Guillermo W. Rougier (2012)
 First Amphilestid from South America: A Molariform from the Jurassic Canadon Asfalto Formation,
 Patagonia, Argentina.
 Journal of Mammalian Evolution (advance online publication) DOI: 10.1007/s10914-012-9194-1
 アブストラクト

シロイルカやイッカクの祖先は暖かい海に生息 3.24.12
  ユーレカアラート
  極圏や亜寒帯の海に生息するシロイルカやイッカクの祖先は、約3~400万年前、暖かい海に生息
 していたそうです。祖先として記載されたのは、Bohaskaia monodontoides という歯クジラ。標本は、
 殆ど完全な頭骨。1969年に米ヴァージニア州Hampton近郊の鉱山で採集され、スミソニアン国立自然
 史博物館に収蔵されていたものです。当時はシロイルカとされていましたが、2010年にJorge Velez-
 Juarbe らにより、シロイルカやイッカクと詳細に比較され、新種であることがわかりました。
 この標本がヴァージニアの典型的な気候帯の中で発見されたこと、またもう一つの絶滅した、シロイル
 カの近縁種、Denebola branchycephala がバハカリフォルニアで発見されていることから、これらの寒
 冷地適応は最近のことと推測しています。
 Jorge Velez-Juarbeab & Nicholas D. Pyensonbc(2012)
 Bohaskaia monodontoides, a new monodontid (Cetacea, Odontoceti, Delphinoidea) from the
 Pliocene of the western North Atlantic Ocean
 JVP Volume 32, Issue 2, 2012 pp.476-484 DOI:10.1080/02724634.2012.641705 アブストラクト

多丘歯類は恐竜絶滅の2千万年前から絶滅後も多様に繁栄 3.17.12
  ワシントン大
  哺乳類の一種に多丘歯類があります。その名のとおり、すごく複雑な歯の形状をしています。
 彼らは約1億4千万年前、被子植物が現れて以来、多様化と体サイズの増加を続け、1億7千万年前、
 ネズミ程度の大きさだったのが、ビーバー程度のものまで現れたそうです。
 今回の研究では、41種類の多丘歯類の歯をCTスキャンにかけ、30ミクロン以下の精度で3D画像を作
 成しています。この歯の複雑な形状からどのような食性であったかわかるのだそうです。肉食の場合は
 単純な形の歯をしていますが、植物食の場合はその食物により多様な形状になるそうです。
 研究では、いくつかの被子植物は恐竜を絶滅に追いやったイベントの影響をあまり受けなかったので、
 多丘歯類も繁栄し続けたとしています。結局、約3千4百万年前に霊長類、有蹄類、齧歯類の台頭により
 絶滅に至ったものです。
 Gregory P. Wilson, Alistair R. Evans, Ian J. Corfe, Peter D. Smits, Mikael Fortelius & Jukka Jernvall
 Adaptive radiation of multituberculate mammals before the extinction of dinosaurs
 Nature(2012)doi:10.1038/nature10880 アブストラクト
 Nature 483, 457-460 (22 March 2012) | doi:10.1038/nature10880

宇都宮市からクジラ化石発掘 3.13.12
  下野新聞 朝日新聞 FNN(動画)
  栃木県宇都宮市東部、鬼怒川河岸で約1千万年前のヒゲクジラの全身骨格が発見され、栃木県立
 博物館により発掘調査されています。ナガスクジラの一種で全長8mとのこと。早ければ3月末~4月に
 同館で特別展示をするそうです。

太古の“かわいい”ラクダ発見、パナマ 3.08.12
  ナショナルジオグラフィック(日) フロリダ大
  約2000万年前の中米熱帯地域に生息していたAguascalietia panamaensisAguascalientia minuta
 の記載を紹介しています。体高はそれぞれ約80、60㎝といいますから、”かわいい”サイズですね。
 Aldo F. Rincon, Jonathan I. Bloch, Catalina Suarez, Bruce J. MacFadden
  & Carlos A. Jaramillo(2012)
  New floridatragulines (Mammalia, Camelidae) from the early Miocene Las Cascadas
 Formation, Panama
 JVPVolume 32, Issue 2, 2012 pp.456-475 DOI:10.1080/02724634.2012.635736
 アブストラクト

氷河期のコヨーテは超大型だった 2.28.12
 ユーレカアラート
  現在のコヨーテは11,500年から11,000年前にかけて、現在のサイズに縮小していったことが、
 化石標本の研究からわかりました。
 更新世のコヨーテは体重15~25㎏だったのに対し、現在のコヨーテは10~18㎏にすぎないそうで
 す。この原因として3つの仮説があります。1番目は気候の温暖化です。15,000年前から10,000年
 前にかけて気温は6℃上昇しました。しかし、コヨーテ標本の大腿骨周サイズの測定から、温暖化
 と体の縮退には関連がないことがわかりました。また、温暖化が原因なら他の動物にも同様な傾
 向があってしかるべきですが、オオカミでは体のサイズは変化していません。
 2番目に、人類が大型のコヨーテを狩った結果小型化した可能性がありますが、データが乏しく、検
 討にいたりません。3番目に、食糧の供給が他の競争者との関係を変化させたということがあります。
 コヨーテの小型化の1,000年ほど前に、北米の大型哺乳類が絶滅しています。そのため乏しい獲物
 の供給の前では小型化したほうが、より少ない食糧で生き延びられ、生存に有利に働いたという事
 です。
 Julie A. Meachena, and Joshua X. Samuels(2012)
 Evolution in coyotes (Canis latrans) in response to the megafaunal extinctions
 PNAS Published online before print February 27, 2012,
 doi: 10.1073/pnas.1113788109 アブストラクト

アラブ首長国連邦で世界最長になるゾウの足跡化石群記載 2.24.12
  AFPBB ウェスタン大ニュース In the footsteps of prehistoric elephants(必見)
  ナショナルジオグラフィック(日)
  約700万年前のゾウ類の足跡(Proboscidea)です。後期中新世のBaynunah層の露頭で発見
 され、Mleisa 1と呼ばれる地点の行跡は全長260mもあるそうです。少なくとも13頭の群れで、
 母系社会など、ゾウの複雑な社会構成がわかる最古の証拠となるそうです。
 Faysal Bibi, Brian Kraatz, Nathan Craig, Mark Beech, Mathieu Schuster and Andrew Hill(2012)
 Early evidence for complex social structure in Proboscidea from a late Miocene trackway
 site in the United Arab Emirates
 Biol. Lett.doi: 10.1098/rsbl.2011.1185 アブストラクト(論文フリー)

最初期のウマの進化は暁新世/始新世境界温暖化極大の中での気候の変化により制御
  された。2.24.12
  フロリダ大 ネブラスカ大
 Ross Secord, Jonathan I. Bloch, Stephen G. B. Chester, Doug M. Boyer, Aaron R. Wood,
 Scott L. Wing, Mary J. Kraus, Francesca A. McInerney, John Krigbaum(2012)
 Evolution of the Earliest Horses Driven by Climate Change in the Paleocene-Eocene
 Thermal Maximum
 Science 24 February 2012: Vol. 335 no. 6071 pp. 959-962
 DOI: 10.1126/science.1213859 アブストラクト

哺乳類、ネズミ大からゾウの大きさに2,400万世代 1.31.12
  モナシュ大 カルガリー大 カルガリー大(イメージ) 朝日新聞 ナショナルジオグラフィック(日)
  恐竜が繁栄していた時代、ネズミ大だった哺乳類が、恐竜の絶滅後ゾウほどの大きさに進化す
 るには、2,400万世代かかることが明らかになりました。豪モナシュ大の研究者Alistair Evans らの
 研究。また、海中では陸上の2倍のペースで大型化が進むそうです。一方、島の中などで体が小
 型化する場合10万世代ほどしかかからないになることもわかりました。
 過去7千万年の各大陸および海洋の28の哺乳類グループを調べた研究です。
 Evans et al.,(2012)
 The maximum rate of mammal evolution
 PNAS doi: 10.1073/pnas.1120774109 アブストラクト

古代ゾウの牙の化石か 直島沖で発見 1.25.12
  山陽新聞
  香川県直島沖の海底から漁網にかかったゾウの牙の化石を紹介しています。
 京大の北川さんが21日に開催された日本古生物学会第161例会で「岡山県玉野市沖の瀬
 戸内海海底より産出した長鼻類切歯化石」という演題で発表しました。

長崎県松浦市から国内最古級サイ科化石 1.13.12
  毎日新聞 読売新聞
  長崎県松浦市教委と福井県立恐竜博物館は13日、松浦市から1,800万年前、国内最古級
 のサイ科化石が発見されたことを発表しました。
 復元すると体長2.4mとのことです。
 なお、化石は1月14日~1月26日に松浦市役所、2月1日~3月25日に福井県立恐竜博物館
 で展示するそうです。
 1月15日には松浦市生涯学習センターで「松浦の哺乳類と福井の恐竜」という講演会も予定
 されています。

哺乳類の爆発的進化は白亜紀に 9.25.11
  ユーレカアラート
  哺乳類が現在のように多様に進化したのは白亜紀8000~8200万年前と6550万
 年前とする研究が出ています。哺乳類の99%が含まれる分子系統についてRelaxed
 clock analysesとRelaxed clock analysesによるものです。
 Meredith et al.
 Impacts of the Cretaceous Terrestrial Revolution and KPg Extinction on Mammal
 Diversification
 Science Express DOI: 10.1126/science.1211028

ハチオウジゾウ、新種に認定=9年前に化石発掘-東京・八王子 8.29.10
  時事
  2001年に八王子市で発掘された古代ゾウの化石が、新種として記載
 されました。ステゴドン属の新種 Stegodon protoaurorae です。
 HIROAKI AIBA, KATSUYOSHI BABA, MASAKI MATSUKAWA(2010)
 A new species of Stegodon (Mammalia, Proboscidea) from the Kazusa Group
  (lower Pleistocene), Hachioji City, Tokyo, Japan and its evolutionary
 morphodynamics
 Palaeontology Vo. 53, Issue 3, pp. 471-490 DOI: 10.1111/j.1475-4983.2010.00953.x
 アブストラクト

「ヒラマキウマ」国内最古級と判明 7.15.10
  毎日新聞 産経
  福井県立恐竜博物館は14日、絶滅した国内最古の馬「アンキテリウム・ハイポヒッポイ
 デスAnchitheriumhypohippoides”」(和名ヒラマキウマ)のものとされてきた骨化石が、
 1700万~1800万年前のもので同種としては東アジアで最古級だったと発表しました。
 あごの骨に付いていた歯の表面の模様などから、中国の内モンゴル自治区で見つかった
 アンキテリウム・ゴビエンセに似ていることが判明したが、ゴビエンセの歯にはない突起が
 あり、新種と判定とのことです。
 Kazunori Miyata and Yukimitsu Tomida
 Anchitherium (Mammalia, Perissodactyla, Equidae) from the Early Miocene Hiramaki
 Formation, Gifu Prefecture, Japan, and its Implication for the Early Diversification of
  Asian Anchitherium
 Journal of Paleontology 84(4):763-773. 2010 doi: 10.1666/09-128.1
 アブストラクト

ペルーの中新世層で出土した新種の捕食性マッコウクジラ類化石の巨大な咬合部
  7.05.10
  7月1日付ネイチャー 紹介が遅くなりました。
 ナショナルジオグラフィック(日)    
 ネイチャーニュース ネイチャービデオ ロッテルダム自然史博物館ビデオ(蘭)

  ペルーの中新世中期(約1,200万~1,300万年前)から産出したマッコウクジラ類の記
 載をしています。現生のマッコウクジラは下あごにしか歯は生えていませんが、化石の
 顎には上下とも巨大な歯(最大で直径12cm、長さ36cm)が生え、顎も頑丈なものだそう
 です。
 Leviathan melvillei と命名されたこのマッコウクジラ類の生息した時期は、ヒゲクジラ類
 がその多様化とサイズの拡大をはじめた時期と一致するため、ヒゲクジラ類を捕食して
 いたと考えられ、同時期の巨大サメCarcharocles megalodon とともに捕食者の頂点に
 たっていたと考えられるそうです。
 なお属名は旧約聖書に出てくる伝説上の海のモンスター、それになぞらえたホッブスの
 リヴァイアサンは、高校あたりの社会科で習ったでしょう。
 種小名は「白鯨」の著者メルヴィル(Herman Melville (1819–1891))に献名。
 Olivier Lambert,Giovanni Bianucci,Klaas Post,Christian de Muizon,Rodolfo Salas-Gismondi,
 Mario Urbina& Jelle Reumer
 The giant bite of a new raptorial sperm whale from the Miocene epoch of Peru
 Nature Volume: 466, Pages: 105-108 DOI: doi:10.1038/nature09067

Champsosaurus の大腿骨についた齧り痕 6.17.10
  イェール大ニュース
  カナダ、アルバータ、後期白亜紀の水生爬虫類Champsosaurus の大腿骨や、恐
 竜の肋骨から見つかった齧り痕の研究です。これは1対の痕がついているところか
 ら、ほ乳類の仕業。多丘歯類だろうということです。
 NICHOLAS R. LONGRICH and MICHAEL J. RYAN
 Mammalian tooth marks on the bones of dinosaurs and other Late Cretaceous
 vertebrates
 Palaeontology DOI: 10.1111/j.1475-4983.2010.00957.x アブストラクト

獲物を泥ごと吸い込む、ヒゲクジラの先駆者 12.27.09
  ナショナルジオグラフィック(日) ビクトリア博物館ニュース
  オーストラリア、ビクトリア州Torquayから1939年に命名されたクジラの化石が詳しく
 調べられ、海底の泥ごと獲物を吸い込む吸引食だったことが明らかになりました。
 Mammalodon colliveri という2,500万年前のクジラは、今日のシロナガスクジラにつな
 がる系統の初期の分枝にあたります。ヒゲを用いるろ過食の前適応と位置づけられま
 した。このクジラは体長わずか3mという小型でしたが、より大型の祖先から小型化した
 ものだそうです。
 ERICH M. G. FITZGERALD, 2009.
 The morphology and systematics of Mammalodon colliveri (Cetacea: Mysticeti), a
 toothed mysticete from the Oligocene of Australia
 Zoological Journal of the Linnean Society
 DOI:10.1111/j.1096-3642.2009.00572.x アブストラクト

北米のマンモスは7,600年前まで生存 12.16.09
  MSNBC  Wollongong大ニュース
  これまで12,000年前に絶滅したとされていた北米のマンモス、アラスカの凍土中か
 ら産出したマンモスとウマから取り出したDNAサンプルを分析したところ、10,500~
 7,600年前と判明したそうです。
 PNASに論文掲載されるそうです。

大分県姫島でアケボノゾウ足跡(?)化石 12.02.09
  日本経済新聞
  姫島の海岸線にある、約200万年前の丸石鼻層から大型動物の足跡が見つかっ
 たそうです。京都大学大学院の北川博道さんと地元の郷土史研究家、木野村孝一
 さんの発見。アケボノゾウなら、九州で初めての発見だそうです。

大型レッサーパンダの化石発見 11.24.09
  時事 京都大学霊長類研究所新着論文
  レッサーパンダは現在ヒマラヤに生息していますが、350万年前にはバイカル湖
 畔にも生息してたようです。大型レッサーパンダParailurus baikalicus の右下顎骨
 と大臼歯2個の記載をしています。高度に植物食に適応した形態だそうです。
 要旨は上記リンクをご覧ください。
 SHINTARO OGINO, HIDEO NAKAYA, MASANARU TAKAI, AKIRA FUKUCHI,
 EVGENY N. MASCHENKO, and NIKOLAI P. KALMYKOV
(2009)
 Mandible and lower dentition of Parailurus baikalicus (Ailuridae, Carnivora) from
 Transbaikal area, Russia
 Paleontological Research vol.13 No.3 pp.259-264
 doi:10.2517/1342-8144-13.3.259

爬虫類のように生きた古代ヤギ 11.17.09
  ナショナルジオグラフィック(日)
  スペインのマヨルカ島に約3,000年前まで生息していたMyotragus というヤギの、
 代謝や成長速度などが明らかになりました。体の大きさ自体、肩までの高さ約50cm
 と小型です。16日に発表された論文によると、代謝は哺乳類というよりワニに似て、
 通常の季節変化の時と旱魃等の時では代謝レートを変えていたそうです。成長も
 遅かったそうです。神経系も貧弱になり、脳や眼の大きさも縮小していたということ
 です。それでも生きながらえたのは、人間が来るまで捕食動物がいない環境だった
 ことが大きいようです。
 Meike Koehler and Salvador Moya-Sola(2009)
 Physiological and life history strategies of a fossil large mammal in a resource-
 limited environment
 PNAS published online before print November 16, 2009,
 doi:10.1073/pnas.0813385106 アブストラクト(論文ダウンロードできます)

 長崎県松浦市で1800万年前の哺乳類化石 11.16.09
  長崎新聞 朝日新聞
  松浦市教委が13日発表。同市鷹島舩唐津免の海岸から、1800万年前の大型
 哺乳類腸骨、仙骨、腰椎の3点が4月の試掘で見つかり、さらに今月11日から16
 日に行われている本格発掘で12日、胸骨が見つかったと発表しました。体長は、
 約3mと推定されます。水中でも生活できる炭獣類の可能性が高いそうです。

中国遼寧省義県層から1億2千3百万年前の哺乳類 10.09.09
  ユーレカアラート AFPBB
  Maotherium asiaticus と命名された標本は、どのように哺乳類の内耳が進化した
 か、重要な洞察を与えるものとしています。
 サイエンス10月9日号に掲載。

クジラ類の系統、明らかに 9.25.09
  ユーレカアラート
  最初のクジラ類の祖先はいつ、何からか、これまで議論が続いていました。肉食のメソ
 ニクスが祖先とする説や、カバが最も近縁とする説など聞いたことがあります。
 今回PLoS One に掲載された論文では、80以上の現生及び化石分類群について661の
 形態及び行動の形質をとり、またDNA解析による47,000以上のデータを加え、その系統
 を解析しました。
 その結果、クジラ類の最初の祖先の系統には偶蹄類Indohyus が含まれるが、メソニクス
 類はクジラ類に含まれないことが明らかになったそうです。
 Michelle Spaulding, Maureen A. O'Lear3, John Gatesy
 Relationships of Cetacea (Artiodactyla) Among Mammals: Increased Taxon Sampling
 Alters Interpretations of Key Fossils and Character Evolution
 PLoS ONE 4(9): e7062. doi:10.1371/journal.pone.0007062 論文

義県層から正三垂歯類 9.03.09
 遼寧省陸家屯の義県層(下部白亜系)から産出した標本で、部分的な頭骨と完
 全な歯列が含まれています。
 Juchilestes liaoningensis 新属新種
 日本から産出したHakusanodon に最も近縁としています。

 Chun-Ling Gao, Gregory P. Wilson, Zhe-Xi Luo, A. Murat Maga, Qingjin Meng and Xuri Wang
 A new mammal skull from the Lower Cretaceous of China with implications
 for the evolution of obtuse-angled molars and ‘amphilestid’ eutriconodonts
 Proceedings of the Royal Society Bfirst site doi: 10.1098/rspb.2009.1014
 アブストラクト

”歩くコウモリ”の化石が定説を覆す? 8.10.09
  ナショナルジオグラフィック(日)

山形県鶴岡市田麦川でステゴロフォドン臼歯化石発見 8.10.09
  山形新聞 山形新聞
  8月10日まで3日間、田麦川で発掘が行われたそうです。ここは1995年
 上顎の化石が発見されています。写真を見ると、長谷川先生もハンマーで
 たたいているようです。国府田先生はステゴロフォドンは専門に研究してい
 るので、研究面でも発展があるのかもしれませんね。
 参考:ミュージアムパーク茨城県自然博物館ニュースNo.36

鰭脚類進化のミッシングリンク化石、記載 4.23.09
  ナショナルジオグラフィック(日) 朝日新聞
  アザラシなど鰭脚類は、単系統のグループで、イタチ類やクマ類と姉妹群をなすそうです。
 現生の鰭脚類は、海生ですが、これまで発見された最古の鰭脚類ではすでにヒレ足をして
 いて、陸上にいた祖先から海生に移行する途中の段階については議論が多いものでした。

 今回記載されたPuijila darwini は、2043~2303万年前のカナダ北極圏に生息していました。
 半水生の段階を示すもので、長い尾やがっしりした四肢がある一方、足には水かきがあった
 ということです。復元図を見ると、一見カワウソのようにも見えます。
 当時の環境は、現在のニュージャージー程度で、冬季には淡水は凍るため、この動物は海で
 獲物をとる生活をしていたのではないかという推測もあります。

 Natalia Rybczynsk1, Mary R. Dawson & Richard H. Tedford
 A semi-aquatic Arctic mammalian carnivore from the Miocene epoch and origin of Pinnipedia
 ネイチャー4月23日号 Nature 458, 1021-1024 (23 April 2009) | doi:10.1038/nature07985
 
 カナダ自然博物館プレスリリース ユーレカアラート Puijilaホームページ必見!

 ロサンゼルスでほぼ完全なマンモスの化石発見 2.19.09
  ロイター(日) ニューヨークタイムス
  ロサンゼルスのラ・ブレア・タールピッツ近くの建設現場から、ほぼ完全なマンモスの
 骨格化石が発見されたそうです。George C. Page Museum の研究チームによってZed
 と名づけられたこのマンモス、全身骨格の80%が保存されているそうです。 
 
妊娠した初期のクジラ化石 2.05.09
  ネイチャーニュース ミシガン大ニュース
  4750万年前のMaiacetus inuus胎児は頭から出産されることから、まだ陸上で出産し
 ていたことがわかるそうです。
 Philip D. Gingerich, Munir ul-Haq, Wighart von Koenigswald, William J. Sanders,
 B. Holly Smith, Iyad S. Zalmout
 New Protocetid Whale from the Middle Eocene of Pakistan: Birth on Land, Precocial
 Development, and Sexual Dimorphism
 PLoS ONE doi:10.1371/journal.pone.0004366

化石:ナウマンゾウでなく野牛と判明 栃木の博物館 2.05.09
  毎日新聞 下野新聞
  佐野市葛生化石館が約30年間、地元出土のナウマンゾウとして展示していた骨片化
 石が、約1万5000年前に日本に生息していた野牛(やぎゅう)(バイソン)の化石である
 ことが判明。群馬県立自然史博物館の長谷川館長がバイソンと確認した経緯を「群馬
 県立自然史博物館研究報告」で発表するそうです。

今帰仁村:170万-150万年前の化石が大量出土 アマミノクロウサギ祖先も
  2.01.09 毎日新聞
  今帰仁村(なきじんそん)の赤木又露頭から、これまで沖縄で産出していなかった、更
 新世前期の小型哺乳類化石が大量に産出しました。現在より哺乳類の多様性は高かっ
 たようです。
 1月30日の日本古生物学会シンポジウム講演で発表されました。
  今日、沖縄県立博物館・美術館で10:00から日本古生物学会の普及講演会「琉球列
 島に固有な生物相はどのようにして生まれたか―最新の研究成果から―」で小澤智生
 サイバー大教授から一般向けに紹介されます。
 なお、記事中、平山廉先生の肩書きを「サイバー大教授」としていますが、「早稲田大教
 授」の誤りです。

中国甘粛省から最古のチーター化石 1.02.09
  ナショナルジオグラフィック(日) レコードチャイナ
  甘粛省から約220~250万年前、最古のチーター化石が発見され、記載されました。
 歯列などに原始的な特徴があるそうです。また、チーターの起源はこれまで示唆され
 てきたように、アジア起源であるとしています。Acinonyx kurteni と命名されました。
 Per Christiansena, and Ji H. Mazak
 A primitive Late Pliocene cheetah, and evolution of the cheetah lineage
 doi: 10.1073/pnas.0810435106 アブストラクト

長野県佐久市のトンネル工事で古型マンモス?産出 12.27.08
  信濃毎日新聞 東京新聞24日付
  佐久市の中部縦貫道臼田トンネル工事現場でマンモスの歯と牙が見つかり、同市教
 委の発表によると、古型マンモスの可能性が高いということです。

 マンモスのゲノム、70%解読 米ロの研究チーム 11.20.08
  朝日新聞 BBC MSNBC ペンシルバニア州立大ニュース ペ大マンモスゲノムプロジェクト
  時事 47ニュース ナショナルジオグラフィック(日)
  ウーリーマンモスの毛からマンモスのゲノムの約70%が解読されました。アフリカゾウと700数
 十万年前、アジアゾウと700万年前に分岐したと推定されたそうです。現代のアフリカゾウとの
 違いは0.6%とのことです。
  Webb Miller et al.
  Sequencing the nuclear genome of the extinct woolly mammoth
  Nature 456, 387-390 (20 November 2008) | doi:10.1038/nature07446

 マンモスのゲノム、70%解読 米ロの研究チーム 11.20.08
  朝日新聞 BBC MSNBC ペンシルバニア州立大ニュース ペ大マンモスゲノムプロジェクト
  時事 47ニュース ナショナルジオグラフィック(日)
  ウーリーマンモスの毛からマンモスのゲノムの約70%が解読されました。アフリカゾウと700数
 十万年前、アジアゾウと700万年前に分岐したと推定されたそうです。現代のアフリカゾウとの
 違いは0.6%とのことです。
  Webb Miller et al.
  Sequencing the nuclear genome of the extinct woolly mammoth
  Nature 456, 387-390 (20 November 2008) | doi:10.1038/nature07446

札幌市豊平川でクジラ化石 11.19.08
  読売新聞 毎日新聞 北海道新聞 札幌市博物館活動センター
  小金湯温泉の豊平川で約280万年前のヒゲクジラ化石が発見されました。

スミロドンは社会性動物だった 11.04.08
  カリフォルニア大ロスアンゼルス校ニュース
  サーベルタイガーともいいますから、現生のトラのように単独行動をしたように思われ
 がちかもしれません。Smilodon fatalis は、La Brea タールピットから他の犠牲となった
 獣とともに発見されます。UCLAほかの研究者たちは、アフリカで録音された、苦しんで
 いる獲物の鳴き声やライオン・ハイエナが肉食獣をひきつける音の録音の再生から得
 られるデータ、これは東アフリカや南アフリカで肉食獣の密度を推定するのに使われる
 そうですが、これとタールピットの犠牲となった獣のデータを比較したそうです。
 すると、予想されるよりはるかにSmilodon の割合が多くて、このことから社会性動物
 だった、ライオンのように群れで獲物を襲ったということのようです(すみません、回線
 の調整が悪くて)
  Chris Carbone, Tom Maddox, Paul J. Funston, Michael G.L. Mills,
 Gregory F. Grether, Blaire Van Valkenburgh
 Parallels between playbacks and Pleistocene tar seeps suggest sociality in an
 extinct sabretooth cat, Smilodon
 Biology Letters DOI:10.1098/rsbl.2008.0526 アブストラクト

アケボノゾウ、東御市の千曲川河川敷で脚など発掘 10.07.08
  信濃毎日新聞5日付 
  長野県東御市教育委員会は、同市加沢の千曲川河川敷で、約130万年前の
 地層から、若いアケボノゾウの脚などの骨の化石が見つかったと発表したそう
 です。ほぼ全身骨格ということで、成長過程にあるアケボノゾウでは初めての
 ことだそうです。
 東御市ではこれまでも成体2体の全身骨格が発見されています。市教委文化
 財課の事務分掌に「アケボノゾウ化石に関すること。」と明記されているほどで
 す。

石川県白山市桑島化石壁から多丘歯類哺乳類新種2種 10.03.08
  中日新聞 読売新聞
  白山市は10月2日、多丘歯類の新種、Hakusanobaatar matsuoi
 Tedoribaatar reini を発表しました。
 桑島化石壁産出化石調査協議会の調査団が2001年5月、2002年1月に、
 化石壁をつらぬくライントンネル掘削時に発見したものだそうです。
 10月10日から19日まで白山パーク白峰で展示されます。
 Nao Kusuhashi 2008.
 Early Cretaceous multituberculate mammals from the Kuwajima Formation
 (Tetori Group), central Japan
 Acta Palaeontologica Polonica 53 (3), 2008: 379-390ダウンロードできます。
 参考:白山市化石調査について

1800万年前の巨大ネコ、南米から初の化石 8.18.08
  AFPBB
  Homotherium という剣歯ネコです。ベネズエラ、モナガス州で。

ナウマン象足跡化石か 幕別町忠類 道内初6個発見 8.12.08
  北海道新聞 十勝毎日新聞
  北海道十勝 幕別町忠類(旧忠類村)でナウマン象発掘地東側を発掘
 したところ、ナウマン象の足跡化石とみられるものが6個発見されたそうで
 す。

ネコ科における頭蓋と下顎の形態の進化 8.01.08
  Per Christiansen 2008.
  Evolution of Skull and Mandible Shape in Cats (Carnivora: Felidae)
  PLoS ONE 3(7): e2807. doi:10.1371/journal.pone.0002807
  ネコ科は現生のネコ科動物が入るグループと、絶滅したサーベルタイガーのグループ
 に2分されるそうです。この2つのグループの頭蓋と下顎の形態は大きく異なっています。
 2つのグループの体の大きさを同じにすると、サーベルタイガーの噛む力ははるかに弱い
 そうです。またサーベルタイガーには体の大きさと頭蓋の形態に明確な相関関係が認め
 られるが、現生のネコ科グループには認められない。現生のネコ科の頭蓋と下顎の形態
 の進化は、体の大きさに関係なく一定の力強い咬合により決まってきたが、サーベルタイ
 ガーの形態は、大きくなった上顎の犬歯を用いて効率的な捕食をする淘汰圧により進化
 したとしています。かれらにとって噛む力は二次的なもので、その進化の過程で次第に弱
 くなったということです。

兵庫県篠山市から国内最古の哺乳類化石 6.13.08
  人と自然の博物館ニュース
  朝日新聞 読売新聞 神戸新聞
  篠山層群下層部(約1億4千万年前から1億3千6百万年前)から哺乳類の下顎
 骨(長さ約2.5cm)が発見されました。石川県白山市、福井県勝山市に以外で発
 見されたのは初めて。

大分県宇佐市安心院町でミエゾウの切歯(牙)発見 4.19.08
  毎日新聞17日付 西日本新聞17日付
  同町森の深見川右岸、350万年前の地層から。長さ156cm直径16cmの切歯が発見さ
 れました。魚類咽頭化石の研究家で、九重町の中学教諭の北林栄一さんが発見。

庄原のクジラ化石に3新種 3.26.08
  中国新聞
  広島県庄原市立比和自然科学博物館に収蔵されているクジラ化石種のうち、1種が
 新属新種、2種が新種であることが鹿児島大の大塚裕之名誉教授(地質学古生物学)
 らの研究で分ったそうです。

ナウマンゾウの臼歯など発見 野尻湖調査団 3.26.08
  信濃毎日新聞

北米最古の霊長類はシベリアから 3.04.08
  K. Christopher Beard
  The oldest North American primate and mammalian biogeography during the
  Paleocene–Eocene Thermal Maximum
  Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 10.1073/pnas.0710180105 アブストラクト

  約5千5百万年前の霊長類Teilhardina の記載をしています。この霊長類はアジアやヨー
 ロッパにも分布していて、この頃海水面が下がり現れていたベーリング地峡を通り、シベリ
 アから渡ってきたと見られるそうです。
 ネイチャーニュース ニューサイエンティスト

5300万年のウサギ類化石、インドから 2.26.08
  BBCニュース
  インド、グジャラート州から産出した、最古のウサギ類化石は5300万年前に遡ります。ウサ
 ギ類が他の哺乳類から分岐した年代が古くなりました。
  Kenneth D. Rose, Valerie Burke DeLeon, Pieter Missiaen, R.S. Rana, Ashok Sahni, Lachham Singh
   & Thierry Smith

  Early Eocene lagomorph (Mammalia) from Western India and the early diversification of Lagomorpha
  Proc.Royal Soc. B DOI: 10.1098/rspb.2007.1661

米ワイオミング州で出土した始新世前期の原始的コウモリと飛翔および反響定位の進化
  2.14.08
  ネイチャー2月14日号 ミシガン大ニュース(写真あり) ロイヤルオンタリオ博物館ニュース
  AFPBB
  Nancy B. Simmons, Kevin L. Seymour, Jörg Habersetzer & Gregg F. Gunnell
  Primitive Early Eocene bat from Wyoming and the evolution of flight and echolocation
  pp.818-821 (14 February 2008) | doi:10.1038/nature06549

  コウモリの初期進化については、まだよく知られていません。ここでは、始新世前期の、他のど
 のコウモリより原始的な特徴をもつコウモリを記載しています。
 オニコニクテリス科(新科)の新属新種 Onychonycteris finneyi
 属名:ギリシャ語でOnycho(爪の生えた)+nycteris(コウモリ) 全ての指に発達した爪があること
     から。
 種小名:完模式標本(ROM 55351A,B)を採集したBonnie Finneyに献名。

 羽ばたき飛行はするようになっていました。エコロケーションの機能は、耳の形態からまだなかっ
 たそうです。このことは、「飛行先行説」を裏付けるものとなります。翼の形状から、波打つように
 滑空と羽ばたきを繰り返す飛び方がコウモリにとって原始的なものだったことを表し、また長い距
 骨から、幅広い尾膜翼がコウモリの初期段階で進化し、その機能は獲物を捕らえる道具としてよ
 り補助的なエアフォイルだったことを示しています。四肢のプロポーション及び全ての指に爪があ
 ることから、この動物が素早く木に登り、また四足歩行をし、木にぶら下がる習性をもっていたか
 もしれないことが示されています。
 
30年前に見つかったナウマンゾウ化石の中からマンモスゾウの歯を発見 1.31.08
  滋賀県政eしんぶん
  北海道中川郡幕別町忠類から1969年に発見され、翌年に渡って発掘されたナウマンゾウ化
 石(忠類標本)を再検討したところ、第2大臼歯とされていたもの が第3大臼歯であり、かつ未
 咬耗の第3大臼歯とされていたものがマンモスゾウの第2あるいは第3大臼歯であることが明ら
 かとなったそうです。このことにより、25から30歳とされていたこの標本の年齢は50歳以上と変
 更されることになるそうです。
 この発見については、日本古生物学会第157回例会で発表されます。

体重1トン、世界最大のネズミの仲間 南米で化石を発見 1.17.08
  CNN
  体重1tと言われると想像に余りますね。約400万年前のウルグアイに生息。
  Josephoartigasia monesi と命名されました。
  Andrés Rinderknecht, R. Ernesto Blanco
  The largest fossil rodent
  Proceedings of the Royal Society B Biological Sciences.
  doi:10.1098/rspb.2007.1645 論文ダウンロードできます。

忠類のナウマン象化石にマンモスの歯 土捨て場で混入? 1.12.08
  北海道新聞

「カンガルーの祖先は飛び跳ねなかった」、豪研究報告 12.07.07
  AFPBB News
  BENJAMIN P. KEAR, BERNARD N. COOKE, MICHAEL ARCHER and TIMOTHY F. FLANNERY
  IMPLICATIONS OF A NEW SPECIES OF THE OLIGO-MIOCENE KANGAROO (MARSUPIALIA:
   MACROPODOIDEA) NAMBAROO, FROM THE RIVERSLEIGH WORLD HERITAGE AREA,
   QUEENSLAND, AUSTRALIA

  Journal of Paleontology; November 2007; v. 81; no. 6; p. 1147-1167; DOI: 10.1666/04-218.1
   アブストラクト

中国海南島で40万年前のパンダなどの化石発見 12.06.07
  新華社 中新網 新華社 MSNBC
  40万年前は、大陸と繋がる半島だったそうです。パンダのほか、大型のサル類、サイ、
 バク、ゾウなど20種の哺乳動物化石が産出しているそうです。

偽トリボスフェニック型哺乳類とトリボスフェニック型哺乳類における歯の収斂的適応
  11.01.07
  Zhe-Xi Luo, Qiang Ji & Chong-Xi Yuan2
  Convergent dental adaptations in pseudo-tribosphenic and tribosphenic mammals
  ネイチャー11月1日号 Nature 450, 93-97 doi:10.1038/nature06221

  現生哺乳類の臼歯は全てトリボスフェニック型臼歯(すりつぶしと切断の両方の機能を持つ)
 から派生したものです。今回記載されたPseudotribos robustus というシュノテリウム科哺乳
 類では、偽タロニッドがトリゴニッドの前方にあって、上顎の偽プロトコーンを受け止めるかた
 ちになっています。この偽プロトコーンはプロトコーンと類似していますが、偽タロニッドは、真
 正トリボスフェニック型哺乳類では後方にあるタロニッド・ベイシンとは逆に前方にあります。
 この哺乳類は、中国内蒙古自治区寧城、道虎溝の九竜山(Jiulongshan)層(中期ジュラ)から
 産出したもので、下顎や骨格の特徴は原始的なものですが、北半球のトリボスフェニック型
 哺乳類のものとは異なっています。
 この記載により、初期哺乳類の歯の進化が独立に少なくとも2回起こったことがわかりました。
 ナショナルジオグラフィック NSF

中学生発見クジラ化石 県内最古のケトテリウム科 10.20.07
  信濃毎日新聞
  昨年8月、裾花川床で中3の青木隆宏君が発見。約600年前のケトテリウム科下顎と判
 明したそうです。11/20-11/30戸隠地質化石館で展示。

イノシシ似の新種哺乳類 兵庫・三田市の化石 10.05.07
  中日新聞 朝日新聞 神戸新聞
 三田市の約3800万年前の地層から産出した下顎の化石です。
 偶蹄目アントラコテリウム科 Bothriodon の新種 Bothriodon sandaensis と命名。
 和名はサンダタンジュウというそうです。
 兵庫県立人と自然の博物館で6日から11月11日まで展示。

 Takehisa Tsubamoto, Takashi Matsubara, Satoshi Tanaka, Haruo Saegusa (2007)
 Geological age of the Yokawa Formation of the Kobe Group (Japan) on the basis of
 terrestrial mammalian fossils
 Island Arc 16 (3), 479–492. doi:10.1111/j.1440-1738.2007.00577.x

中国で初めて発見されたドコドン類哺乳類化石に学名 9.03.07
  新華社 新華社
  9月1日から新疆ウイグル自治区のウルムチで、「中ドイツ協力中国北方地質と環境
 進化国際学術研討会」が開催されているそうです。中国、ドイツ、日本から50名以上
 の専門家が出席し、日本からは中央大の西田治文教授が出席しています。

 その席上、2003年、ウルムチより15km西にある硫黄溝地区で発見された約1億6千万
 年前、後期ジュラ紀の17個の哺乳類歯化石に対し、ドコドン類(中国名:柱歯獣類)の新
 属として,“ジュンガル獣”という属名がつけられたそうです。中国の報道では、全て中
 国名しか出てこないので、ジュンガルテリウムとかいうのかな?と想像するしかありませ
 んが・・・種小名は、"左氏"となっています。体長は5から7cm、外見はネズミに似ている
 そうです。
 ※報道では発見となっていましたが、楽園のマスターのご指摘により、これは2005年に
   ACTA PALAEONTOLOGICA POLONICA 50 (4)で記載されていることが判明しました。
   Dsungarodon zuoi です。
  HANS−ULRICH PFRETZSCHNER, THOMAS MARTIN, MICHAEL W. MAISCH,
  ANDREAS T. MATZKE, and GE SUN, 2005
  A new docodont mammal from the Late Jurassic of the Junggar Basin in Northwest
  China
  Acta Palaeontologica Polonica 50 (4): 799–808.

新種セイウチ化石と確認 1500万年前に生息 秩父 7.15.07
  埼玉新聞
  約50年前に秩父市内の赤平川の川原で発見された化石が、約1500万年前に生息して
 いた、新種セイウチと、科博甲能直樹研究主幹の鑑定により判明。
 
白山市白峰化石壁産出の哺乳類Hakusanodon archaeus 7.10.07
  白山市ニュース 北國新聞
 古代 の白山の歯を意味する新属新種の三垂歯類です。
 Guillermo W. Rougier, Shinji Isaji( 伊左治鎭司), and Makoto Manabe (真鍋真)2007
 An Early Cretaceous mammal from the Kuwajima Formation (Tetori Group), Japan, and a
 reassessment of triconodont phylogeny.
 
Annals of Carnegie MuseumVolume 76, Number 2
 7月21日から8月31日まで白山恐竜パーク白峰で公開

マンモスそのまま 凍結状態ロシアで発見 日本で検査へ 7.06.07
  北海道新聞
 ロシア・西シベリア北部ユリベイ川近くで発見された生後半年とみられるメスマンモスを
 日本で検査するそうです。

太古のロマン足跡化石 金ケ崎・永沢川 7.05.07
  岩手日報
  永沢川でアケボノゾウの足跡が発見されたそうです。

セミクジラ属最古の化石と確認 信州新町博物館保存 7.03.07
  信濃毎日新聞 中日新聞
  群馬県立自然史博物館との共同研究により、セミクジラ属の新種であることがわ
 かり、シンシュウセミクジラと命名されたそうです。
 信州新町化石博物館所蔵の長野県天然記念物

白亜紀の正獣類と、K/T境界付近のローラシアにおける有胎盤哺乳類の出現 6.21.07
  ネイチャー 6月21日号
  J. R. Wible, G. W. Rougier, M. J. Novacek & R. J. Asher
  Cretaceous eutherians and Laurasian origin for placental mammals near the K/T boundary
  pp.1003-1006 doi:10.1038/nature05854
  モンゴル、ウカートルゴッド、ジャドクタ層(後期白亜紀、約7500~7100万年前)から産出
 した、正獣類を記載しています。
 Maelestes gobiensis gen. et sp. nov.
 属名は、Mae:モンゴル科学アカデミーとアメリカ自然史博物館の共同発掘の頭文字
          (Mongolian Academy of Sciences–American Museum of Natural History Expeditions)
      +lestes:ギリシャ語で盗人。しばしば食虫動物のような哺乳類に使われる。
 種小名は、産地のゴビにちなむ。
 完模式標本PSS-MAE 607は、不完全な頭蓋、左下顎骨、ほか各部椎骨ほか

 この論文では、標本の記載というより、有胎盤哺乳類がいつごろ出現したかという議論に
 一つの結論を提出しています。
 有胎盤哺乳類の出現時期については、恐竜の絶滅以後という説がある一方、1億年前か
 らという説もあります。この論文ではMaelestes gobiensis も含め69分類群の408にのぼる
 形質から系統分析をしています。その結果、白亜紀の化石は有胎盤哺乳類から除外され、
 最初の有胎盤哺乳類は6500万年以降に出現したことが明らかになりました。また、その起
 源は南半球ではなく北半球ローラシアにあることがわかりました。
 
 なお、現生哺乳類DNAからの解析については、ネイチャー3月29日号に論文が掲載されて
 います。そこでは、現生哺乳類の爆発的分岐はK/T境界の1000-1500万年後という結果が
 出ています。
 ニューサイエンティスト ネイチャーニュース

ジャイアントパンダ、最古種の頭骨 6.19.07
  時事 アイオワ大ニュース
  広西チワン族自治区の洞窟から約200万年前の頭骨
  Changzhu Jin, Russell L. Ciochon, Wei Dong, Robert M. Hunt Jr., Jinyi Liu, Marc Jaeger, and Qizhi Zhu
  The first skull of the earliest giant panda
  Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 10.1073/pnas.0704198104 アブストラクト

旧四賀村で40年前発掘の化石、世界最大級の陰茎骨 6.02.07
  信濃毎日新聞
  群馬県立自然史博物館の長谷川館長により、1300~1500万年前の海生
 哺乳類の陰茎骨と判明したそうです。
 四賀化石館で8月1日から8月31日まで展示するそうです。

ジュゴンの仲間・海牛の全身化石、新種か…東京・多摩川 5.13.07
  読売新聞11日付
  東京都狛江市の多摩川川底、約120万年前の地層から。

先史時代のクジラの骨格化石が見つかる 伊トスカーナ 4.06.07
  CNN.co.jp
  約400万年前といいます。

恐竜絶滅は哺乳類の進化にあまり貢献しなかった 3.29.07
  Olaf R. P. Bininda-Emonds, Marcel Cardillo, Kate E. Jones, Ross D. E. MacPhee, Robin M. D. Beck, Richard Grenyer,
   Samantha A. Price, Rutger A. Vos, John L. Gittleman & Andy Purvis

  The delayed rise of present-day mammals
  ネイチャー3月29日号 Nature 446, 507-512 (29 March 2007) | doi:10.1038/nature05634

  既知の哺乳類4,554種のうち99%にあたる4510種のDNAデータを元に哺乳類の分岐年代を調
 べています。その結果、例えば最初のげっ歯類など、有胎盤哺乳類は9,300万年前に分岐して
 いたことが判りました。しかし、白亜紀の間分岐のスピードはあまり速くありませんでした。2番目
 の分岐の爆発点は、約5,000万年前。地球温暖化が急速に進んだ時期で、古いタイプの哺乳類
 が絶滅し、新しいタイプの哺乳類が進化したそうです。6,550万年前の恐竜絶滅は、哺乳類の進
 化にあまり貢献しなかったそうです。
 ネイチャーニュース ユーレカラート   BBC

新しい正三垂歯類哺乳類及び初期哺乳類の中耳骨の進化 3.15.07
  Zhe-Xi Luo, Peiji Chen, Gang Li and Meng Chen
  A new eutriconodont mammal and evolutionary development in early mammals
  Nature 446, 288-293 (15 March 2007) | doi:10.1038/nature05627

 中国河北省、約1億2千5百万年前の哺乳類、 Yanoconodon allini を記載しています。
 その最大の注目点は、中耳の構造です。哺乳類の中耳を構成する3つの骨は、
 爬虫類では下顎の骨でした。Yanoconodon では、下顎から中耳へ進化する中間
 段階を表しています。この進化をたどるロゼッタストーンと言われています。
 NSFニュース(生態復元イラストあり)
 カーネギー自然史博物館ニュース 同画像ページ(化石、骨格ほか)
 朝日新聞3.20付

中生代滑空哺乳類の学名訂正 3.01.07
  ネイチャー3月1日号Nature 444, 889–893 (2006)
  12月に大きなニュースとなった中国の滑空哺乳類Volaticotherium antiquus について、属名
 語尾が訂正されています。普通名詞の語尾は中性が正しいそうです。
 Volaticotherium antiquum と、訂正されました。

カイギュウ化石、新潟県長岡市で発見 2.09.07
  毎日新聞

最も原始的な霊長類骨格発見と原始霊長類の系統 1.25.07
  ユーレカラート フロリダ大ニュース イェール大ニュース フロリダ自然史博物館リリース
  Jonathan I. Bloch, Mary T. Silcox, Doug M. Boyer, and Eric J. Sargis
  New Paleocene skeletons and the relationship of plesiadapiforms to crown-clade primates
  PNAS 2007 104: 1159-1164 DOI:10.1073/pnas.0610579104

  ここで研究者たちは、霊長類の85に及ぶ現生及び化石種の骨格の特徴から、霊長類の基盤系
 統の再構築をしました。また、これまででもっとも原始的な特徴をもつ、曉新世、5600万年前のプレ
 シアダピス類霊長類骨格も記載しました (Ignacius clarkforkensis sp. nov.; Dryomomys szalayi,
 gen. et sp. nov.)。
 その結果、これまで真霊長類ではないともされていたプレシアダピス類を、間違いなく真霊長類で
 あるとしています。
 参考:霊長類の進化とその系統樹

オーストラリアの洞穴から貴重な有袋類などの化石発見 1.25.07
  オーストラリア南中央部のNullarbor平原にある3つの洞穴から、多くの有袋類化石が発見されて
 います。69の脊椎動物(哺乳類、鳥類、爬虫類)化石及び、80万年前から20万年前に生息した軟体
 動物化石です。西オーストラリア博物館のチームにより発見されました。
 その中には、絶滅したカンガルーの新種が8種、有袋類のライオンといわれるThylacoleo carnifex
 の完全な骨格が含まれています。

 研究者たちは、骨を覆う方解石の中に含まれる放射性元素から年代を測定し、また、カンガルーと
 ウォンバット化石13個体の歯のエナメル質に含まれる同位体の割合を現生の類縁の歯と比較しま
 した。その結果、化石となった動物の殆どは草食で、開けた平原で植物を食べていたことが、わか
 りました。気候は今と同じか、僅かに湿潤だった程度だそうです。

 そうすると、何がこれらの動物を絶滅に導いたのかという疑問が生じます。氷河期の気候の変化に
 より絶滅したという説と、オーストラリアに上陸した人間が絶滅をもたらしたという説があります。
 今回の研究では、気候の変化は絶滅の主因ではなかったというほうに軍配をあげています。

 Gavin J. Prideaux, John A. Long, Linda K. Ayliffe, John C. Hellstrom, Brad Pillans, Walter E. Boles,
 Mark N. Hutchinson, Richard G. Roberts, Matthew L. Cupper, Lee J. Arnold, Paul D. Devine and
 Natalie M. Warburton
 An arid-adapted middle Pleistocene vertebrate fauna from south-central Australia
 ネイチャー1月25日号 doi:10.1038/nature05471
 ネイチャーニュース ニューサイエンティスト ナショナルジオグラフィック
 Thylacoleo carnifex画像


漁網にナウマンゾウの化石? 12.21.06
  中国新聞
  周防大島町沖家室島沖に仕掛けた建網にかかったそうです。

歯冠の複雑さは哺乳類のある種の食性を明らかにする 12.17.06
  ユーレカラート ネイチャー
  昔のCMをもじれば、「哺乳類は歯が命」です。ネイチャーAdvance online publication
 で発表された論文によると、ネコとネズミのように進化的起源が異なっても、その食性
 により歯冠の複雑さは異なり、植物食になるほど複雑になるそうです。その複雑さを記
 述する値は、系統が異なっても同じ食性なら同じ値になるのだそうです。これにより、
 絶滅した哺乳類からもその食性が明らかになるかもしれませんね。

 High-level similarity of dentitions in carnivorans and rodents
 Alistair R. Evans, Gregory P. Wilson, Mikael Fortelius and Jukka Jernvall
 アブストラクト
 参考:The MorphoBrowser database

ニュージーランドに生息していた哺乳類 12.16.06
  サウスウェールズ大ニュース
 鳥の島と思われていたニュージーランドにも、少なくとも1600万年前にはネズミ大
 の哺乳類が生息していたそうです。大腿骨片や顎の骨が発見されています。
 Miocene mammal reveals a Mesozoic ghost lineage on insular New Zealand, southwest Pacific
 PNAS アブストラクト(オープンアクセス論文ダウンロードできます)

1億2千5百万年前の滑空する哺乳類 12.14.06
  ネイチャー 朝日 読売 毎日 BBC ライブサイエンス ナショナルジオグラフィック
  アメリカ自然史博物館ニュース
  A Mesozoic gliding mammal from northeastern China
 Jin Meng, Yaoming Hu, Yuanqing Wang, Xiaolin Wang and Chuankui Li doi:10.1038/nature05234

 Volaticotherium antiquus 古代の滑空する獣 と命名されました。内蒙古自治区の1億2千5百万年前の地層
 から発見されたそうです。体長12から14cm、体重70g程度だそうです。その長い四肢から尾にかけて皮膜の跡
 があるそうです。現生のモモンガやムササビとは直接の関係はありません。

東御で化石発見 アケボノゾウの下あご臼歯か 12.01.06
  信濃毎日新聞
  東御市の千曲川河床で発見されたそうです。

ゾウ系統のミッシングリンク発見 11.03.06
  ミシガン大ニュース(化石写真あり)  idwニュース(独語。復元図あり) 
  ナショナルジオグラフィック ライブサイエンス
  エリトリア東部、約2千7百万年前の地層から発見された下顎化石は、ゾウの系統をたどる
 ミッシングリンクになるそうです。記載論文はPNASのearly edition に掲載されています。
 A proboscidean from the late Oligocene of Eritrea, a "missing link" between early
 Elephantiformes and Elephantimorpha, and biogeographic implications
 Jeheskel Shoshani, Robert C. Walter, Michael Abraha, Seife Berhe, Pascal Tassy, William J. Sanders , Gary H.
  Marchant , Yosief Libsekal , Tesfalidet Ghirmai , and Dietmar Zinner

  Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 10.1073/pnas.0603689103

 Eritreum melakeghebrekristosi と命名されたそうです。属名は産出地から、種小名は、標
 本を持ち込んだ現地の農民、Melake Ghebrekristos に献名。

 アフリカで長鼻類の記録は3千4百万年前から2千4百万年前までの間途絶え、ギャップがあ
 るそうです。今回の記載は、そのギャップを埋めるものです。下顎には歯もついていますが、
 研究者たちは、この歯は現在のゾウのように水平置換し、これは水平置換する歯の最古の
 例になるのではないかとしています。歯の大きさは、約3千5百万年前に生息していたパレオ
 マストドン類と同程度で、約1千2百万年前に生息していたゴンフォテリウム類や約1万年前に
 絶滅したマストドンより小さいそうです。

 下顎の大きさから、この動物の見かけは現在のゾウに似ていたが、鼻はより短く、キバは下
 顎にもあり、合計4本だったそうです。身体の大きさは、肩まで約1.2mで、サイズの点でも現
 生のゾウ(肩まで約3.5m)との中間を示すものだそうです。

フィリピン、セブ島産のドワーフ水牛化石 10.17.06
  ユーレカラート
  FOSSIL REMAINS OF A NEW, DIMINUTIVE BUBALUS (ARTIODACTYLA: BOVIDAE:
  BOVINI) FROM CEBU ISLAND, PHILIPPINES
  Darin A. Croft, Lawrence R. Heaney, John J. Flynn, and Angel P. Bautista
  Journal of Mammalogy 2006;87:1037–1051

どうやって乗る?高さ4mのラクダ…10万年前だけど 10.14.06
  読売新聞
  11日に紹介した、シリアの巨大ラクダ化石の話題です。

シリアで10万年前の巨大ラクダ化石発見 10.11.06
  MSNBC BBC
  スイス・シリア合同チームにより、ダマスカスから150マイルほど北のEl Kowm という村のサイトで発見
 したそうです。現在のラクダの2倍の体高があります。

マストドンは結核により絶滅に追いやられた 10.04.06
  ナショナルジオグラフィック
  マストドンの骨格標本113のうち59(52%)に結核があったことがわかったそうです。

Fossil Mammal Resembling Dog-Hare Hybrid Found in Bolivia 9.20.06
  ナショナルジオグラフィック
  ボリビアで発見されたHemihegetotherium trilobus という南蹄類 (Notoungulata)について
  Case Western Reserve大ニュース
  A new middle Miocene hegetotheriid (Notoungulata: typotheria) and a phylogeny of the Hegetotheriidae
  DARIN A. CROFT and FEDERICO ANAYA
  Journal of Vertebrate Paleontology, 2006, 26(2):387-399

兵庫でゾウの歯の化石発見 1900万年前の地層から 9.17.06
  産経新聞
  兵庫県豊岡市にある竹野海岸の地層から。ステゴロフォドン属右顎大臼歯の一
 部だそうです。17日、地質学会で発表。

ジャイアントパンダの歯の化石を発見 河南省 9.02.06
  人民日報日本語版 秋田魁新報
  河南省許昌市の霊井遺跡から発見された化石がジャイアントパンダの下顎右側の第3臼歯と判明。

コスタリカでデスモスティルスの歯化石発見 8.28.06
  ヤフーニュース(AFP) nacion.com(スペイン語) nacion.com(化石写真とイラスト)
  本来20日付の報道ですが・・・

  さし渡し2cmに満たない1本の歯ですが、これまで北太平洋沿岸に生息していたとされたデスモ
 スティルスの歯が熱帯のコスタリカで見つかったことは、大きな発見です。
 Desmostylus hesperus の歯であるということです。
 報道では残念ながらコスタリカのどこで発見されたか触れていません。中新世、約7-5百万年前
 としています。発見者は地質学者Ana Lucía Valerio と地質・古生物学者 César Laurito です。

 この発見まで、コスタリカではRhyncotherium blicki (ゴンフォテリウム科 ゾウの仲間)が、4-5百
 万年前で、最古の脊椎動物化石だったそうです。
 
 この歯の発見についてはRevista Geológica de América Central に掲載されるそうです。

ヒゲクジラの祖先は小型の歯クジラ 8.17.06
 オーストラリアで2500万年前に生息していたヒゲクジラの祖先、Janjucetus hunderi は、体長
 3-3.5mで、大きい眼をした肉食のハンターだったそうです。メルボルン博物館で8月16日から
 9月6日まで展示されます。
 BBC モナシュ大ニュース ネイチャーニュース
 A bizarre new toothed mysticete (Cetacea) from Australia and the early evolution of baleen whales
 Erich M.G. Fitzgerald
 Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences DOI: 10.1098/rspb.2006.3664

桐ケ台の穴:最深93メートル大規模洞くつ、調査報告書 ナウマンゾウの歯も
  7.29.06 毎日新聞
  秋吉台で昨年の春発見された竪穴「桐ケ台の穴」の調査報告書がまとまりました。
 ナウマンゾウの子供の歯の化石や、北海道などの寒冷地にしかいないシントウトガリネ
 ズミの歯の骨も見つかったそうです。
 参考:山口大理学部ニュース(ヤウマンゾウの子供の歯)
     京都新聞
  
霊長類は5550万年前出現 温暖化で生息地急拡大 7.24.06
  産経新聞 ヤフーニュース(時事)
 真霊長類が約5550万年前、ほとんど同時にアジア、ヨーロッパ、北米に広がった理由は
 なぜか、これまで謎でした。今回、Teilhardina 属がアジア、ヨーロッパ、北米全てから発
 見されていることに目をつけ、その年代を厳密に調べたものです。
 その結果、アジアのTeilhardina asiatica が最古であり、ヨーロッパのTeilhardina belgica
 の方が新しく、北米のTeilhardina brandtiTeilhardina americana が最も新しいことが、
 わかりました。
 これはわずか25000年の間に連続的に進化しながら生息地を拡大させていったことにな
 るのだそうです。
 Rapid Asia-Europe-North America geographic dispersal of earliest Eocene primate
 Teilhardina during the Paleocene-Eocene Thermal Maximum
 Thierry Smith , Kenneth D. Rose , and Philip D. Gingerich
 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 10.1073/pnas.0511296103

オーストラリアで「肉食カンガルー」の化石発見 7.12.06
  ヤフーニュース(ロイター) 朝日新聞
  2000万年前のクイーンズランド州には恐ろしいものがいたのですね。
 ニューサウスウェールズ大Mike Archer 教授らのチームによる発掘。demon ducks という大型の鳥も、
 発掘したそうです。
 ABC MSNBC オーストラリア博物館のページ


マンモスの毛皮の色は明るいものと暗い色があった 7.07.06
  サイエンス7月7日号
  Nuclear Gene Indicates Coat-Color Polymorphism in Mammoths
  Holger Roempler他
  シベリアの凍ったマンモスの細胞核遺伝子の分析から、その毛の色には明るい色、暗い色があった
 ことがわかったそうです。
 ライブサイエンス ナショナルジオグラフィック BBC カリフォルニア大サンディエゴ校ニュース

新種齧歯類の化石発見 6.23.06
  山陽新聞 神戸新聞
  齧歯(げっし)類のディアトミス科の新種とみられる動物の化石の報告です。古生物学会一般講演の中、
  「岡山県津山盆地の中新統産 Diatomys 属の新種化石とその系統進化学的意義」
  小澤智生(明大・院・環境学)・田邊賢吾で報告されたものです。
  わたしも演者の講演を聴きましたが、中国の標本の臼歯などと比較して新種と考えられるそうです。
  同科は、先ごろ生きた姿をビデオ撮影されたLaonastes aenigmamus も含まれるとサイエンスで報告
 されたもの。そのうち、この標本はDiatomys shantungensis の系統の東アジアでの最後の種と考えら
 れるそうです。聞いていて、結構大きいニュースと思いましたよ。

マンモスの絶滅はヒトによるものでない 5.11.06
  ネイチャー 5月11日号
  New carbon dates link climatic change with human colonization and Pleistocene
 extinctions R. Dale Guthrie
 アラスカやユーコンで発見された化石に含まれる炭素同位体で年代を調べると、ヒトが
 アメリカ大陸に渡る以前であることがわかったそうです。大きな気候変動で急に温暖化
 したため、植生が変わったためだそうです。
 ライブサイエンス ナショナルジオグラフィック CNNジャパン

湖南省で300万年前のサイの化石を発見 5.09.06
  CRIonline
  湖南省吉首市の雅渓民族セメント工場 で発見されたそうです。

バナナ顎の化石哺乳類は音を出す稀な能力とリンクしている 5.04.06

マッコウクジラ:旧四賀村で発見の化石、新属と判明 かみつくマッコウと命名
 4.18.06
 ヤフーニュース(毎日)
 長谷川善和群馬県博館長により新たに歯の特徴などから「かみつくマッコウ」と
 いう意味の「ブリグモフィゼテル」と名付けられたそうです。
 長野県の化石紹介同写真 松本市四賀化石館 四賀村商工会

ジュラ紀中期の泳ぐ哺乳形類及び初期哺乳類の環境形態的放散 2.25.06

秋吉台、昨年新発見の洞窟内でオオカミ化石 1.21.06
  ヤフーニュース(共同) 顎と歯の3点

頭部より後方に単孔類に似たいくつかの特徴を持つ白亜紀の相称歯類獣類
  A Cretaceous symmetrodont therian with some monotreme-like postcranial features
  Gang Liand Zhe-Xi Luo
  ネイチャー1月12日
  中国遼寧省、義県層から産出したスパラコテリウム科の新属新種を記載して
 います。スパラコテリウム科の骨格は通常、有袋類及び真獣類と共通する特徴
 を多くもっています。が、新記載の骨格は腰椎、恥骨、後肢に単孔類と収斂する
 特徴があります。スパコラテリウム科が北米よりアジアで早期に進化したことを
 示唆するそうです。
 Akidolestes cifellii
 ナショナルジオグラフィック
 カーネギー自然史博物館ニュース 画像

タイの田から哺乳類化石 1.05.06
  ナショナルジオグラフィック1月3日付
  バンコクから3時間の田からステゴドンほか豊富な哺乳類化石が

チョコレート巨大企業にちなんで命名された哺乳類 1.01.06

ウーリーマンモスのゲノム解析 12.25.05

アマミノクロウサギ中国で化石を発見 12.09.05
  2000年に揚子江河口域で600万年前の地層から。
  ヤフーニュース(西日本新聞)

パンダの祖先、中仏合同チームが化石発見 重慶市 11.22.05
  朝日新聞 人民日報日本語版
  重慶市巫山県竜骨坡遺跡で8~10万年前前のジャイアントパンダ化石を
 発見したそうです。

ギガントピテクスは人類の隣で生きていた 11.11.05
  マクマスター大ニュース
  巨大類人猿Gigantopithecus は10万年前に絶滅し、それまで100万年間、人類
 の隣で生きていたのだそうです。

サンノゼ市でマンモスの化石発見 8.26.05
  サンノゼ市やその周辺地域で、マンモスの全身骨格がほぼ完全な形で見つかっ
 たのはこれが初めてとのことです。
  日経

韓国慶尚北道で1300万年前のマイルカ化石発見 7.07.05
  慶尚北道浦項市(キョンサンブクト・ポハンシ)の新生代のマイオセ
 地層から、マイルカのくちばし部分の化石が発見されたそうです。
 東亜日報

絶滅哺乳類に毒分泌器官があったことを示す初めての証拠 6.23.05

マンモスはアジアゾウ系、DNA細胞の解読で判明6.18.05
  読売新聞 毎日新聞 中日新聞
  マンモス親指なかった 1万8420年前 環境に合わせ退化? 万博展示 読売
  マンモスの権威 福田正己・北大教授 毛は金色だった! 読売
  マンモスの肉 お味は? 小中学生と世界の学者交流 読売
  参考:
  名古屋大学大学院環境学研究科地質・地球生物学講座 生物圏進化学グループ
  YUKAGIR MAMMOTH

歯のそろった草食獣の化石 熊本県御所浦町で発見6.17.05
 ヤフーニュース
 御所浦白亜紀資料館トピックス

エジプトでバシロサウルス発掘 4.20.05
  米ミシガン大のPhilip D. Gingerichらが、エジプトのサハラ西部Wadi Hitanで、
 ほとんど完全に保存された約4千万年前のクジラ、Basilosaurus isis(バシロサウ
 ルス)骨格を発掘したそうです。約18mあるそうです。剖出はミシガン大で行われ
 ます。
 ミシガン大ニュース MSNBC ナショナルジオグラフィック

日本初の肉食哺乳類足跡化石 3.28.05
  茨城県太子町、久慈川支流の大沢川で1,670万年前の小型肉食哺乳哺乳類足跡
 化石が発見されました。
 東京新聞 

ウマの進化は一直線ではない 3.18.05
  ナショナルジオグラフィック フロリダ大ニュース
  サイエンス

札幌南区のカイギュウは820万年前 3.04.05
  朝日新聞 3月5日に報告会開催です。

恐竜幼体を常食とした哺乳類 1.13.05

マンモス絶滅、乱獲ではなかった!?…寒冷化が痛手か 11.26.04
  読売新聞  MSNBC

デンマーク、ボルンホルム島でスカンジナヴィア最古の哺乳類 10.18.04

兵庫県三田市で3,700万年の哺乳類化石2種発見 8.30.04

福井県勝山の北谷層上部で発見されたスパラコテリウム科の新属新種
  7.26.04

モンゴル産の白亜紀後期真獣類 ZALAMBDALESTES の頭蓋と歯列に
  関する新データ
 2.09.04
  
中国始新世前期産出の真霊長類 1.03.04
  A euprimate skull from the early Eocene of China
   Xijun Ni(倪喜軍), Yuanqing Wang, Yaoming Hu & Chuankui Li
  ネイチャー1月1日号 vol.427 1 pp.65-68

  中国湖南省衛東市 Lingcha 層(始新世最前期 約5500万年前)から
 発見された、下あごのそろった頭蓋(IVPP V12357)の記載です。

 これは霊長類の中でも人類を含む系統につながる(といっても非常に
 原始的な位置づけになります)ものです。
 その特徴としては、眼窩は骨の輪で縁取りされており、比較的大きい
 脳頭蓋があげられます。しかし、頭蓋全長は約25mmと小さいものです。
 全体に小型であり、眼の大きさや前臼歯が縮小していないことから、昼
 行性の昆虫食と推定されています。

 Teilhardina 属の新種としてTeilhardina asiatica と命名されています。
 同属ははじめベルギー産の化石に設立され、さらに北米産の化石に
 数種同属のものがあります。この時代、アジアから霊長類化石は断片
 的なものしかありませんでした。今回のasiatica 種はその欠落を埋める
 ものとして重要です。なお、系統分析からは、本種とT. belgica に対し
 北米産のT. americana はより派生した位置にくるようです。同属の再
 検討が必要になるでしょう。
 ヤフーニュース(読売 時事) 朝日 人民日報 中国恐竜網
 参考:An "End View" of Primate phylogeny

日本産絶滅レッサーパンダPARAILURUS の発見 1.08.04
  Discovery of the extinct red pands Parailurus (Mammalia, Carnivora) in Japan
  Ichiro Sasagawa, Keiichi Takahashi, Tatsuya Sakumoto, Hideaki Nagamori,
  Hideo Yabe, and Iwao Kobayashi,

  Journal of Vertebrate Paleontology, 2003, 23(4):895-900
  新潟県の鮮新統産レッサーパンダ歯化石の論文です。
 栃尾付近の牛ヶ首層から産出した前臼歯(P4)で、アジア初の
 Parailurus の報告です。これまではヨーロッパ・北米でしか知られて
 いませんでした。

American Museum Novitates 12.10.03
  No.3422 論文
   A Possible Heptaxodontine and Other Caviidan Rodents from
   the Quaternary of Jamaica
  ご存知でしょうが、Novitates の論文はこちらからダウンロードできます

エチオピアで2700万年前の大型哺乳類化石 12.04.03
  ヤフーニュース(毎日)  読売
  NSFニュース

北海道足寄町の化石、世界最古のアカボウクジラ科と判明12.17.03
  2000年に発掘された化石がアカボウクジラ科として世界最古の2500
 万年前のものであることがわかったそうです。
 ヤフーニュース(時事) 北海道新聞1 北海道新聞2
 足寄動物化石博物館
 参考:クジラの分類表 くじらランド

中国遼寧省から世界最古の有袋類 12.12.03
  An Early Cretaceous Tribosphenic Mammal and Metatherian Evolution
  羅哲西, 季強、John R. Wible, Chong-Xi Yuan
  サイエンス12月12日号 vol.302 pp.1934-1940

  遼寧省凌源市大王杖子の義県層から産出した哺乳類化石の記載と
 系統、有袋類の起源について論じています。
 Sinodelphys szalayi gen et sp. nov.

  朝日新聞 サイエンティフィックアメリカン
  カーネギー自然史博物館ニュース
  
アイソトープからデスモスティルスの習性、食性を 12.02.03
  A paleoecological paradox: the habitat and dietary preferences of the
   extinct tethythere Desmostylus, inferred from stable isotope analysis
  Mark T. Clementz, Kathryn A. Hoppe, and Paul L. Koch
  Paleobiology, 29(4), 2003, pp. 506-19

  たまたま目についたので紹介します。
  Desmostylusのエナメル質から酸素、炭素およびストロンチウムの同位
 体を測定し、カリフォルニアの中新世中期の陸生および海生動物と比較
 しています。
 C13の値は食性を示しますが、Desmostylus の値は同時代の陸生・海生
 動物よりはるかに高く、水中の植物を食べていたことが示唆されるそうで
 す。
 O18の値からはその生活していた環境が示されます。陸生動物より、海生
 動物およびDesmostylus は低い値になり、Desmostylus が水中生活を主
 にしていたことが示唆されます。
 海生動物のSr同位体は海の値を反映し、陸生動物より不変だが、
 Desmostylus のそれは陸生動物に近いそうです。このことから淡水の河
 口で生活していたと示唆されるそうです。

 まとめるとDesmostylus は淡水の河口で水中の植物を食べていたという
 ことになります。

高等な猿の化石を発見 アジア起源説を支持 10.28.03
  ヤフーニュース(共同) 河北新報(共同) BBC
  参考:PNAS

マストドンのオスは死を賭けて互いに闘った 10.20.03
  ミシガン大学ニュース
  ゾウといえば一般におとなしい動物というイメージがあります。が、アメリ
 カン・マストドンの頭蓋についた傷から、この動物がどう互いに闘ったか明
 らかになりました。今年のSVP総会で同大のDaniel Fisher が発表したもの。
 眼の後ろ頬の下の片側のみ頭蓋がクラッシュしているのだそうです。
 ニュースではアニメーションで2頭が象牙を交差させて戦う様を見せていま
 す。交差が深くなると、牙先端で相手の頭蓋を突くことになります。
 アニメをみると納得

氷河期最大の有袋類Diprotodon optatum は3トンに達した 10.20.03
  ナショナルジオグラフィックニュース
  Diprotodon optatum は4万5千年から3万5千年前に絶滅したとされる、最
 大の有袋類。これまでは牛ほどの大きさと見積もられていました。
 しかし、最新の研究では2,786kgと見積もられるそうです。
 カバほどの大きさのウォンバットというところでしょうか。
 参考:Stephen Wroe's Web Page  この中に
      The size of the largest marsupial and why it matters
       Proc. R. Soc. Lond. B (Suppl.)

八王子北淺川のゾウ化石新種の可能性 9.25.03
  ヤフーニュース(毎日)20日付 
  参考:八王子市役所トピックス 同キッズこーなーぎんなん
      日本地質学会静岡大会

バッファローサイズのげっ歯類 9.19.03
  The Anatomy of the World's Largest Extinct Rodent
  Marcelo R. Sanchez-Villagra, Orangel Aguilera, Ines Horovitz
  サイエンス9月19日号
  Volume 301, Number 5640, Issue of 19 Sep 2003, pp. 1708-1710.

  ベネズエラの中新世約800万年前に生息していた、最大のげっ歯類
  Phoberomyspattersoni  の報告です。ほとんど完全な骨格が発見
 されています。
 体重700kgと推定され、これはカピバラの10倍にあたります。ラグーン
 や湿地の周辺に生息していたようです。
 BBC MSNBC AAAS 朝日新聞

豊見城市、100万年前のクジラ調査7.17.03
  ヤフーニュース(琉球新報)
 豊見城市「次代のため保存が先決」 7.22.03

1300万年前の地層から世界最古アシカ科の化石6.21.03
  6月20日付朝日新聞 ヤフーニュース

熱河生物群中ゴビコノドン新種 1.29.03
  熱河生物群中戈壁獣一新種:其時代意義及哺乳動物若干特征演化
  科学通報2003年 第48卷 第2期pp.177-182
  ゴビコノドン(Gobiconodon)は三錐歯類に属する哺乳類です。白亜紀
 前期にアジアや北米に生息していました。
 ここではその新種 Gobiconodon zofiae sp. nov.(索菲女へんに亜戈壁獣)
 記載とともに、産出した義県層の時代にも言及しています。
 PDF論文は登録すれば3か月間ダウンロードすることができます。ただ、
 この論文をダウンロードしてみましたが、なぜか標本の図部分が白紙
 でした。
 A new pterosaur (Pterodactyloidea, Tapejaridae) from the Early Cretaceous
 Jiufotang Formation of western Liaoning, China and its implications for
 biostratigraphy
 Chinese Science Bulletin Vol.48 No.1 pp.16-23
 こちらも、ダウンロードした論文では標本写真部分が白紙です。ちょっと
 困りますね。表紙写真を見なさいということでしょうか。

Acta Palaeontologica Polonica 47 (4), 2002 12.11.02
  恐竜関係はありません。哺乳類に関して数編論文があります。
 まだ本文PDFファイルのダウンロードはできます。フリー期間は年内で
 したっけ?

 New earliest Tiffanian (late Paleocene) mammals from Cochrane 2,
 southwestern Alberta, Canada
 Craig S. Scott, Richard C. Fox, and Gordon P. Youzwyshyn
 カナダ、アルバータ州Paskapoo層Cochrane 2という現場の哺乳類化石
 について記載しています。多丘歯類の5新種など、多種にわたっていま
 す。

 Early Cretaceous “symmetrodont” mammal Gobiotheriodon from
 Mongolia and the classification of “Symmetrodonta”
 Alexander O. Averianov
 
 Lower deciduous tooth homologies in Erethizontidae (Rodentia,
 Hystricognathi): Evolutionary significance
 Adriana Magdalena Candela

霊長類の祖先 11.22.02
  5千5百万年前の米ワイオミングから。ものを握ることのできる手足の
 指と平らな爪をもっている。
 ヤフーニュース ナショナルジオグラフィック

英で発見された毛深サイ写真 11.08.02
  BBC 

英Staffordshireで毛深サイ化石発見 10.31.02
  BBC 河北新報

肉片のついたマンモスの脚発見 8.23.02
  河北新報(22日付)
  参考:岐阜新聞(7月10日付)
      岐阜県科学技術振興センター

Acta Palaeontologica Polonica 47 (3), 2002 8.16.02
  いろいろありますが、
 Dentition and relationships of the Jurassic mammal Shuotherium
  Zofia Kielan-Jaworowska, Richard L. Cifelli, and Zhe-Xi Luo

 New data on anatomy of the Late Cretaceous multituberculate
  mammal Catopsbaatar

  Zofia Kielan-Jaworowska, Jorn H. Hurum, Philip J. Currie, and Rinchen Barsbold

 A probable stegosaurian track from the Late Jurassic of Poland
  Gerard Gierli?ski and Karol Sabath
 ポーランド、ホーリークロス山脈の北東斜面でオックスフォード期のドロ
 マイト岩盤から発見されたもの。
 
 などもあります。来年1月まではフリーでダウンロードできます。

ウェスタンオーストラリアで”世紀の発見” 7.30.02
  ウェスタンオーストラリア博物館による”Operation Leo”で、同州
 Nullabor Plain にある3つの洞穴に発掘隊が入ったそうです。
 2週間の発掘作業後、同博物館のジョン・ロング(専門は魚類でしょう。
 日本アニメオタクとしても有名)ほか14名のチームは、肉食性の有袋類
 ティラコレオThylacoleo carnifex の完全な骨格を発見したそうです。
 ほかの2つの洞穴からもティラコレオの部分的な7つの骨格が発見された
 そうです。ほかにタスマニアタイガーの部分骨格も2つ。ここの洞穴は動
 物にとって自然のワナの役割を果たしたようです。
 BBC シドニーモーニングヘラルド CNN MSNBC
 ヤフーニュース(ロイター) 

雲南省賓川県で剣歯象化石発見 7.29.02
  地表から4m下の古河川床からだそうです。約200万年前のもの。
 新華社(写真2枚あり)

東京都八王子市でステゴドン属と見られるゾウ化石発見 7.27.02
  北淺川の約170万~200万年前の地層からステゴドン属の新種とみら
 れるゾウの牙や臼歯など40点あまりの化石が発見されたそうです。
 7月28日(日)午後2~4時、浅川・鶴巻橋上流の現場で見学会が開催
 されます。
 毎日新聞 毎日フォトジャーナル
 八王子市役所トピックス(見学会開催のお知らせあり)

マンモスの象牙 7.18.02
 米コロラド州デンバーの南20マイルの宅地造成現場で 1万年前のマン
 モスの牙が発見されたニュース
 ヤフーニュース(AP)

絶滅したタスマニアタイガーをクローンで蘇らせる研究 6.25.02
  
シベリアでマンモス胎児の下顎発見 6.24.02
  UniSci

オーストラリア博物館、タスマニアタイガーの遺伝子を複製 5.28.02
  70年前に絶滅したタスマニアタイガーを復活させるプロジェクトが進んでいま
 す。同博物館では1999年から復活プロジェクトが始まりました。
 99年および2001年にエタノール保存された幼体標本からDNAを抽出し、PCR法
 により複製したものです。
 さらに、この次の段階では個々の大量の遺伝子を合成し、合成染色体をつくる
 としています。
 これまでの同博物館の研究やこれからについては、ディスカバリーチャンネルで
 7月7日"The End of Extinction: Cloning the Tasmanian Tiger,"という題で、
 世界155カ国で放映されるそうです。
 同博物館プレスリリース

キラーキャットはヒトの祖先を狩猟した 5.21.02
  ナショナルジオグラフィックニュースです。骨に含まれる炭素同位体から、
 剣歯ネコMegantereonなどがヒトの祖先を狩猟したというもの。
 ただし、ニュース自体、なぜ今取り上げるのかわかりません。
 元の論文はJournal of Human Evolution 2000年12月号に掲載された
 The hunters and the hunted revisited というもの。
 最近の号かと思って探したらとんでもありませんでした。この専門誌からなら
 もっと最近にも重要な論文が出ているでしょうに。
 参考:ケープタウン大ニュース
 
 初期クジラ類における水中行動の進化を示す内耳前庭の証拠 5.09.02
  Vestibular evidence for the evolution of aquatic behaviour in early cetaceans
   F. SPOOR*, S. BAJPAI†, S. T. HUSSAIN‡, K. KUMAR§ & J. G. M. THEWISSEN

  ネイチャー5月9日号掲載 Nature 417, 163- 166(2002) 
  クジラ類はどのようにしてうまく泳げるようになったか、その進化について、ユ
 ニークな視点からの研究です。

 従来の研究は、クジラの頭蓋骨より後方の骨格の変化から進化をあとづけて
 います。この報告では24頭のクジラ類の三半規管を106種の他の哺乳類と比
 較しています。
 ご存知のように、この器官は半円状の3個の管からなり、平衡感覚を司り、移
 動神経を制御してます。
 
 現生クジラ類に見られる特異な点は、体重について補正した場合の半規管弧
 状部分の大きさが、他の哺乳類のほぼ3分の1になることだそうです。これによ
 り、三半規管の感度は下がりますが、これはクジラ類の行動の特徴である体の
 素早い回転に適合したものと考えるのが最も妥当と思われるとしています。

 では、そのような小さい三半規管はいつごろから?というと、始新世中期の
 RemingtonocetusIndocetus で出現しているそうです。このことから、研究
 者たちは、この新しい感覚制御法は、陸上生活能力との両立が難しく、クジラ
 類が海洋環境と結びついて間もない進化の初期に急速に発達したことがわか
 るとしています。

 クジラ類は、頭蓋骨から後方の骨格がだんだん水中行動に適合したというより
 このような他に類を見ない三半規管の改変により、陸上生活に後戻りできなく
 なり、陸から決別したと結論づけています。
 BBCニュース
 ロンドンユニバーシティカレッジニュース(ネイチャー論文もダウンロード可)
 同クジラ内耳のイメージ
 参考:Whale Orfgins!

最古の真獣類哺乳類 4.25.02
  The earliest known eutherian mammal
   QIANG JI(季強), ZHE-XI LUO(羅哲西), CHONG-XI YUAN, JOHN R. WIBLE,
  JIAN-PING ZHANG & JUSTIN A. GEORGI
  ネイチャー4月25日号掲載 Nature 416, 816 - 822 (2002)
  中国遼寧省のLingyan Dawangzhangzi の義県層から発見された真獣類
 骨格の報告です。
 年代は約1億2千5百万年前とされ、頭蓋骨を含む骨格でこれまで報告された
 最古のものより4-5千万年前まで遡るものとしています。
 真獣類の中で根源的な位置を占め、既に知られている4つの白亜紀初期の
 真獣類と同じような位置を占めるそうです。
 このことから、ごく初期の真獣類の多様化は、分子解析による1億400万年か
 ら6400万年前の最新算定値よりも早く、かつ大規模だったことが示唆されると
 しています。

 四肢の脚および足部は木に登る樹上性の現生哺乳類と同じような特徴をし、
 走行性の哺乳類とは異なるそうです。このことから、ごく初期の真獣類の諸
 系統は適応により各種の歩行運動を発達させ、白亜紀の多様なニッチへと広
 がっていったと考えられるとしています。

 Eomaia scansoria gen. et sp. nov.
 属名はEo暁+maia母(最古の真獣類)から 種名は登ることに専門化した骨格
 の特徴から

 記載標本は平らになった石板を割った両側にあるものです。軟骨や毛皮の印
 象もあります。
 ヤフーニュース(AP) 朝日新聞 ネイチャーサイエンスアップデート
 ニューサイエンティスト
 カーネギー自然史博物館プレスリリース
 同博物館プレスリリース内ネイチャー論文 PDFファイル 要アドビアクロバット
 同プレスリリース ネイチャー news & views PDFファイル
 イメージファイル 化石写真など小さいものからプレス向けまでダウンロード可


化石記録を使って現生霊長類の最終共通祖先の年代を見積もる 4.18.02
  Using the fossil record to estimate the age of the last common
  ancestor of extant primates
  SIMON TAVARE, CHARLES R. MARSHALL, OLIVER WILL,
  CHRISTOPHE SOLIGO & ROBERT D. MARTIN
  ネイチャー4月18日号掲載 Nature 416, pp.726- 729(2002)
  保存されている一番古い化石記録の年代と、分子データから算出される、
 その分岐年代にはかなり差があるとが多いです。今回の研究では、多様化
 パターンのモデルから導かれる種の化石保存率に基づいた、新しい統計手法
 the non-homogeneous Markov branching process を用いて、現生霊長類の
 最終共通祖先の年代を算出しています。

 哺乳類は約6,500万年前の白亜紀末以降、急速に分岐したと以前は考えられ
 また霊長類の最古の化石記録は始新世の最下層(5400万~5500万年前)か
 ら出土したものだそうです。しかし、今回の手法では、霊長類の最終共通祖先
 の年代はおよそ8,150万年前の白亜紀中ごろとなり、分子データから推測され
 る分岐開始年代(約9,000万年前)に近い値となります。

 さらに、かつて存在した霊長類全種のうち化石から存在がわかるものは7%に
 満たない(BBCニュースでは5%ほど)ことも示唆されるそうです。

 この手法が普遍性をもつものならば、霊長類に限らず、他の化石記録をもつ
 生物、例えば恐竜にも応用できることになります。
 研究者たちは、この手法は、化石記録、現生種、および分岐群多様化モデル
 といった、進化上の出来事の年代算定に使われる古生物学上のあらゆる手
 法を統合するものであるとしています。
 BBCニュース ヤフーニュース(ロイター) フィールド博物館プレスリリース
 ナショナルジオグラフィック

奇蹄類はアジアに起源 3.15.02
  Mammalian Dispersal at the Paleocene/Eocene Boundary
  サイエンス3月15日号Science Mar 15 2002: 2062-2065.
  Gabriel J. Bowen, William C. Clyde, Paul L. Koch, Suyin Ting(丁素因), John Alroy,
  鍔本武久, Yuanqing Wang, and Yuan Wang

  京都大学霊長類研究所鍔本武久研修員らのグループの研究。奇蹄類
 の祖先にあたる「オリエントロホス」という化石が出た、中国湖南省の地層に
 含まれるC13を測定したものです。
 その結果、約5千5百万年前となりました。暁新世と始新世の境界付近にな
 るそうです。
 ヤフーニュース 京都大学霊長類研究所の論文紹介
 MSNBCニュース

南米からのジュラ紀の哺乳類 3.14.02
  ネイチャー3月14日号 Nature 416, 165 - 168 (2002)
  A Jurassic mammal from South America
  OLIVER W. M. RAUHUT, THOMAS MARTIN, EDGARDO ORTIZ-JAUREGUIZAR
   & PABLO PUERTA

  アルゼンチン、Chubut、のCanadon Asfalto層から発見された、微小な哺
 乳類の左下顎です。前臼歯が3本あります。
 Asfaltomylos patagonicus gen. et sp. nov.と命名されています。

 哺乳類はジュラ紀に最初の多様化をみせたそうですが、この年代の化石は
 南半球では非常に乏しいそうです。今回発見された化石は、報告者の知る
 限り、南米産の初めてのジュラ紀哺乳類化石です。ジュラ紀中期から後期
 にかけての地層で発見されたもので、最近Australosphenida(南半球系トリ
 ボスフェニック類)と命名された哺乳類分類群の典型例となるそうです。

 トリボスフェニック類は、その歯の形から分類されますが、北半球と南半球で
 別々に収斂進化したものと、最近はされています。南半球のそれはおそらく
 単孔類に進化していったと報告者たちはしています。

 ほかの証拠とあわせて、南半球系トリボスフェニック類はジュラ紀末よりかな
 り以前に多様化してゴンドワナ大陸に広がったこと、そして、南半球の哺乳
 動物相はジュラ紀中期から後期までに、すでに北半球の哺乳動物相と明確
 な違いを備えていたことになるとしています。
 ネイチャージャパン今週のフィーチャー(論文全文読めます。要無料の登録)
 ヤフーニュース(AP) MSNBCニュース(AP) サイエンティフィックアメリカン

中国遼寧省義県層から多丘歯類哺乳類 3.14.02
  科学通報2002年3月第47巻第5期 pp.382-386
  Chinese Science Bulletin Vol.47 No.11 pp.933-938
  中国俊獣(Sinobaatar gen. nov.): 熱河生物群中一多瘤歯獣類
  胡耀明王元青
  遼寧省西部、凌源大王杖子の義県層から産出した多丘歯類についての簡
 報です。白亜紀前期において最も歯列や四肢がよく保存された標本であるそ
 うです。新属新種として、
 Sinobaatar lingyuanensis gen. et sp. nov.(中国俊獣) と命名されています。
 多丘歯類の原始的形態に一致するとあります。歯式は3・?・5・2/1・0・3・2
 ほか細かい部分は中国語がわからないので、英語版が出たら追加します。

 なお、熱河生物群の中で産出している哺乳類には、以下のものがあります。
 Repenomamamus robustus (強壮爬獣)
 Jeholodens jenkinsi (金氏熱河獣)
 Zhangheotherium quinquecuspidens (五尖張和獣)

中生代哺乳類系統の探求 2.21.02
  In quest for a phylogeny of Mesozoic mammals
  Zhe-Xi Luo, Zofia Kielan-Jaworowska i Richard L. Cifelli
  Acta Palaeontologica Polonica 47 (1) 2002. pp.1-78 アブストラクト
  同誌は2002年1号から、ホームページが刷新されています。アブストラクトのほかに
 論文本文もPDFファイル化されています。今日アクセスしたところ順調にダウンロード
 できました。

  この報告では、46分類群の275の骨・歯の形質を用いて中生代哺乳類の系統を分
 析しています。
 哺乳類の単系統、ローラシアとゴンドワナの基本的なグループに分かれること、さらに
 allotherians(ハラミヤ類+多丘歯類)の位置づけについて従来と異なる説をたてていま
 すが、紹介できるほど私には理解できていないので略します。

九州北西部でゴンフォテリウムとされる化石発見 1.14.02
  長鼻類(ゾウ類)の一種で、約1,900万年前のものと推定される化石です。
 発見者は佐賀県武雄市の河野隆重さん(53)。この26日から鹿児島市で開
 催される日本古生物学会で報告されます。

 上あごを含めた頭蓋骨、臼歯や肋骨などが出土しているそうです。
 河野さんは、2001年1月の古生物学会では、長崎県で発見された約3,400
 万年前のペンギンのような鳥類、プロトプテルム化石を報告しています。
 ヤフーニュース(毎日) (読売)
 参考:ゴンフォテリウム(荒木さんの作品から)

沖縄市でリュウキュウムカシキョンの化石発見 12.13.01
  沖縄市の中央パークアベニュー近く、道路の断面から。市民小劇場あし
 びなー職員の富田裕之さん(40)が発見。
 リュウキュウムカシキョンは100万年前から2万年前まで沖縄全域に数多
 く生息していたそうです。
 ヤフーニュース

京都大学霊長類研究所 ミャンマーで最古の真猿類化石発見 12.05.01
  京都大霊長類研究所を中心とするミャンマー・日本共同発掘隊はミャンマー
 のポンダウン地域で中期始新世末期の地層から新種の霊長類のあごの骨の
 化石を発見したそうです。
 約3,720万年前中期始新世の後半の地層から、Amphipithecus の左下顎骨
 とEosimiid(エオシミス類)と考えられる左右の下顎骨が発見されました。
 ヤフーニュース
 京都大学霊長類研究所系統発生分野ニュース

中国安徽省から発見された更新世のバク化石 11.17.01
  安徽繁昌早更新世獏類化石(奇蹄目、哺乳網)
  同号文、劉金毅、韓立剛
  科学通報第46巻第21期

  安徽省繁昌県から産出した200-240万年前のバク化石の報告です。
 山原貘(Tapirus sanyuanensis)という種に最も近いそうです。特に紹介する
 つもりはなかったのですが、最新号なのにPDFファイルがダウンロードできた
 ので。

ウサギ類、齧歯類および他の現生真獣類哺乳類に近縁な白亜紀後期の
  動物 11.01.01
  Late Cretaceous relatives of rabbits, rodents, and other extant eutherian mammals
  J. DAVID ARCHIBALD, ALEXANDER O. AVERIANOV & ERIC G. EKDALE
  ネイチャー11月1日号掲載
  いつ頃有胎盤哺乳類が分岐したか、これまで古生物学の分野では6千5
 百万年前より以前に有胎盤哺乳類がいたことを示す十分な証拠はないと
 考えられていました。

 今回報告されたKulbeckia kulbecke という化石はウズベキスタンの
 Dzharakudukで見つかったもので、年代は9千万~8千5百万年前。これは、
 まだ不明な点の多いザランブダレステス科の哺乳類の仲間で、系統解析
 の結果、それは現在のウサギ類や齧(げっ)歯類に近縁だと考えらる動物
 であるそうです。

 有胎盤哺乳類の一部に近縁と考えられる動物が白亜紀末以前から発見さ
 れたことにより、その進化は白亜紀末よりかなり以前に起こっているはずと
 主張しています。
 ネイチャージャパン(今週のffietureで論文全文を読めます。要無料の登録)
 ヤフーニュース(AP) MSNBCニュース 11月18-19日付け

パキスタン漸新世からの化石キツネザル 10.19.01
   A Fossil Lemur from the Oligocene of Pakistan
   Laurent Marivaux, Jean-Loup Welcomme, Pierre-Olivier Antoine, Gregoire
    Metais, Ibrahim M. Baloch, Mouloud Benammi, Yaowalak Chaimanee, Stephane
    Ducrocq, and Jean-Jacques Jaeger

  サイエンス10月19日号掲載
  国際チームにより、パキスタンのブグディヒルズで発掘された最古のキ
 ツネザル化石の報告です。
 キツネザルは現在、マダガスカルにのみ生息しています。そのため、キ
 ツネザルはアフリカ原産と考えられてきました。
 今回、アジアから最古の化石が発見されたことにより、キツネザルのア
 ジア起源が検討されることになります。
 Bugtilemur maehesoni と命名された3千万年前のキツネザルの歯化石
 で、その特殊化した特徴は現生のコビトキツネザルに近いそうです。
 発掘地の近くからは最大の哺乳類、バルキテリウムが発見されており、
 このことからも、その当時よく茂った森林があったとされています。
 ヤフーニュース 河北新報 ユーレカアラート(PDFファイルで日本語訳あり)
 MSNBCニュース サイエンティフィックアメリカン CNNニュース
 ナショナルジオグラフィックニュース

2つの白亜紀の哺乳類における骨化したメッケル軟骨及び哺乳類の
  中耳の起源 10.14.01
  An Ossified Meckel's Cartilage in Two Cretaceous Mammals and
  Origin of the Mammalian Middle Ear
  Yuanqing Wang(王元青), Yaoming Hu, Jin Meng, Chuankui Li
  サイエンス10月12日号掲載
  中国遼寧省下部白亜系義県層から発見された2つの哺乳類、関節した
 下顎をもつ4個の殆ど完全なRapenomamus 成体の頭蓋骨と、
 Gobiconodon属の下顎に見られるメッケル軟骨から、初期哺乳類の中
 耳の発達に関する報告です。
 メッケル軟骨とは、胚および胎児の顎弓の軟骨性軸で、ツチ骨とキヌタ
 骨になるそうです。

 この白亜紀の哺乳類のメッケル軟骨は現生哺乳類の胎児やいくつかの
 種の出生後のそれと同様で、初期哺乳類の中耳とメッケル軟骨の関係
 を指摘するもの。脳の拡大が、歯骨から後ろの骨を耳小骨として分離す
 るようにした初期の要素でないかもしれないことを示す。初期哺乳類の
 個体発生の間に、減少している歯骨より後ろの構成要素を歯骨がしっか
 りつかまないことは、分離のための選択的機構として仮定される。初期
 哺乳類における摂食と聴覚両方の変更は、哺乳類の決定的な中耳の
 発達を引き起こしたのかもしれない。
 参考:科学通報2000年12月号 遼寧西部中生代原始哺乳動物一新科
                     Rapenomamus について簡報。

これまでで最古の完全な四肢をもつ海牛の化石 10.11.01
   The earliest known fully quadrupedal sirenian
   D. P. DOMNING
  ネイチャー10月11日号
  ジャマイカで見つかった、海牛類の新属新種のほぼ完全な骨格の始新
 世の化石についての報告です。
 Pezosiren portelli, gen. et sp. nov.
 よく発達した四肢や複数の椎骨からなる仙骨があり、陸生哺乳類と同様
 に水の外で体重を支えられる強い仙腸関節があったそうです。陸上歩行
 能力がある一方水生適応も見られることから、一生の大半を水生生活し
 ていたと考えられています。
 ナショナルジオグラフィックニュース

初期偶蹄目からのクジラ類の起源:パキスタン産始新世原クジラ科の
  手と足
  Origin of Whales from Early Artiodactyls: Hands and Feet of Eocene Protocetidae
   from Pakistan
   Philip D. Gingerich, Munir ui. Haq, lyad S. Zalmout, intizar Hussain Khan,
   M. sadiq Malkani

  サイエンス9月21日号掲載
  パキスタン、東バロキスタン州の約4千7百万年前の地層から発見された、
 2種の原クジラ類についての報告です。1つは、Atiocetus clavis といい、
 新属新種です。この骨格にも距骨が保存され、偶蹄目との類縁関係が立証
 されています。2つ目はRodhocetus balochistanensis といい、Rodhocetus
 属の新種です。

 論文中では後者の骨格復元図が掲載されています。前後肢とも中手骨、中
 足骨、や指の骨が大きいのですが、後肢のそれらは特に大きくなり、水をか
 くのに適しています。地上ではおそらく現在のアザラシのような移動をしてい
 たということです。
 昨日発表された2種からわずか2百万年あまりしか経過していませんが、随
 分形態が変化したという感じがします。この時期のクジラ類の進化の速度は
 早かったのですね。
 なお、カバが最も近縁ということを否定はしていません。
 リンク先、大体は昨日紹介しました。
 Introduction to the Cetacea
 Research Program of the Thewissen Lab(ネイチャーの方の発表者)

陸生クジラ類の骨格およびクジラ類と偶蹄類の類縁関係 9.20.01
  Skeletons of terrestrial cetaceans and the relationship of whales to
  artiodactyls  ネイチャー9月20日号掲載
  J. G. M. THEWISSEN, E. M. WILLIAMS, L. J. ROE† & S. T. HUSSAIN
  パキスタン産、始新世前期、約5千万年前のキツネ程の大きさの
 Ichthyolestes pinfoldi とオオカミ程の大きさのPakicetus attocki というク
 ジラ目パキケトゥス類2種について報告しています。

 こう書くと、原始的なクジラかと思うかも知れませんが、骨格は完全な陸生
 哺乳類のものです。四肢は発達し、走ることは得意だったようです。ここで
 骨格の形態分析に役立ったのは、かかとの骨、特に距骨です。偶蹄目の
 距骨の先端は「滑車」といいますが、本当に滑車状をしています。今回報
 告された2種では滑車が近位にも遠位にもあります。

 偶蹄目の分類にはこの距骨を使うのですが、これまで発見された化石は、
 水陸両生のAmbulocetus を除き、完全に水生適応をしていて、距骨はなく
 なっている、また頭蓋骨部分しか発見されていないなどの難点がありました。

 これまで形態からはメソニクス類と類縁関係にあるとされていましたが、それ
 は歯が同じような形をしていたり、頭蓋骨が長いなどの点からです。かかと
 の点からはメソニクス類は偶蹄類ともいえないようです。

 これらの骨格の形態分析から、クジラ類はどのメソニクス類よりも偶蹄類に
 近縁となるとしています。一方、分子系統学のDNAによる解析からはカバに
 最も近縁とする研究が報告されています。しかし、今回の報告では、メソニ
 クス類とも、あるいはカバ類とも姉妹群の関係になく、姉妹群の関係にある
 偶蹄目の科を特定することはできなかったそうです。

 これは、形態の分野から、クジラ目の系統をはっきりさせた研究で、クジラ目
 と偶蹄目の間のミッシングリンクが明らかになった点で、明日サイエンス誌で
 発表される新属新種のArtiocetus clavisRodhocetus 属の新種、
 Rodhocetus balochistanensis の報告、こちらはパキスタンの約4,700万年
 前の地層からで、より水生適応をしていたそうですが、それとともに重要な研
 究といえます。
 ヤフーニュース CNNニュース MSNBCニュース BBCニュース
 ネイチャーサイエンスアップデート デイリーインサイト
 ネイチャー門ホットトピックス論文を読めます(無料の登録必要)
 ナショナルジオグラフィックニュース(サイエンス誌分)
 朝日新聞(サイエンス誌分) 読売新聞 ヤフーニュース(毎日サイエンス誌分)
 ミシガン大ニュース(サイエンス誌分)

マダガスカル後期白亜紀層から発見された有袋類の臼歯化石8.02.01
  ネイチャー8月2日号掲載ブリーフコミュニケーション
  Fossil molar from a Madagascan marsupial   DAVID W. KRAUSE
  マダガスカルのMaevarano層(マーストリヒシャン)で産出したものです。
 長さ3.5mm、幅2.2mmという小さな歯ですが、マダガスカルで初めての有袋
 類化石であるだけでなく、当時のゴンドワナ超大陸で初めてのものだそうで
 す。
 デイリーインサイト

メキシコの農民、洞穴からマンモスの骨発見6.17.01
  メキシコMorelos州Chimalacatlan 村で農民達が洞穴から水路を農
 地に引こうと、洞穴を掘っていたところ、マンモス1体分の骨が出てき
 たそうです。
 ヤフーニュース

Longipteryx chaoyangensis の論文など 5.28.01
  また、科学通報2000年23号には「遼寧西部中生代原始哺乳動物一新科
 と題した論文があります。これも画面右下の「PDF文件」と書かれたオレン
 ジ色の文字クリックで、PDFファイルをダウンロードすることができます。
 白亜紀前期、義県層から産出したもので、新科Repenomamidae が設け
 られています。
 Repenomamus robustus gen. et sp. nov.
 属名は爬行する哺乳類、種名は強壮であるという意味です。

中国雲南省からの1億9千5百万年前の哺乳類5.25.01
  A New Mammaliaform from the Early Jurassic and Evolution of
  Mammalian Characteristics
  Zhe-Xi Luo(羅哲西), Alfred W. Crompton, and Ai-Lin Sun
  カーネギー自然史博物館
  サイエンス5月25日号掲載
  Hadrocodium Wui と命名されたもので、非常に小さい頭蓋骨がありま
 す。頭蓋骨の長さ12mm幅8mm程度だそうですが、その割に脳の容積が
 これまで知られるジュラ紀の哺乳類より大きく、それを嗅覚や聴覚に利用
 したのだろうということです。
 体重約2gと推定されまた、歯の特徴から食虫類であったことを示していま
 す。哺乳類初期進化の時代に発見されたものの中で最小とのこと。

 中耳骨が下顎の骨と明確に分かれていて、これが爬虫類から哺乳類へと
 進化する重要な過程であることを示唆しているということです。
 ハドロコディウムと比べ、初期哺乳類シノコノドンSinoconodonやモルガヌ
 コドンMorganucodonは、単一の顎関節はあるが中耳骨は顎から完全に
 分離していないそうです。

 研究チームがこの骨格の90の特徴を他の初期哺乳類及び現生哺乳類と
 比較したところ、この新種は知られている限りで現生哺乳類に一番近いか
 姉妹群であると判明したそうです。
 カーネギー自然史博物館ニュース
 CNNニュース ABCニュース BBCニュース ヤフーニュース(毎日)
 ナショナルジオグラフィックニュース写真が多い 新華社
 サイエンスニュース
 ユーレカアラートPDFファイルで日本語版あり。要アクロバットリーダー
 
Hadrocodium Wui についてカーネギー自然史博ニュース5.28.01
  25日に発表された中国雲南省産の哺乳類形化石についてです。
  サイエンスの発表当日に探してもなかったのですが、今は掲載されて
 います。またプレス用の大きい画像も用意されています。

カナダ・アルバータ州で絶滅ウマ化石発見5.05.01
  ポニー程度の大きさ。10,000年前にクロヴィス文化が栄えた頃のもの
 だそうです。
  CBCニュース

アキシマクジラ、160万年前に年代訂正4.17.01
  東京都昭島市は、1961年多摩川沿いで発見されたクジラ化石の年代を
 従来説の500万年前から訂正し、160万年前と発表しました。
 くじら祭りの熱がさめることはないでしょうが。
 ヤフーニュース アキシマクジラ

エチオピアで250あまりの400万年前の哺乳類化石発見3.06.01
  Gadamaitu地方で発掘をしていたオーストリアのHorst Seidler 他、エチオピア、
 独、伊、米のチームが発表したものです。ハイエナ、キリン、カモシカ、カバ、ライ
 オン、ブタそれにヒヒの完全な頭蓋骨。
 本来、人類の祖先を求めての発掘ですが、まだそちらは見つかっていません。
 これらの化石はアジスアベバの国立博物館で展示されるそうです。
 ヤフーニュース

パタゴニアの最大の発見は15cmの哺乳類化石2.21.01
  ジュラシック・パーク発見と大きく報道されましたが、ここでの最大の発見は、
 わずか15cm、頭骨の周囲2.5cmの哺乳類化石だそうです。それは南米で最
 も古い哺乳類化石であり、世界でもめったに出土しないものだと、ホセ・ボナパ
 ルテは語っています。残念ながらそれ以上の詳しい情報はありません。
 ナショナルジオグラフィックニュース

北海道天塩で発見された化石、世界最古のコククジラと判明1.29.01
  見落としていました。25日付けです。天塩町で96年に発掘されたクジラの化石
 が、北海道教育大札幌校の木村方一教授らの調査で、370万年前から250万年
 前の世界でも最古のコククジラのものであることが判明したそうです。
 ヤフーニュース

国内最古の奇蹄類化石発見 1.28.01
  昨日・今日の二日間、ミュージアムパーク茨城県自然博物館で、日本古生物
 学会第150回例会が開催されました。その個人講演から2つのニュースが流れて
 います。
 福井県立恐竜博物館の宮田和周・古生物学研究職員の講演。
 熊本県の御所浦町に分布する弥勒層群赤碕層から発見された奇蹄類の左上顎
 の一部です。臼歯がついているのですが、とても原始的な歯の形質をもっている
 のでバク類の初期の進化や多様性を知る上でとても貴重な資料だそうです。
 熊本日日新聞 毎日新聞 ヤフーニュース 毎日フォトジャーナル

イルカの化石発見で村おこしに期待 三重県大山田村1.23.01
  大山田村の阿波層群(約1,700万年前)で見つかったイルカの化石が、世界で
 も数例目という淡水性のガンジスカワイルカの祖先にあたることが名古屋大学大
 学院理学研究科の研究チームの鑑定で明らかになったそうです。
 ヤフーニュース

トリボスフェニック歯をもつ哺乳類に2つの起源1.8.01
  ネイチャー1月4日号掲載Dual origin of tribosphenic mammals
  ZHE-XI LUO*, RICHARD L. CIFELLI† & ZOFIA KIELAN-JAWOROWSKA‡
  哺乳類の歯でもっとも原始的なものにトリボスフェニック歯というものがあります。
 これは1本の歯で、切り刻むとすり潰しの2つの機能をもったものです。この歯の
 おかげで哺乳類は小型から大型のものに進化できたようです。
  これまで、この歯は1度の進化で生じたと考えられてきました。しかし、今回、研
 究者たちがジュラ紀から白亜紀にまたがる2億年前から6500万年前の20体以上
 の化石哺乳類について、顎や歯、骨格を調べたところ、トリボスフェニック型臼歯
 が南北別々の大陸で2度独立に進化したことがわかりました。
 ヤフーニュース カーネギー自然史博物館ニュース ネイチャー門
 デイリーインサイト ディスカバリーオンライン サンフランシスコクロニクル

花巻市で発見の古代ゾウ足跡化石、標本化へ12.23.00
  花巻市は22日、市議会全員協議会で、年内にも博物館建設計画地で発見され
 た古代ゾウ足跡を標本化する作業を始めると報告したそうです。一方、地元経済人
 が中心となって設立された市民グループは、現地で歩行跡がわかるよう、博物館
 計画の一部見なおしを求めています。
 ヤフーニュース

花巻市博物館建設工事現場で発見。100万年前のゾウ足跡公開12.4.00
  11月10日に山を10メートル切り崩した造成地で10個の足跡が発見されたそう
 です。直接の足跡でなく、ゾウがぬかるんだ火山灰層を歩いたとき、その下の
 泥岩層に刻印されたもの。市教委は3日一般公開するとともに、今後切り取って
 博物館で展示・所蔵することを検討しているそうです。
 ヤフーニュース

ネブラスカのサイは半水生 続報11.22.00
  17日付けでお知らせしたニュースです。カバみたいな格好をしたサイなんで
 すね。
  カリフォルニア大サンタクルズ校ニュース
  アシュフォールフォッシルベッド(ネブラスカ州立大博物館のページ)
  ナショナルジオグラフィックニュース
  米地質学会年会アブストラクト

ネブラスカのサイは半水生 11.17.00
  これも米地質協会年会での発表。カリフォルニア大サンタクルツ校のMark
 Clementz、同校の研究者Paul Kochによると、1,000万年前のネブラスカ、
 Ashfall Fossil Bedsから発見されたサイ、Teleoceras の歯に含まれる酸素
 同位体を分析したところ、陸上で生活する動物より酸素同位体の変数が小さ
 く、半水生であることがわかったそうです。しかし、他地域で発見された
 Teleoceras は陸生の値を示すそうです。このサイは環境に柔軟に適応し
 たのでしょうか。
 サイエンティフィックアメリカンニュース

マンモスはウィルスにより絶滅したか?10.10.00
  マンモスや南北米大陸の大型哺乳類は驚くほど短期間に絶滅しています。
 これは移動してきた人類がもたらしたウィルスによるためではないか?こんな
 仮説を実証するため、よく保存されたマンモスの骨中から組織を取り出し、ウィ
 ルスを探す、そんな作業が進められているそうです。
 ABCニュース
 MSNBCニュース

沖縄県今帰人村で150万年前のネズミの歯9.18.00
  鹿児島大学の大塚裕之教授発表。絶滅した大型ネズミ、レオポルダミス類
 の奥歯の化石2個が出土したとのこと。
 ヤフーニュース

北海道阿寒町でアロデスムス化石発見8.5.00
  町教委が同町知茶布(ちちゃっぷ)の阿寒動物化石群で8/1、2日行った化
 石発掘調査で、アシカの祖先といわれる水生哺乳類アロデスムスの頭頂骨
 と犬歯、大腿(だいたい)骨が発見されたそうです。これらの部位の骨が北海
 道で見つかったのは初めて。
 ヤフーニュース
 参考:アロデスムス骨格のイラスト
    長野県四賀村化石館の紹介

 

石川県白峰村桑島化石壁から1億4千万年前の哺乳類化石7.17.00
  報道によると、白峰村教育委員会は新種で日本最古となるほ乳類の歯や顎
 の化石が見つかったと発表しました。化石は2種類で、1種は三垂歯類、もう1
 種は多丘歯類だそうです。
 河北新報
 毎日フォトジャーナル
 ヤフーニュース
 桑島化石壁からは哺乳類型爬虫類トリティロドン、オビラプトロサウルス類の
 末節骨、パキコルムス科魚類、スッポン上科・リクガメ上科・シネミス科のカメ
 類など様様な化石が報告されています。
 恐竜も哺乳類型爬虫類も哺乳類もいる、陸上だけでも多様な動物群だったの
 ですね。
 参考:
 トリティロドンについては、大分前のもので恥ずかしいのですが、恐竜拾遺禄
 に「トリティロドンについて」と題した位置文があります。

 オビラプトロサウルス類末節骨についてはバックヤードの獣脚類(肉食恐竜)
 「手取層群から新たな肉食恐竜の発見」7.30.99白峰村教育委員会 をご覧
 ください。
   
 この地域の動物群が「避難場所」でなくジュラ紀の動物群から漸進的に進化
 していったという研究については、バックヤードの恐竜その他のニュース、4月
 27日付け”A refugium for relicts?”をご覧ください。
白峰の哺乳類化石情報7.19.00
  国立科学博物館の真鍋真研究官から2点の質問につきコメントをいただきま
  した。
 1 白峰で哺乳類が発見された意義は?
   白亜紀初頭は,世界的にも哺乳類産地が6ヶ所しか知られておらず,哺乳
  類全体でも10種ぐらいしか報告されていません.今回の新種の三錐歯類は,
  これまでの歯の形態変化の空白を埋めるような存在であると共に,原始的
  な哺乳類のこれまでの系統樹に代案を提唱する標本です.

 2 先日ネイチャーに発表された”A refugium for relicts?”については、この
   発見はその論旨を補強するものなのか?
   今回の哺乳類は,形態的にはジュラ紀の北米産の種に近いことから,恐
  竜とは対称的であり,論旨を補強するものと考えています.


フロリダで発見された220万年前のオオナマケモノ6.21.00
  Eremotherium eomigransと名づけられたオオナマケモノは現代のオスのア
 フリカゾウより巨大だったそうです。
 ABCニュース
 フロリダ大ニュース
 参考:ナショナルジオグラフィックニュース4.24.00

仙台で500万年前のクジラ化石発見6.8.00
  仙台駅前の工事現場で昭和30年代に見つかり、仙台にちなむ学名、
 ハーペトケトス(Herpetocetus)・センダイクスと命名されたクジラがあります。
 このときは耳骨が見つかっただけだそうです。今回、仙台市太白区の竜ノ
 口渓谷。昨年11月に東北大理学部の学生御前(みさき)昭洋さん(20)が
 肋骨の断面が露出しているのを発見したそうです。頭部と肋骨、脊椎骨など
 全長の3分の2程度。同大総合博物館のチームが発掘作業をしているそうで
 す。
 ヤフーニュースライン
 参考:東北大学理学部自然史標本館

米ネバダ州でマストドン化石発見5.9.00
  3月末にパインナット山脈で二人の十代の若者によって発見されたそうです。
 しかし、既に部分的に持ち去られた骨もあるようです。
 ディスカバリーオンライン

米フロリダで発見された地上性オオナマケモノの化石から4.25.00
  南北アメリカ大陸が分離していた約4千万年の間、それぞれ哺乳類は独自の
 進化をとげました。約3百万年前パナマ地峡により南北アメリカ大陸がつなが
 ると、北アメリカ大陸にいた動物が南アメリカ大陸に移住拡散し、南米固有の
 動物は絶滅に向かったとされています。

 今回フロリダで発見された地上性オオナマケモノの化石は、これまでの見方に
 疑問を投げかけ、逆に南から北に移住拡散して成功した例もあると報道されて
 います。
 ナショナルジオグラフィックニュース

瑞浪市化石博物館で公開中のクジラ化石は新属新種の可能性4.19.00
  平成6年、三重県阿山郡大山田村の阿波層群の地層(約1,700万年前)から、
 発見されたクジラ化石についてです。
 名古屋大大学院理学研究科の木村敏之さんの鑑定ではケトテリウム科の新
 属新種の可能性大とのことです。
 ヤフーニュース
 参考:岐阜大素材データベース

足寄のデスモスチルス化石、正式な学名に3.23.00
  足寄動物化石博物館に展示している世界最古の水生ほ乳類デスモスチルス
 の2種類の化石「アショロア・ラティコスタ」と「ベヘモトプス・カツイエイ」が29日か
 ら、全世界のどこでも通用する正式な学名となるそうです。
 国際動物命名規約によると「英語、ドイツ語などで示した名称を科学的、公的な
 印刷物で一定量配布すること」が条件となっているそうです。たぶん規約第8条
 のことでしょう。
 そこで、同博物館では正式な学名にするために、それらの名称を盛り込んだ英語
 論文集「束柱類の進化」をこのほどまとめ、29日付で国内外の大学、研究機関
 合わせて300か所に送付するそうです。
 ヤフーニュース

ボリビア南部のタリハで古代ゾウ発掘2.3.00
  群馬県立自然史博物館の長谷川善和館長らがボリビア南部のタ
 リハ(Tarija)で絶滅種キュビエロニウスのほぼ全身の化石を発掘した
 と発表しました。化石は牙と胴を合わせた長さが約5.5m、体高約
 2.6m、全長約6mで牙の大きさから雄と見られているそうです。
 キュビエロニウスは現生のゾウ(ゾウ科)とは異なるゴンフォテリウム
 科に属します。アフリカから長い進化の道筋を経てベーリング地峡を
 渡り、北米からさらに南米に辿り着くのですが、キュビエロニウス亜
 科は北米で進化し、南米に広がったようです。

コーネル大で子供達、マストドンの生きていた時代の環境を調べる
                                     1.19.00
  ニューヨーク州Chemung郡Watkins渓谷で1999年11月に沼地から
 非常に良く保存されたマストドンの骨が発見されたのだそうです。
 時代は12,000年前、氷河期の終わる時期。骨は発掘されたのですが、
 その時代の環境変化を調べるために、骨の周囲の泥から見つけられ
 る限りのものを調べているそうです。
  その作業を子供達も手伝って、中身の分類なども習っているそうで
 す。日本でも4月から移行措置で始まる「総合的な学習」でこういうこ
 とをする学校はないでしょうか?
 コーネル大プレスリリース
 Chemung郡マストドンのサイト

タキカワカイギュウ、道東に広く分布1.19.00
  十勝管内豊頃町で一九九六年と九八年に発見された二つの動物
 化石が、大型海生ほ乳類「タキカワカイギュウ」のろっ骨であることが、
 同管内足寄町の足寄動物化石博物館の調査で分かったそうです。
 豊頃のほか、同管内幕別町と釧路管内阿寒町で数年前に見つかっ
 た化石もタキカワカイギュウと判明。三百万―五百万年前、道東の
 平地が海だったころに、カイギュウが広く生息していたことが明らか
 になったという。
 足寄動物化石博物館の沢村寛学芸員が、30日に東京で開かれる日
 本古生物学会で発表するそうです。
 ヤフーニュースライン

東京都昭島市の多摩川河床から170万年前のイヌ属化石1.16.00
  昨年9月、多摩川の拝島橋上流の川床に露出していた泥層から、
 頭骨の一部や左下あご、犬歯など1頭分の前半身の骨の化石34点
 が発見されたそうです。発見したのは長野県飯田市美術博物館の
 小泉明裕学芸員。30日の古生物学会で報告するそうです。
 これまで最古のイヌ属化石は約20万年前。これを一気に150万年遡
 ることになります。
  昭島といえば、クジラ化石が発見されたことで有名です。毎年、クジ
 ラ祭りが開催されています。
 ヤフーニュースライン

京大グループ、中国遼寧省阜新で哺乳類化石発見1.14.00
  遼寧省阜新(北票から北東に百数十km)で一昨年から発掘
 調査を続けている京都大理学研究科の瀬戸口烈司教授
 (京大総合博物館長)たちのグループが、モグラなどの遠い先
 祖にあたる食虫類をはじめ、中生代の白亜紀前期(約1億2千
 万年前)にいた原始的な哺乳(ほにゆう)類の化石を相次いで
 発見したそうです。
 現場は、炭田のボタ山から探すそうですが、多咬頭類と食虫類
 の下あごの化石が発見されたそうです。
 これまで哺乳類の進化は北米を舞台にと考えられていましたが、
 調査が殆どされていなかった中国で化石が発見されたことで、
 これまでの定説が覆る可能性があるそうです。
 ヤフーニュースライン

マンモス復活協会、マンモスの皮膚公開12.20.99
  朝日新聞によると、都内のホテルで、今年8月にシベリア北部の
 サハ共和国で発掘した氷付けのマンモスの皮膚が公開されました。
 今後、近畿大と鹿児島大の研究者がDNAを解析するそうです。
 マンモスのクローンづくりの夢は実現するでしょうか。
 ヤフーニュースライン(毎日)

北海道湧別で発見のマンモスは3万年前12.16.99
  網走管内湧別町東芭露の山林で、マンモスの歯の化石が見つかり、
 道内の過去の発見例で最も新しい約3万年前のものであることが16
 日、道開拓記念館の調べで分かったそうです。
 現在よりもやや寒冷な時代だったそうです。詳しくは下記を
 ヤフーニュースライン(北海道新聞)

Raising the Mammoth12.6.99
  朝日新聞夕刊ではシベリアのマンモスの記事が結構大きく2面で
 紹介されていました。その元はディスカバリーオンラインにあります。
 いまさらという気もしますが、再度紹介します。

サイの仲間アミノドンの化石、神戸で発見11.16.99
  神戸市北区にある神戸層群累層から、絶滅したサイの仲間の
 大型ほ乳類「アミノドン」類の肩甲骨や椎骨(ついこつ)、歯などの
 化石が極めて良好な状態で見つかったそうです。兵庫県立人と自
 然の博物館の試掘によるそうです。
 化石は約3700万年前のものとみられ、国内で見つかった大型ほ
 乳類の化石としては、福岡県宗像市で出土したバク科(約4500万
 年前)に次いで最古級だそうです。
 アミノドン科はサイ上科に含まれますがサイ科との分岐は結構早
 いようです。 
 ヤフーニュースライン
 読売新聞
 兵庫県立人と自然の博物館プレスリリース

シベリアで発掘したマンモスのクローニング10.28.99
  ディスカバリーオンライン

シベリアで発掘マンモス続報10.21.99
  ヤフーニュースラインに詳しい記事があります。また、
 リアルプレイヤーなどで動画も見られます。

北海道滝川市の空知川床から430~480万年前の
  鰭脚類化石10.20.99
  ここから'93年に発見され、三笠市立博物館に保管さ
 れていた化石が、北海道教育大札幌校の木村方一教
 授により、鮮新世時代前期の鰭脚類の後ろ脚の骨と
 判明しました。
 ヤフーニュースライン
 参考:北海道教育大札幌校教官紹介

シベリアで発見のマンモス、洞穴で保存へ10.20.99
  以前お知らせしたマンモスです。先週土曜(16日)に
 掘り出されヘリコプターで空輸されたそうです。
 ディスカバリーオンラインでドキュメントしています。
 ディスカバリーオンラインニュース
 Raising the Mammoth
 ABCニュース
 BBCニュース

中国吉林省から中生代哺乳類化石10.15.99
  新華社によると吉林省では、この夏に数千万年前に遡
 る小哺乳類化石が大量に発掘されたそうです。顎の骨、
 脊椎などを含んでいるようです。
 この化石を発見したZhang Pulinによれば、哺乳類の起源
 を研究する上で21世紀に最もホットなトピックスになるだろ
 うとしています。
 myCNN

ニューヨーク州北部の池で発見のマンモス化石
  Ebayでネットオークションへ10.13.99
  約11,000年前の少なくとも2体のマンモス化石が氷河
 期からの池で発見されたそうです。うち1体は完全な骨格
 が揃っています。池の酸性の泥が保存に役だったという
 話です。Ebayで450万ドル以上のオークションになるそう
 です。
 10月17日にオークションは終了しましたが、入札は1件
 もありませんでした。(10.18追記)
 CNNニュース
 Ebay

北米の白亜紀初期層で見つかったトリボスフェニック型哺乳類
                                   9.23.99
  ネイチャー9月23日号掲載。RICHARD L. CIFELLI
  Montanalestes keebleri gen. et sp.nov.と名付けられたこの哺
 乳類は、名前のとおり米モンタナ州のアプティアンからアルビアン
 の地層で発見されたものです。非常によく保存された、歯の付い
 た顎の骨です。
  トリボスフェニック型哺乳類って有袋類なんだと思ってましたら、
 これはトリボスフェニック型哺乳類のなかでも真獣類にしかない特
 徴(最後部の小臼歯の大臼歯化、大臼歯が3個に減少)をもってい
 るのだそうです。もしこれが本当に真獣類ならば、これまでアジア
 で見つかっている最古の真獣類と同年代になり、真獣類は白亜紀
 初期に従来考えられていたより広範囲に分布していたことになりま
 す。さらに、白亜紀後期にこの大陸で起こった放散につながる可能
 性があるそうです。
 ネイチャー
 CNNニュース
 参考:オクラホマ自然史博物館(記載者の所属)

ジュラ紀1億6千5百万年前の哺乳類歯化石発見9.2.99
  ネイチャー9月2日号に掲載
 Jhon J.Flynn,J.Michael Parrish,Berthe Rakotosamimanana,William
 F,Simpson,Andre R.Wyss
  発見されたのは長さ3ミリの下顎骨で3本の歯が付いています。
 マダガスカルからです。時代はジュラ紀中期バソニアン。
 トリボスフェニック型哺乳類として最古の化石です。これまで発見されて
 いたものより約2千5百万年遡りました。

  トリボスフェニック型哺乳類の臼歯というのは原生哺乳類につながる
 系統の歯でも原始的な部類で、上下一対の臼歯で切り裂きとすりつぶ
 し両方の機能を持っています。これにより咀嚼力が向上しました。現生
 の哺乳類ではオポッサムなどに見られます。
 家ネズミほどの大きさの動物だったそうです。Ambondro mahaboと命
 名されています。

  これまで同島で発見されていた哺乳類化石より2倍古いものだそうで
 す。また、同島で発見された鮮新/更新世境界以前の哺乳類化石とし
 ては2番目のものです。

  この化石はトリボスフェニック型哺乳類の分岐・多様化の年代がこれ
 まで考えられていたより古いことを示していますが、分子時計に基づい
 て有袋類と有胎盤類がジュラ紀中期に分岐したとするモデルを確証す
 ることはできないとしています。
 さらに、これは北半球で発見されている哺乳類化石より古いものだそう
 です。このことは、哺乳類の起源がゴンドワナ大陸にあることを示唆す
 るものです。
 ABCニュース
 MSNBCニュース
 ユーレカアラート
 カリフォルニア大サンタバーバラ校プレスリリース
 参考:分子時計を用いて哺乳類の起源を研究ABCニュース
     同MSMBCニュース
     The Hedges Lab


マンモスの皮膚、日本へ。クローン実現?9.20.99
  「マンモス復活協会」の探査隊が先月、シベリア北東部の永久
 凍土からマンモスの皮膚を発見したそうです。現地のサハ共和国
 と日本へ持ち出すための合意文書を交わし、近く引き渡されるとか。
 ヤフーニュースライン
 マンモス復活協会

シベリアのJarkovマンモス発掘へ7.24.99
  以前お伝えしたニュースです。9月から発掘開始のようです。
 CNNニュース

刺し網にゾウ化石かかる6.8.99
 青森県深浦町の漁業西崎昭一さんの刺し網に1月11日、長さ約1mの
 骨らしいものがかかったそうです。青森県を通じて群馬県博の長谷川
 館長に鑑定を依頼したところ、ナウマン象の大腿骨らしいということで
 した。化石がかかった翌日から漁は好調だそうです。
 化石は今後、西崎さんの父が社長を務める黄金崎不老不死温泉
 ロビーに展示される予定。
 ヤフーニュースライン
 

八戸市で約360万年前のクジラ化石発見6.5.99
 同市尻内町の砂採取場でナガスクジラと見られるクジラ化石が発見
 され、市民が見学しているそうです。
 ヤフーニュースライン

シベリアで発見されたマンモス、凍ったまま発掘へ5.22.99
  発見した家族にちなみThe Jarkov mammothと言われるマンモスは、
 初めて凍ったままこの秋に発掘され、その様子は2,000年3月にディス
 カバリーチャンネルで放送されるそうです。
  発掘の概要については、Bernard Buigues と Dick Molにより、先週オ
 ランダのロッテルダムで開催された、第2回国際マンモス会議で発表さ
 れました。
  プロの探検家であるBuiguesは、シベリアのタイミル半島北部で、巨
 大なマンモスの牙が発見されたと聞いた後、発掘を計画しました。フラ
 ンス、オランダそしてロシアの研究者と一緒に、また、ディスカバリーチャ
 ンネルの援助を受けてです。ディスカバリーチャンネルでは発掘のドキュ
 メンタリーを撮影し、それは2,000年3月に放送されるそうです。

 Buiguesによれば、これまでのマンモスの発掘は夏に行われ、永久的に
 凍った状態が溶けた表層を大型のポンプで吸い出されていました。
 "ロシア人は骨以外に興味がない。それ以外は全て捨ててしまう。"ため
 に、毛や皮膚や肉の現物のサンプルは極めて稀になっています。しかし、
 これらからのDNA分析により、現生のゾウとの関係が明らかになります。
  
  昨年の夏、研究者達はマンモスの頭蓋骨を分析しました。それは牙の
 移動によりかなりダメージを受けていましたが、まだ完全な顎が残ってい
 ました。歯の研究から、マンモスは大人のオスであることが明らかになりま
 した。マンモスが近縁であるアフリカゾウと同じくらいの寿命があり、歯の
 摩滅が同程度であるならば、このマンモスは47歳だったそうです。

  Buiguesらは、この秋、マンモスの周囲の永久凍土を切り取り、ヘリコプ
 ターでタイミル半島の町、ハタンガにある洞窟に移され、摂氏マイナス12
 度で保存されるそうです。
 ディスカバリーオンライン
 

パキスタンでバルキテリウム化石発見5.10.99
  パキスタンのバルキスタン州東部で発掘をしていた仏のチームが
 先月、バルキテリウム化石を発見したと発表しました。
  パリ自然史博物館と南仏のMontpellier大で哺乳類の移住を研究し
 ている古生物学者Welcommeは、カラチから500kmほど北にあるDera
 Bugti丘陵でここ5年間発掘してきましたが、”この動物は陸上の哺乳類
 では最大の動物だ。これが立つと高さ5m、体長は7mに達するだろう。”
 と語っています。
  バルキテリウムは約3,000万年前漸新世にパキスタン、カザフスタン、
 内モンゴルなどに生息していた巨大な奇蹄目の一種で、インドリコテリ
 ウム属です。分類的にはサイに近いですが、角は無く、サイより体型は
 スマートです。今回発見されたバルキテリウムについては体重は15トン
 から20トンと見積もられています。
  Welcommeは、バルキテリウムは元々北米で生まれ、アジアと北米の
 間の地峡を渡ってきたと考えています。バルキテリウムは仏で研究され
 た後、展示のためにパキスタンに戻されるそうです。
  現在、この場所は砂漠で非常に暑い所ですが、バルキテリウムは1日
 に2トンのエサを必要としたところから、当時は鬱蒼とした森林だったと考
 えられています。
  なお、ここでは最小の哺乳類も発見されたそうです。1mmから2mmの
 大きさの新種とあるのですが、詳細は不明です。
  そのほか長さ9mのヤシの木の幹、2種類のワニ、非常に大きいブタと
 される動物が発見されているそうです。
 ABCニュースパラケラテリウム(Paraceratherium)として報道。バルキテリ
         ウムと共にパラケラテリウム亜科に含まれる。
 BBCニュース
 MSNBCニュース
 ヤフーニュースライン
 CNNカスタムニュース

ジャマイカの化石発掘で新発見4.12.99
 昨年11月の話だそうです。5,000万年前の最古のマナティー
 (まだ足がある)の化石や、ジャマイカが北米やユカタン半島と
 つながっていた証拠となるサイの化石など500以上の骨が発
 掘されているそうです。
 CNNカスタムニュース

カリフォルニアでマンモスの化石発見4.2.99
 カリフォルニア南部、ロスから75マイルほど東方で新しい貯水池の
 ために掘っていた所で発見されました。若いメスのマンモスの化石で
 15,000から20,000年前のものだそうです。
 ABCニュース
 ディカバりーオンライン

中国遼寧省で三錐歯類の完全骨格発見3.25.99
 ネイチャー3月25日号に掲載された報告です。
 遼寧省といえば、中華竜鳥、孔子鳥、カウディプテリクス、プロトアー
 ケオプテリクスなど世界を驚かせた化石の発見が相次いでいますが、
 哺乳類でもこんな素晴らしい発見があったのですね。
 三錐歯類とは、哺乳類の初期(ジュラ紀から白亜紀)に生息していた
 一群で、現生の哺乳類の祖先である汎獣類とは相当縁遠く、白亜紀
 後期に絶滅しました。見かけはネズミといったところです。
 その名のとおり、歯のギザギザの山(咬頭といいます)が1本の歯に
 1列に3つ王冠のように並んでいるのが特徴で、哺乳類の歯としては
 極めて原始的な段階のものです。
  さて、発見されたのは、遼寧省の四合屯(sihetun)。義県(Yixian)層
 (約1億4千5百万年前、ジュラ紀後期とする説と約1億2千万年前白亜
 紀初期とする説がある)からです。骨格には原始的な特徴(骨盤や後肢)
 と、後代に見られる特徴(肩や前肢)が混在しているそうです。また、こ
 のことは、哺乳類における肩の構造の進化が2回以上別に生じたことを
 示唆するとされています。Jeholodens jenkinsiと命名されました。
 共同研究者はL Zhexi(カーネギー博)と中国地質博物館の季強(Ji Qiang
 、中華竜鳥の命名者)、 Ji Shu-anです。
 ネイチャー門(日本語のサマリーあり) 
 ヤフーニュースライン
 カーネギー自然史博物館ニュース
 同博物館、この発見の重要性についてのコメント
 同博物館、骨格図や復元図など

フロリダで新種のサーベルタイガー発見3.2.99
 サーベルタイガーにはこれまで牙の幅が狭くて長く、脚が短いものと、牙の幅が広く
 て短く、脚が長いものが知られていましたが、xenosmilusと命名された新発見のサー
 ベルタイガーは牙の幅が広くて短く、脚も短いそうです。
 BBCニュース
 ABCニュース3.5.99追加

ネパールで多数の動物化石発見1.10.99
 米カリフォルニア科学協会の研究者達がネパールの東部、西部
 で発掘した結果、1,500種類にも及ぶ数々の動物化石を発掘したそうです。
 時代は1,000万年前から300万年前までで、カバや古代ゾウなどの哺乳類、
 ワニなどの爬虫類もあるそうです。ヒマラヤ地域の気候の変遷をたどるにも
 貴重な資料だそうです。
 CNNカスタムニュース
 ヤフーニュースライン

インドでこれまでで最古のクジラの祖先の化石発見12.22.98
 インド北部のSimla Hillsで約535万年前のクジラ化石が発見されました。
 これまで発見されたものより350万年古いものだそうです。
 インドの Roorke大と米のミシガン大の調査で発見されたこのクジラの祖
 先はHimalayecetus subathuensisと命名されました。発見された顎の骨は
 カキ殻とまざっていたそうで、当時はテチス海の浅い海だったそうです。
 このことは重要で、というのは、これ以前に最古の発見とされている、パキ
 スタンで発見されたクジラの祖先は陸生哺乳類の遺物と一緒に発掘され
 ていたからだそうです。
 最古のクジラは河川や河口や海で魚を獲って生きていた水陸両生の動物
 だったと考えられているそうです。
 BBCニュース
 ABCニュース
 CNNカスタムニュース

モンゴルで発見された有袋類12.3.98
 モンゴルで発見された有袋類化石が、この進化の道筋を明らかに
 しそうです。8,000万年前とされる2つの化石がウカー・トルゴッドで
 発見されました。Deltatheridiumというオポッサムのような動物の
 頭蓋です。その1つは成獣になっていないもので、真獣類と違い、
 歯が奥の3つの臼歯しか生え替わらないことを示しているそうです。
 もう1個は、成獣の殆ど完全な頭蓋、顎と腕の骨で、顎にはその獣の
 最後のエサだったろう頭蓋骨の断片がついているそうです。
  これまで、この動物の化石は北アメリカやアジアでも発見されていま
 したが、断片的なため分類が不明だったそうです。
 また、この発見は有袋類の起源がアジアであり、その後南北アメリカ
 やオーストラリアに移住していったとする説を支持するものとされます。
 報告者はGuillermo Rougier( Louisville大学)ほかのチーム。ネイチャー
 12月3日号に掲載されます。
 BBCニュース
 CNNニュース
 CNNカスタムニュース
 ABCニュース
 ヤフーニュースライン
 サイエンスデイリー
 毎日新聞アウロス
 Louisville大学のニュース
   同大学ニュースの写真(必見ただし、ハイレゾリューションのものはメガバイト単位です。)
 ネイチャー
  ネイチャー門(日本語ただし、このニュースの日本語版なし)

インドで発見された最古のクジラ化石11.12.98
 CNNカスタムニュースの記事です。先頃のSVP総会で報告された
 Himalayacetusと非公式に呼ばれるクジラの祖先についてです。
 5,350万年前とされるその年代については疑問を投げかける研究
 者もいます。これまで最古とされているPakicetusは5,000万年前
 とされていますが、これは淡水で生きていたとされたいます。一方
 Himalayacetusは海生と報告されました。クジラの祖先は最初から
 海に進出したのでしょうか。
 CNNカスタムニュース
 
滋賀県多賀町のナウマン象化石11.24.98
 写真があります。こちら

滋賀県多賀町でナウマン象化石発見11.20.98
 同町教委は19日、滋賀県犬上郡多賀町中川原の芹川地層から、約30万年~
 2万年前の間に生息したナウマンゾウのものと思われる切歯(象牙=ぞうげ)が
 見つかったと、発表しました。
 同町教委は、化石のクリーニングと強化処理を急ぎ、同町四手の「あけぼのパー
 ク多賀」内で来年三月開館予定の博物館で公開することにしているそうです。
 また今月27日に同パークで「出た出た今度はナウマンゾウだ」と題する関連講演
 が行われます(入場無料)。
 ヤフーニュースライン