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絶滅哺乳類に毒分泌器官があったことを示す初めての証拠 6.23.05
 First evidence of a venom delivery apparatus in extinct mammals
 Richard C. Fox and Craig S. Scott
 Nature 435, 1091-1093 (23 June 2005) doi: 10.1038/nature03646

 現生哺乳類で毒をもつものはカモノハシや数種の食虫類など、ごく限られた種類です。
 ここではカナダ・アルバータ州暁新世後期(Paskapoo層、約6千万年前)から産出した
 Bisonalveus browni という哺乳類化石から毒分泌器官が見つかったことを報告して
 います。

 Bisonalveus browni は真獣類キモレステス目パントレステス科に属する哺乳類で、
 キモレステス目自体は食虫性のの哺乳類の仲間です。この種類の化石はこれまで不完
 全な部分的なものでしか知られていませんでした。今回報告されたUALVP 43114 標本
 では、上顎の犬歯が発見され、その歯冠基部から先端にはV字形の溝が確認されてい
 ます。これは毒分泌器官の証拠とされています。またVALVP 43116標本では下顎の犬歯
 にも溝が確認されています。

 哺乳類はこれまで考えられていたより何回も独立して毒分泌器官を発達させてきた
 ようです。
 ヤフーニュース(共同) ナショナルジオグラフィック ユーレカラート
 参考:哺乳類の分類系統