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長谷川善和館長のミステリーフォッシル その2「歯」
長谷川:今、みなさんの手元に回っているのは、歯の化石です。どのような動物の歯だと思われますか?産地は「アフリカの近く」だそうです。
徐星:非常に興味深い。断面を見ると、ティラノサウルス類に特有の D型をしているが、鋸歯のつき方が違うので、ティラノサウルス類ではないと思います。こんな歯は見たことがない。鋸歯が歯冠まで伸びていて、溝ができている。カルカロドントサウルス科の可能性もあるかもしれません。
ラマンナ:私は初めてこの化石を見た時、すぐにティラノサウルスと言ったのですが、他の先生達に訂正されてしまいました。鋸歯が歯冠まで伸びているのはティラノサウルスの特徴ではない。おそらく、上顎の前の方の歯であると思います。けれども、恐竜ではなく、爬虫類のものかもしれません。断面が
D 型をしているのは、収斂進化の結果なのかもしれませんね。
カーペンター:ラマンナ博士の言ったように、どこの部分の歯であるか、というのは重要ですね。また、セレーションのある歯、というのは肉食の動物に特有のものですから、この歯の持ち主は肉食動物であったのでしょう。丁度、ステーキナイフにぎざぎざがついているようなものです。歯の上の方に行くほど、丸く摩耗していることから、何かをこれで突き刺すように食べていたのは間違いないと思います。
真鍋:爬虫類や恐竜の収斂進化については、まだほとんどわかっていません。この歯についても、これからの研究が待たれるようです。
真鍋:最後に一言ずつお願いします。
徐星:今回の展示で(メモ欠如)
タイラー:まだまだ古生物学で研究すべきことはある。自分の気持ちに正直に古生物学者を目指してください。
ホーガンソン:化石は人類の遺産の一つ。自然の遺産の一つ。
カーペンター:過去2回の恐竜展とは違い、今回はまた新しい恐竜が展示された。これからも恐竜は見つかるかも。ぜひ、皆さん、大発見してください。
ラマンナ:若い人たちに言おう。ほんの数年前まで、私は皆さんと同じだった。4歳のとき、私は「古生物学者になりたい」と言った。そして、今私は世界的な研究者と並んで座っている。私にできたことは、皆さんにもできる。
真鍋:知られている恐竜は、人により異なるが1千数百種ほど。しかし、中生代を通じて生きていた恐竜は20万種にもなると推定されている。私たちはまだ恐竜の氷山の一角しか知らない。まだまだ研究をしなければならない。
長谷川:皆さんの話を聞き、現場に行き、ほとんどみな砂漠から、いろいろな恐竜が集まった。いろいろな魅力も興味もあるが、いつも疑問に思うことばかりでてくる。
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「歯」化石を手に説明する徐星博士
シンポジウム終了後は、パネラーの皆さんからサインをいただいたり、一緒に写真を撮ったりする光景が続きました。 |
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