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「アンキロサウルス類の進化の旅−アメリカとアジアを結ぶ」 ケネス・カーペンターさん(デンバー自然科学博物館 博士)
アンキロサウルス類とは、ずんぐりした体、鎧を着、鋭くない歯を持つ4足歩行の草食恐竜である。これらの化石は世界中から発見されており、私が最も注目している恐竜の一つである。今回は、簡単にアンキロサウルス類の起源と分散について見て行きたい。
初期のアンキロサウルス類は、前期ジュラ紀にスケリドサウルスのグループから進化したものである。これらはヨーロッパ、アメリカ、アジアなどからも出る。これは、当時各大陸が繋がっていたためである。
その後、中期ジュラ紀になると、アンキロサウルス類の3つの主要なタイプが現れた。ポラカントゥス科、ノドサウルス科、アンキロサウルス科である。頭骨を上から見ると、ポラカントゥス科は三角形の頭、ノドサウルス科は頭骨の前の方が長く伸びる三角形の頭、アンキロサウルス科は頭骨の前の方が丸い頭をしていた。ガストニアはユタ州東部から
50 頭ほどがまとめて発見されており、群れで行動したのだろう、と言われている。これらは北米・南米・ヨーロッパ・アジア・アメリカから出土している。
前期白亜紀になると、サウロペルタや、アニマンタルクスなどが現れる。最近日本で出土したアンキロサウルス類も、 9400 万年前のものであり、これらに近縁のものと思われる。(また、日本で出土したものは、海底の堆積物の中にあったとされ、どういう経緯で化石化したのか、不思議である)
白亜紀前〜末期にかけては、ゴビサウルス、クライトンサウルス、ピナコサウルス、サイカニア、エウオプロケファルスなどが登場した。この時代になると、当時、ほかの大陸から離れていたはずのオーストラリアからもアンキロサウルス類は発掘されており、現在のところ、ミステリーとなっている。
このように、アンキロサウルス類は1億 3900 万年に渡って栄え、世界を旅した。なぜ絶滅したのか、その理由はまだ分かっていない。みなさんも是非これらの謎に挑戦してほしい。
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ケネス・カーペンター博士
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