ゲノム解析による鳥類の系統樹 12.12.14
  サイエンス12月12日号ハイライト日本語PDF 読売新聞 朝日新聞
  AFPBB ナショナルジオグラフィック(日) NHK
  今日のサイエンスは、この特集です。国際的な研究チームが、鳥類の45種のゲノ
 ムシーケンシングを行い、現時点で最も信頼性の高い鳥類の系統樹を作成しました。
 うち、8本の論文がサイエンス12月12日号に掲載されています。
 その結果、新鳥類の系統はまず陸鳥と水鳥の2大系統に分岐したことがわかりました。
 陸鳥にはオウムや鳴鳥、タカやワシなどが含まれ、当時の頂点捕食者だったという事
 です。そのほか、ハトはその分岐点に属していることや、ハトとフラミンゴが姉妹群関係
 にあることなど、わかったことは多種あります。さらに、ワニのゲノム解析、鳥類やワニ
 が含まれる共通祖先の主竜類のゲノム復元、鳥類が歯を失った過程、鳥類とヒトの音
 声学習など、いろいろな面に光をあてています。日本国内の報道は、恐竜絶滅後、急
 速に種類を増やしたという面のみ報道しているメディアが多いようです。
 レビューでは、徐星らが獣脚類にはじまる鳥類の進化についてまとめています。
 この特集論文は、こちらのページからフリーで読むことができます。
 各大学ニュース
 鳥類系統樹に関して フロリダ大 ネブラスカ-リンカーン大 ルイジアナ州立大
 ノヴァ・サウスイースタン大 CRG イリノイ大 テキサス大オースティン校

 ワニのゲノム解析に関して テキサス技術大 カリフォルニア大サンタクルズ校
 鳥類とヒトの音声学習に関して デューク大

ニワトリの家禽化は1万年前の中国北方で 11.25.14
  スミソニアン
  中国河北省のNanzhuangtou(南荘頭)遺跡で出土した骨を含む、世界各地のニワ
 トリのDNAを用いて解析したところ、ニワトリの家禽化は1万年前の中国に起源をも
 つという結果が出ました。
 Hai Xiang, Jianqiang Gao, Baoquan Yu, Hui Zhou, Dawei Cai, Youwen Zhang,
 Xiaoyong Chen, Xi Wang, Michael Hofreiter, and Xingbo Zhao(2014)
 Early Holocene chicken domestication in northern China
 PNAS doi: 10.1073/pnas.1411882111 アブストラクト

走鳥類が飛べなくなったのは、それぞれの生息地に着いてから 5.23.14
  サイエンスハイライト5月23日 アドレード大
  ミトコンドリアゲノムの研究から、ダチョウ、エレファントバードなど走鳥類は共通
 祖先の時代から飛べない鳥ではなく、現在の生息地各地に飛んで行ってから、そ
 れぞれ飛ぶ能力をなくしていったということです。驚きですね。
 また、エレファントバードとキウイは姉妹群になるそうです。
 Kieren J. Mitchell, Bastien Llamas, Julien Soubrier, Nicolas J. Rawlence,
 Trevor H. Worthy, Jamie Wood, Michael S. Y. Lee, Alan Cooper.(2014)
 Ancient DNA reveals elephant birds and kiwi are sister taxa and
 clarifies ratite bird evolution
 Science Vol. 344 no. 6186 pp. 898-900 DOI: 10.1126/science.1251981
 アブストラクト

ワタリガラスの社会的知性 4.24.14
  第三者集団との支配関係を理解するそうです。 論文オープンです。
 Jorg J. M. Massen, Andrius Pa?ukonis, Judith Schmidt & Thomas Bugnyar
 Ravens notice dominance reversals among conspecifics within and outside
 their social group
 Nature Communications 5, Article number: 3679 doi:10.1038/ncomms4679
 
鳥の頭の中を探る 7.05.13
  サイエンス ニュースフォーカス サイエンスポッドキャスト(音声)
  Proceedings Bに掲載された論文の研究内容を紹介しています。生きたカラスに危険
 や脅威で刺激したときに脳のどの部分が活性化されるか、陽電子放射断層撮影法を
 用いてスキャンしています。
 その結果、カラスの脳は柔軟に活性化し、たとえば穴居人の面をかぶっていても、直面
 していない場合は記憶や学習の領域が活性化されるのがわかったそうです。
 トリ頭と馬鹿にはできませんね。
 Donna J. Cross, John M. Marzluff, Ila Palmquist, Satoshi Minoshima, Toru Shimizu
 and Robert Miyaoka.(2013)
 Distinct neural circuits underlie assessment of a diversity of natural dangers
 by American crows
 Proceedings B
 DOI:10.1098/rspb.2013.1046 Proc. R. Soc. B 22 アブストラクト論文フリー
 参考:John Marzluff's Class Web

鳥はどのようにしてペニスを失うか 6.10.13
  ユーレカアラート
  鳥類の進化の上で謎に包まれた問題の一つに、どのようにペニスを失ったのかとい
 うことがあります。
 この研究では、遺伝子の発現メカニズムを解明しています。
 古顎類とカモ類ではペニスは成長するのですが、キジ類では胚段階で原初的なペニ
 スが形成されても、その後Bmp4 という遺伝子が働いて、ペニスの細胞死をもたらす
 のだそうです。
 Ana M. Herrera, Simone G. Shuster, Claire L. Perriton, Martin J. Cohn.(2013)
 Developmental Basis of Phallus Reduction during Bird Evolution アブストラクト

オウムも道具を作る 11.07.12
  ウィーン大 オックスフォード大
  道具を作る鳥として、ニューカレドニアカラスが知られていますが、自然状態では道具を作る事が
 観察されていない、シロビタイムヂオウムが道具を作ったそうです。小枝を加工して使い、金網の
 向こう側にあるエサを取る動画があります。
 Alice M.I. Auersperg, Birgit Szabo, Auguste M.P. von Bayern, Alex Kacelnik(2012)
 Spontaneous innovation in tool manufacture and use in a Goffin’s cockatoo
 Current Biology, Volume 22, Issue 21, R903-R904 doi:10.1016/j.cub.2012.09.002
 アブストラクト

四肢骨格パターンの鳥固有の形質の進化と発達の側面 10.04.12
  アブストラクほにゃ訳
  四肢と呼ばれる2セットの付属肢は、様々な機能(例えば、歩行、走行、爬行、掘り、登り、潜
 水、遊泳、飛行)に使用される四足動物における運動器官である。レンズや感光体などの特殊
 化した組織を含む眼球などの器官と異なり、手足は、どのような特殊化した細胞や組織をも持っ
 ていないが、骨、軟骨、筋肉、血管、真皮などの一般的な組織で構成されている。しかし、四肢
 の形態は、高度に専門化されており、歩行の種固有の移動モードを提供するために変化してい
 る。脊椎骨と頭骨がそうであるように、四肢の骨格は、種の間で形がに変化している。肢骨格
 形態の多様性は、形態形成の研究のための材料の例を提供してる。鳥類の前肢は飛行するた
 めの翼へと進化している。鳥類の四肢骨格パターンは、脊椎動物の現存する種の中で特異で
 ある多くの特徴があり、そのような形質の一部は鳥類特有の、他のものは鳥類が属する獣脚類
 の多くの基礎的メンバーと共有されている。そのような鳥類の特徴は、一般的に個体発生、発達
 中に形成されるので、いつ、どのようにそれらが発達中の胚四肢や肢芽に表示され決定されるか
 は、脊椎動物の形態的多様性の生成のメカニズムに重要な洞察を提供している。ここでは、鳥類
 の四肢骨格パターンのいくつかの機能の概要を提示し、それらのユニークであるともに系統に特
 徴的な形質を担う発達のメカニズムを議論する。
 Ryohei Seki, Namiko Kamiyama, Ayumi Tadokoro, Naoki Nomura, Takanobu Tsuihiji,
 Makoto Manabe and Koji Tamura (2012)
 Evolutionary and Developmental Aspects of Avian-Specific Traits in Limb Skeletal Pattern.
 Zoological Science 29(10):631-644. 2012 doi: http://dx.doi.org/10.2108/zsj.29.631
 アブストラクト

刷り込み学習最大の謎、解明 10.03.12
  鳥類に見られる刷り込み学習の、学習臨界期を開始させる因子が、甲状腺ホルモンである
 ことが発見されました。
 ナショナルジオグラフィック(日) 北海道大学プレスリリース
 Shinji Yamaguchi Naoya Aoki Takaaki Kitajima Eiji Iikubo Sachiko Katagiri Toshiya Matsushima
 Koichi J. Homma(2012)
 Thyroid hormone determines the start of the sensitive period of imprinting
 and primes later learning
 Nature Communications 3,Article number:1081doi:10.1038/ncomms2088
 アブストラクト(論文オープンです)

複数の核遺伝子とレトロポゾンにより支持される、古顎類の分断分布と
  現生鳥類の前期白亜紀起源 9.13.12
  現生鳥類の起源とその時期については、議論が続いています。この研究では、27の核遺伝子
 と27のレトロポゾンを用いて、古顎類鳥類の系統を解析しています。
 その結果、レアはキウイ、エミューおよびヒクイドリと姉妹群をなし、また、シギダチョウがモアと姉妹
 群をなすため、走鳥類の側系統性を示す。エミュー、ヒクイドリ、ダチョウ、5種のキウイ、2種のレア、
 3種のシギダチョウ、3種の絶滅モア及び15の新顎類系統からサンプリングした10の遺伝子を用いた
 分散年代測定から、かれらの史的生物地理を説明するには3回の分断分布イベントおよび2回の分
 散が要求されることが示唆される。クラウングループ鳥類の年代は、これまでの分子による推定と
 同様、1億31百万年と推定される。・・・鳥類の多様化は白亜紀-古第三紀の絶滅イベントに対応し
 てなく、恐竜絶滅以前に新顎類の多様化が急速に進行したことが示唆される。
 Oliver Haddrath and Allan J. Baker (2012)
 Multiple nuclear genes and retroposons support vicariance and dispersal of the palaeognaths,
 and an Early Cretaceous origin of modern birds.
 Proceedings of the Royal Society B (advance online publication) doi: 10.1098/rspb.2012.1630
 アブストラクト(論文フリー)

カラスは数の大小を認識 10.04.11
  たまに現生鳥類のニュースです。毎日新聞 47ニュース
  宇都宮大の杉田昭栄教授(動物形態学)らのグループの研究です。
 ハシブトガラス8羽で餌を使った実験で、餌の蓋につけたマークの数を認識することによ
 り、餌を食べられるようにしたようです。
 チンパンジーなら画面に映る数字を指さしさせるところですね。
 Bezawork Afework Bogale, Naoki Kamata, Katano Mioko, Shoei Sugita
 Quantity discrimination in jungle crows, Corvus macrorhynchos
 Animal Behaviour Volume 82, Issue 4, October 2011, Pages 635-641
 doi:10.1016/j.anbehav.2011.05.025
 
現生鳥類の翼第1指は第2指の位置にある前駆細胞から発生 9.06.11
  テスト版にアップしました。

スズメ類とオウムが最も近縁:レトロポゾン解析から 8.24.11
  テスト版にアップしました。

シチメンチョウのゲノム90%以上解読 9.08.10
 Virginia Tech ARS ゲノム配列
  家禽シチメンチョウのゲノムが90%以上解読されました。短期的には品種改良や、鳥
 インフルエンザ対策に役立つでしょう。私達から見れば、やはり非鳥恐竜との関係をゲ
 ノム上で調べる役に立てばと思います。
 Dalloul RA, Long JA, Zimin AV, Aslam L, Beal K, et al. 2010
 Multi-Platform Next-Generation Sequencing of the Domestic Turkey (Meleagris
 gallopavo
): Genome Assembly and Analysis.
 PLoS Biol 8(9): e1000475. doi:10.1371/journal.pbio.1000475 論文

鳥類の性決定は細胞自立的に決まる 3.11.08
  ネイチャーニュース エジンバラ大 MSNBC
  ヒトを含むほ乳類の性決定は、性決定遺伝子の一時的作動が起こるまでは未分
 化であると、考えられています。エジンバラ大などの研究者は、3羽の側方雌雄モザ
 イク(体の右側がオス、左側がメスのような例)のニワトリをつかって鳥類の性決定
 機構を調べました。その結果、オス側は正常なオスの染色体からなるオスの細胞、
 メス側も同様なメスの細胞である真性の性的キメラであることがわかり、鳥類の体
 細胞には性が本来備わっている可能性が明らかになりました。

 そこで、胚にそれぞれ逆の性の生殖腺部分をいれ、キメラを作ってみましたが、細
 胞の性的役割を変えることはできませんでした。鳥類の個々の細胞は、自分がどち
 らの性であるのか、自分で決めているようです。

 ネイチャー3月11日号
 D. Zhao, D. McBride, S. Nandi, H. A. McQueen, M. J. McGrew, P. M. Hocking,
 P. D. Lewis, H. M. Sang & M. Clinton
 Somatic sex identity is cell autonomous in the chicken
 Nature 464, 237-242 (11 March 2010) | doi:10.1038/nature08852

ダチョウは恐竜絶滅で飛ぶのをやめた?2.02.10
  ナショナルジオグラフィック(日)
  走鳥類の類縁関係をミトコンドリアDNAにより解析した論文を紹介しています。
 走鳥類の系統については、単系統かどうか議論があります。これまでの解析では
 走鳥類は単系統であり、シギダチョウと姉妹群をなすとしていました。今回の研究
 によると、モアとシギダチョウが一つのグループとなり、レアやダチョウ、キウイなど
 の走鳥類はその側系統となります。

 また、走鳥類が飛行能力を失ったのは、白亜紀末の異変により環境変化がおき、
 各系統で別々に起こったものとしています。
 ダチョウの起源はユーラシアにあり、後にアフリカに渡ったともしています。

 Matthew J. Phillips, Gillian C. Gibb, Elizabeth A. Crimp and David Penny
 Tinamous and Moa Flock Together: Mitochondrial Genome Sequence Analysis
 Reveals Independent Losses of Flight among Ratites
 Systematic Biology 2010 59(1):90-107; doi:10.1093/sysbio/syp079
 アブストラクト 論文ダウンロードできます。

鳥の羽毛には構造色のブルーも 4.13.09
  イェール大ニュース
  多くの小鳥に見られる明るい青は色素によるものでなく、空気の泡を包む
 スポンジのような微細構造により生じているのだそうです。こんな構造、化石
 の羽毛から発見されたら色がわかるかも。

HoxD-11遺伝子の発現から鳥類の第1指を確認 10.07.08
 
カササギは鏡に映った自分を認識する 8.19.08
  サイエンスデイリー ニューサイエンティスト
  カササギは日本では七夕伝説で牽牛と織女の間にかけ橋をつくることに
 なっています。が、ヨーロッパでは泥棒かささぎというオペラがあるように、あ
 まり評判は良くないようです。
 このカササギが鏡に映った自分を認識するという研究が発表されました。鏡
 に映った影について自己認識するのはヒトや霊長類のほかではイルカやア
 ジアゾウ(動画/論文)、で確認されています。
 哺乳類と脳の構造がだいぶ異なり、新皮質のない鳥類でこの自己認識が確
 認されたわけです。この能力は哺乳類と鳥類とでは独立に進化したのでしょう。
 研究者たちは、鏡を使ってしか見えない体の位置にマークをつけて実験した
 そうです。
 Prior H, Schwarz A, Gunturkun O (2008)
 Mirror-Induced Behavior in the Magpie (Pica pica): Evidence of Self-Recognition .
 PLoS Biol 6(8): e202 doi:10.1371/journal.pbio.0060202
  (論文のSupporting Informationとして、カササギの動画が9本あります)

ミトコンドリアDNAから鳥類の起源年代を探る 2.07.08
  PhysOrg ナショナルジオグラフィック
  鳥類の起源については、まだまだ議論の対象となっています。その年代についてミトコンドリ
 アDNAの分析結果を示した論文が出ています。その結果、現生鳥類の起源は1億年以上前と
 しているそうです。
 Joseph W Brown , Joshua S Rest , Jaime Garcia-Moreno , Michael D Sorenson and David P Mindell
 Strong mitochondrial DNA support for a Cretaceous origin of modern avian lineages
 BMC Biology 2008, 6:6 doi:10.1186/1741-7007-6-6 論文ダウンロードできます。

基本的な鳥類の翼のストロークから、飛行の進化について新しい考察 1.24.08
  Kenneth P. Dial, Brandon E. Jackson & Paolo Segre
  A fundamental avian wing-stroke provides a new perspective on the evolution of flight
  ネイチャーAdvance online publication
  Vol 451| 21 February 2008| doi:10.1038/nature06517
  鳥類の孵化直後のヒナから成体に至る成長の過程で、翼を羽ばたかせる角度の変化に
 基づき、飛行の起源は地上から飛び立ったものと、議論を展開しています。
 参考:flight laboratory

肋骨にある鉤状突起の呼吸メカニズムにおける働きについて 11.08.07
  現生鳥類の肋骨にある鉤状突起は、呼吸に欠く事のできないもので、肋骨や胸骨の動きを
 増大させる働きがあるそうです。マニラプトル類恐竜にも同じものがあり、同様の働きをしたそ
 うです。また、現生の鳥類においては、鉤状突起は水中に潜る種類で最も長く、走鳥類では
 短い、特殊化していない飛行する鳥類では中間の長さということです。
  Jonathan R. Codd, Phillip L. Manning, Mark A. Norell, Steven F. Perry
  Avian-like breathing mechanics in maniraptoran dinosaurs
  Proceedings of the Royal Society B DOI 10.1098/rspb.2007.1233
  論文ダウンロードできます。

 Peter G. Tickle, A. Roland Ennos, Laura E. Lennox, Steven F. Perry and Jonathan R. Codd
 Functional significance of the uncinate processes in birds
 Journal of Experimental Biology 210, 3955-3961 (2007) doi: 10.1242/jeb.008953

 http://hss.ulb.uni-bonn.de/diss_online/math_nat_fak/2004/codd_jonathan/text.pdf

 BBC MSNBC マンチェスター大ニュース
「恐竜の呼吸器系はペンギン並に効率がよかった」、英研究報告 11.10.07
  AFPBB
  先日紹介した鉤状突起のニュースです。


カラスの脳地図、世界で初めて作成 5.16.07
  朝日新聞 読売新聞 慶応義塾プレスリリース(PDF)
  慶應義塾大学人文COE*の渡辺茂教授・伊澤栄一准教授のグループにより作成。
 カラスの脳は、思考や学習、感情をつかさどる大脳が極めて大きく、また大脳の中でも
 巣外套や高外套といわれる知的活動に関係する部分が大きく、よく発達していることが
 わかりました。
 脳地図はhttp://www.cirm.keio.ac.jp/db/bird_brain/で公開されるほか、近日出版される
 “Integration of Comparative Neuroanatomy and Cognition”(Keio Univ. Press)にも掲載
 される予定。

現生鳥類の系統分析  1.30.07
  Higher-order phylogeny of modern birds (Theropoda, Aves: Neornithes) based on comparative
  anatomy. II. Analysis and discussion
  BRADLEY C. LIVEZEY, RICHARD L. ZUSI (2007)
  Zoological Journal of the Linnean Society  Volume 149 Issue 1 Page 1 - January 2007
  オープンアクセス  doi:10.1111/j.1096-3642.2006.00293.x
  150の分類群に及ぶ鳥類(Neornithes)について2954の形質を用いて系統づけた論文です。

新鳥類の多様化: 分子系列データと化石の統合 8.17.06
  Diversification of Neoaves: integration of molecular sequence data and fossils
  Per G.P. Ericson他
  Biology Letters DOI: 10.1098/rsbl.2006.0523
  分子的に新鳥類の系統が多様化した年代をみると、キジ・カモ類から白亜紀’中期’に分かれ、K-T
 境界のすぐ後、第三紀になってから急激に多様化したそうです。

1,2,3か2,3,4か 5.26.05
  恐竜と鳥類の前肢の指についてはそのどれが第何指にあたるのか論争があ
 りました。それが恐竜と鳥類の系統にかかわる問題だからです。某年、SVP総会
 前にある研究者が自分の論文をSVP会員に送付したこともありました。その後、
 ある程度落ち着いたのかなと思っていましたが、そうでもないようです。

 Journal of Experimental Zoology Part B: Molecular and Developmental Evolution
 Volume 304B, Issue 3 (15 May 2005)では、正反対の結論に達した二つの論文が
 掲載されています。
 残念ながら指の発現に関わるHoxd12及びHoxd13 遺伝子の働きについて、私は
 何もわかりません。今は論文名の紹介のみしておきます。

 Hox genes, digit identities and the theropod/bird transition
 pp.198-205 Frietson Galis, Martin Kundrat, Johan A.J. Metz
 鳥類の翼の指は有羊膜類の第2、第3、第4指と結論。

 The digits of the wing of birds are 1, 2, and 3. a review
 pp.206-219 Alexander O. Vargas, John F. Fallon
 表題のとおり鳥類の翼の指は第1、第2、第3指と結論。

絶滅キツツキ生存を確認 4.29.05
  最後に確認されたのが米ルイジアナで1944年という、大型キツツキの生存が
 確認されました。Ivory-billed Woodpecker (Campephilus principalis 和名ハシ
 ジロキツツキ)。体長50cmにもなります。アーカンサスで確認。

 サイエンスエクスプレス
 Ivory-billed Woodpecker (Campephilus principalis) Persists in Continental North America
 John W. Fitzpatrick他 DOI: 10.1126/science.1114103
 ナショナルジオグラフィック NPR
 http://www.ivorybill.org/

世界最大の森の鳥は世界で最も野太く鳴くかも 10.30.03

フェデューシャ、ダチョウ胚論文を配布 10.04.02

ダチョウ卵胚の研究から、鳥類の手は恐竜と異なる 8.15.02

ニューカレドニアカラス、道具をつくる 8.09.02

ダーウィンフィンチの30年間の観察における予測できない進化 4.26.02

ニュージーランドのミソサザイのDNA系列によって支持される燕雀類のゴンドワナ
  起源
2.13.02

水鳥の類縁関係はみかけとは大違い7.05.01

ニワトリのパターン認識と行動視覚2.10.00

ヒクイドリには決して餌をやらないでください12.23.99
  ネイチャーバイオニュース(日本語)です。
 オーストラリアのケアンズ地域のフタニクダレヒクイドリは人を襲う危険
 な鳥らしい。何が危険な鳥にさせたのか?
 これを読むかぎり、恐竜にも決して餌をやらないほうがいいようです。

鳥類と哺乳類における染色体進化の動態11.26.99
  ネイチャー11月25日号掲載。 DAVID W. BURTほか12名
  比較地図の作成とは、異なる生物種どうしで相同遺伝子の位置
  を比較するもので、ゲノムの進化を研究する上で強力な手法の1
  つであるそうです。
  これをヒト、マウス、ニワトリの3つで行ったところ、ヒトとマウスより
  ニワトリの方がゲノムの編成が近いことがわかったそうです。
  これは、マウスの系統の方がゲノムの進化速度が速いためです。
  (ヒトとニワトリの系統分岐は約3億年前、マウスとの分岐は約1億
  年前とされています。)
  逆に、ヒトやニワトリのような比較的安定したゲノムから祖先の脊
  椎動物の地図が再構築されるだろうと結論しています。
  報道では、動物実験のある種のものはマウスよりニワトリの方が
  適切なのかもしれないとしています。恐竜が生きていれば動物実
  験にコンピーを使うなんて事もできたかもしれませんね。
  ネイチャー
  BBCニュース