ニワトリのパターン認識と行動視覚2.10.00
  ネイチャー2月10日号掲載。
  MARIAN STAMP DAWKINS , ALAN WOODINGTON
  ものの見え方は、霊長類とトリでは違うようです。一昔前、霊長類
 の脳に"おばあさん細胞"があるかなんていう議論がありました。
 ”おばあさん”の型見本によって、これは”おばあさん”だと、脳が認
 識するのか?霊長類のばあい、単純な○や△などのパターンに分
 解して、それぞれを認識するそうです。

  さて、トリの場合はどう認識するのか初めて示した論文です。鳥類
 のパターン認識が「型見本」によるそうです。
 論文によれば、ある種の無脊椎動物では、自分が動いて(たとえば
 決まった経路を繰り返し歩いて)型見本と像との一致を確かめる「行
 動視覚」によって型見本合わせをし、認識を行うのだそうです。この
 方法では、特定の経路から見た像だけにしか認識がなされないが、
 型見本の数は少数でよいことになります。

  鳥類にもこれと同様の行動視覚があるそうです。移動による場合と
 頭だけを特定の角度動かす場合とがあって、どちらも何種類かの異
 なる見え方を目に与える。したがって通常の移動経路を変えさせると、
 ニワトリが対象を認識する能力が低下するということです。

 鳥類がこうなら、その祖先とされる恐竜も、このような視覚・認識だっ
 たのかもしれません。ジュラシックパークでカエル並の視覚しかもた
 ないとされたT-REXは、今後異なった復元をされるでしょうか。
 ネイチャー