ダチョウ卵胚の研究から、鳥類の手は恐竜と異なる 8.15.02
  The hand of birds revealed by early ostrich embryos
  Alan Feduccia, Julie Nowicki:
  Naturwissenschaften,DOI 10.1007/s00114-002-0350-y
  アラン・フェデューシャといえば、"鳥類は恐竜でない"陣営の主要な
 鳥類学者です。彼の新しい研究がNaturwissenschaften OnlineFirst
 に掲載されています。以下ノースカロライナ大ニュースから

 "鳥類は恐竜でない"論拠のひとつに、その前肢の指の問題がありま
 す。恐竜の指は第1指(私たちの親指にあたる),第2指,第3指で構成さ
 れているのに対し、鳥類の指は第2,第3,第4指で構成されている。従っ
 て恐竜から鳥類が派生する訳がないというのです。しかし一方では、
 それは発生の過程で指の位置がずれたもの"1,2,3=2,3,4"とする研究
 もあり、対立しています。

 今回の研究では、ダチョウ受精卵の胚の発生の初期から観察をして、
 初期骨格形成を顕微鏡で調査したものです。結論として、ダチョウの
 胚で第2,第3,第4指が確認されたとしています。

 初期骨格形成は42日の孵化期間中、発生後8-15日にされますが、
 指は発生の8日目から出現し、第1指は14日目頃現れ、17目頃消滅
 するそうです。これまでの胚の観察は、その発生の後半段階や孵化
 直前のものを対象としていたので、紛らわしい結果をもたらしたとして
 います。

 フェデューシャによれば、恐竜と鳥類は詳細に調べれば骨格にいろ
 いろ違いがあり、例えば恐竜の歯は湾曲し、セレーションがあるが、
 鳥類の歯はまっすぐでセレーションはみられないことをあげています。

 またワニと亀の胎児の慎重な試験からの発見が鳥類のものと一致し
 ていると付け加えています。

 鳥類と恐竜の共通祖先ははるかな遠い年代にあるということがあり
 そうだとしています。鳥類と恐竜の多くの表面的な類似性は両者が
 二足歩行をするため似たような体のデザインを数百万年にわたり発
 達させたからだということです。