■SVP2002年度総会レポ−ト

サム・ノーブル博物館
SVP2002ホストとなったサム・ノーブル博物館
 そのさらに先には、テノントサウルスを襲撃する3体のディノニ
クスのジオラマ風骨格展示。その前を通りすぎ、左手へ進むと、
白亜紀後期(カンパニア期)のカンサス−ネブラスカ海の生態系
のジオラマである。近頃ではどこへいっても見かける、ジファクティ
ヌスとプラティカルパスの組み立て骨格にアンモナイトなどをあし
らった例のやつだが、ちょっと珍しいのは、1メ−トルほどのウミガ
メ、プロトステガの骨格を吊るしてある事。

 そして、この部屋には、当博物館の目玉、アパトサウルスとサウ
ロファガナクスのタイマン勝負のシ−ンが再現されている。アパト
サウルスはよそにもあるが、さすがにここはサウロファガナクスの
タイプ標本を収蔵するだけあって、展示にもリキが入っている。

サウロファガナクスといえばご存じのように、非常に巨大なアロサ
ウルス科の獣脚類で、属の独自性についてはいまだ議論がある
が、ともかく最大体長が14メ−トルという声も出た大物であること
は事実だ。もっとも、昨年幕張にきた骨格は体長10メ−トルそこそ
こしかなく、一部のマニアをがっかりさせたが、ここの骨格は体長
12メ−トルに達する(ただし頭骨は見るからに作り物である)。

つまり、サウロファガナクスには少なくとも大小2種類の別々の組
み立て骨格が存在するわけだ。実際に大きさの違う複数の化石
が存在するのかどうか、それは知らないが、組み立て骨格の周囲
にはサウロファガナクスのタイプ標本の実物、すなわち完全な左足
(足根骨から先)や脛骨の一部なども置いてあり、いやしくも恐竜
道のたしなみある者構えてこれを見逃すべからず。
protostega
プロトステガ

saurophaganax
サウロファガナクス

サウロファガナクス実物左足
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