「スピノサウルス」は、全長15メートル以上に達し、あの「ティランノサウルス」よりも大きい世界最大級の肉食恐竜です。エジプトに広がるサハラ砂漠のバハリアオアシスで、ドイツの古生物学者・エルンスト・ストローマにより発見されました。しかし、その貴重な化石標本は、第二次世界大戦の戦火の中で失われてしまったのです。

 今回、この神秘につつまれた恐竜の姿を、ストローマが残した詳細なスケッチをもとに、明らかにしようというプロジェクトが立ち上がりました。「恐竜2009」では、近年モロッコで発見されたスピノサウルスの亜成体化石骨格とともに、恐竜ファンの絶大な人気を集めるスピノサウルスの全身骨格を公開します。

 スピノサウルスの歯や口の形は、他の獣脚類とは違い、頭の形状がワニとよく似ています。前肢の鋭いカギ爪で、主に魚類を捕まえて食べていたのではないかと考えられています。スピノサウルスの生息地も、サハラ砂漠周辺の古環境を対象とした研究により、当時は厳しい砂漠気候ではなく、水の豊富な地域だったとする説が有力になってきています。

 「恐竜2009」では、「スピノサウルス」が生息した時代のサハラ砂漠の環境を再現するゾーンも設けていく予定です。マングローブの生茂る、豊かな生態系で進化していった「スピノサウルス」の姿をお楽しみに。

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サハラの幻!世界最大級の肉食恐竜「スピノサウルス」を完全復元





「スピノサウルス」亜成体頭骨