全長約3 メートル、頭部に大きなトサカを持ち、体表が羽毛で覆われていたと考えられる「グアンロン」は、最強の肉食恐竜といわれる北米の「ティランノサウルス」(全長約13メートル)の最古の祖先と考えられます。
「グアンロン」は、2005
年に、中華人民共和国・新疆ウイグル自治区ジュンガル盆地の後期ジュラ紀の地層で発見されました。特徴的な頭部の大きなトサカから、中国語で「冠の竜」を意味する「グアンロン」と名づけられました。
「グアンロン」の発見により、ティランノサウルス類の出現が、これまで考えられていたより約3000 万年近くも遡ることになります。
原始的なティランノサウルス類の化石は、これまでもアジアから集中的に産出していました。特に今回、飛び抜けて古い時代に生きていた「グアンロン」の発見により、ティランノサウルス類アジア起源説がほぼ確実であることを示し、恐竜研究に大きな衝撃を与えました。
「恐竜2009」では、後期ジュラ紀の「グアンロン」や前期白亜紀の「ディロン」をはじめ、後期白亜紀に最も有名な大型肉食恐竜へと大きく進化をとげたティランノサウルス類の9000 万年の進化の道筋をたどります。
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