真鍋真研究主幹




寛骨臼に大腿骨がはまり込む




膝を体の下にまっすぐのばす




つま先立ち

































マプサウルス













































































パタゴニクス







ウネンラギア






ニジェールサウルス






アナビセティア
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皆さんこんにちは、これで聞こえていますか、大丈夫ですか?じゃ、また聞こえないとか、話がわからないとかあったら、顔をしかめるなり、×マークを出すなり意思表示をしていただきたいと思います。

今日は、大恐竜展ということで、こちらにいらっしゃっている方は、今回の恐竜展のテーマが、ゴンドワナ大陸という南半球、そこには南米、アフリカ、オーストラリア、南極それからインドも元々南半球にあったのがプレートテクにクスでグングングンと上にあがってきたということで、そういった所の化石を元に、恐竜たちの世界を展示している展覧会であるということは、よくご案内のとおりだと思います。

で、国立科学博物館ではちょうど20年位前に「ゴンドワナの恐竜展」というのをやっているので(11998年に開催された「大恐竜展―失われたゴンドワナの支配者―」)、ちょうどここ10年から20年の、その後見つかったり研究されたりした、本当に新しい恐竜ばっかりで、前のゴンドワナの恐竜展で来た恐竜は1匹も1種類もいないという、新しい恐竜たちで構成された展覧会です。

僕自身はアルゼンチンとかチリとか行った事があるんですけれども、実際にそこで恐竜の発掘をしたことはないんですけれども、今日、ちょうどここにマプサウルスとメガラプトルというアルゼンチンの恐竜の所でお話をするので、この2つを使ってですね、お話を組み立てていきたいと思っておりますけれど。


まず最初に、「そもそも恐竜って爬虫類でしょ?恐竜って爬虫類とどこが違うの?クビナガリュウは恐竜じゃないの?何で翼竜は恐竜じゃないの」というところから、始めたいとい思うんですけれど。例えば僕たちがアルゼンチンの化石産地に行って、恐竜を探しにいったとしますね。その時に、バッと行ったら、いきなり(恐竜化石が)こんな寝てたなんていうことは、まずありえないことですね。野外を歩き回って、ちょうどあそこ(の画面で) スライドショーをやっているんですけれど、ああいう植生がほとんどないような、その分地層がむき出しになっているので、化石を探しやすいわけです。そういう所を歩き回って、恐竜化石がどっかに落ちてないかなとか、ちょっと崖から顔をのぞかせていないかなって調べながら格闘しているんです。その時に例えば、大きな骨が出ていたとすると、恐竜の可能性が大きいんですけど、もしかしたらワニなども大きいかもしれないです。だから、大きいだけでは恐竜を見つけたことにはならないですね。で、普通は、こういう風に全身骨格が組み立てられていると、見るからに「これ、恐竜じゃない?」という感じがするんですけど、実際に知る前までに「クリーニング」といって、骨を削りだすことをするまでは、どんな恐竜であるかという事はわからないんですけど。

 まず最初に恐竜が目的で発掘をしている場合に、どういう所をまず探すかというと、一つはですね、この
(と、マプサウルスをさす)後ろ足のところをまず注目します。で、一番探したいのがですね、この骨盤のところに穴があいているのがおわかりになるでしょうか?(注2:寛骨臼) ちょうど股関節のところにですね、穴が開いています。で、穴が開いているところに大腿骨という太ももの骨が、カパっと、かっちりとはまり込んでいます。で、膝があって、足首があって、恐竜っていうのは皆、つま先立ちしています。つま先立ちしているのが、恐竜の後ろ足の特徴なんですけど、実は恐竜がほかの爬虫類と一番違うところは、骨盤のところ、後ろ足です。というのは、普通の爬虫類は、がに股腕立て伏せで、こういう風にして歩いているわけなんですけれども、なぜかその中で、膝を体の横に突き出すのでなくて、まっすぐ体の下に伸ばす、そんな動物が、ある時出現して、そういたタイプの動物のほうが歩くときにがに股腕立て伏せより歩きやすい。で、その分だけ省エネで早く走れたりするわけです。で、そうすると、同じ時間で同じスタミナでもっと遠くまで行けるので、分布を広げることができるという利点があったと考えられます。

 で、よく「恐竜はなんで大きいんですか」という質問をされると、僕は「恐竜じゃないと大きくなれなかったんです。恐竜だから大きいんです」という答え方をするとですね、「なーんだ、全然面白くないな」というか、騙されたという感じに、皆さんリアクションされるんですけど、実はですね、この、膝を体の真下に伸ばすという形は、建物とか机とか考えていただいてもそうなんですけど、
(腕をがに股風に広げ) こういう風にするより(腕をまっすぐにして)こういう風に体重を支えるほうが、建物の柱のみたいで、手足がより効率的に体を支えられるので、(がに股) この形よりもこういう風に足を伸ばしたほうが、(体が)大きくなるということがあります。


 当然、恐竜が、哺乳類とか鳥とは違って、初期の恐竜は、基本的には他の爬虫類のように一生成長を続けた、で、そういったところも手伝って、どんどん大きくなった、というようなことがあったんじゃないかと考えられています。恐竜のこういった足、膝が要するに体の横に突き出せないみたいな特徴というのは、恐竜の起源を調べ、恐竜の特徴を定めるときに、一番大きな特徴と言っていいんです。ですから僕らもですね、発掘に行った時に、この股関節のある骨盤の化石を探して、そこに穴があいているかどうかというのを、まず最初にチェックして、穴があいていれば恐竜なんだという、で、膝の関節を見たときに、横に突き出しているんじゃなくて、こういう風に前後に足を動かすような関節をしている、そういったところを見れば、「あ、これは恐竜なんだ」ということが判るので、まず先にこういうところを見るということをやります。

 で、本来このマプサウルスというのが、この全長13mクラスの大きな大人と、ここからここに小さなですね、子どもが一緒に展示されています。で、あのー、これはですね、マプサウルスの化石の発掘現場に行ったときに、沢山の骨がいっぱい見つかって、それで中足骨といって、足の甲の骨なんですけど、この足の甲の骨を数えると、少なくともここには7体死んでいるということが判ったんです。で、そんなところから、7体が一緒に化石になっていて、かつ、その中足骨の大きさ、そこに実物が一つ展示されていて、あれはかなり大きいと思うのですけれど、その大きさに大小あるので、体の大きさに小さいやつと大きいやつがあるということがわかっています。


 で、そんなところから、7体が一緒になったというのですが、この7体がなぜ一緒になって死んだいたのかという事は、実は解っていません。で、一つの解釈としては、7体が一緒に行動していたんだけれども、何か不慮の事故、何かのアクシデントがあって、一緒に死んでしまって、一箇所に一緒に化石になった。だから7体はともに何らかの行動をしていたんだ、群れみたいのを作っていたのかもしれない、ということも、もしかしたらあるかもしれないんですけども、まったく逆のシナリオとしては、たまたま、そこに、7体が折り重なるように死んでいたけども、みんな単独行動していたのが、去年死んだやつもいれば、一昨年しんだやつもいるかもしれない。そんなことをもしかしたら物語っているのかもしれないんですけども、そういったところまでなかなかわかりません。

 で、一つはですね、最近、よく「恐竜は何歳まで生きたんですか」というようなご質問があるのです。(「ティラノサウルス28歳」という子どもの声) はい、そういういろんな研究報告あるんですけれども、一つはですね、ここの足の骨が、例えばここの腓骨という骨が、人間にもある骨なんですけれども、この骨を切ってみると、中に、運がいいと、木の年輪みたいな模様があって、それを数えることによって何歳かわかる、そういうことによって、そういったところから年齢がわかるという研究があったり、それからその年輪の幅を見ていると、ある時になると、十何歳の時になると、すごく幅と幅が広くなるということから、そのすごい成長期があったんじゃないかというようなことがわかるというような研究もされているので、そういったことをやると、この小さいのが大体何歳くらいで、この大きいのが大体何歳くらいということを、うまくいくと調べることが出来るんですけども、今のところマプサウルスではこの小さいやつが何歳で、この大きいやつが何歳かはまだわかっていません。
 そんなところからちょっと年齢がわからないので、実際にですね、これが本当に大人か子どもかというのはですね、もっといい標本が集まってきて、そういう研究をやらないとわからないのです。

 もうひとつですね、あのー、オスとメスかもしれないですよね。で、そんな可能性もあって、なかなかオスとメスの違いは人間でもですね、なかなか骨みたいな硬いところには違いは現れないので、骨だけから見るというのはなかなか難しいのですけれども、数年前から恐竜ではですね、例えばこういう足の骨を見てみると、産卵期のメスは、卵を産む時にカルシウムを沢山使うんですけれど、その産卵期の前後数ヶ月の時に、カルシウムを足の骨の中の骨髄腔という空洞があるんですけれど、そこに貯めておく、で、そこからどんどんカルシウムを使って、沢山卵を産むということが、現代の鳥から、そういうことをやっているというのがわかります。で、同じような特徴がですね、例えばティラノサウルスとかいった恐竜のものの断面にも見られたということから、このティラノサウルスの何子ちゃんというのは、産卵期のメスだったというようなことがわかるということが最近出てきました。ですから、オスメスがもしかしたらわかるということなんですけど、この方式の唯一の問題点は、メスでも産卵期でないとカルシウムを貯めてないですね。だから、メスであっても産卵期じゃなければそういう特徴をもっていないので、メスだと特定できないということがあります。そんなところから、一応最近はオスかメスかというのはわかるという方法は編み出されたんですけど、まだこのマプサウルスたちにはですね、適用されていません。そんなこともあって、マプサウルスはここでは親子がともに群れ行動をしていて死んでしまったんじゃないかという仮説を紹介しているんですけども、どこまでそれが、そういう恐竜の暮らし方みたいなものがわかるかというとですね、まだまだ、もっといい標本が出てきてですね、もっと数が増えてこないと、そういう群れ行動をしたかどうかということにはならなくなってくる、結び付けられないというのが、古生物学の難しいところです。いずれにしてもですね、今回ですね、そこに実物の化石がきておりまして、先ほどの
7骨格いたという根拠に、中足骨という足の甲の骨ですね、それから歯の骨とそれから大腿骨、太ももの骨が展示してあるんで、あとでちらっとご覧になってみてください。

 で、このマプサウルスというのはですね、恐らく北半球というか、まあ恐竜ファンの人たちにですね、大型の肉食恐竜知っているの何?と聞くとですね、ティラノサウルスって名前が出てくるんですが、ほかにも沢山知っている人がいるんですけれど、あのー、ティラノサウルスが一番有名なんですけど、ティラノサウルスはゴンドワナ、南半球プラスインドにはいなかったんですね、で、恐らくアジアでも北のほうにしかいなかった恐竜だと考えられています。
 で、それは今回のテーマでもあります、もともとはパンゲアという一つの大陸であったのが、まあ、南北に分かれてローラシアとゴンドワナに分かれていって、独自に進化をしてきたので、恐らく、ティラノサウルスの仲間は、ローラシアとゴンドワナ、北半球と南半球に分かれてしまってからですね、北半球側で進化したというもので、南半球に渡ることはできなかった、南半球にいなかったというものですが、そのかわりに、こういったマプサウルスであるとか、えーと、本当は皆さんと一緒にそこのドアを開けるとすぐに隣の常設展示室に行けちゃうんですけど、ちょっと行けないのでご案内できないんですが、ティラノサウルスの横にですね、ギガノトサウルスとカルカロドントサウルスという恐竜の頭が比較して展示してあるんですけど、あのギガノトサウルスとかカルカロドントサウルスというのは、実はマプサウルスの仲間でですね、南半球ゴンドワナのね、いたという恐竜の仲間です。

 じゃ、ティラノサウルスとですね、どこが違うのかということですけど、例えば、ティラノサウルスは手がすごく短くなってしまって、
2本指だというのは、図鑑なんかでご存知の方も多いと思うんですけど、ひとつ言えることはですね、頭を見たときに、本当だったら歯を一番ご覧いただきたいんですけれど、カルカロドントサウルスっていうのは、カルカロドンっていうのはよく詳しい方いらっしゃるとですね、ホオジロサメっていうのはカルカロドンというんですけども、あの、サメのような歯をしているということで、サメのようは歯をしていると言われても、サメの歯なんて見たことないよということになるんですけども、非常に歯が薄っぺらくてですね、それで、歯の縁のところに小さなギザギザが付いていてですね、それから歯の表面にツルツル、ティラノサウルスの歯だとツルツルなんですけど、そこにしわしわがあるっていうとこが特徴になっていて、それで、こういったグループ、カルカロドントサウルスというグループと呼んでいます。で、例えばですね、今回のマプサウルスがカルカロドントサウルスっていうのに、分類されているんですけど、どんなところでわかるかというと、今お話したような歯の特徴です。そこに来ている実物の化石は、表面がかなり風化されてしまって、残っていないので、きれいにギザギザであるとか表面のしわしわがなかなか見えないかもしれないんですけど、薄っぺらい歯をしているというのをご覧いただきたいと思います。

それから、大腿骨なんですけど、先ほど、恐竜か恐竜じゃないかはここの股関節のところに穴があいているかどうかという風にお話したんですが、この大腿骨の柄が穴にカパッとはまるんですけど、普通だと大腿骨、これは大腿骨、これは膝だとすると、横に大きな突起が出ていて、それがカパッと走った、あの、はまるので、突起は横に伸びているのが基本なんですけど、マプサウルスの場合、ちょっと斜め上に向いているという、ちょっと変わったことをしています。で、それはですね、よーくこれを見ていただくと、ちょっと斜め向いているとか、あと、あそこにある大腿骨を見てみると、ちょっと形が違うなんていうことも、ちらっとご覧いただけたらと思います。それからですね、カルカロドントサウルスの仲間というのは、この顎のところがですね、こういう風に四角くなっている、普通だったら、まっすぐスロープを作って伸びているところが、こういう風にがっくりと段差ができているんですけれど、カルカロドントサウルスの特徴であると、そういうことが言われています。

でまあ、いろいろですね、恐竜学者の人たちは、こういった骨の特徴を元に、種類を決めたり、それから、分類上どんな進化的位置にあるのかというようなことを、研究をしたりしています。で、こちらにメガラプトルという恐竜がいます。で、これはですね、ラプトルという名前を聞くと、たぶん一定の年齢以上の人はですね、ジュラシックパークのラプトルっていうと、ヴェロキラプトルといったり、それからデイノニクスといったりする、そういうあの、すごく俊敏で賢くて、群れをなして行動するような、そういった恐竜のグループのことをご存知だと思います。で、彼らはどうも、すぐ近い親戚が鳥になっていったので、鳥に一番近い恐竜たちとして知られているんですけども、最初にですね、この恐竜が発見されたときに、メガラプトルという名前がついたんですけど、ここの大きな爪がですね、すごく目立っていたので、「あ、これはラプトルの仲間じゃないか」と言う風に考えられて、「あ、これは爪が大きいのでメガラプトルって名前をつけよう」というふうにして名前がつけられました。ちなみに、ラプトルっていうのは、「略奪者」そういった意味なので、大きな爪を使って攻撃をするとかですね、獲物をやっつけるとか、そういった意味合いからラプトルという名前が使われているんですけど、この大きな爪が、元々は足の人差し指のところに付いていたっていうふうに考えられ、それで、これもラプトルである、それで、これもこんな大きな爪は、足に付いていたんだ、でそのラプトルというやつらは、足に大きな一番の武器の爪が付いているんで、例えば大きな獲物に対して何回もとび蹴りをするような活発な行動をしていたんじゃないかというところから、すごく活発で賢くて群れをなして行動して獲物を狙うみたいなイメージで描かれている恐竜たちですが、その後ですね、この手がほとんど丸まる見つかって、このメガラプトルの名前の元になった、大きな鉤爪というのが、実は足じゃなくて手についていたということがわかりました。そんなことから、どうも、あのヴェロキラプトルとか、ああいうラプトルじゃないんだなっていうことは、わかったんですけど、ま、名前が元々メガラプトルという名前が付いているので、ちょっと違っちゃったけども、むやみに名前を変えてしまうとみんなが混乱してしまうので、メガラプトルという名前を使い続けています。

で、この実はですね、ここに大きな爪があったということはですね、すごくこれは特徴的な恐竜なんですけど、今のところですね、どうもこのメガラプトルと、このマプサウルスが同じカルカロドントサウルス科の恐竜じゃないかという説がありまして、同じグループの中でも結構ですね、こういうふうに前の方に大きな爪が付いているような変わったタイプのですね、恐竜もいた、カルカロドントサウルスの中でも、そんな進化をした恐竜がいたらしいということが、解ってきました。というのは、よくですね、こういうメガラプトルみたいのを見たときに、すごく頭が大きいです。頭が大きいとですね、えさに噛み付くのにすごくですね、大きな顎をしているということが、すごくメリットになるって思うんですけど、頭があんまり大きくなりすぎると、2本足で立っていますから、やじろべえみたいに考えたときに、頭がすごく重くなっちゃうんですね。前のめりになっちゃうんですけど、それを恐らく長い尻尾、立派な尻尾をたくわえることによって、うまく前後でバランスをとっていたんじゃないかという、考えられます。そうすると、前の方にすごくバランスがいってしまうのと、頭も大きくてかつ手も大きいと、非常に前にバランスがいってしまうので、頭の大きさのトレードオフで手が小さくなっているんじゃないかなというような説明がよくされるわけなんですけども、このメガラプトルの場合、実際に全身が見つかっていないので、こんな姿かたちをしているかどうかっていうのは、まだ分からないんですけども、えー、非常にこの手が大きいというような方向も、手が短くなるだけじゃなかったということですね、わかってきたりしています。

で、これもですね、いろんな特徴からカルカロドントサウルスの仲間じゃないかということがわかってきたんですけどね、ま、同じグループでも常に似たような進化をしていなかったというようなことも、かいま見られたりしています。

で、ちなみにこのメガラプトルは、元々ラプトルじゃないかって言われていたんですけども、いわゆるヴェロキラプトルとかデイノニクスといった恐竜も、実は北半球の恐竜で、そんなところから、南半球ではこういった鳥に近いようなものというのは、あまり進化していなかったんじゃないかなというふうに考えられていたんですけど、あそこの奥にですね、ウネンラギアというのが、ちょうど皆さんこの部屋を出られるときにですね、一番最後に骨格がありますので、ぜひそれを見ていってください。

で、その隣にパタゴニクスというですね、あの、手が短くなって、くちばしになって歯がなくなっている、ちょっと変わった恐竜がいます。で、はっと見で見ると、パタゴニクスの方が鳥っぽいなという感じがするんですけども、全身の特徴を見てると、むしろウネンラギアの方が、鳥に近いという結果が出ています。いずれにしろウネンラギアのですね、足の指を見ていただくと、非常にこの人差し指のところが大きな爪を持っているということがわかっているので、元々メガラプトルはですね、間違えられたラプトルというのは、ああいうウネンラギアみたいなものだったんだなということを最後に見ていっていただきたいと思います。

で、このマプサウルスに話を戻しますと、マプサウルスは大地という意味で、大地のトカゲという名前がついているんですけども、もう一つ下の名前がですね、ローゼアイといういまして、これはですね、ローズというのはバラの花なんですけども、(会場の映像を見て) ああいう、ちょうど今終わってしまいましたけれど、ああいうところで発掘されていて、岩石の地層の色がですね、ちょっと、バラ茶色というのですかね、そういうような地層の色からローズというのをつけて、あとこの発掘をですね、スポンサーになってくれたローズさんという方がアメリカ人だと思うんですけど、いらっしゃるということで、その、バラ茶色の大地から出てきたということと、そのローズさんという名前をあわせてその名前がつけられたという訳になっています。

で、質問の時間を考えると、そろそろ終わらなくちゃいけないところなんですが、えーとですね、一番おすすめの恐竜は、入っていただいてちょうどこの裏側にニジェールサウルスという草食恐竜がいます。で、歯が変わっていて芝刈り機みたいにですね、草を食べていたという、これはニジェールからですね見つかっているだけの非常に変わった恐竜で、歯の実物化石が向こう側に展示されているので、ぜひご覧になってください。それから、向こう側にですね、壁際のところに竜脚類といって、首が長くて尻尾が長い草食の恐竜がありますが、あれそのものではないんですが、卵が沢山みつかっていて、その中から骨がきれいに見つかっているとともに、まだ生まれる前の赤ちゃんの皮膚の痕がきれいに残っている標本があちらにありますので、ぜひそれも見ていっていただきたいと思います。

そしたらですね、そろそろお時間になってきたので、質問をお受けするようにしたいと思います。

質問:今回の展示で鳥脚類はあそこの1体だけですが、ゴンドワナではほかに見るべき鳥k脚類は発見されているのですか?

答え:北半球に比べるとそんなに数が見つかっていないんですね。ですから、確かにお気づきのように鳥盤類はあの1種類しかなくて、すごく寂しいんですけども、実際に見つかっていないことは全然ないんですけども、あのー、特にですね見つかってい事例とか数とかはすごい少ないですね。あのーよく、鳥盤類とか竜盤類とかっていうのは骨盤の形で恐竜が大きく2つに分けられるということが、大体図鑑の最初のところに必ず載っているんですけども、あちらに行っていただくと、アナビセティアという恐竜が、唯一、この会場では鳥盤類です。そうすると、骨盤の形が、こういった竜盤類と違うというのをですね、形を見ていただけると思うので、ぜひ1体しかないんですけども、見て帰ってやってください。