装盾類(剣竜、ヨロイ竜)に関するニュース
モンゴル、白亜紀後期のアンキロサウルス科恐竜記載 10.28.14
アルバータ大学
モンゴルの上部白亜系Baruungoyot 層から産出した、吻部を欠く頭骨により、記載
されています。これにより、Baruungoyot 層およびNemegt 層から産出した同科恐竜
系統の再検討がされています。
Zaraapelta nomadis 新属新種
アルバータ大学ニュースによると、属名はギリシャ語のハリネズミと盾。スパイクのあ
る外観から。種小名はほぼ20年間にわたり、モンゴルにおける発掘をサポートしてき
た、モンゴルの旅行会社Nomadic Expeditions に献名。
再検討の結果、Dyoplosaurus giganteus は無効名に。Tarchia gigantea のシノニム
とされていた Tarchia kielanae は有効名に。Zaraapelta はTarchia に最も近縁との
こと。
Victoria M. Arbour, Philip J. Currie and Demchig Badamgarav.(2014)
The ankylosaurid dinosaurs of the Upper Cretaceous Baruungoyot and Nemegt
formations of Mongolia
Zoological Journal of the Linnean Society Vol. 172, Issue 3, pp. 631-652
DOI: 10.1111/zoj.12185 アブストラクト
カンフーステゴサウルス 10.22.14
GSA2014プレスリリース 発表要旨
ロバート・バッカーの名を聞くと、懐かしさがこみ上げてきます(本人には失礼かな)。
彼がポスター発表したもの。ステゴサウルスの尾の棘により傷を受けたアロサウル
スの恥骨についてです。彼は感染が太ももの筋肉や腸もおかし、アロサウルスを死
に至らせただろうとしています。
ステゴサウルスの尾の棘による傷痕の残るアロサウルスの脛骨は、2012年に幕張
で開催された恐竜展でも展示されていました。その時は、尾を水平に振るという印象
でしたが、もっと器用に尾を使うことができたのですね。
「研究室」に行ってみた 第3回 ステゴサウルスの大きな棘のナゾも解明
10.08.14 ナショナルジオグラフィック
大阪市立自然史博物館の林昭次さんの研究を、川端裕人さんが切りさばきま
す。棘から何がわかったのでしょうか。
「研究室」に行ってみた 大阪市立自然史博物館 林昭次さん 10.06.14
ナショジオ
第1回 貴重な恐竜化石をぶった切る これは必読ですね!
第2回 ステゴサウルスの背板を切ってわかったこと
米、ニューメキシコ州からアンキロサウルス科恐竜、記載 9.24.14
アルバータ大ニュース
ニューメキシコ州サンフアン盆地の上部白亜系 Kirtland 層(上部カンパニアン)
から産出した完全な頭骨ほかに基づき記載されています。
Ziapelta sanjuanensis 新属新種
頸部に2列に半円状に並んだ他のアンキロサウルス類に例のないスパイクがあ
ること、吻部の装甲は平たいものと盛り上がった皮骨の混在で、大きな三角形のも
のもあることなどの特徴があります。
Arbour VM, Burns ME, Sullivan RM, Lucas SG, Cantrell AK, et al. (2014)
A New Ankylosaurid Dinosaur from the Upper Cretaceous (Kirtlandian) of
New Mexico with Implications for Ankylosaurid Diversity in the Upper
Cretaceous of Western North America.
PLoS ONE 9(9): e108804. doi:10.1371/journal.pone.0108804 論文
ステゴサウルスに感染症 8.21.14
大阪市立自然史博物館
同博物館の、林学芸員-先日サイエンスZEROに出演したあの方です-の研究
について、プレスリリースが出ています。
ステゴサウルスの標本20個体の骨を切って調べたところ、うち2個体の大腿骨
と脛骨から表面には影響がないが内部組織に骨髄炎の痕跡を発見したとのこ
とです。
研究のポイントについては、プレスリリースで
◆ 骨内部の微細組織から、恐竜の病理について記述
◆ はじめて恐竜で多発的におこった感染症の発見
◆ はじめてステゴサウルスで、骨表面には影響のでていない骨髄炎の痕跡を
発見
◆ ステゴサウルスが骨髄炎にかかり易かった可能性を指摘
としています。詳細はリンクのページからプレスリリースを読むのが一番わかりや
すいです。
Ragna Redelstorff, Shoji Hayashi, Bruce M. Rothschild and Anusuya Chinsamy
Non-traumatic bone infection in stegosaurs from Como Bluff, Wyoming
Lethaia DOI: 10.1111/let.12086 アブストラクト
中国遼寧省から基盤的アンキロサウルス科恐竜記載 8.14.14
ライブサイエンス
遼寧省の下部白亜系Jiufotang(九仏堂)層から産出した、殆ど完全な骨格に基
づき、記載されています。
Chuanqilong chaoyangensis 新属新種
属名:"Chunaqi" 中国語で"伝奇"、夥しく壮大な中生代陸上生物化石を産出す
る、伝説的な遼寧省に言及+"long"中国語で"竜"
種小名:産出地を含む広域名称"Chaoyang" 朝陽から産出を表す。
推定体長4.5m。
産地と層準:遼寧省Lingyuan (凌源)市Goumenzi(溝門子)鎮Baishiju(白石咀)村
Jiufotang(九仏堂)層(下部白亜系 アプチアン)
アンキロサウルス科の基盤近くでLiaoningosaurus と姉妹群をなすとしています。
Han F, Zheng W, Hu D, Xu X, Barrett PM (2014)
A New Basal Ankylosaurid (Dinosauria: Ornithischia) from the Lower
Cretaceous Jiufotang Formation of Liaoning Province, China.
PLoS ONE 9(8): e104551. doi:10.1371/journal.pone.0104551論文
アンキロサウルス類の皮骨とその系統的な関連性 7.11.14
アンキロサウルス類、ノドサウルス科、ポラカントゥス科恐竜の皮骨の外部・内部
構造をそれぞれ記載するとともに、それを用いた系統を検討しています。
Michael E. Burns & Philip J. Currie.(2014)
External and internal structure of ankylosaur (Dinosauria, Ornithischia)
osteoderms and their systematic relevance
Journal of Vertebrate Paleontology
Volume 34, Issue 4, 2014
DOI:10.1080/02724634.2014.840309 アブストラクト
長崎市から8100万年前のヨロイ竜の歯 7.07.14
福井新聞 日本経済新聞 福井県立恐竜博物館
福井県立恐竜博物館と長崎市教育委員会は、長崎半島西側の三ツ瀬層
(約8100万年前)からヨロイ竜の歯1個を発見したと発表しました。国内で5例目。
ほかに小型獣脚類の歯2個も発見されています。
歯は最大幅約9.8o、長さ約9oとのこと。
ステゴサウルス類の皮骨分布と重心 3.11.14
ステゴサウルス類のうち大型の種類の上腕骨の形は細長いのに対し、小型の種類の
上腕骨は太いことから、皮骨の分布により重心が異なるのでないかという研究です。
コンピュータ上にKentrosaurus aethiopicus とStegosaurus armatus の立体モデルをつ
くり、比較研究しています。しかし、その違いはあまり重心に影響を与えないそうです。
H. Mallison(2014)
Osteoderm distribution has low impact on the centre of mass of stegosaurs
Foss. Rec., 17, 33-39, doi:10.5194/fr-17-33-2014, 2014.アブストラクト(論文フリー)
古脊椎動物学報2013年第4期 12.06.13
恐竜関係ではこんな論文が出ています。詳しい紹介は後で
三畳紀の魚竜、シャスタサウルスの性的2形
中国甘粛省からアジア初のポラカントゥス亜科ヨロイ竜
甘粛省上部白亜系Hekou(河口)層群から産出した、前-中位尾椎、肋骨、左
腸骨などに基づいて記載されています。
Taohelong jinchengensis 金城?河竜 新属新種
系統分析ではPolacanthus と姉妹群をなし、アジア初のノドサウルス科ポラカン
トゥス亜科恐竜としています。
遼寧省上部白亜系泉頭層産出恐竜化石の分類訂正
国内2例目、富山市大山地域でアンキロサウルス類足跡化石 12.04.13
チューリップテレビ 北日本放送 読売新聞 富山市科学博物館
同地域で2000年に発見されたものに続いて2例目ということです。年代は約1
億2千万年前。前足の長さ19p、幅21p、後ろ足は長さ32p幅44p。5本の指
が並んだ特徴からアンキロサウルス類と推定され、体長3〜4mとされています。
富山市科学博物館で12月7日から1月31日まで展示される予定です。
スペインから基盤的ノドサウルス科アンキロサウルス類記載 12.03.13
Telecinco diariovasco The Salt Lake Tribune
ヨーロッパでもっとも完全な同類の恐竜ということです。
Europelta carbonensis と命名されているそうです。
PLosOne に記載論文が今日掲載されるそうです。
それまで待てない方はこちらのファイルで。
論文掲載されました。
Kirkland JI, Alcala L, Loewen MA, Espilez E, Mampel L, et al. (2013)
The Basal Nodosaurid Ankylosaur Europelta carbonensis n. gen., n. sp.
from the Lower Cretaceous (Lower Albian) Escucha Formation of
Northeastern Spain.
PLoS ONE 8(12): e80405. doi:10.1371/journal.pone.0080405 論文
福井県立恐竜博物館、中国浙江省でアンキロサウルス科恐竜発見 11.26.13
福井新聞
浙江自然博物館との共同調査。同省麗水市の白亜紀後期の地層から少なくとも
3体分の新種と見られる化石を発掘したそうです。これまでアンキロサウルス科恐
竜の産出南限は河南省だったので、分布域が拡大ということになりそうです。
また、トロオドン類の卵化石も見つかっているそうです。
アンキロサウルス科恐竜のレプリカ標本を28日から1月7日まで福井県立恐竜博物
館で展示するそうです。
モンゴル、ゴビ砂漠産の殆ど完全なアンキロサウルス科骨格の分類学上の
アイデンティティ 10.05.13
今までサイカニアとして知られていた標本は、サイカニアではなかったようです。
'中期'白亜紀豪クイーンズランド州からアンキロサウルス類 6.12.13
豪クイーンズランド州 Winton 層(後期アルビアン-セノマニアン)から産出したアンキ
ロサウルス類の歯を記載しています。豪では最も新しい年代のもので、これまで知ら
れる同類とは別の種類とみられています。
Lucy G. Leahey & Steven W. Salisbury (2013) First evidence of ankylosaurian
dinosaurs (Ornithischia: Thyreophora) from the mid-Cretaceous (late Albian?
Cenomanian) Winton Formation of Queensland, Australia.
Alcheringa 37: 261?269 DOI:10.1080/03115518.2013.743703 アブストラクト
アンキロサウルス科恐竜、Euoplocephalus tutus 4つの種に 5.09.13
恐竜の記載がたった1個の骨からされることもありますが、Euoplocephalus tutus の場
合、数十の標本があり、その中の変異が大きいことや年代の異なる複数の地層から産出
しているため、一つの種といえるのかどうか検討した研究です。
その結果、これまでシノニムと考えられていたAnodontosaurus lambei とScolosaurus cutleri
が復活し、これ以前に復活していたDyoplosaurus acutosquameus も認められました。
一方、Oohkotokia horneri はScolosaurus cutleri と形態的に区別できないとしています。
Arbour VM, Currie PJ (2013)
Euoplocephalus tutus and the Diversity of Ankylosaurid Dinosaurs in the Late
Cretaceous of Alberta, Canada, and Montana, USA.
PLoS ONE 8(5): e62421. doi:10.1371/journal.pone.0062421 論文
米モンタナ州から、アンキロサウルス科恐竜記載 2.05.13
ロッキー博物館収蔵の標本に基づき、記載されています。
Oohkotokia horneri 新属新種
上部白亜系ツーメディシン層(カンパニアン)
Paul Penkalski (2013)
A new ankylosaurid from the late Cretaceous Two Medicine Formation of Montana, USA.
Acta Palaeontologica Polonica (in press) doi: http://dx.doi.org/10.4202/app.2012.0125
アブストラクト
アンキロサウルス科恐竜 Scolosaurus cutleri 有効名に 1.11.13
Scolosaurus cutleri はNopscaが1928年に記載したアンキロサウルス科恐竜ですが、その後
Euoplocephalus のシノニム(同物異名)とされています。今回の論文ではあらためて両標本を比
較し、Euoplocephalus 模式標本ではわからない部位について他の標本も使ったうえ、有効な分
類群としています。また、北米上部白亜系のアンキロサウルス類動物相は、これまで考えられて
いたよりも多様であったと結論づけています。
Paul Penkalski & William T. Blows (2013)
Scolosaurus cutleri (Ornithischia: Ankylosauria) from the Upper Cretaceous Dinosaur Park
Formation of Alberta, Canada.
Canadian Journal of Earth Sciences (advance online publication)
doi: 10.1139/cjes-2012-0098 アブストラクト
ステゴサウルスの模式種変更へのコメント 4.14.12
International Commission on Zoological Nomenclature Comment on Stegosaurus
Marsh, 1877
ステゴザウルス属の模式種となっていたStegosaurus armatus は種内のバリエーションが大きくて
疑わしいので、模式種をS.stenops に変更するcase3536の補足ということのようです。
鎧とケラチン質の鱗の印象がその場に残る、モンゴル産のアンキロサウルス科恐竜 2.26.12
1971年のポーランド・モンゴル共同発掘調査で、ネメグト盆地のAltan Uul III で採集された、
Tarchia とされる、鎧やケラチン質の印象が残る標本について、研究されています。
この標本は皮骨の形状や配置など新しい情報をもたらすものとしています。
大型の平たい、キールのある皮骨は骨盤の上に見られ、尾に沿った皮骨には大型の皮骨や、
独自の頂点がない長くのびた皮骨や、中型の楕円形の皮骨が見られる。この標本は、尾部の
棍棒のクラブ部神経棘の形態をはじめ、他の標本と異なった点があるとしています。
Victoria M. Arbour, Nicolai L. Lech-Hernes, Tom E. Guldberg, Jorn H. Hurum,
and Philip J. Currie
An ankylosaurid dinosaur from Mongolia with in situ armour and keratinous
scale impressions
Acta Palaeontologica Polonica in press available online 17 Feb 2012
doi:10.4202/app.2011.0081 アブストラクト
アンキロサウルスはなぜ海の真ん中で見つかったか 1.31.12
smithsonianmag.com
カナダ、アルバータ州北部のSuncor
鉱山で発見されたアンキロサウルス。ここは白亜紀には
海の真ん中だったそうです。なぜ、そんなところで化石になったのでしょう?泳いでいたのでしょ
うか?
ロイヤルティレル博物館のドナルド・ヘンダーソンがその謎を解いてみせます。
動画(実際には静止画)を再生すると、その講演が再生されます。そんなに早口でないし、赤字に
白文字でCCと書いてある所をクリックすると、英語字幕も出ます。
ユーチューブで見たい方はこちら
ピナコサウルスの手、足および習性 1.09.11
Philip J. Currie, Demchig Badamgarav, Eva B. Koppelhus, Robin Sissons, and
Matthew K. Vickaryous
Hands, feet and behaviour in Pinacosaurus (Dinosauria: Ankylosauridae)
Acta Palaeontologica Polonica in press doi:10.4202/app.2010.0055
モンゴル、南ゴビ県アラグ・テグ産のアンキロサウルス科Pinacosaurus の指の
本数や指節数についてと、幼体の習性について論じています。
アンキロサウルス類の手足の構造については、不完全な保存や標本のために
殆ど明らかになっていないが、著者達により採集された14個体以上に及ぶアラグ・
テグ産の幼体新標本(前後肢は関節しているが、胴部などは関節していないか、
失われたものが多い)により前肢は5本指、その指節は2-3-3-3-2、一方後肢は
3本指でその指節はX-3-3/4-3/4-Xとされています。
ピナコサウルス幼体化石標本はアラグ・テグに限らず他の産地でも多数産出してい
るため、ピナコサウルス幼体は恐らく群居性だったのだろうとしています。
丹波で鎧竜歯化石 1.08.11
人と自然の博物館ニュース1 ニュース2 神戸新聞 読売新聞
第4次調査で発掘した岩くずから出たものです。前期白亜紀の曲竜類(鎧竜)歯化
石は日本最古となるそうです。篠山市主催の体験発掘会(2010年10月23日・西紀
支所)に参加した小学3年生の田中翔己君により発見されました。
ステゴサウルス類の論文続き 9.12.10
新しい模式種指定が必要なステゴサウルス属
Stegosaurus armatus Marsh 1877が無効名となっているため、 Stegosauria Marsh 1877、
Stegosauridae Marsh 1880、Stegosauroidea, Stegosaurinae. などの分類群名を保全するた
めにはStegosaurus stenops Marsh 1887 を模式種として国際動物学名法審議会に申請
されるだろうとしています。
Peter M. Galton
Species of plated dinosaur Stegosaurus (Morrison Formation, Late Jurassic)
of western
USA: new type species designation needed
Swiss Journal of Geosciences DOI: 10.1007/s00015-010-0022-4 アブストラクト
ニューサイエンティスト
ワイオミング、モリソン層産出、ステゴサウルス類外皮印象化石
Hesperosaurus mjosi の背のプレートを含む胴部皮膚印象化石を記載しています。印象
についてGigantspinosaurus sichuanensis と同様としています。比較的大きい多角形のこ
ぶ周囲を小型の鱗が取り巻いているものです。ただしプレートにうろこ状のあとはなく、ケラ
チン質で覆われていたと解釈されるそうです。
Nicolai A. Christiansen and Emanuel Tschopp
Exceptional stegosaur integument impressions from the Upper Jurassic Morrison
Formation of Wyoming
Swiss Journal of Geosciences DOI: 10.1007/s00015-010-0026-0 アブストラクト
ステゴサウルス類の化石記録と系統関係の歴史的レビュー
Susannah C. R. Maidment
Stegosauria: a historical review of the body fossil record and phylogenetic
relationships
Swiss Journal of Geosciences DOI: 10.1007/s00015-010-0023-3 アブストラクト
Kentrosaurus aethiopicus Hennig 1915 の動作姿勢と範囲についてCADによる評価
Kentrosaurus aethiopicus の骨を高精細レーザースキャンにより分析したところ、前肢
の歩行姿勢は直立だった、また強度の屈曲と外転は主に防御の身構えにより生じた。
Heinrich Mallison
CAD assessment of the posture and range of motion of Kentrosaurus aethiopicus
Hennig 1915
Swiss Journal of Geosciences DOI: 10.1007/s00015-010-0024-2 アブストラクト
ステゴサウルス類についての論文 9.08.10
Swiss Journal of Geosciencesにステゴサウルスについての論文がいくつか出てい
ます。昨年、スイスAathalで開催されたステゴサウルスシンポジウムで投稿されたもの
のようです。
Jean-Paul Billon-Bruyat, Jean-Michel Mazin and Joane Pouech
A stegosaur tooth (Dinosauria, Ornithischia) from the Early Cretaceous
of
southwestern France
DOI: 10.1007/s00015-010-0028-y アブストラクト
フランス南西部シャラント県Cherves-de-Cognac 、前期白亜紀 (Berriasian)の地層か
ら産出したステゴサウルス類の歯について記載しています。前期白亜紀フランスで初
めてとなる同類の歯であるとともに、ヨーロッパで2番目のステゴサウルス類歯冠とな
ります。ステゴサウルス類がこの時代ヨーロッパにも分布していた証拠となります。
Miriam Reichel
A model for the bite mechanics in the herbivorous dinosaur Stegosaurus
(Ornithischia, Stegosauridae)
DOI: 10.1007/s00015-010-0025-1 アブストラクト
Stegosaurus の摂食メカニズムについてZBrushという3Dソフトウェアを用いたモデルを
作り、さらにStrand7というソフトウェアにより有限要素解析しています。
歯にセレーションのあるモデル、無いモデル両方について解析していますが、頭蓋にか
かるストレスはどちらも同じようなもので、大部分顎の骨にかかることがわかりました。
また、植物もモデルを作りシミュレートすると、小枝まで齧り取る力があることがわかった
としています。
James O. Farlow, Shoji Hayashi and Glenn J. Tattersall
Internal vascularity of the dermal plates of Stegosaurus (Ornithischia,
Thyreophora)
DOI: 10.1007/s00015-010-0021-5 アブストラクト
X線CTスキャンを用いて、Stegosaurus の背のプレートおよびアリゲーターの背の骨板
の内部の特徴を調べています。
また、体が温まったカイマンの赤外線サーモグラフィイメージングを、骨板と体の他の部
分の血流を比較するために用いています。
ステゴサウルスのプレート基部には複数の大きな開口部があり、内部に向かい枝分か
れしてさらに血管と思われる区域につながり、表層部の網目状の部分まで続きます。
アリゲーターの骨板も同様の内部の血管を示します。アリゲーターの骨板は鎧として、ま
た地上移動の際に背を硬くするのに役立つが、温まったカイマンの赤外線画像から示唆
されるように、骨板内の血管は、骨板のカルシウムを卵殻のもととしたり、乳酸隔離のサ
イトとしたり、外部環境との熱交換の可能性を示している。装盾類の骨板も同様に複数
の機能があっただろう。Stegosaurus のプレートの潜在的な熱交換の役割は、プレート
内部や外部近くの血管、プレートの大きさ、薄い断面、交互に並んでいることなどから、
他の装盾類より大きかったかもしれない。
Kenneth Carpenter
Species concept in North American stegosaurs
DOI: 10.1007/s00015-010-0020-6 アブストラクト
Hesperosaurus mjosi が有効な属種か近年疑問が投げかけられていることについて再
検討し、結論としては独自の分類群としています。
ポルトガルから「竜脚類もどき」クビの長いステゴサウルス類 2.25.09
Octa'vio Mateus, Susannah C.R Maidment and Nicolai A Christiansen
A new long-necked ‘sauropod-mimic’ stegosaur and the evolution of the
plated dinosaurs
Proc. R. Soc. B published online before print February 25, 2009,
doi:10.1098/rspb.2008.1909 アブストラクト(論文ダウンロードできます)
後期ジュラ紀のポルトガルから、17個以上の頚椎をもつステゴサウルス科の
新属新種が記載されています。
Miragaia longicollum
属名は産出地から、種小名はラテン語で長い頚部を意味します。
サイエンスニュース ナショナルジオグラフィック(日)
出自不明な標本に基づく論文に古生物学者の非難 2.03.09
ネイチャーニュース
1月13日付でお知らせしたアンキロサウルス科Minotaurasaurus ramachandrani 記載
について、報じられています。パンテオンでも「産地・層準が明確でないので、本当に有
効な学名になるのかどうか・・・?」とコメントしていたものです。
この標本は、アマチュア古生物学者Vilayanur Ramachandranが、ツーソンミネラルショー
で10,000ドルで購入したものです。
これについて、標本が違法にゴビ砂漠から持ち出されたものかも知れないことから、非難
が出ています。アメリカ自然史博物館のマーク・ノレルは「盗まれた財産であるから、その
標本に基づき記載することは全く不適切だ」と述べています。
この論文は2006年、ポーランドの専門誌(といえばあれですね)に掲載を断られたそうで
す。その標本の出自に疑問を持たれたからです。フィリップ・カリーは「このような標本の
記載は、違法な取引を助長するだけだ」と述べています。
さて、この行方はどうなるのでしょう。
Clifford A. Miles and Clark J. Miles
Skull of Minotaurasaurus ramachandrani, a new Cretaceous ankylosaur from the
Gobi Desert
CURRENT SCIENCE, Vol. 96, No 1, 10 JANUARY 2009 pp.65-70
論文
アンキロサウルス科Minotaurasaurus ramachandrani 記載 1.13.09
テレグラフ
Clifford A. Miles and Clark J. Miles
Skull of Minotaurasaurus ramachandrani, a new Cretaceous ankylosaur from the
Gobi Desert
CURRENT SCIENCE, Vol. 96, No 1, 10 JANUARY 2009 pp.65-70
論文
アンキロサウルス科の新属新種Minotaurasaurus ramachandrani を記載しています。
ただ、産地・層準が明確でないので、本当に有効な学名になるのかどうか・・・?とい
う感じもします。
参考:Western Paleontological Laboratories
中国四川省後期ジュラ紀剣竜類皮膚印象化石 7.31.08
?立達、彭光照、舒純康
四川自貢地区晩侏羅世剣竜類皮膚印痕化石新観察
地質通報vol.27 No.7 pp.1049-1053
自貢、沙渓廟層から産出したGigantspinosaurus sichuanensis 皮膚印象化石につ
いて、記載しています。その鱗は大抵5角形で、4角形や6角形のものも少数あるそう
です。小さい鱗がある中に大きい5角・6角の鱗が散在し、大きい鱗は13から14の鱗
に囲まれているそうです。 この印象は前肢の肘部であるそうです。
?立達のサイトから論文ダウンロードできます。
アンキロサウルス科Crchitonsaurus の新種 1.21.08
LU Junchang, JI Qiang, GAO Yubo and LI Zhixin
A new Species of the Ankylosaurid Dinosau Crichitonsaurus (Ankylosauridae:
Ankylosauria)from the Cretaceous of Liaoning Province, China
ACTA GEOLOGICA SINICA(地質学報英文版) Vol.81No.6 pp.883-897
Crichitonsaurus の属名は、「ジュラシックパーク」の原作者、マイケル・クライトンに献名さ
れたものです。この論文では同属の新種C. benxiensis を記載するとともに、Crichitonsaurus
属をアンキロサウルス科に位置づけています。
麗水浙江竜 8.12.07
麗水網 浙江省文化庁 浙江自然博物館ニュース 日本経済新聞
Zhejiangosaurus lishuiensis の報道がいくつか出ています。
この化石は、浙江麗水(Lishui)市聯城(Liancheng)鎮白前村というところで、高速道路の工事中
に発見されたものです。この地域では1976年に同村民の陳国富という者が仏堂山で柑橘類を
植えるのために穴を掘ったところ、骨頭が出土したのが化石発見の始まりで、この時の骨頭は
大腿骨だったようです。
1999年9月8日、麗水市の考古調査チームが高速道路工事地区の調査をしたところ、白前村黄
弄崗で恐竜化石を発見し試掘。さらに2000年3月下旬、浙江自然博物館が佛堂山とも平行して
発掘をすると、竜脚類頚椎骨、肉食恐竜の歯とともにこの恐竜が産出したのだそうです。
ノドサウルス科の新属新種として記載されています。
完模式標本として、8個の椎体からなる仙椎、完全な右腸骨、坐骨近位端、完全な恥骨、左腸
骨部分、完全な両後肢、14個の尾椎骨および部位不明な数個の骨があげられています。
Zhejiangosaurus lishuiensis の報道 11.02.07
人民日報で報道しています。写真があります。
Transactions of the Kansas Academy of Science Contents of Volume 110 (2007) 8.03.07
Skull of the ankylosaur Niobrarasaurus coleii (Ankylosauria: Nodosauridae) from the Smoky
Hill Chalk (Coniacian) of Kansas, p. 1-9. K. Carpenter and Michael J.
Everhart.
頭骨再記載により、吻部はより細長くなっています。
中国浙江省麗水市後期白亜紀産のノドサウルス科恐竜 7.19.07
LU Junchang(呂君昌), JIN Xingsheng, SHENG Yiming, LI Yihong 2007.
New Nodosaurid Dinosaur from the Late Cretaceous of Lishui, Zhejiang Province,
China
ACTA GEOLOGICA SINICA(地質学報英文版) vol.81No.3 pp.344-350
Zhejiangosaurus lishuiensis gen et sp. nov. を記載しています。
属名は浙江+saurus、種小名は完模式標本の産地麗水から。
詳細は後日。
中国新疆ウイグル自治区上部ジュラ系石樹溝層産、初のステゴサウルス類 7.19.07
JIA Chengkai, Catherine A. FOSTER, XU Xing and James M. CLARK 2007.
The First Stegosaur (Dinosauria, Ornithischia) from the Upper Jurassic
Shishugou
Formation of Xinjiang, China
ACTA GEOLOGICA SINICA(地質学報英文版) vol.81No.3 pp.351-356
中国新疆ウイグル自治区ジュンガル盆地の上部ジュラ系石樹溝層から産出したステ
ゴサウルス科恐竜を記載しています。
Jiangjunosaurus junggarensis, gen et sp. nov.
属名Jiangjunは「将軍」+saurus。完模式標本産地近くのさびれた町「将軍廟」から。
種小名は産地が含まれるジュンガル盆地から。
詳細は後日。
スペイン、Soria産出のポラカントス化石 7.18.07
Pereda-Suberbiola, X., Fuentes, C., Meijide, M., Meijide-Fuentes, F., and
Meijide-Fuentes, M., Jr. 2007.
New remains of the ankylosaurian dinosaur Polacanthus from the Lower Cretaceous
of Soria, Spain.
Cretaceous Research. doi: 10.1016/j.cretres.2006.09.001.
Cameros盆地東部Zorralboから産出したPolacanthus化石について。
ヨーロッパで最古の記録(late Hauterivian to basal Barremian)になるそうです。
中国河南省から産出したノドサウルス科恐竜 7.02.07
ポルトガルからステゴサウルス属産出 12.30.06
New Evidence of Shared Dinosaur Across Upper Jurassic Proto-North Atlantic:
Stegosaurus From Portugal.
Escaso, F; Ortega, F.; Dantas, P.; Malafaia, E.; Pimentel, N.L; Pereda-Suberbiola, X.; Sanz,
J.L.; Kullberg, J.C.; Kullberg, M.C.; Barriga, F.
Naturwissenschaften online first DOI:10.1007/s00114-006-0209-8
北米大陸以外で初めて発見された、疑問の余地のないステゴサウルス属としています。
(Stegosaurus cf. ungulatus) この発見は、上部キンメリッジアンから下部チトニアンのポ
ルトガルの地層と北米のモリソン層との同時層準が後期ジュラ紀に、この二つの地域が近
い関係にあったという仮説を補強するとしています。また、この関係は、ニューファンドランド
とイベリア地域に明瞭な回廊があった高い可能性を導く地質構造上の証拠をも補強する。
と共に、ポルトガルのステゴサウルス属の発見と地質構造上の推論から、最上部キンメリッ
ジアンから最下部チトニアンまで(1.48億年かあ1.53億年前)北大西洋の陸地に明瞭な動物
相の接触があったというシナリオをもたらすかもしれないとしています。
ユタで最大、最重量のヨロイ竜発見 5.31.06
Local6.com
ガストニアの3倍、10,000ポンドになるヨロイ竜ということです。動画ニュースもあります。
Salt Lake Tribune ABC4
メキシコ産アンキロサウルス科の皮骨 5.11.06
Ankylosaurid (Dinosauria: Thyreophora) osteoderms from the Upper Cretaceous
Cerro del Pueblo Formation of Coahuila, Mexico
論文ダウンロードできます。
ジェームス・ロス島(南極)産アンキロサウルス類恐竜の再検討 4.03.06
Reappraisal of an ankylosaurian dinosaur from the Upper Cretaceous of
James Ross Island (Antarctica)
Leonardo SALGADO, Zulma GASPARINI
Geodiversitas 28 (1) :119-135.論文
Antarctopelta oliveroi n. gen.,n. sp.,
詳細は後日
装盾類恐竜の骨板の進化と機能 6.21.05
The evolution and function of thyreophoran dinosaur scutes:
implications for plate function in stegosaurs
Russell P. Main, Armand de Ricqles, John R. Horner, and Kevin Padian
Paleobiology: Vol. 31, No. 2, pp. 291?314.
ちょっと前に一般メディアでニュースになった話題の論文です。
骨板は熱交換や性的ディスプレイでなく、仲間の認識のためという
役割が一番妥当としています。
Ankylosaurus magniventris 再記載 8.12.04
パキケファロサウルス類(pachycephalosaurs:鳥盤類:周飾頭類)の頭部組織学
からその一時的構造と頭突き行動が矛盾することが明らかに 5.5.04
モンゴル、ウカー・トルゴッド産のピナコサウルス新標本 2.22.03
A New Specimen of Pinacosaurus grangeri (Dinosauria: Ornithischia) from
the Late Cretaceous of Mongolia: Ontogeny and Phylogeny of Ankylosaurs
ROBERT V. HILL, LAWRENCE M. WITMER, and MARK A. NORELL
American Museum Novitates: No. 3395, pp. 1-29.
Euoplocephalus tutus 頭蓋の再記載 12.22.02
A redescription of the skull of Euoplocephalus tutus (Archosauria: Ornithischia):
a foundation for comparative and systematic studies of ankylosaurian dinosaurs
MATTHEW K. VICKARYOUS and ANTHONY P. RUSSELL
Zoological Journal of the Linnean Society Volume 137 Issue 1 Page 157 -
January 2003
Euoplocephalus は北米白亜紀後期から見つかっているヨロイ竜です。
完模式標本も含め、その後産出した頭蓋により再記載しています。
遼寧省北票から産出したアンキロサウルス類化石 11.10.02
遼寧北票地区一新的甲竜化石
古脊椎動物学報第40巻第3期 pp.276-283
董枝明
北票地区の地層年代とアンキロサウルス類の系統および地理分布を研究
する際に重要な意義をもつとしています。
分類
アンキロサウルス類
科未定
Crichtonsaurus bohlini gen.et sp.nov.(歩氏克氏竜 新属新種)
語源
属名は”ジュラシックパーク”の作者、マイケル・クライトンにちなむ。同映画
の上映により恐竜をポピュラーなものにし、恐竜学研究を推進したということ
のようです。
種小名はスイスの古生物学者、B.Bohlin にちなむ。とりわけ、甘粛省河西
走廊地区のヨロイ竜研究を記念してだそうです。
完模式標本 IVPP V 12745 歯が3本ついた下顎骨
’帰入’標本 IVPP V 12746 2個の頚椎、1個の完全な胴椎と1個の破砕し
た甲片。
LPM-101 頚椎、胴椎の一部、癒合した仙椎とその前の椎棒、1つの関連
した尾椎、肩帯と部分的な前肢、後肢および足、骨甲など
産地と層準
遼寧省北票市下府郷双廟村、孫家湾層底部紫紅色粗砂礫岩層、白亜紀
後期の早期 ただし、その層の中に凸レンズ状になっている灰緑色の砂
泥岩から産出したそうです。地層層位については、別にどのようにして孫
家湾層と判断したか経緯が述べられています。最初化石に付いていた札
ではジュラ紀後期の土城子層となっていたが、それに疑問を抱いた董枝明
は2001年5月と6月に現地を踏査し、GPSで経緯を測定した結果を1967年
に出版された朝陽地区の1/30万地質図で確認しています。
特徴(何とか意味がとれるもののみ抜粋)
中程度の大きさのアンキロサウルス類で、体長は約3m。下顎骨は低く、
外側に覆っている骨甲はない。歯は比較的小さく、歯冠は対象形、両側に
4-5の小歯がある。頚椎椎体は短く、前関節面は平ら、後関節面は比較
的深い。胴椎椎体はおよそ前後関節面とも平ら、神経弓は比較的高く、神
経棘は板状で先端は膨大していない。仙椎は4個が癒合している。尾の前
部椎体は短く、長い横突起がある。後部椎体は癒合してコン棒状になって
いる。両側に対称形に配列された膜質骨板がある。肩甲骨と烏口骨は癒
合していない。膜質骨甲の形は多様。頚骨と骨甲は癒合し半環状をなす。
参考 中国恐竜網
なお、2000年に、董枝明によりクライトンにちなむヨロイ竜命名
Bienosaurus crichtonii という話がありました。が、結局流れて
Bienosaurus lufengensis となり、2001年7月に発行されたフィリップ・カリー
のための論文集”Mesozoic Vertebrate Life "中で記載されています。
このとき、クライトンに献名できなかったので、別のヨロイ竜に命名したので
しょうか。
アイルランドから初の恐竜化石 11.25.01
DinosaurML によると、アイルランド北部の海岸、下部ジュラ系の泥岩か
ら恐竜化石が出ているそうです。Roger Byrne というアマチュアコレクターが
発見したもの。20年以上前に大腿骨近位端を発見。より最近、同じサイトか
ら、大腿骨近位骨幹、スケリドサウルスのものと思われる、5角形の皮骨板
が発見されているそうです。
これらは現在アルスター博物館で展示され、論文の準備もされているそうで
す。
中国下部白亜系からの新しいアンキロサウルス科恐竜11.22.01
A new ankylosaurid (Dinosauria: Ankylosauria) from the Lower Cretaceous of China,
with comments on ankylosaurian relationships
Matthew K. Vickaryous, Anthony P. Russell, Philip J. Currie, and Xi-Jin
Zhao(趙喜進)
Canadian Journal of Earth Sciences 38: 1767-1780
中国アラシャン砂漠で中国ソヴィエト共同遠征(1959-1960) 中の発掘によ
り、大型の、実質上完全なアンキロサウルス類骨格が採集された。
Gobisaurus domoculus gen. et sp. nov. はShamosaurus scutatus に
ごく近縁であるが、癒合しないで底翼状骨-翼状骨が接している点、長く伸
びた鋤骨の前顎骨突起を有する点で異なっている。頭部より後部の資料な
しに決定的な分類上の位置付けを行うのは難しいが、予備的な系統分析で
は、Gobisaurus はShamosaurus の姉妹群として位置付けられ、アンキロ
サウルス亜科のいくつか連続する外群の一つとして集束する。
内蒙古自治区で、最も保存のよいアンキロサウルス類化石発見11.09.01
阿拉善(アラシャン)左旗、罕鳥拉(ハンウラー)で発見されたもの。蒙古
自治区地質学会地層古生物研究中心の譚琳によると、1個の完全な頭骨、1
対の大腿骨、1個の尺骨、1個の肩甲骨、2個の脛骨、2個の脊椎骨と若干の
尾椎骨、肋骨と不定形の甲片などが産出されたそうです。
推定体長8-9m、体高2m。新属の可能性が高い。
暫定的に罕鳥拉竜(Hanwulosaurus)と呼ぶそうです。
新華社
リャオニンゴサウルスのディテール8.06.01
遼寧省義県層から発見されたヨロイ竜、リャオニンゴサウルスについて、
Mickey MortimerがDinosaurMLにポストしています。
私もまだ読んでいないのですが、大いに興味をひかれますね。
英スカイ島で発見された最古の剣竜化石8.03.01
ニール・クラーク博士と剣竜化石は、金子隆一氏のイギリス恐竜紀行(ディノプ
レス第4号。写真はパンテオンにもあり)で紹介されています。
発見は1977年でしたが、その後長く正体がわからなかったものです。同博士に
より記載されました。論文が入手できましたら概要をお知らせします。
Clark NDL. 2001. A thyreophoran dinosaur from the Early Bajocian
(Middle Jurassic) of the Isle of Skye, Scotland.
SCOTTISH JOURNAL OF GEOLOGY. 37: 19-26, Part 1
参考:地質学協会(スコットランド) グラスゴー大プレスリリース1999年
ニール・クラーク博士のページ
中国遼寧省義県層から曲竜類幼体7.30.01
short communication: A juvenile ankylosaur from China
Naturwissenschaften Vol.88 Issue7(2001) pp297-300.
徐星、汪筱林、Hai-Lu You(IVPP)
遼寧省義県層から新属新種としてLiaoningosaurus paradoxus gen. et sp. nov.
が報告されています。
非常によく保存された幼体で、DinosaurMLによると、体長34cm以下だそうです。
腹部を覆う甲羅のような大きい骨質の装甲板があり、このような構造は恐竜では
初めてのものだそうです。
アンキロサウルス科とは異なった特徴が多く、分岐分析ではその姉妹科にあた
るノドサウルス科に置いています。
曲竜類の2つの科の中間的な位置にあることから、曲竜類の単系を支持すると
しています。
この発見は最小の曲竜類標本であるとともにアジアで最初の完全なノドサウル
ス科標本であるとしています。
タイでステゴサウルス類化石 3.06.01
DinosaurMLによると、タイのジュラ紀後期Phu Kradung 層からステゴサウルス
脊椎骨が出土したようです。
Buffetaut, E., Suteethorn, V., and Tong, H. 2001.
The first thyreophoran dinosaur from southeast Asia: a stegosaur vertebra
from the Late Jurassic Phu Kradung Formation of Thailand.
Neues Jahrbuch fur Geologie und Palaontologie Monatshefte 2001(2): 95-102.
Tree of Life の Ankylosauria ページ1.3.01
12月22日付けでケネス・カーペンターが掲載しています。アンキロサウルス類の
理解のためには見逃せないページでしょう。
マイケル・クライトンにちなむ装盾類の祖先、命名へ11.17.00
ノースカロライナ自然史博物館(心臓化石のWilloがある)ニュースです。
現在、同博物館では特別展"Dinosaurs
of Jurassic Park " を開催してい
ます。その中のセレモニーで董枝明が明らかにしたもの。
董枝明はクライトンに頭骨のキャストを贈呈したそうです。それは1月15日ま
ではこの特別展で展示されます。
肝心の恐竜はジュラ紀前期、約1億8千万年前のもので、雲南省禄豊(ルー
フェン)で発見された最古の装盾類の祖先と信じられるものだそうです。
1938年にDr. M.N. Bien により採集されましたが、これまで新種と認識され
ていませんでした。
董枝明によると不完全な下顎と頭骨断片が発見されています。彼によれば
体長約90cm、頬にもよろいがあり、独特の小さい葉のような形をした湾曲し
た歯列をしているそうです。
2足歩行で、他の原始的な装盾類スクテロサウルス(アリゾナ産)、スケリド
サウルス(英国)、ターティサウルス(中国)と類縁関係があるそうです。
一応ここでは表題を「装盾類」としましたが、ニュースでは董枝明が「クライト
ンのアンキロサウルス」と言ったという文があります。ということはアンキロサ
ウルス科の祖先と考えているのでしょう。
で、その最も肝心の名前はというと、MSNBCニュースによてば、
Bienosaurus crichtonii となるようです。属名はDr. M.N. Bienにちなみ、
種名はクライトンにということですね。正式には、来年夏インディアナ大で
出版予定の本"Mesozoic Vertebrate Life"中で記載され、学名が確定
するそうです。待ち遠しいことです。
蛇足:ジュラシックパークがらみの恐竜名は、やはり董枝明によりティアン
キサウルス(テンチサウルス) Tianchisaurus nedegoapeferima が命名さ
れています。
これは、金子隆一氏の「覇者・恐竜の進化戦略」に出ているようにスピル
バーグのIVPPに対する2万5千ドル寄付の見かえりだそうですが、奇しくも
これもアンキロサウルス科。ドンさんはジュラシックパークと聞くとアンキロ
サウルスを連想するのでしょうか。
蛇足2:金子隆一氏に心当たりがあるかどうか確認したところ、5年ほど前
顎の骨を見たことがあるとのことです。
ノースカロライナ自然史博物館ニュース
CNNニュース MSNBCニュース
参考:マイケル・クライトン オフィシャルサイト
富山県大山町で発見されたアンキロサウルス類化石については
ここをクリックしてください。
ガストニアのニュース10.23.99
SVP総会発表もののニュースです。本来の発表は
ユタで発見された4種の鎧竜の紹介ですが、ここでは
ガストニアに絞って紹介しています。
ディスカバリーオンライン
東ユタ大有史前博物館
スコットランド・スカイ島から最古のステゴサウルス9.12.99
1977年5月、エジンバラ在住のColin Aitken( 37)は休日を妻と3人
の子どもと共にスコットランド北部のスカイ島の海岸でキャンプをして
過ごしていました。そこで彼は子どもに化石さがしをさせたそうです。
その海岸の岩は'94年以来化石が出るので有名だったそうです。
彼らが疲れて黄色い砂岩に座り込んだところに長さ25cmほどの黒い
骨の化石があったそうです。
岩は掘り出すには大きかったので、一家は一旦エジンバラに帰り、
スカイ島の博物館に連絡して戻ったのですが、その時には骨は持ち
去られていました。しかし、残余はあり、それはこれまで知られていな
い恐竜の肘関節の部分、橈骨、尺骨であることがわかりました。
ハンテリアン博物館のキュレーター、Neil Clarkが18か月間研究した
結果、これはこれまで知られていなかった1億7千5百万年前のステゴ
サウルス類の最古の化石であることが判明しました。この頃のスカイ
島は、まだ北米大陸につながっていたそうです。アメリカではワイオミ
ング周辺で足跡化石は発見されていますが、この頃の骨化石は未発
見だそうです。Clarkによれば、このステゴサウルス類は全長4m、体高
1.5mほどで、この類では少し小さい方だそうです。
BBCニュース
タイムズ
グラスゴー大学プレスリリース
参考:ハンテリアン博物館 '94年スカイ島で発見の竜脚類について
Scottish
Dinosaurs
これまでで最大のヨロイ竜発見、クリーブランド博で発表4.27.99
James Kirklandの発表で、ユタのボーンサイトで各々30フィート(10m)
以上のアフリカゾウより大きいアンキロサウルスや、ノドサウルスが
発見されたそうです。
化石は2つの不完全な頭骨や肋骨、一掴みの装甲、アンキロサウルス
のいくつかの脊椎骨及び、ノドサウルスの肩のとげとより小さい数ダース
の骨を含んでいます。
アンキロサウルス、ノドサウルスは共にジュラ紀にアジアから北米に
一時的な地峡を渡ってきたと信じられていました。
デンバー自然史博物館のケネス・カーペンターは、アンキロサウルスの
発見は地峡の存在を2千万年前から1億1千万年前に遡らせると、述べ
ています。
一方、ペンシルバニア州立博物館のロバート・サリバン−彼は最近、
SVP(古脊椎動物学協会)の機関誌(JVP)にニューメキシコで発見され
たアンキロサウルス科の新属新種Nodocephalosaurus Kirtlandensis
の記載論文を発表したばかりです。これはアジアで発見されたサイカニ
アやタルキアに非常に近い種類とされています−は、ほかの種類より
殆ど50%も大きいアンキロサウルスは、恐竜の科が今まで考えられてい
たよりも複雑であることを示す。しかし、記載が入手できるまで評価は困
難だと、述べています。
化石は5月23日までクリーブランド自然史博物館で開催中のThe Lost
World: Jurassic Park特別展で展示されます。また、ユタ州プライスの東
ユタ有史前博物館でキャストは保管されています。
いずれにしても正式な記載が待たれます。
ヤフーニュースライン
CNNニュース
ABCニュース(発表の様子頭骨写真あり)
ABCニュース(関連ニュース)
ABCニュース(関連ニュース)
参考:Dinosaur
Web
クリーブランド自然史博物館The
Lost World: Jurassic Park
(5月23日まで開催)
熊本県御船町でよろい竜の歯化石発見1.12.99
御船町教委は同町田代で約9千万年前のよろい竜の歯を1本発見と
発表しました。抜け落ちたものと考えられています。全長約7ミリ、幅約
5ミリ。歯根部分が欠けているので、完全な状態なら約15ミリと推定され
るとのこと。摩耗状況から右側の上か下の歯と考えられるそうです。
同町恐竜博物館に1月15日から2月28日まで展示されます。
国内のよろい竜歯化石の発見は北海道に続き2例目。
西日本新聞
御船の恐竜
参考:毎日新聞北海道で発見されたよろい竜のニュース('96年1月23日)
ガーゴイレオサウルスも登場6.29.98改
羽毛恐竜の陰にかくれていますが、同じネイチャーに
Gargoyleosaurus parkpini gen. et sp. nov.,のリポートが
掲載されています。ジュラ紀のアンキロサウルス科の恐竜で、
私は一昨年、デンバー自然史博物館でケネス・カーペンターに
頭骨を見せてもらいました(といっても説明を受けたわけではあ
りませんが)。
属名の由来は、印象がガーゴイル(パリのノートルダム寺院の
屋根に乗っている怪物)に似ているところからです。
種名は、発見者のJ.ParkerとT.Pinegerにちなんでいます。
カーペンター、C Miles & K Cloward の共同執筆で、アンキロサ
ウルス科で最も原始的な恐竜として紹介しています。ワイオミン
グのジュラ紀後期のモリソン累層で出土したもので、後期白亜紀の
アンキロサウルスのもつ特徴を既に備えています。(頭骨及び下顎
骨表面に被甲骨が融合、頭骨の眼窩後方及び上部側頭部の2カ
所の開口部の閉鎖)、
ノドサウルス科とアンキロサウルス科に共通の特徴を持っており、
これは、曲竜類が単一の祖先から派生したという説の裏付けとなる。
と、しています。
参考:ガーゴイレオサウルスの写真3点 斜め正面から、もっと斜めから、側面(ややブレ・露出不足)