■SVP2002年度総会レポ−ト

サム・ノーブル博物館
SVP2002ホストとなったサム・ノーブル博物館

 2002年度のSVP総会は、オクラホマ州立大学サム・ノ−ブル博
物館がホストとなり、
2002年10月9日より12日まで、オクラホマ州
ノ−マンにおいて開催された。少々遅くなっ
たが、ここにその模様
をレポ−トしたい。

 オクラホマといえば、恐竜マニアには近年まで今ひとつ食指の動
かない地名ではなかったかと思う。しかし、1980年代以降、オクラ
ホマの白亜紀前期からは、アクロカントサウ
ルスの完全骨格をは
じめ、サウロファガナクス、サウロポセイドンといった大物が次々に
姿を現し、最近ではちょっとした注目スポットになりつつある。

 だが、その前に、これだけはご当地で絶対忘れてはならないのが、
ペルム紀前期の陸上脊椎動物群、とりわけディメトロドンやオフィア
コドンに代表される盤竜類である。実際のところ、ペルム紀前期の
地層は世界中に広く分布するにも関わらず、盤竜類の良好な化石は
テキサス、オクラホマの200 km四方の地域からしか発見されていな
いと言われるほど
である。もっとも、最近では、ドイツで初めてディメ
トロドンの化石が発見されるなど、状況は多少変わってきているよう
だが。

 ともあれ、オクラホマへ行くとなったら、何はさておいても盤竜類の
化石と、できればその発掘現場を見ないではすまされない。当然、
SVPの方でもそのための巡検ツア−は用意してあるはずだが、こ
ちらには今回非常に有力なつてがあった。実は、昨年、モンタナの
ロッキ−博物館でのSVP総会のおりに知遇を得た、シカゴ・フィ−
ルド博物館の日本人プレパレ−タ−、新谷明子さんのおはからいで、
盤竜類のサイトの個人的な巡検に参加させていただけることとなっ
たのである。

新谷さんはシカゴに移籍される前はトロント大学に在籍しておられ、
かの盤竜類の世界的権威、ロバ−ト・レイズ博士のもとで研鑽を積
まれたという経歴をお持ちである。今回は、トロント大学のディアデク
テス類の専門家(!)、リチャ−ド・キッセル氏が、いまだ公開されて
いない新しいサイトに入られるので、それに同行してはいかが、との
お申し出をいただいたのである。ご好意に深く謝しつつ、有り難くお
受けする。

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