恐竜パンテオン特集 地球最古の恐竜展 DAWN OF THE DINOSAURS  〜天空の恐竜ミュージアム〜
本文へジャンプ
 
世界遺産 イスチグアラスト自然公園

恐竜誕生の世界へ  ようこそ!

いまから約6550万年前の白亜紀末期、直径10キロ程の小惑星が地球に衝突した影響で恐竜は絶滅したといわれています。しかし、絶滅するまでの長い間、恐竜は地球上の様々な種を凌駕し、生きものの王者としてその栄華を誇っていました。

恐竜はいつ誕生し、進化し、繁栄していったのでしょうか?恐竜は、他の動物に比べてどのような特長をもった生きものだったのでしょうか?

恐竜が誕生した約2億3000万年前の三畳紀という時代は、ワニ類やほ乳類の祖先たちがしのぎを削る群雄割拠の時代でした。恐竜ははじめから王者ではなかったのです。恐竜は長い時間をかけて、他の生きものたちと生命をかけて闘いながら、その優れた特長を活かし勝利をおさめ、繁栄を築いていったのです。

本展では、アルゼンチンのサンファン州にあるサンファン国立大学自然科学博物館の協力により、その恐竜の起源を解明する最新の研究成果(化石、骨格、復元モデル等約23種80件)を日本で初めて紹介します。

最古の恐竜のひとつ「フレングエリサウルス」や、恐竜のライバルだった巨大な顎をもつワニ類の祖先「サウロスクス」、私たちほ乳類の祖先であるキノドン類「エクサエレトドン」をはじめ、いままでみたことのない生きものたちが、2010年夏日本に初上陸します。

三畳紀の生きものたちが死闘を繰り広げた世界をぜひご覧ください。



世界遺産 ”イスチグアラスト自然公園”

 アルゼンチンのサンファン州北東部に位置する約5万ヘクタールの自然公園です。月面の風景に似ていることから「月の谷」とも呼ばれています。

三畳紀の堆積物が表層に露出していることから、恐竜をはじめ三畳紀の多様な生物の化石が数多く発見され、古生物学的に重要な地域となっています。「イスチグアラスト/タランパヤ自然公園群」として、2000年にユネスコ世界遺産(自然遺産)に登録されました。



「地球最古の恐竜展」の時代背景

 ペルム紀末の大量絶滅を乗り越えて新しいニッチを獲得していった生きものたち。その競争の最初に躍り出たのは、ほ乳類の祖先であるキノドン類です。三畳紀前期約2億4950万年前の世界は、彼らが生態系の頂点に君臨していました。

続いて、約2億4000万年前の三畳紀中期には、ワニ類の祖先であるクルロタルシ類が台頭しました。恐竜が多様化し始めての証拠が現れるのは、約2億3000万年前の三畳紀後期の地層です。

ここ、アルゼンチンのサンファン州の地層は、キノドン類、タルロタルシ類、そして恐竜という3つのグループが共にどのように関わり合い生きていたのか、明らかにすることができる、世界でも唯一といえる場所なのです。

 これまでの研究では、恐竜は三畳紀末の大量絶滅を生き延びて、空いたニッチに滑り込み、多様化したと考えられてきました。しかし、サンファン州からは、鳥盤類・竜盤類それぞれの祖先が発見されています。恐竜の多様化は、実は三畳紀に始まっていたことを、サンファンでの研究は教えてくれるのです。