主な参考文献は「恐竜データブック」大日本絵画と恐竜学最前線、金子隆一氏の著書です。
吉永みち子氏の紀行
”恐竜学最前線”第4弾に掲載された「吉永みち子、カナダ恐竜紀行」
エドモントンから陸路、博物館と恐竜公園に行った。
氏は、「気がつけば騎手の女房」で’85年、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞している。
シノルニトイデス ”中国の鳥に似た動物”トロオドン科
白亜紀前期に中国内蒙古自治区に生息。体長1.2m
ロイヤル・ティレル博物館の恐竜ホールへは ここをクリックしてください。
アルバートサウルス”アルバータとかげ”
ティラノサウルス科 白亜紀後期に北米に生息。ティラノサウルスよりは小型。全長8メートル。
カナダ・中国恐竜プロジェクト (CANADA CHINA DINOSAUR PROJECT)
その名のとおりカナダと中国が共同で86年から5年間にわたって双方の地域で発掘した。その成果である恐竜化石ほかの展示。日本では”世界最大の恐竜博”として94年6月18日から9月4日まで大阪のアジア太平洋トレードセンターで開催された。
新潮文庫から「史上最大の恐竜発掘」(ヒサ クニヒコ訳)がでているので、参考にしてください。
ブラックビューティー
ティラノサウルスの化石。産地はカナダ・アルバータ州。骨格に鉱物がしみこんで黒く見えるため、この愛称がついている。
日本には’90年に千葉県幕張で開催された”日立ディノベンチャー・大恐竜博(学研、TBS主催)”で、この頭蓋骨が出展され、クリーニング作業を目の当たりに見ることができた。’94年には全身で再来日した(大阪)。
”恐竜学最前線”第4弾にフィリップ・カリー博士の寄稿で「ブラック・ビューティー物語」が掲載されている。
オルニトミムス類
いわゆるダチョウ型恐竜。頭部は小さく、歯のないくちばしを持っている。俊足。手は物をつかむのに適した3本の指を持つ。全長3.5〜6メートル。オルニトミムス、ガリミムスなど。ジュラ紀末〜白亜紀末に生息。
オルニトミムスは、白亜紀後期に北米、チベットに生息。全長3.5m。
アロサウルス
”異なったとかげ”アロサウルス科
ジュラ紀後期に生息。大型肉食恐竜。ティラノサウルスと間違える人もたまにいますが、前肢の指が3本です。全長約11メートル。当時の北米でもっとも豊富にいた捕食者でした。
パキケファロサウルス
”分厚い頭を持つとかげ”パキケファロサウルス科
白亜紀後期に生息した大型の石頭恐竜。高いドーム状の頭をしています。
州立恐竜公園
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スティラコサウルス
”スパイクのあるとかげ”ケラトプス科
トリケラトプスなどと同じく白亜紀後期に北米に生息していた角竜類の一種。なお、先日までパキリノサウルスと誤記していました。パキ氏はティレル博物館の前にいます。違いを見るために両方の写真を。スティラコサウルス、
パキリノサウルス
フィッリプ・カリー博士 Philip J Currie
カナダの古生物学者。ロイヤル・ティテル博物館の創設、CCDPの実施等幅広く活躍している。専門は獣脚類、鳥類の起源、恐竜の行動。1949年生。既に11歳で古生物学者に成ると宣言した。著書に「恐竜ルネサンス」(小畠 郁生訳、講談社現代新書)がある。
コリトサウルス
”ヘルメットとかげ”ランベオサウルス科
白亜紀後期にカナダに生息したカモハシ恐竜の一種。クチバシを持った2・4足歩行の大型植物食恐竜。頭に三角形に近いとさかを持つ。
デイノニクス
”恐ろしい鉤爪”ドロマエオサウルス科
白亜紀前期に北米に生息。全長2.4〜3mの大きさだが、その爪を武器に集団で狩りをしたとされる。ジュラシックパークのラプトルも親戚筋にあたる。
ランベオサウルス科
”ランベのとかげ”白亜紀後期に生息したカモハシ恐竜の科。もう一つはハドロサウルス科。いずれもイグアノドンの子孫筋(こういう非科学的記述はいけないね)。
ハドロサウルス科に比べると下顎及び四肢が短い。また、変化に富んだとさかを持つ。
ステゴサウルス
”屋根とかげ”ステゴサウルス科
ジュラ紀後期に北米に生息。剣竜類では最大級で9mになる。植物食で4足歩行。背中の2列の板はあまりにも有名。尾に4本のスパイクもある。また、本文にもあるように喉のよろいが新しく発見された。これについては、学研の「恐竜学最前線」10に「のどに鎧?ステゴサウルス新事実」というカーペンター氏自身の寄稿がある。
ロバート・バッカー Bakker,Robert T
1945年ニュージャージー州生まれ。恐竜学界の風雲児と言われる。テンガロンハットにもじゃもじゃのあごひげ。恐竜温血説、竜脚類の陸上生活説、恐竜綱の主張。デンバーサウルス、ナノティランヌスの命名。著書に「恐竜異説」瀬戸口 烈司訳 平凡社、「恐竜レッドの生き方」鴻巣 友希子訳 新潮文庫。新潮文庫の紹介によると現在、ワイオミング州テイト博物館恐竜部門主任であるようだ。写真はここ!
ティラノサウルス
”暴君とかげ”ティラノサウルス科。白亜紀後期に北米に生息。
誰でも知っている知名度bPの恐竜。2足歩行の肉食恐竜。前肢は2本指。体長12m。その割に化石の数は少ない。全部でまだ20体いかないのではないでしょうか。有名な物に(私がこの場で思い出せた物に)”スー”、”スタン”、”ダフィー”、”ブラックビューティー”、”MOR555”など。特に”スー”はその研究により雌雄の区別やティラノサウルスの意外に高度な生活などが明らかになった。
カーペンター博士 Carpenter,Knneth
デンバー自然史博物館の古生物学者。1949年生。白亜紀後期の恐竜の幼体に関する研究を行った。
デンバーサウルス
”デンバーのとかげ”ノドサウルス科
1988年にバッカーにより命名された。エドモントニアであるという説が以前からあった。
ジュニアシノニム
私もよく知りませんが、国際命名規約というものがあって、同じ種に複数の学名が付けられた場合、先に付けられた名が優先し、あとのものは下位同名とされるそうです。例えば、かつてブロントサウルスと言われた恐竜が現在、アパトサウルスとされているのもこれです。
北海道で発見された
’96年1月23日付の朝日新聞によると、’95年6月北海道三笠市の化石愛好家が露出した白亜紀後期セノマニアン(約9,750〜9,100万年前)の地層から発見。三笠市立博物館の早川浩司・主任研究員がカーペンター博士と共同で鑑定した。ノドサウルス科の化石がアジアで見つかったのは、今回が初めて。
ノドサウルス科
”こぶとかげ”曲竜亜目。武装した背中を持つ4足歩行の植物食恐竜。くちばしと木の葉状の歯を持つ。また、脇腹に骨質の長いとげをもつものもいた。おおむねジュラ紀後期から白亜紀後期に生息。
ミンミ、エドモントニア、ポラカントゥス、サウロペルタなど。ただし、最新の分類では、ポラカントゥス、ミンミはそれぞれ別の科に分類されています。
ノドサウルス
”こぶとかげ”ノドサウルス科
白亜紀後期、カンサス、ワイオミングに生息。全長5.5m。装甲を持つ4足歩行の恐竜。
ジャッカロープ
私もよく知りませんが、アメリカ中・西部の特産らしい。ジャックラビットと、アンテロープの合成語。要はウサギの頭にシカの角がついている物。
スピノサウルス
”トゲのあるとかげ”スピノサウルス科
白亜紀後期にエジプト、ニジェールに生息。巨大な2足歩行の捕食性恐竜。背に最高1.8mに達する帆があるので有名。ラジエーターにでも使ったのでしょう。
ブラックヒルズ地質学研究所
研究所と’95年に東京・池袋で開催された”大恐竜展”については、 小林恐竜研究所を見てください。
ピーター、ニール、ラーソン
ブラックヒルズ地質学研究所の所長と弟。
スタン
ブラックヒルズ地質学研究所が、スーの次に発掘したティラノサウルス。
名前は発見者のスタン・サクリソンによる。全身骨格の60%以上が発見された。また、スーとの比較研究により、ティラノサウルスの性的二型性が明らかになった。
ダフィー
スタン・サクリソンがスタンの次に発見したティラノサウルス。
名前はFBIに押収されたスーを取り戻すために尽力した弁護士パトリック・ダフィー(Duffy,Patric)にちなむ。スタンより小型なので、若い個体と見られている。
フォックス
ブラックヒルズ地質学研究所が発掘している最も新しいティラノサウルス。
発見の事情や状況は本文第7章を読んでください。
カルカロドントサウルス・サハリカス
”カルカロドンというサメの歯を持つサハラの恐竜”
’96年にモロッコ南東部のサハラ砂漠で、米シカゴ大のポール・セレノ博士が発見した新種の獣脚類の恐竜。ティラノサウルスより大きいと言われる。
5月17日付の朝日新聞夕刊には、カラー写真入りで報じられている。同記事によれば、頭骨の長さは1.5mあり、全長は約14mと推定される。約9千万年前の白亜紀に生息したと見られている。これについてのCNNのニュース記事は
ここ
をクリックしてください。
アクロカントサウルス
”頭頂に突起を持つとかげ”アロサウルス科(?)
白亜紀前期、アメリカに生息。体長約12m。大型の肉食恐竜。背に高さ30cmほどの棘突起がある。控えめな帆をはっていたのでしょうか。
ロバート・バッカーの「恐竜レッドの生き方」にも、脇役で登場。
ポール・セレノ博士
米の古生物学者。’86年に鳥盤類を新しく分類して、波紋を投げかけた。
アルゼンチン北西部のイスキガラスト累層(後期三畳紀初期)をフィールドに、恐竜の初期進化史を専門とする。’88年に当時世界最古と言われた肉食恐竜ヘルレラサウルスを同累層から発見。’93年にはさらに最古の恐竜、エオラプトルをアルゼンチン北西部、サン・ファン州イスキガラスト州立公園で発見。そして、’96年に、モロッコでカルカロドントサウルスを発見という、途方もなく華やかな研究歴の持ち主。
スー
ブラックヒルズ地質学研究所が’90年、最初に発掘したティラノサウルス。
名前は発見者のスーザン・ヘンドリクソン(Hendrickson,Susan)にちなむ。発見の模様は、恐竜学最前線第1弾に詳しい。また、スーは全身骨格の90%以上が発見されたこと、後にメスであることがわかったこと、脚に骨折が治癒したあとがあったことから、ティラノサウルスは怪我した個体を支える集団生活をしていたことなどが明らかになった。
また、発見地が合衆国に信託されたネイティブの土地であったことから国が所有権を主張し、FBIに押収されたことでも有名。'97年10月4日、合衆国はスーをサザビーの手で競売にかけ、シカゴフィールド博物館が836万ドルで落札した。しかし、”スー”の名を商標登録しているブラックヒルズ地質学研究所はその名の使用に難色を示した。博物館側は、'98年2〜3月に幼稚園児からの子供を対象に新しい名を募集した。その結果、”ダコタ”という名が選ばれたが、それも登録されていることがわかった。博物館にとって予想外だったのは、コンテスト最終日にピーター・ローソンが”スー”の使用を許したことだった。結局、今後も”スー”が使用される。
'98年以降公開予定
キャスト・モールド
本来は、骨が地中に埋もれた後、その細かい穴に地下水の作用等で鉱物質が染み込んでいく。この置換作用を通して、骨は石化し、化石になる。しかし、場合によっては、鉱物質が骨を溶かしてしまい、地層中に骨の形の空洞を残すこともある。これをモールド(雌型)という。モールドがさらに後に他の鉱物質で満たされると、これをキャストという。
発掘された化石の複製をつくるために、化石にシリコンラバー等をかぶせて型を取る。取った型をモールドという。モールドから作成した複製をキャストという。
エドモントサウルス
”エドモントンのとかげ”ハドロサウルス科
白亜紀後期に北米に生息。大型で頭の開いたカモハシ竜。全長13m。
カマラサウルス
”空洞を持つとかげ”カマラサウルス科
ジュラ紀後期に米西部に生息した4脚歩行の植物食恐竜。
全長9〜12m。頭部は比較的大きくて厚みがあり、首や尾は比較的短かった。
群馬県立自然史博物館の展示に骨格があります。写真は ここをクリック!
スタン・サクリソン Sacrison,Stan
サウスダコタ州バッファローに住むアマチュア古生物学者。
コレクター歴は浅いが、スタン、ダフィーを発見した。本文の写真では、青いTシャツの人物。氏のラボの写真は恐竜学最前線第5弾38ページにある。
テリー・ウェンツ
ブラックヒルズ地質学研究所のスタッフ。スーの専属プレパレーター(化石の表面に付いている岩石を取り除く作業をする者)だった。
ナノティランヌス
”小さな暴君”ティラノサウルス科
白亜紀後期に米に生息。全長約5mの二脚歩行の肉食恐竜。
前方を向いた眼、湾曲した歯があった。’88年にバッカー、カリー他により命名された。
トリケラトプス
”3本の角のある顔”ケラトプス科
白亜紀後期の末期に北米に生息。角竜類では最大級。4脚歩行の植物食恐竜。全長約9m。骨格の写真を見たい方は小さい写真ですが、
ここをクリック!
ドロマエオサウルス
”走るとかげ”ドロマエオサウルス科
白亜紀後期にカナダに生息。全長約1.8mの敏捷な2脚歩行の肉食恐竜。
強力な顎と大きな牙、また、恐らく後肢の第2梓趾に引っ込めることのできる鎌のような鉤爪を備えていた。ジュラシックパークの”ラプトル”も同じ科。同科については、恐竜学最前線第3弾の70〜79ページにある、金子隆一氏の「検証ラプトル一族」が解りやすく、詳しい。
ガー
ガーが何科の魚なのか、私は知りません。現在も生きています。
私はデンバーで本物を見ました。全長30〜40pくらいでしょうか。細長い嘴に筒のような体といったところです。恐竜学最前線第5弾の
49ページに、ダグラス・ヘンダーソン描く「ガーとクリトサウルス」という絵があります。
東ユタ大学歴史前博物館
ホームページを見たい方は、 ここをクリック!
ユタラプトル
”ユタの略奪者”ドロマエオサウルス科
白亜紀前期にユタ州に生息。体長約7mの2脚歩行の肉食恐竜。「ラプトル」は、一般にドロマエオサウルス科に限らず、2脚歩行の敏捷な恐竜に付けられる。ユタラプトルは、その名のとおり、'91年夏、ユタ州東部のアーチズ国立公園のすぐ北にあるガストン発掘場において、東ユタ大学歴史前博物館とダイナメーション社の合同調査隊によって発掘された。
ジュラシックパークのラプトル制作にあたって、実際のヴェロキラプトルよりはるかに大きいラプトルを作ろうとしたスピルバーグが、この発掘ニュースを聞きつけてフィルムクルーを派遣して取材したというエピソードがある。
ロバート・バッカーの「恐竜レッドの生き方」(新潮文庫)の主人公もユタラプトルである。
ヴェロキラプトル
”敏捷な略奪者”ドロマエオサウルス科
白亜紀後期にモンゴル、中国、ロシアに生息。
2脚歩行のどう猛な肉食恐竜。後肢の第2趾には引っ込めることのできる大きな爪があった。その化石では、いわゆる「闘争化石」が有名。これは、’71年8月12日にポーランド・モンゴル合同調査隊がモンゴルのバヤン・ザクの西方約30キロの恐竜産地、ツグリキン・シレで発見した。
ヴェロキラプトルとプロトケラトプスが取っ組み合いをしたまま化石になっている。これはまた全身が関節したまま出土した唯一のドロマエオ科の標本である。「闘争化石」の写真はここをクリック!
ガストニアgastonia burgei
鎧竜(曲竜亜目)の一種ですが、科段階の分類はよくわかりません。ポラカントゥス科としているホームページもあります。
’95年にバッカーが記載しました。また、彼の「恐竜レッドの生き方」でも脇役として登場しています。
属名はガストン発掘場出土(ガストン自体Robert Gastonという人名から)のため。種名は当博物館の地質学インストラクター、Don
Burge にちなむ。
バーナル国立恐竜公園
紹介しているホームページには、 こんなところがあります。
ウルトラサウルス
”ウルトラとかげ”ブラキオサウルス科
古今を通じて最大の恐竜の一つ。体長は、25m以上。4脚歩行の植物食恐竜。’72年に発見された。しかし、記載前にこの名称は韓国で発見された別種の恐竜に付けられた。なお、ブリガムヤング大学博物館とウルトラサウルスについては、恐竜学最前線第1弾「恐竜はどこまで巨大化するのか」金子隆一に詳しい。