長谷川善和先生と行く 中国の恐竜・鳥化石探訪の旅 2002年4月27日(土)から5月3日(金)
これから朝陽までバスで行き、宿泊である。朝陽のホテルは、昔 は第一級のホテルだったのが、改革開放の競争に負けて設備更 新もままならない・・・という雰囲気のところ。 ところが、ある１点で私達はどよめきたったのである。というのは、 ホテルのショップに化石店があったからなのだ。結構いろいろな種 類のものがある。安いものではリコプテラが5元。こんな値段で買 える！が、一方では所さんのように”半日かけて掘った化石が5元 か・・・”と嘆くタネともなった。 　屏風氏はじめ、皆ここでもめぼしい化石を買いあさる。明朝ホテ ル玄関に化石の朝市が出るのでないかと思えるほどの勢い。もち ろん、部屋に荷物を置くと、皆思い思いに化石店探し。 　ホテルから徒歩5分圏に数店化石店があることがわかった。遼西 化石、天原化石、晏軍化石etc.こんな所ほかにないよ！ただし、 飾り物用の化石が多い。 なんでかなー？と思っていると、ある魚化石の入った額にこんな語 句が書いてあるのに気づいた。”連年有余　遼西之宝”　 なるほど、やたら魚化石がある理由がわかった。”魚”と”余”は中 国語では音が通ずる。広東語なら同音である。1億年もの間、宝 が余りあれば、こんな縁起のよいものはない。ほとんど風水の小 道具だ。その他の化石も長い年月姿形を留めた縁起のよいものと して、立派な骨董になっているのだろう。 一般人の感覚では化石は骨董の一分野なのだ。だから、壊れた りひびがはいった骨董はちゃんと修復して売るのだ。そういう中国 の感覚がわからないアメリカ人がたまたま買った化石を大々的に 発表すると、アーケオラプトル事件になる。修復されたものは修復 されたものとして楽しめばいいというのが一般の感覚なのかもしれ ない。 　夕食後、侯教授も交えて化石店の冷やかしに行った。教授にか かれば、どんな化石も素性はお見通し。中には3種混合鳥化石な どもあり、私の目にもいかにもおかしいものもあった。 　程度の低いものは側面に石膏の跡がありあり。が、高級品?に なると素人目にはなかなかわからない。たまたまある店に”熱河 生物群”が置いてあるのを長谷川先生が目ざとく見つけた。ここに おわすを誰と心得る？この本の8ページに写真が載っている侯連 海教授なるぞ！とやったものだから、店主はへへー　と、はいつく ばった。が、別の店では一緒に写真をとられ、まるでダライラマや ローマ法王と政治家が握手している写真のように宣伝に使われる ことは見え見えということもあった。 田村さんや所さんは翌朝、人民公園に出かけ、朝市の化石商もひ やかしてきたようだ。	ホテルの化石ショップ 市内の化石店 市内の化石店2 人民公園の中では露店が軒を並べている メーデーの飾りもあざやか