長谷川善和先生と行く
中国の恐竜・鳥化石探訪の旅
2002年4月27日(土)から5月3日(金)


崖には一部黒い層がある。溶岩が入り込んだもので、境界がさら
に黒いのは、その時堆積物が焼けたためだという。全体に非常に
薄い層、最低限0.8ミリ程度の層が積み重なっている。

この薄い層が1年間の堆積なんだろうなと、想像してしまう。実際
の発掘は崖の手前に山と積んである破片を相手にする。用意のい
い人は、化石用ハンマーを持参している。もちろん長谷川先生もだ。
本当に化石採集にかける情熱は並ではない。それぞれ岩石片を
割ってみる。

が、出てくるのは大部分介形虫。これだけは、敷き詰めてあるとい
うほど出る。とてもお土産にする気にもならない。そのほか、カゲロ
ウの幼虫のような虫、植物などだ。リコプテラなどの魚類も沢山で
るかと想像していたのだが、まるで出ない。

後日、「熱河生物群」に掲載されている2001年の古鳥類学会時の
巡検写真を見た。すると、掘削した下の面に20人ほど立っている。
が、今の我々の前にそんな面はない。掘り出した岩石片をだいぶ
埋め戻したようだ。

いわば、ボタ山でホンゲイ炭を探すようなものだ。所さんなどだい
ぶ熱心に割っていたが、リコプテラ数匹である。皆それぞれ散って
割っているが、成果はそれほど出ていない。とはいえ、自分で苦
労して手に入れた化石。その価値は計り知れない。

 運ばれてきた弁当を食べ、午後も割ってみる。どこからか英語を
話す若い女の子がやってきて、自分の持っている大きめの魚の化
石を見せて回っている。どうも売りに来たようだ。私はそれほど興
味ないのだが、見る人の所には持って回っている。どうも誰か交
渉の末買ったようだ。

 都会的な格好をした中国人の集団も来て、短時間で何か掘り出
し、また帰っていった。皆、何かしら成果を出したところで四合屯は
お開き。バスに戻り、北票へ。北電賓館では、売店にリコプテラな
どの化石を仕入れていた。が、現場から戻ったあとでは、買った人
はそれほどいなかった。屏風氏は買ったかもしれない。

四合屯発掘現場の崖
発掘したあとが崖になっている


地層の様子


三尾カゲロウでしょう


暑くてバテ気味