長谷川善和先生と行く
中国の恐竜・鳥化石探訪の旅
2002年4月27日(土)から5月3日(金)


 朝食はホテルのバイキング。6時半にはもう仲間が数人食事をと
っている。
8時半出発。当初は単なる市内観光の予定であったが、長谷川先
生の一声により変更。中山路を海沿いに大連自然博物館へ。星
海公園を過ぎ、埋立地、西洋の城を連想させる外観の新しい建物
だった。

 ここの案内は蘇さん。日本語ペラペラの青年である。冗談も交え
ながら鉱物資源のホール、250年前のミイラ展示室、続いて恐竜
ホールを案内する。

恐竜ホールはそれほどめぼしいものはない。組み立て骨格はヤン
チュアノサウルス、チンタオサウルス、トウジャンゴサウルス、マメ
ンチサウルス・ホチュアネンシスの4体。河南省西峡産の恐竜卵が
数件、プシッタコサウルス例のつぶれた形のもの、何だかわからな
い竜骨、アメリカ産の翼竜骨格(蘇さんは始祖鳥と説明していた)ジ
オラマも背景の絵画はあちこちのイラストをパクッて合成したような
感じ。模型はなんともいえないものである。

 蘇さんは次に秘密の小部屋に皆を案内する。なんと屏風や飾り
だなに玉や陶器が飾ってある。彼によると、これは50年前に博物
館が収集した品であるが、今は売っているものなのだ。保険、運
送料、税金込みで50万、赤松材に黒漆仕上げ、貴石で鶴や松の
めでたい風景のもの、貴人の遊楽など屏風仕立てになっている。
ものはよさそうだ。

飾りだなも、ものにより中の展示物により50万、70万などいろいろ
である。壁に見たような老人が揮毫している写真がある。"富じい"
と今なら言われそうな村山富市元首相。彼もここで買い物をしたそ
うだ。

 誰もがそんなものは買わないだろうと思いきや、67万の屏風を
58万に値切ってカードで買った御仁がいる。私ならいい標本か、ま
たツアーに出かけるところだが、すごい!彼を今後「屏風氏」と呼
ぶことにする。

 蘇さんにコミッションがいくら入るかしらないが、彼らを後にして、
ほかの面々は博物館のあちこちに散る。ちょうど馬場さんが上に
行くというのでクジラホールの上からクジラ標本を撮影。
さらに上に行くと、ちょっとこれはなんだ!「中国遼西"熱河生物群
"化石展」という看板があるじゃないか!おいおい蘇さん、これを案
内しなくてどーする!

展示は相当充実している。皆写真を取り捲っている。長谷川先生
によれば、まだまだ序の口だそうだが、そんなことは言っておれな
い。孔子鳥も聖賢孔子鳥、杜氏孔子鳥がある。杜氏孔子鳥はネイ
チャー記載標本とは違うようだ。その他反鳥類未記載標本など見
ものが多い。

恐竜はプシッタコサウルス、つぶれたもの1体と立体の骨を並べた
もの2体。ずいぶん尾が長い。シノサウロプテリクス、カウディプテリ
クスのレプリカなどである。カメ、他の爬虫類、魚類、カエル、植物
も遼寧古果を含み、昆虫類も多い。ただ、そのあたりは私にはよく
わからず、あとで撮影しないで後悔することにもなる。

ミュージアムショップはろくなものでない。博物館も自分で儲けなく
てはならないので、先ほどのように高級美術品から一般の土産物
までうるようになっている。書籍など売っている気配はない。

それでも、侯先生から同博物館の化石展図録が配られた。これが
日本語で書いてある。ということは、日本人の客がシーズンには沢
山来るのだろうな。
その割りに日本でうわさになっていないのはなぜだろう?

大連自然博物館正面


窓にはこんなレリーフも


原画はどこからでしょう?


特別展の入り口


博物館内で筆者