金子隆一と行くアメリカ恐竜ツアー2003
5 レッドガルチ

 昼はサーモポリスのメキシカン?レストランで食べる。金子氏とディノプレスの故井上編集長が94年に食べた店だそうだ。すいぶん待たされたがそれなりにうまかった。

 午後、1時間あまり走りウォーランドへ。途中山火事(草原火事)を見る。

 ウォーランドに着き、連邦土地管理局のマイケル・ビース氏と会う。97年?に井上氏と金子氏が会った方だそうだ。その時はあごひげを生やしていたそうだが、今回は口ひげ。金子氏は面食らっていた。

 あいさつのあと、この施設のアロサウルス頭骨を見せてもらう。亜成体。頭の高さが低く、平べったい印象。だいぶクラッシュしていたそうなので、変形しているのだろう。

 ビース氏とこの施設の若い女性の案内で、レッドガルチの恐竜行跡へ向かう。125の行跡があるという。案内板が整備された先に行跡はあった。掘り下げた中に幅5-7mほど長さ50mほど岩盤が露出している。そのいたるところに足跡や穴がある。

 参加者全員、氏から刷毛を渡された。その刷毛で爪跡を埋める土をはらい、写真におさめる。当時は潮の干満もあまりない水温30度ほどの海岸だったそうだ。そのため足跡がよく残っているというか、残りすぎていてよくわからない。

底生生物の巣穴の跡に擾乱されているが、氏と彼女は手際よく土を払い、一連の足跡を明らかにする。走ったあともある。私より脚、長そうだ。行跡サイトは隣接する私有地にも続いているが、そちらの足跡化石はスミソニアンほか国内各地の博物館に売られているそうだ。

 そこからまた移動する。われわれのバンでは行けない道なので車を乗り換える。と思ったら1kmほど上にあがっただけ。が、景色に息を呑む。数キロ先の崖に地層が色鮮やか。

 若干尾根を降りると、また別の渓谷。やはり眺めは数十キロ先まで地層がすばらしい。こちらからはトロオドンのような恐竜の巣が2個発掘されているそうだ。瞬く間に氏は竜脚類の肋骨や肩甲骨断片を発見する。われわれには真似できない。

 渓谷を見渡すこの場所で、金子氏は故井上編集長の写真を置き、線香をそなえた。井上氏が癌に倒れてからもう1年が過ぎた。それぞれ参加者は冥福を祈った。

草原火事


連邦土地管理局のアロサウルス


レッドガルチ入り口


こんな足跡が2,000も!


漣痕の上に足跡が


こんな地層、日本ではなかなか見られない!

故井上編集長遺影に祈る。