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伊藤恵夫先生と行く第4回北米大陸恐竜発掘体験
1997年8月23日より8月29日の間、総員15名のツアー一行が
コロラド州デンバーを経由して、ワイオミング州キャスパー、サウス・ダコタ
州ラピッド・シティに出かけたので恐竜発掘の概要をおしらせします。
地質的には、ワイオミングはジュラ紀の地層であり、サウス・ダコタは白亜紀
の地層でした。前者は植物化石が多く、後者はスー、スタン、ダフィー等の
T REXの産地です。デンバーでは自然史博物館を訪れ、カーペンター博士が案内
をしてくださった。2年前はリニューアル中で何もみられなく残念であった。
写真1 デンバー自然史博物館におけるツアーの一行。中央カーペンター博士(黒Tシャツ)
1人おいて左が本田氏。前列左端 伊藤先生
写真2 ヨロイ竜の化石をかざすカーペンター博士(注:たぶんガーゴイルサウルス)。
サウス・ダコタ ブラックヒルズ地質研究所では周辺の街並が西部開拓時代の
街並に似てにぎやかになって居た。
今回のDigの獲物は、ナノチラヌスの歯4、肉食恐竜の歯1、こわれた歯1、
トリケラトプスの肋骨2であった。
写真3 トリケラトプスの肋骨の化石を掘り出したテリー・ウェンツ氏
(ブラックヒルズ地質研究所スタッフ)と寺坂氏
ワイオミングのサーモポリスの恐竜センターでは中国の新彊
ウイグル自治区でお目にかかった恐竜達、モノロフォサウルス
とベルサウルスに又お目にかかれていささかびっくりした。
初めてのワイオミングはタバコのマルボーロ カントリイであ
る。カウ ボーイが働く牧畜の国。屋外プールのそばに水着男
女混浴の温泉がある。狩猟の獲物の展示が豊富なホテルは
快適
であった。ここまでは空港から、地平線しかみえない原野
を3
時間車で走らねばならず、帰途6時すぎのフライトために
星を
ながめて3時に出発であった。
日中気温30℃以上、朝夕40℃、緑は豊かである。私は耳を
蚊にさされたが、2ヶ月たってもまだかゆかった。
写真4 T REX スタンを説明するピーター ローソン氏(ブラックヒルズ)
ブラックヒルズでのニュース2つ
写真 5 アクロカントサウルスの復元がみられるか
スピノサウルス科のアクロカントサウルスの北米唯一のトゲ恐竜立像の
復元モデルを計画中であるという。
アロサウルスに似た獣脚類で、有名な40〜60cmの棘突起のある恐竜
である。1〜2年後にはみられるかもしれない。
写真 6 トリケラトプスの背が高くなるか。
写真のトリケラトプスは四肢の関節がつながったままの右半身の化石である。
このトリケラトプスは横たわったまま化石になったが、上になった左半身は
水に流されて、右半身に四肢関節がつながって出土した。
これをみると、今までのトリケラトプスの復元では、両肘を横に張り出した蛙の
ような形の復元がなされていたことに気づく。
実際は身体の下に四肢はのびのびと
伸びてつづいているから、これを復元すれば今までより背が高くなると思われる。
これからの復元に有力な証拠になる。
以上の話はピーター ローソン氏の談話である。
本田 一成