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last update 4.18.99
闇夜のカラスという言葉の通り、闇夜にガラスである。分厚いガラスの檻にかこまれたベルギーの国宝は何体入っているのかとガラスへ顔をくっつけて見るようにして拝見させていただく。膝から下がない立像、手のないのもある。手は特有な三角錐のスパイク・サムのそろっているのをさがす。10体のイグアノドンが林のように立っている。大きいイグアノドンベルニサルテンシスである。
3列の最前列の右すみに上野の科学博物館で、上野先生のお世
話で初めて恐竜の骨格の写真をとらせてもらった(1985)イグアノドン・
マンテリーの小柄な骨格が目立つ。
炭坑の地下322mから1878年にみつかったこれらのイグアノドン、
それまで断片的に歯、爪、小骨片でみつかった恐竜の概念を一挙
に現実のものにしてくれた。
化石は石炭と同じ色である。照明が乏しい。ヨーロッパの博物館は
暗いという。白黒フイルムで、増感現像してASA1600又は3200、粒
子は荒れるがF1.4あれば手持ちで撮れる筈と準備して出かけて来た。
NO CAMERAではなかった。フラッシュOKと見張りのマドモアーゼル
がいう。とたんに、うれしくなった。写真術を忘れてしまった。
ブリュッセルのタクシーはよく場所を知らない(発音が悪いのだ)。
地図にのってない。やっとたどりついた博物館であった。(帰りもタクシー
はひろえないで散々歩いた。足の指の爪2枚が死んだ。)
フラッシュは周囲の壁に反射して写るのである。壁迄が遠い。反射しない。
フラッシュの距離は6〜10m、恐竜の高さ、長さはフラッシュが届かない。
いつも恐竜の撮影で経験しているのに。復元されて立っているケースの
隣に21体の発掘の時を再現したねたイグアノドンの化石がおいてある。
これなら近いとピカピカやる。
この写真はガラスケースで反射して画面の上半分に自分が写り、かす
かに化石が下半分にみえるオ化ケ写真となる。今回の撮影旅行は失敗
といわざるを得ない。僅かに何カットか引き延ばしに耐えるイグアノドンが
写っていた。
ブリュッセルからロンドンに飛ぶ。
大英自然史博物館のイグアノドンを求める。陳列は変わっていたが、め
でたくご面会。この化石は右恥骨が生前骨折していたもので、写真にとれ
た。
勿論こちらは1体のみ。大ホール一杯に首をのばしたディプロドクスにお
別れ。
兎に角ベルニサールのイグアノドンに圧倒されてしまった旅。11月の
北欧の長い夕日の影が年末を飾る。再度挑戦を考えていたら、本年2
月、娘二人がパリからブリュッセルへ。フラッシュを使わないでオート撮
影で何とかイグアノドンの行列の姿を写してくれた。私のプラン通りをやっ
ていれば写せたとくやまれた。
イグアノドン展示の王立自然史博物館(Institut Royal des Siences Naturelles)
VAUTIERSTRAAT29:1000 BRUSSEL
MUSEUM VOOR NATUURWEITENSCHAPPEN
オランダ語、フランス語、ドイツ語の国です。
その他の写真
イグアノドン前肢
イグアノドン後肢
大英自然史博物館のイグアノドン恥骨
メガロサウルス
ブラッディサウルス?