13.古生物センター

プロトケラトプス  ウランバートルに戻ってから、ジャケットを古生物学センター に届けたり、保養地として有名なテレルジに行ったりしたのですが、 この文章を書いている10月では、既に私の記憶はおぼろになって しまいました。ですから、あと何枚かの写真と覚え書きで幕を 引きます。ま、ほかの方がその辺は詳しく書いてくれるでしょう。
 古生物学センターでは、古生物学博物館長のツォクトバートル氏に 会いました。この方は、林原との発掘のモンゴル側の責任者です。 また「恐竜学最前線 第10弾」に、「モンゴル古生物学博物館 案内」を執筆しています。




タルボサウルスの顎  ここで、ウダノケラトプスの説明などを伺いました。
ウダノケラトプスはツグリシン・キレから40kmほど離れたアルツ山 の麓のウーデンサイルという所で発見された。 ウーデンとは扉という意味。周りに川や水がなく、乾燥 した所。それをロシア人が なまってウダノとしたそうです。ツグリシン・キレでは今まで ウダノケラトプスは見つかっていないので、これが本物なら、 その生息範囲がわかって面白いということです。
 棚にはタルボサウルスの顎をはじめ、化石がずらり。モノリット は伊藤さん(昨年のフルンドッホの参加者で有名人らしいが、 私は面識がないのでわかりません)がプレパレーションした オルニトミミッドでした。



林原のコンテナ  外には林原の備品が入った倉庫というよりコンテナが並んで います。箱には中身がかいてあり、『トイレットペーパーも こんなに用意しているんだな』と、変なところに感心。







モノリット下ろし  と、トラックからモノリットをおろしている。林原の皆さん らしい。聞くと、ankylo pelvicとか。重さは2t。おろすのに20 分以上かかった。






14.テレルジ

小さな戦士  テレルジは、ウランバートルの東北東約70kmにある保養地。 珍しく、舗装道路だった。道路沿いに何kmにもわたってホテル やツーリストキャンプが点在している。「地球の歩き方」に は、恐竜像の写真があり、以前から興味をもっていたが、 「はりまや橋」とは言わないが、たった1カ所のキャンプに あるだけ。車から遠目で見ただけだった。
 ミニナーダムが開かれていました。競馬、モンゴル相撲など。 マラソン大会に出場する日本人の団体が乗馬体験をしていて大混雑。それ以外の日本人は我々だけのよう。
 団体が去ると、嘘のように喧噪がおさまる。キャンプに戻り、 夜の準備。ここでは薪ストーブを焚いた。昼間、外で寝そべって いた犬が様子を伺いにきた。どうも中に入れてほしそう。「おいで」 と呼ぶと、そのままゲルに入ってしまった。結局、朝まで一宿。
 薪ストーブは夜中薪を継ぎ足さないと消えてしまう。私は時々起きて 継ぎ足した。「ツグリギン・シレ、南ゴビを経て幾夜か寝つる」なんて 火焚きの翁の気分。どこか怪我をしているのか、犬は時々悲鳴をあげる。




一宿の恩義は?

 翌朝、犬を残して空港へ。そして北京へ。タクシーの運転手と喧嘩し、 わからないメニューで夕食を食べ、京劇を特等席で見物した。
 成田は夏がしぶとく居座っていた。