10.発掘は続く!PART 2

 14日の夕方、HYPERSAURSさん、Sさん、アンクルディノさん は発掘の日程を終え、帰っていった。大発見プラス発掘をわずか 3日で成し遂げたのだから満足度400%だろう。バルスボルド 博士も本当は14日朝にはウランバートルに帰るところ、予定を 延ばし、15日朝に帰った。プロトケラトプスの頭をジープに載せ、 600km以上を車中の人で過ごすそうだ。博士の残した宿題が、 プロトケラトプスの残り(尾部)の発掘だ。「既に90%は発掘 したから、残り10%は君たちの責任だ。」と、いうこと。
ちなみに胴と尾の石膏ジャケットは飛行機の手荷物(!)として 博物館に持ってくるよう言われた。
写真:プロトケラトプス頭部の梱包





 さて、尾部の発掘だが、とても細かい仕事だった。どうも ヘビのようにとぐろを巻いているらしい。どこで切り離すべ きか判断に困る。とはいえ、残り4人で手分けし、ジャケッ ティングを済ませた。漬け物石程度のかたまりが3個ほど出 来た。










 最後に、掘った跡を埋め戻す。燃えるごみは燃す。やがて 砂嵐でならされ、わからなくなるだろう。ジャケットをキャ ンプまで運び、午前の部は終了。








11. アラグテグで



アラグテグ光景

 午後はアラグテグで新たな発掘。いろいろな色彩のある絶壁 というような意味である。ツグリキン・シレから北に4kmほど。 地層は12mくらいである。 ツグリキン・シレより古い時代の地層だ。この斜面の上部が ツグリキン・シレと同時代。米の学者によると、昔ここには 3本の川が流れていたそうだ。
ここではかつてロシア・モンゴル共 同調査隊が車(ブルドーザー?)で発掘。また、30体のピナコ サウルスが発見され、その大部分は林原で現在クリーニング中 だそうだ。そのほか、ハドロサウルス科の恐竜が見つかるとい う。
 こんな説明をアルガさんから受け、ばらけて地見屋開始。 ただ、ここの化石は赤いという。ツグリキン・シレの白い化石 に慣れきった眼にそれと映るだろうか。
 所々に土砂の堆積がある。ロシア・モンゴル隊の発掘跡だろ うか。ラクダの群を横に見ながらそれぞれ数百メートル離れて 探す。アルガさんが化石の破片を見せてくれた。なるほど・・ ・。そのあとは、やたら化石が視界に飛び込んでくる。ただ、 破片だけで大物はない。
 1時間も経っただろうか。アルガさんとねこまたぎさんが しゃがんでいるのが見える。何か見つけたようだ。これまで ”化石の呼び声が聞こえない”とため息をつく、ねこまたぎ さんだったが、サヨナラ一発逆転がでたのだろうか。

 肋骨と言われればそう見えなくもない、が・・・








さらに周辺を掘ると、脊椎らしきもの、恥骨?と見える骨 が現れてきた。
骨の出方がバラバラなところから、死んでそのまま埋まった のでなく、ある程度流されて堆積したのではないかと思える。 ハドロサウルス科の恐竜だそうだ。








 しかし、ここで時間切れ。掘った証拠にビニールを敷けと 言われ、持ち合わせのスーパーの袋を敷く(多摩センターの 千歳屋の袋が敷いてある化石は我々のだからね!)。木まで 植えて目印(になるかな?)。