6.鑑定、そして

 さて、7人それぞれが、自分の発見した「これは!」という 場所に博士を案内する。右の写真はMINEWさんが発見した場所。 博士も興味深そうに見ていたが、崖の断面ということで発掘困難 と見たか、次に移っていった(横にいるのはアルンチムクさん)。






 一応、丁寧に見てくれるが、口にする言葉は一つ「プロトケラ トプス」
ここでは、プロトケラトプスはありふれた存在。完全なもの でなければ価値は無しということらしい。
 ヘンな連想がはたらいた。昔、江ノ島沖でアジ釣りをしてみた が、針がアジのいる深度まで届かないうちに上層のサバがコマセ に群がり、引っかかってしまう。ついにアジは1匹も釣れず、サバ の山になった。ツグリシン・キレのプロトケラトプスは、江ノ島 沖のサバ並だよ。オヴィラプトルやモノニクスの腕を見つけたい と頑張っても、見つけたものは「プロトケラトプス!」・・・
 唯一、MINEWさん発見の歯がヴェロキラプトルと鑑定された のが収穫だった。鑑定後さらに午後7時まで探索。






ツグリキン・シレの夕焼け

発見!発掘!PART 1

 翌13日も探索。このあたりになると、各人の得手、不得手 が見えてくる。ねこまたぎさんなどは、一向に化石が見つからない。 「破片なら見つかるんだけど・・・」と、少々元気がない。昨年の フルンドッホでも見つからなかったそうだ。一方、Sさんは、「 化石のイメージを描いておくと、化石がむこうから呼んでくる」 そうだ。なるほど、化石のイメージと同調(シンクロシニティ) だな。これを聞いた私は(モノニクスの腕!)と、イメージして 歩き回ったが、さすがにこれにはお目にかからない。かわりに プロトケラトプスの大きな歯を何本か拾った。人が通らないような 狭い枯れ滝でだ。

 午後も探索をしていると、何人か人が集まっている。行って 見ると、化石が埋まっているのだが、今までとは色が違う。 これまでのはいずれも風化して白かった。これは肌色というか 色がある。プロトケラトプスの頭らしい。しかし、博士の目が 違う。これは発掘する価値があると見ているようだ。幸い現場 は低い尾根の部分。左右が斜面なので掘りやすい。 これは、午前中にSさんが発見したもの。彼はフルンドッホでも 化石を発見している。イメージの勝利!




 やがて全員集合。博士の指示により発掘を始める。大事な 所は博士自身が掘る。やがて、実習を指導する教授と学生の ような雰囲気になっていった。ここからは、主に写真を見て もらおう。赤茶色の縞のTシャツがバルスボルド博士。




脇にトレンチを掘ったあとは、皆取材&学習モード




クチバシがはっきり見えてきた。






頭の後部(頸部)の土を削り切り離しの準備


切り離しに邪魔な前脚の骨を博士はやおら折取ってしまった。


折り取った前脚の骨