化石の特長と意義 | 1.アンキロサウルス類の足跡化石の特徴 前足、後足の足跡化石が認められた。前足の足跡化石ははっきりとした5つの指 先の跡が半円形にならび、足印長は16cmで、足印幅は25cmである。 後ろ足は4本の指が認められ、足印長は25cmで、足印幅は22cmである。 全長3m前後のアンキロサウルス類のものと考えられる。これまで報告されている足 跡化石ではカナダの白亜紀前期の地層から産出したTetrapodsaurus borealis に 外見上類似している。 2.産出化石の意義 アンキロサウルス類の足跡化石としては国内初の発見であり、世界的にも発見例 が極めて少なく貴重な発見である。 アンキロサウルス類の化石としては歯化石が熊本県御船町の御船層群(約9千万年 前)から、頭骨の化石が北海道夕張市の蝦夷層群(約8千万年前)から産出し、これら の時代は白亜紀後期である。 今回の発見は、白亜紀前期にすでに国内にアンキロサウルス類が生息していたこと を示す重要なものである。手取層群からアンキロサウルス類の歯化石や骨格化石な どの体化石の発見される可能性が高まった。 |
今後の対応 | アンキロサウルス類等の足跡化石については、学術資料および普及啓発用の資料 として活用するために、次年度の発掘調査に先立ち、切り取り保存を行い、あわせて レプリカを作成する。 |
調査風景 | |
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