博物館訪問記

ミュージアムパーク茨城県自然博物館第10回企画展

「アマルガサウルスの棘突起はなぜ長い−アルゼンチンの恐竜と自然」

 いい博物館は、どうして交通の便がいまいちなのだろう。 と、今回も思いつつ、訪ねたのです。車だと、大泉から約60km。大した距離では ありませんが、電車、バスだとどうなのでしょう。
 道路自体は、案内標識も要所にあり、それほど迷いませんでした。
 なお、ガイドとしては、 学研サイエンスキッズの案内を紹介しておきましょう。
建物入り口は、2階にあり、受付を通ると、まず松花江マンモスの骨格。大きい! 距離がないので、全体を撮影できませんでした。

 通路を進むと、ヌオエロサウルスの頸がお出迎え。柱に1階からの高さが 書いてある。写真で判るように、10mはある。ちなみに、博物館内で迷子に なったら、恐竜ホール(ヌオエロサウルスの足元)に行くよう、案内が出ている。 こいつは迷子石だったのか!
 あ、ヌオエロサウルス(nuoerosaurus chaganensis)の事をごぞんじでしたか? これは、1985年に中国、内モンゴル自治区シリンゴル盟のチャガンノールで発見された カマラサウルス科の竜脚類です。白亜紀前期に生息。体長26m、最大高12mだそうです。

その、恐竜ホールからヌオエロサウルスを見上げるとこんな感じ。尾椎の奥から 腹の下をくぐる寸法になっている。恐竜の股くぐりをすると、 偉くなれるだろうか?

 この先、地球の誕生から生命の発生、進化の回廊が続くのですが、 省略。でも、なかなかセンスのいい展示です。ま、行って見てください。
そして、ようやく爬虫類の時代にさしかかります。








哺乳類型爬虫類、リノディキノドン。三畳紀、ロシア。
ホントの大きさは幼児のこぶし程度ですからね!












魚竜、ステノプテリギウス。ジュラ紀、ドイツ。

この間、ウミユリや、アンモナイトの展示がありますが、省略。
そして、恐竜の時代へですが、いきなり白亜紀といった感があります。

ティランノサウルスとデイノニクスというより時代的 にはヴェロキラプトル?(すみません。展示説明をよく 読みませんでした)復元模型
にらみあっていると言う風情で復元模型がある。空には翼竜(骨格)。 その右側にはハドロサウルスの親子。
 その元の骨格という意味でしょうか。ティランノサウルスほかの 全身骨格が展示されています。説明員とおぼしき女性がいますので、 詳しい説明を頼むのもいいかと思います。

ティランノサウルス。白亜紀、カナダ。エウオプロケファルス









ランベオサウルス骨格2体。とさかの大きさの違いは性差でしょうか。










ティランノサウルスの足元、反対の通路側から見えるデイノニクス。







 脇のガラスケースの中には、以下3つの化石と胃石が展示 してあります。




タルボサウルスの下顎。






タルボサウルスの指骨。






ティランノサウルスの歯
というわけで、常設展示については、ここらで打ち止めに します。ただ、誤解しないでください。この博物館では、恐竜 化石の展示はほんの一部です。生命誌全般にわたり豊富な興味深い 展示で満ちています。そのすばらしさは、実際に行ってお確かめ ください。









さて、本題の「アマルガサウルスの棘突起はなぜ長い」の展示です。
展示物は、恐竜部分については、カルノタウルスの全身骨格が加わった ほかは、ほとんど変更はありません。もちろん展示方法に違いはあります。 難をいえば、群馬県博よりスペースが若干狭いのか、アルゼンティノサウルス の脊椎骨がパタゴサウルスの腹の下にもぐったりしています。そのほかでは、 現生のアルマジロやオオアリクイ(ドラクエにでてきたような気が・・・)、 昆虫や植物標本も展示してあることです。

入り口最初で出くわすのが、この復元模型。パンパを舞台に、 最大級のグリプトドン類であるドエディクルスと剣歯ネコのスミロドン の対決。音声入りです。
ドエディクルスは、数万年前、更新世後期にブエノスアイレス州に 生息し、体長は最大4mにもなったそうです。装甲とともに、そ の尾には棘が並び、収斂進化を想起させます。

このあと、三葉虫化石などの展示があり、さらに哺乳類型爬虫類展示も ありますが、省略いたします。

槽歯類、ラゴスクス。手のひらに乗るほどの小さい標本です。
三畳紀後期の初頭にアルゼンチンに生息。恐竜は、こんなのから 進化したという説もあります。







古竜脚類、ムスサウルス。これも手のひらに乗るほど小さい 標本。もっとも孵化したての幼体です。 8匹以下の孵化した幼体の入った巣の化石の一部だそうです。 この発見で、古竜脚類も巣を作り、親のつとめを果たす習性 があったことが判ったそうです。ムスサウルスもマイアサウラ だったのでしょうか。






エオラプトル。その発見は、1993年正月の眠りをさました ビッグニュースでした。その当時の最古の恐竜でしたから。










ヘルレラサウルス。これも非常に古い、原始的な恐竜です。 もっとも、尾の先がヘビのようにくねっているのは、気になります。












カルノタウルス全身骨格。結構、見上げる大きさです。「ロストワールド」では、 イカのように周囲にとけ込むように体色を変える忍者的恐竜ですが、もちろん 想像の産物です。しかし、腕の短さはハンパでない。ティランノサウルスより 小さい。ほとんど用をなさなかったのではないでしょうか。











カルノタウルスの頭骨。あの角は、何の役に立ったのでしょう。