平沢達矢さん、SVPでがEdwin H. and Margaret M. Colbert Awardを受賞 11.03.08
東京大学 SVP2008 Colbert Award Winner
10月15日から18日にかけてアメリカ・クリーブランドで開催されたSVPにおいて
東京大学・博士課程2年平沢達矢さんがEdwin H. and Margaret M. Colbert
Awardを受
賞されました。この賞は学生のポスター発表のうち研究内容および口頭でのプレ
ゼンテーションを審査基準として最も優秀なものに授与されるものです。
この賞は昨年まではStudent Poster Prizeという名称でしたが、今年から前述の
Edwin H. and Margaret M. Colbert Awardと名称変更されました。その記念すべき第一
回受賞者が平沢達矢さんです。
日本の研究機関がバンケット会場にアナウンスされたのはSVP始まって以来、その
長い歴史の中で初めてのことです。記念すべき瞬間でした。これまでSVPの賞を受
賞された方は2名おられますが、お二人とも留学中での受賞ですので、すべてが
Made in JAPAN は平沢さんが初めてというわけです。今後ますます古脊椎動物学に
おいて日本人の活躍が期待されますね。
さて平沢さんの先輩方はどなたかというと、まず一人目は1997年にRomer Prizeを
受賞された藻谷亮介さん。二人目は1998年の第一回のStudent Poster Prize受賞の島
田賢舟さん。Student Poster Prize、Edwin H. and Margaret M. Colbert Awardともに第一
回の受賞者は日本人というのは感慨深いですね(藻谷さん談)。まだ日本で恐竜や
海生爬虫類の研究が難しかった時代に、苦労して海を越えてがんばってきた先輩た
ちの財産を受け継ぎ、結果を出してきている日本の若き研究者たちの活躍が楽しみ
です。
壇上で平沢さんに記念品を渡しているのはフィリップ・カリー博士。平沢さんは中
学生のころカリー博士の「恐竜ルネサンス」を熟読し、古生物学者になることを決
心したそうです。自分の将来を決定づけてくれたあこがれの方にその節目となる賞
を直接渡していただくとはこれまた意味深いですね。日本の大学で勉強しても、入
念にデータを収集し、独創性のある研究をがんばれば、こうして認められることを
実証してくれました。このニュースを知ったまた次の世代がもっと古脊椎動物学を
盛り上げていってくれることでしょう。
(文責 坂田智佐子)