翼竜の翼骨格の3次元幾何学及び、空中と地上における移動に対する係わり合い 9.15.08
Wilkinson, M.T. 2008.
Three-dimensional geometry of a pterosaur wing skeleton, and its implications
for aerial and terrestrial locomotion.
Zoological Journal of the Linnean Society 154(1) pp.27-69.
doi:10.1111/j.1096-3642.2008.00409.x
アブストラクトほにゃ訳
この研究は、Anhanguera santanae(プテロダクティルス上科 オルニトケイルス
科)の骨格の3次元空間配置と運動について、非常に保存がよく、つぶれていない化
石材料を用い、また、絶滅動物の関節の動きを分析するために剛体法を用いること
にして、報告する。
本分析の幾何的な結果から、オルニトケイルス科は生来、縦ゆれ及び偏ゆれに対し
不安定だったことが示唆される。その結果、縦ゆれのコントロールは、−数多くの
関連しない翼竜標本の軟組織により示されるように脚に主翼膜が付着していれば−
脚を使って翼付け根から翼の後縁を上げたり下げたりして、翼でうつ角度を直接調
整することにより、恐らくもたらされていたのだろう。あるいは、翼先端から翼後
縁を上下するために肩もしくは腰の長軸の回転を用いることによりもたらされてい
たのだろう。
手首の3次元形態分析から、翼支骨(pteroid)−翼竜に特有の細長い手首の骨で、前
翼膜を支持する−は飛行中、胴体方向ではなく前方を向いている。その結果、前翼
膜は、エアブレーキや高揚力装置の機能を十分満たすことができたし、縦ゆれ、偏
ゆれ及び横ゆれのコントロールに重要な役割をも果たしていたかもしれない。
この関節の分析は、オルニトケイルス科が地上を移動する際に半直立4足歩行をする
というモデルに対し一貫している。
参考:Wilkinson, M.T. 2006.
High lift function of the pteroid bone and forewing of pterosaurs
Proceedings of the Royal Society of London B
Vol. 273, No.1582 / January 07, 2006 pp.119-126
DOI 10.1098/rspb.2005.3278 アブストラクト 論文ダウンロード可
Wilkinson, M.T. 2007.
Sailing the skies: the improbable aeronautical success of the pterosaurs
Journal of Experimental Biology 210, 1663-1671 (2007) doi: 10.1242/jeb.000307
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