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義県層から初めて産出した竜脚類 Dongbeititan dongi 1.23.08
  WANG Xuri, YOU Hailu, MENG Qingjin, GAO Chunling
  Dongbeititan dongi, the First Sauropod Dinosaur from the Lower Cretaceous Johol
  Group of Western Lianoning Province, China
  ACTA GEOLOGICA SINICA(地質学報英文版) Vol.81No.6 pp911-916

  あちらには竜脚類はいなかったのでしょうか?私も数年前、ある会で質問したことがありま
 す。あちらの研究者の答えは、「化石は地方の博物館に収蔵されているが、羽毛恐竜などの
 研究に時間をとられて、竜脚類の研究には手がついていない」というようなことでした。
 2001年に董枝明が土城子層から産出した竜脚類の左前足をブラキオサウルス科の属種未
 定として記載した例くらいしか思い当たりません。

 今回記載された標本は大連自然史博物館に収蔵されています D2867
 頚椎、胸胴椎、前位尾椎、肋骨、血道弓、癒合した右肩甲烏口骨、右恥骨、両坐骨、右大腿
 骨遠位端、殆ど完全な、大腿骨を含む左後肢など。
 ティタノサウルス形類 ソムフォスポンデリィ の新属新種としてDongbeititan dongi
 と命名されています。
 属名はDongbei 中国語で「東北」中国東北地方(遼寧、吉林、黒竜江省が含まれる)から
 種小名は董枝明に献名。たぶん中国では董氏東北竜とでも呼ばれるのでしょう。

 産地と層準 北票市にある四合屯化石博物館から約5km南西の谷 義県層Jianshangou
 (尖山溝)単層(下部白亜系 バレミアン)

 分類基準 頭尾側に伸長し四角い頭腹端をもつ烏口骨;長くなめらかで僅かに凸状になっ
 た恥骨の寛骨臼端。

 系統的位置づけ 恐らくEuhelopus, Fusuisaurus 及びHuanghetitan より派生し、Gobititan
 及びJiutaisaurus より派生していない。