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アジアと北米の分類群をつなぐ新しい新角竜類恐竜 10.08.07
 CHINNERY et al 2007
 A NEW NEOCERATOPSIAN DINOSAUR LINKING NORTH AMERICAN AND ASIAN TAXA
 Journal of Vertebrate Paleontology 27(3):625?641, アブストラクト

 米モンタナ州から1984年に産出した、基盤的ネオケラトプシア類です。レプトケラ
 トプス科の新属新種です。
 Cerasinops hodgskissi
 属名は、cerasinus(ラテン語で桜の) +ops(ラテン語で顔) 「桜の顔」標本がトゥー
 メディシン層(カンパニアン)の赤色層から産出し、標本自体も暗褐色をしていること
 に由来します。また、この標本が”Cera“というニックネームで20年以上呼ばれてき
 たことにも由来します。種小名は所有地における発掘を許可し標本の発見に貢献した
 Wilson Hodgskiss に献名。
 完模式標本:MOR(ロッキー博物館) 300

 この標本が重要な点は、アジアと北米の基盤的ネオケラトプシア類をつなぐ存在であ
 ることです。アジアの同類では窓の開いたフリルや前上顎歯があります。一方北米の
 同類にはこれらの特徴はありません。そして非常に特殊化した歯列のパターンなどア
 ジアの同類にない特徴をもっています。ところがCerasinops には、この両方の特徴が
 備わっているのです。また、後肢に対する前肢の比率は0.60です。プシッタコサウル
 ス科の恐竜の比率0.62より低いことから、これまで基盤的ネオケラトプシア類には見
 られない、二足歩行の可能性があります。