基盤的ドロマエオサウルス科恐竜および鳥類の飛行に先立つサイズの進化 9.07.07
Alan H. Turner, Diego Pol, Julia A. Clarke, Gregory M. Erickson, Mark A.
Norell 2007
A Basal Dromaeosaurid and Size Evolution Preceding Avian Flight
Science 7 September 2007: Vol. 317. no. 5843, pp. 1378 - 1381 DOI: 10.1126/science.1144066
モンゴル国ウムヌゴビ県、ツグリギンシレーから産出した基盤的ドロマエオサウルス科
恐竜を記載しています。
Mahakala omnogovae , new taxon
属名は、チベット仏教の恐らく天部に属する8神の一つで、日本では大黒天となった神です。
参考:マハーカーラ Mahakala
種小名は、完模式標本が産出した南ゴビ(ウムヌはモンゴル語で南の意)にちなむものです。
産地と層準:モンゴル国ウムヌゴビ県ツグリギンシレー
ツグリギン層群ジャドクタ層(カンパニアン)
完模式標本:IGM (Mongolian Institute of Geology, Ulanbaatar) 100/1033
部分的頭骨および頭部より後ろの骨格
分類基準:以下の形質の組合せにより識別される小型原鳥類;強固に圧縮され前後に広い尺骨
が後方に幅狭いエッジになるまで細くなる;大腿骨の後遠位部ある伸長した外側稜;水平に近
い外側に向いた前関節突起がある前位尾椎骨;著しい転子上突起及びcuppedicus fossaが無い
こと。
推定体長70cmという小型恐竜です。基盤的ドロマエオサウルス科の位置づけで小型なことから、
飛行に適応する前に体の小型化が起こったこと。また鳥類が白亜紀を通じ小型な体を保ったの
に対し、鳥類に最も近縁な、トロオドン科及びドロマエオサウルス科の中では4回独立して体の
大型化が起こっているので、獣脚類の体のサイズの変化と飛行の起源は一方向に向かったもの
ではなかったとしています。