中国北西地方前期白亜紀から大型テリジノサウルス上科類　8.24.07
　LI Daqing, PENG Cuo, YOU Hailu, Matthew C. LAMANNA, Jerald D. HARRIS,
　Kenneth J. LACOVARA and ZHANG Jianping
　A Large Therizinosauroid (Dinosauria: Theropoda) from the Early
　Cretaceous of Northwestern China
　ACTA GEOLOGICA SINICA　Vol. 81 No. 4 pp. 539–549

　　中国甘粛省北西部Yujingzi盆地　新民堡層群(前期白亜紀 ?アプティアン～
　アルビアン)から産出した、大型テリジノサウルス上科を記載しています。
　Yujingzi盆地は、恐竜地質公園もある公婆泉盆地から約100km南東にあります。

　Suzhousaurus megatherioides gen. et sp. nov.
　属名は、完模式標本が発見された甘粛省酒泉地域の古名、粛州から。
　※ただし、酒泉郡は漢代に置かれましたが、粛州は唐代に置かれています。現在
　　酒泉市には、粛州区があります。
　種小名は、地上性オオナマケモノmegatherium 属+"-oides"ギリシャ語で、のような
　メガテリウムのようなということ。

　完模式標本：FRDC-GSJB-99　10個の部分的から完全なものまで含む胸胴椎骨、不
　完全な胴肋骨、殆ど完全な右肩甲烏口骨、完全な右上腕骨ほか

　分類基準：大型(上腕骨近遠位長550mm)テリジノサウルス上科。浅い、貧弱にしか
　分界しない関節窩、著しく丸くなりまた筋が入った膨張がその肩甲骨部の背内側面
　にある、恥骨の頭側が強度に凹状になっている。

　系統的位置づけは、前期白亜紀のFalcarius 及び Beipiaosaurus より派生してい
　るが、 Alxasaurus 及びテリジノサウルス科よりは派生していないとしています。
　論文中の系統樹をみると、Nothronychusと最も近縁になっています。

　馬鬣山地域から産出した“Nanshiungosaurus” bohlini について、むしろ
　Suzhousaurus bohlini になるのではとしています。

　Suzhousaurus は前期白亜紀のテリジノサウルス上科で最大のものの一つであるた
　め、このクレードはその進化史の初期に大型の体サイズになったことを裏付けると
　しています。