孔子鳥化石から魚食を示唆する痕跡 6.05.06
Food remains in Confuciusornis sanctus suggest a fish diet
J. Dalsätt, Z. Zhou(周忠和), F. Zhang(張福成) and P. G. P. Ericson
Naturwissenschaften Online First DOI: 10.1007/s00114-006-0125-y
アブストラクトほにゃ訳
中国白亜紀前期熱河生物群において最も数多い鳥類のグループである、Confuciusornis の
保存状態の良い数百の標本にもかかわらず、これまでこの鳥の食物選択について、これまで
何の証拠もなかった。ここに私達は九仏堂層産出のConfuciusornis sanctus 標本の消化器
系に保存された魚の残存物を記載する。この発見は、これまで義県層から産出した全ての記
載された孔子鳥科鳥類より、約500万年新しい。Confuciusornis の食性で、どの程度魚が一
般的なのか、わからないが、この発見は、Confuciusornis が植物や種子を食していたという、
これまでの仮説を支持しない。
これまでConfuciusornis sanctus の良質の標本は四合屯の義県層から数多く発見されていま
す。しかし、その食性については何の直接証拠を示すものはありませんでした。歯のないくちば
しから、植物食かその種子食と思われていましたが、魚食は予想されていませんでした。
IVPP V13313標本は、遼寧省朝陽、太平房の九仏堂層で採集されたものです。その年代はア
ルゴン同位体の測定により120.3±0.7百万年とされ、アプティアン期、これまで義県層で採集さ
れた他の全てのConfuciusornis より5百万年新しいものとなり、これまで発見された同科鳥類で
最も新しいものとなっています。
その標本の第7から第9頚椎の腹側に、魚の7から9個の脊椎骨と数本の肋骨が見えています。
この魚の骨は、原始的な硬骨魚類Jinanichthys (Lycoptera に良く似た魚で、主に九仏層から
産出する。体長約9cm)と一応分類されています。標本中に保存された位置から、この鳥の死亡
時に消化器系の中にあったことが示唆されます。
議論では、これまでどのConfuciusornis からも植物食を容易にする胃石が報告されていないこ
とや、歯がないことが現生鳥類のカラスのように雑食を否定するものでないことを挙げ、飛行して
地上や水面の獲物を捕らえたかもしれないというElzanowski(2002)の結論に賛成するとしていま
す。