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遼寧省西部義県層から産出したドロマエオサウルス科新種 5.28.06
 2004年の記載ですが、最近論文を入手しましたので紹介します。
 遼西義県組奔竜類化石一新種
 A new species of dromaeosauridsfrom the Yixian Formation of Western Liaoning
 劉金遠、姫書安、唐烽、高春玲
 地質通報第23巻8期 pp.778-783

 アブストラクトほにゃ訳
  遼寧西部義県頭台の義県層から1件のドロマエオサウルス科化石標本が発見された。それには多くの
 シノルニトサウルス属の特徴が現れていた、例えば眼窩前窩の前外側面にある装飾性凹孔、前上顎骨歯
 にはセレーションがない、歯骨の後縁は二分岐している、手の第3指第1指節は、第2指第2指節の2倍を
 わずかに上回る、及び部分的にアークトメタタルサル状である第3中足骨。しかし、その頭骨の部分骨
 格は、S.millenii と明確に区別できる;(1)前上顎骨の主体部分がより高い、その長さはその高さより
 僅かに長いだけ;(2)前上顎骨の前縁は直立している;(3)前上顎骨の上顎突起は非常に長い;(4)上顎
 骨は外鼻孔から離れ、その構成に預かっていない;(5)下顎窓は円形で比較的小さい;(6)方形頬骨の上
 向突起は頬骨突起より著しく長い;(7)歯骨の長さ対高さの比は明瞭に小さい;(8)腸骨の恥骨脚は寛骨
 臼より前後方向により狭い等。これらの相違により、頭台産の本標本がSinornithosaurus の新種である
 ことが明らかになり、S.haoiana sp. nov.(郝氏中国鳥竜)と命名される。

 Maniraptora
  Dromaeosauridae
   Sinornithosaurus Xu, Wang et Wu, 1999
    Sinornithosaurus haoiana sp. nov.
 種小名は遼寧省西部の地層古生物学に重要な貢献をした中国の著名な古生物学者、故、郝诒纯教授(女性)
 に献名。(写真)

 分類基準:アブストラクトに同じですが(1)の長さ/高さの比はS.haoiana が1.18に対しS.millenii
 2.86。(7)についてS.haoiana が7.3に対しS.millenii は13と記しています。
 
 体長については具体的な数字としては出てこないのですが、例えば前肢総長約384mm、後肢全長約450~
 470mmと書いてあります。

 参考:大連新聞網