遼寧省白亜紀前期九仏堂層産出のアヴィアラエ類 5.28.06
遼西早白亜世九仏堂組一新的初鳥類
高春玲、劉金遠
世界地質Vol.24 No.4 pp.313-318 2005年12月
遼寧省聯合郷回家子南山の九仏堂層(白亜紀前期)から産出したアヴィアラエ類新属新種を記載
しています。
アブストラクトほにゃ訳
遼寧省朝陽盆地聯合郷回家子南山白亜紀前九仏堂層から産出した一つの新しいアヴィアラエ類化
石を記載した。その頭骨と下顎近前部に1個の稜がある;前肢は後肢に比べ短く前後肢長比は0.82
;中手骨は癒合していない;後肢第一趾は反転し、他の3趾と対握する;尾椎は23個より少ない等の
特徴があり、他の知られるどのアヴィアラエ類とも区別できるので、一新属新種を命名し、粗頜大連
鳥(Dalianraptor cuhe gen. et sp. nov.)と命名する。
Maniraptora
Avialae
Dalianraptor cuhe gen. et sp. nov.(粗頜大連鳥)
属名は標本収蔵地である大連自然博物館から+raptor(ここでは鳥としています。猛禽類をそう
いいますね。)
種小名は、"cuhe"粗頜(幅広いあご)の音。そのあごから。
標本:頭から尾の先までほぼ完全な骨格。尾末端には羽毛の跡が残っています。頭から尾末端まで
625mm。うち包括尾羽長8mm。大連自然史博物館標本番号D2139。
分類基準:比較的小型のアヴィアラエ類化石。下顎前端は上顎より短い。下顎前端腹側に1個の稜
がある;上腕骨三角胸筋稜は発達している;中手骨は癒合していない;後足は繊細で第一趾は反転
し、他の3指と対握する;前肢は後肢より短く、前後肢長比は0.82、尾椎は20個より少ない。
Dalianraptor とSinosauropoteryxからMicroraptor にいたる羽毛恐竜を比較すると骨格の差異は大き
いが、Shenzhouraptor(神州鳥)と比較すると、おおよその形態は類似している。両者とも上下の顎に
歯は無い、上腕骨三角胸筋稜は発達している、尾は比較的長く尾椎は細い棒状。かつ2者に明確な
区別がある。Dalianraptor の下顎前端腹側に1個の稜があり、上腕骨三角胸筋稜はShenzhouraptor
より発達している、前後肢長比は0.82、後足は繊細で第一趾は反転、尾椎数は20個以下。一方、
Shenzhouraptor の下顎に稜はなく、前肢は後肢より長く前後肢長比は1.27、後足第一趾は反転しな
い、尾椎数は25個以上の違いがある。Dalianraptor とJinfengopteryx elegans(華美金鳳鳥)では、
Jinfengopteryx の前後肢長比は0.62、上下顎に歯がある点が異なるとしています。
遼寧西部及びその周辺で既に発見された、Shenzhouraptor、Jinfengopteryx、Jixiangornis(吉祥鳥)
3種を長尾的アヴィアラエ類とし、その中で、Dalianraptor はJinfengopteryx と Shenzhouraptor 間の
過渡的類型であるとしています。