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ジュラ紀中期マダガスカル産の捕食性主竜類 4.02.06
 A new large predatory archosaur from the Middle Jurassic (Bathonian) of Madagascar
 Simone Maganuco, Cristiano Dal Sasso & Giovanni Pasini
 Atti Soc. it. Sci. nat. Museo civ. Stor. nat. Milano, 147 (I): 19-51, Gennaio 2006

 マダガスカル北西部、マハジャンガ盆地のジュラ紀中期地層から産出した、主竜類の断片的
 な右上顎骨を記載しています。上顎骨にある未萌芽歯と7本の関連する歯もあります。
 系統的位置づけはこれだけでは確立できないものの(獣脚類とワニ類の可能性)、その特異な
 特徴から、新分類群として命名記載されています。
 その歯のエナメル質の状況及び上顎骨の形態から、この動物はしばしば獲物の骨を噛み砕い
 たことが強く示唆されるそうです。

 Archosauria
 Razanandrongobe sakalavae, gen. et sp. nov.
 属名はマダガスカル語"Razana-"祖先、"-androngo-"トカゲ、"-be"大型の
 種小名はマハジャンガ地方に居住するSakalava族の名から
 完模式標本:MSNM V5770 未萌芽歯がある断片的な右上顎骨(ミラノ自然史博物館)
 産地と年代:マダガスカル、マハジャンガ盆地、Isalo IIIb subunit Ambondromamyの未詳丘
       ジュラ紀中期(Bathonian), 167.7-164.7百万年前
 主な特徴:著しい上顎内側shelfがある深い頑丈な上顎骨をもつ大型捕食性主竜類。槽生歯が
 生えている、歯槽列は矢状面でほぼ直列。保存された歯槽は腹側観で四角形に近い;著しい稜条
 及び溝が少し伸び、歯間板の背側面まである表面組織をもつ、癒合した歯間板;異歯性歯列;
 切歯形頬側歯、断面はU型;頑丈な外側歯、断面は楕円形に近い;最小の外側歯断面は球形;
 全ての歯の両切縁に鋸歯があるが非常に大きい(0.8-1.4/mm)。