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モンゴル国ドルノゴビ県産の長い頸をもった竜脚類、Erketu ellisoni 3.22.06
 Erketu ellisoni, a Long-Necked Sauropod from BorGuvé
 (Dornogov Aimag, Mongolia)
 DANIEL T. KSEPKA AND MARK A. NORELL
 Novitates No.3508 March 16, 2006 論文

  アメリカ自然史博物館が2002年にモンゴル科学協会とゴビで行った発掘により
 発見された竜脚類を記載しています。発掘地はモンゴル南東部、ドルノゴビ県の
 新しいサイト、BorGuvéです。年代は白亜紀前期の後期(late Early Cretaceous)
 放射性年代測定ができる材料がないので、厳密な年代は出ていません。
 この産地は氾濫原だったようで、主に灰色のシルト岩と流路堆積砂が互層してい
 るそうです。

 TITANOSAURIFORMES(ティタノサウルス形類とここではしておきます)
 SOMPHOSPONDYLI
 Erketu ellisoni 新分類群 としています。
 属名Erketuはモンゴルのシャーマニズムの神(天)。シャーマニズムの伝統では、
 99の諸天があり、Erketu神は力の神であり、ジンギスカンの父であるイェスゲイ
 を生じさせた創造神だそうです。種小名ellisoniは同博物館古生物学研究部のシ
 ニア・アーティストMichael(Mick) Ellisonに献名。
 完模式標本:IGM 100/1803 第一から第五頚椎を含む関節した頚椎骨、第六頚椎
 骨の一部、右胸骨板、関節した右脛骨・腓骨・距骨及び踵骨。
 
 この恐竜の特徴はまず頚部が非常に長いということです。身体の割りでは最長と
 のことで、体長の1/3は肩から前ということです。頚椎骨それぞれが長いのですが
 その中には広範囲に含気化していること、また神経棘が低いV字形になっていて、
 おそらくその中を靭帯が通っていたのでしょう。つり橋のロープの役ですね。
 そのほか、三日月形の胸骨板などがあげられています。
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